結婚式には神社、教会、人前(披露宴会場で)などありますが、最近は教会で挙げる場合が多いと思います。神社での結婚式には、家族、親戚等の一部の親族しか入れない場合が一般的です。ここでは教会での結婚式について、写真撮影の方法を説明します。教会式は本来の(??)教会とホテルや式場のチャペルを使用する場合とあります。極端な違いはありませんが、いずれにせよ、撮影制限があります。制限事項は式場、教会によって様々ですが、挙式前に写真撮影に関する説明があるので必ず聞いておいて下さい。チャペル内での撮影ではフラッシュ撮影が禁止される場合が多いので、F1.4やF1.8といった明るいレンズが非常に有効です。
一切の撮影が禁止の場合
宗教的理由、本人達の希望、営業的理由など理由は様々ですが、挙式本番中は完全に禁止する場合もあります。このようなときでも、リハーサル時に撮影可能であったり、挙式終了後に撮影時間を設けてくれる場合があります。リハーサル時に撮影する場合は、時間を確認しておいて下さい。結婚式場付属のチャペルなどでも、最近では(営業上の理由から)この例が多くなっています。
フラッシュ撮影禁止の場合
フラッシュを使用しない撮影なら比較的自由にできる場合もあります。カメラによっては、プログラムモードにしておくと勝手にフラッシュがポップアップし、発光してしまう場合があります。事前にフラッシュを強制的にOFFにしておくか、マニュアルモードでの撮影をおすすめします。ただし、このように自由に撮影できる場合でも、祈祷時など神聖な時は、歩いたり、撮影したりすることは一般的に禁止されています。また、普通は祭壇等の神聖な場所への立ち入りは禁止となっています。
教会での結婚式ではありませんが、2000年12月31日から20001年1月1日にかけて、札幌時計台で行われたミレニアムウエディング2001(撮影:K.Takitaさん)の様子をご紹介いたします。ここで教会における結婚式の雰囲気を知ることができます(こちらに詳細な撮影報告を頂きましたので是非ご覧下さい)。
ここでは、一般的な結婚式式次第にしたがって、写真撮影方法をご紹介します。なお結婚式では、披露宴の時ほどは自由に撮影できません。撮影制限事項については式場や教会によって異なります。式場や教会に直接、あるいは新郎新婦を通じて事前に撮影制限事項を確認しておきます。挙式本番での撮影が可能でも、リハーサルで挙式の様子を見ておくと、式の流れや位置関係を把握できます。
結婚式本番前に、チャペル外観、そして礼拝堂内の風景写真も撮影しておきます。特に礼拝堂内では、窓からのさし込む光線を利用したり、ステンドグラスの色を利用して雰囲気のある「作品を撮る」よう心がけて撮影すると良いでしょう(腕の見せ所です^^)。
パイプオルガンでの結婚行進曲演奏のもと、新婦と父親が入場してきます(新郎新婦での入場の場合もあります)。新婦と父親の姿、一人待つ新郎の姿、そして礼拝堂内の参列者の様子(全体と両親)を撮影します。このとき、式場中央の新婦と父親が歩くところ(バージンロードと呼ばれているところです)には立ち入らないようにして下さい。祭壇に向かって左側が新婦側、右側が新郎側の親族・友人となります。新婦が左側、父親が右側で入場してきますので、新婦側から撮影できるように心がけると良いでしょう(とにかく新婦が影に入らないように!)。入場の時から結婚宣言のときまで、新婦はベールをかぶっています。新婦の表情をアップで撮影したいときはAFでベール自体にピントがあってしまわないよう気を付けて下さい。こった演出を行う教会では、リングベアラーとフラワーガール(指輪持ちとロードに花をまく子供達のことです)に先導されての入場も有るようですが、筆者はまだお目にかかったことはありません。祭壇の前で、キャンドルが父親から新郎へと引き継がれ、新郎新婦は神父の前に立ちます。この引継の様子も撮影しておきます。この後、賛美歌312番を歌います。賛美歌の後、神父が聖書のコリント前書13章を朗読します。この朗読のとき、そして後の説教のときは比較的時間があります。この時間を利用して、新郎新婦の後ろ姿や、式場内の参列者の様子なども撮影しておきましょう。
誓約とは、神父の問いかけに対して、新郎新婦が誓いをするときです。もし、近くによって撮影できるのであれば、後で写真を見たときに何を撮影したのかわかるように、顔の表情を撮るようにした方がよいでしょう。
誓約の後、新郎から新婦へ、新婦から新郎への指輪の交換があります。お互いに指輪をはめているときの写真はもちろんですが、神父が「新郎から新婦へ」と言って指輪を掲げたときの写真も撮影しておきましょう。また、遠くからの撮影では、後から見て何をしている写真なのかわからないとこともあります。可能であれば近くで前方から撮影するようにしましょう。
祈祷は神聖なものですから、このときは撮影したり歩いたりする事が禁止されている場合があります。
結婚誓約書に署名している姿を撮影します。このときも、後ろ姿の撮影だけでは、何をしているところかわかりません。近くで撮影可能なら、署名している様子がわかるように前方などから、撮影します。
神父が新郎新婦の結婚を宣言し、新郎は新婦のベールをあげ口づけをします。ベールをあげる瞬間、そして、口づけの様子を撮影します。この後、賛美歌430番を歌います。
祝祷の時も祈祷の時と同様に、撮影などが禁止されている場合もあります。
パイプオルガンの演奏で、新郎新婦が退場して行きます。式場出口の方から、出席者も入れたカットと二人だけのカットを数枚撮影しておきましょう。挙式本番中の撮影が一切禁止の場合、この後に新郎新婦が再度式場内に戻ってきて写真撮影の時間を設けてくれる場合があります。この場合は比較的自由に撮影できますから、新郎新婦とコミュニケーションをとりながら撮影しましょう。
挙式終了後は、新郎新婦を参列者がフラワーシャワー等で祝福するのが一般的です。このときは撮影制限はありませんので、自由に撮れます。新郎新婦も緊張感が取れ、もっとも良い表情が見られるときですから、撮影場所をあらかじめ確認しておいて、残りフィルム枚数を十分に確保した上で存分に撮って下さい。このとき、フラワーシャワーのタイミングを考慮して撮影します。特に、一眼レフカメラのタイムラグを考慮し、花びらが新郎新婦の顔に重ならないようにして下さい。また付き人が顔やドレスに付いた花びらを払うことがあります。このきの撮影は避けるようにしましょう。
以上、一般的な結婚式式次第にしたがって、写真撮影方法をご紹介してきました。筆者は、結婚式での撮影経験は披露宴ほど多くはありませんので、ここでは、撮影方法についてあまりアドバイスをできません。しかし、撮影前にここを読んでいただけると、たとえ教会での結婚式に参列したことがなくても、結婚式の様子がわかっていただけると思います。