GGG諜報部所属のAIロボット・ボルフォッグに装備された特殊装備。特定波長の振動を発振して機界文明の機動兵器が有するゾンダーバリアを分解、無効化することが出来る。機界文明の機動兵器を機能停止させるためには、クラッキングによるソフトウェア破壊はゾンダーメタルの免疫作用に似た強い自己防衛プログラムの存在のために有効性は殆ど認められず、また危険度が非常に高い。故に機界文明の機動兵器に対しては物理的打撃によるハードウェアの破壊と核の摘出、浄解が現在最も有効と考えられている。その第一段階として機界文明機動兵器がほぼ例外なく発振し続ける強固なる防壁、ゾンダーバリアの突破、無効化が必要とされる。戦闘機によるミサイル攻撃にも微動だにしないこの防壁を突破しない限り、機動兵器本体、そして核に対する物理的干渉は困難を極める。
GGGがこれに対し当初執った方法は強力な物理的打撃による力場破壊であった。ゾンダーバリアとは空間湾曲技術の応用によって、一種のレプリションフィールドを展開し、レプリションフィールドと通常空間の反発力を利用して強力な力場(ポテンシャルカスケード)を形成するというものである。これはその力場に対し、より強力な物理的打撃を加えることで力場を突破することが出来る。ガオガイガーはブロウクンマグナムによってこれをなしえたわけだ。だが、この方法は力場と打撃の衝突によって多大なエネルギィコストを要する。バリアを突破したブロウクンマグナムはそれでも強力な破壊力を有しているが、それでもその威力は大きく低減されてしまう。またバリアに衝突している間の右腕を失ったガオガイガーの機能低下、より強力な力場に対しては一切歯が立たないであろうことを考慮するならば、この方法は大きなリスクを孕んでいる。よってより確実にゾンダーバリアを無効化し、より効果的な打撃を機界文明機動兵器に加えるためには、また違った方法が要求される。
GGGが注目したのは機界文明とのファーストコンタクトの記録である。スピリッツ号のカメラが捉えたギャレオンとEI−01との戦闘において、ギャレオンはEI−01が有する強力なバリアをメルティングウェーブの発振によって無効化し、EI−01の動力部に打撃を加えることに成功している。GGGはギャレオンのブラックボックスから得たオーバーテクノロジーと、2005年の再起動によって得られた戦闘データを基に、この機能を解析。これをほぼ完全に複製することに成功した。その詳細は不明であるが、恐らくGパワーの振動によってゾンダーバリアを形成するレプリションフィールドを崩壊させているのだと思われる。このシステムの詳細はGGG長官によってAAAクラスの機密に指定されている。これは機界文明に対して有効な戦術をGGGが独占することによって、対機界文明戦におけるGGGのアドバンテージを確保するための措置であるというのが定説である。
完成したバリア分解システム「メルティングサイレン」は、一時はガオガイガーが使用するツールとして開発することも考慮されたが、最終的には諜報部所属のボルフォッグに搭載することでツールの投棄→攻撃というステップを省略することとなった。ボルフォッグはビークル形態、ビークルロボ形態、加えてビッグボルフォッグ形態という三つの形態をとることが出来るが、彼はこの全ての形態でメルティングサイレンを使用することが出来、対機界文明戦において、優れた戦闘補助能力を獲得したことになる。
また特殊音波を発振することで強力な電波妨害下においても、ボルフォッグのサポートマシンであるガンマシンを誘導、指揮することができる。