ツールドニッポン2002実戦編

 

5月2日 磐梯〜清見(569.40km)

P5120010.JPG (100197 バイト)

エマージェンシー地図より

(クリックすると大きく表示されます)

 

ラリーの朝は早い。

というか、あまりに寒くて、ほとんど眠れず終い。

気温は、氷点下まで下がったという。どうりで、寒いはずだ。

朝のブリーフィングで、1つしかないSSがキャンセルされることが告げられた。

残雪の影響らしい。

という訳で、今日は、オールリエゾンのロングツーリングとなる。

スマートのエコチャレンジと同じルートである。

スタート時刻も1時間遅くなり、7時スタートである。

なんだか、一気に気が緩んでしまった。

 

・・・今更だけれど、スマートエコチャレンジとは、

ダイムラークライスラーの小型車スマートを使った少燃費レース。

SS以外は、バイクとほぼ同じルートをたどり、佐多岬を目指すというもの。

エコチャレンジには、今は無きアウトライダーでお馴染みの面々が、

多数参加している。石野さん、桜井さん、広瀬さん、小峰さん。

その他、平和橋自動車学校から、女性教官2名と、

北日本自動車工学専門学校から、校長先生他1名がエントリーしている・・・

 

昨日のSSで、順位は1つだけ挽回し、70番目のスタート。

スタートまで、時間があるので、五色沼を少しだけ散策してみる。

朝のさわやかな空気が心地よい。

水芭蕉も、姿を現し始めていた。

5色全部見たかったけれど、2色目を見たところで、時間切れ。

急いで、スタート地点まで戻って来る。

すぐに、呼び出しがあり、スタート待ちの列に並ぶ。

5日目ともなると、前後の顔ぶれも決まってくる。

目に見えない連帯感のようなものが、

エントラントの間に出来つつあるのを感じる。

そして、スタート。

§

国道459、115号で猪苗代湖へ向けて南下。

県道9号で、湖岸を行き、県道235号で峠に向かう。

72km過ぎ、ダートに入るが、あっという間に終わり。

コマ図の注釈にもあったが、舗装化が進んでいるようだった。

再び、舗装路へ。

国道118号で、西へ。会津西街道(121号)で南へ。

あらためて地図を見直してみると、見所がたくさんある。

ラリー中には気にも留めなかったが、

この辺りには、魅力的な温泉が多数あるようだ。

ああ、もったいない・・・

170km地点。田子倉湖に到着。

雪山と、静かな湖面が、美しい光景を形作っていた。

§

173km地点。CP手前に、エントラントが溜まっている。

CP早着を恐れての、時間調整だった。

CPまで3km。開設が11時からなので、あと30分はある。

みな思い思いに、余った時間を過ごしている。

11時まで、あと10分となった所で、移動が始まった。

CP1に到着。

田子倉ダムのパーキングに設置されたCPは、

チェック待ちのエントラントで、ごった返している。

チェック後、すぐに走り出す。あと400kmもあるのだ。

国道252で、西へと走り、千曲川沿いの117号へ。

ルート上の314.92km地点、CP2に到着。

ここでは、#73福園さん(鹿児島ビックオフのエース!)と同着。

昨年のラストTBIに続き、今回のTDNにも1100GSで参戦している猛者。

簡単に挨拶を交わし、すぐに走り出す。

§

豊田飯山ICから、長野自動車道に入る。

北アルプス連峰を前方に臨みながら、

松本ICまでの85kmを、一気に移動する。

今日は、とても暑い。

松本市街の電光掲示では、気温25℃と表示されていた。

プロテクター+ウィンタージャケットでは、走っている時はまだいいとして、

信号待ちのときなどは、うだるような暑さだ・・・

市街地を抜け、トンネルの多い山間部に入る。

4つ目のトンネルに入ると、トンネル内で分岐。

野麦峠へ向かう途中で、南に折れ、ダートへ向かう。

ダートの手前がCP3となっていた。

この先は、がけ崩れらしく、オフィシャルの指示に従うようにとのこと。

しばらく行くと、停車したバイクの群れが見える。

エントラントが溜まったところで、オフィシャルの説明が開始される。

「ここから先、崖崩れで道が狭くなっています。

場所によっては、バイク一台分の幅しかありません。

あ、BMWの方いらっしゃいますか?(手を上げる僕・・・)

岩がせり出している箇所がありますので、BMWの方は、

シリンダーを当てないように注意して下さい。

もし、当てるときは、やさしく当てて下さい(笑)・・・

ダートを抜けた後は(ルート変更について)・・・」

説明を聞いて、少しびびってしまった。

まあ、大丈夫だろう(?)

ガレガレのダートが始まる。

多少の崩れはあるが、大丈夫。

残雪が道をふさいでいる。

雪の上をキャンバー走行なんてしたら、即転倒なので、

ガードレールとのわずかな隙間をすり抜ける。まだ、大丈夫。

そして、問題のポイント。確かに、道幅は狭い。

これでは、せりだした岩がシリンダーに当るかも。

ゆっくりと進んで行く。岩は、シリンダーの下を通過した。

ふう・・・

10km(?)程の、ガレた林道は終わった。

こんな状態の林道、一人だったら絶対に行かない!

§

舗装路に戻ると、ルートはコマ図を外れ、国道361号で幾つかの峠を越える。

途中、#28田中さんに、昨日のビールのお返しをしようと、商店でビール購入。

県道87号(?)を行き、久々野付近で、国道41号に入る。

この辺りで、#29八尋さんと合流。

でも、お互いに現在地が分かっていない・・・

国道41号を南下していくと、多分ここだろうと言うコマ図上の分岐。

前を行く八尋さんは、真っ直ぐ行きそうな気配。

僕が右折のウィンカーを出しているのに気づき、同じルートを取る。

すぐに、分かりにくい分岐に遭遇する。

ここで、ルートが分かるという地元エントラントを信じ、彼と同じ道を選ぶ。

国道257を20kmほど行くと、今日のゴール地である道の駅パスカル清見に到着。

ゴール地点には、先ほどの地元エントラントのご両親が見えていた。

息子を労うような、また、誇らしく思う様な、ご両親の様子。

いいものを見せてもらい、心が温かくなった。

§

キャンプ地に落ち着き、先着のバカミーメンバーと再会。

「ビール買ってきましたよ!」

「やるなー!今日は買うタイミング逃しちゃったんだよね」

と、うれしそうな#28田中さん。

(でも、このビール、タイヤ交換に時間がかかりすぎて、

一緒に飲む事は無かったのでした。ごめんなさい、田中さん。)

テントを張り、早速タイヤ交換に取り掛かる。

 

まずは、リアから始め、余力があったらフロントも換えようと思う。

オフィシャルにIDカードを提示し、リアタイヤ(T63)をもらう。

練習通り、タイヤを外し、ビードを落としていく。

タイヤとチューブを取り外して、新しいタイヤをリムに装着。

ここまでは、鼻歌物の作業。

でも、再びチューブを装着するときに、口金がうまく入らなくて

作業は、いきなり難航する。

隣で作業していた、#49三川さんが、見兼ねてアドバイスをくれる。

その方法とは・・・

リムの口金を入れる穴の明いたところだけ、タイヤのビードを入れ、

タイヤレバー2本で、タイヤを押し下げる。

そうすると、外からでも、リムの穴が見えるようになるので、

そこにチューブの口金を入れる。

その後、さっき入れたビードを再び出して、

あとは、通常の手順どおり、ビードを入れていくのだ。

目から、うろこの見事な方法。

ありがとうございました、三川さん。

「呼び戻し持ってない?」と聞きに来た#29八尋さんにも、

今の方法を、教えてあげました。

余力があるので、フロントも交換することに。

でも、やっぱりフロントは苦手。

恐々とビードを出していく。

ここで、様子を見に来てくれた#28田中さんが、

見兼ねて手を貸してくれ、取っ掛かりのビードを出して貰う。

なんだか、他力本願だ。

タイヤとチューブを装着し、ビードを入れていく。

ビードの最後、厳しい所で手間取っている所に、#45鵜澤さんが登場。

ビードの最後を入れてもらう。やはり、他力本願だ。

空気を、入れようとコンプレッサーの所へ。

ところが、コンプレッサーの口金の調子が悪く、空気が入らないらしい。

チューブレスタイヤのエントラント達が、困り果てている。

みな次々と試すが、全然ダメ。

仕方なく、ハンドポンプで空気を入れ、ようやく完了。

この時点で、時刻は23時。思いのほか、時間が掛かってしまった。

#45鵜澤さんと、遅い夕食をとる。今日は、弁当だった。

ICOトラブルのせいで、鵜澤さんは、疲れた様子。

その後、静まり返ったテントサイトで、明日のマップを巻く。

巻いている途中で、眠りに落ちそうになる。

巻き終わると、着の身着のままで、寝入ってしまった・・・

 

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