緊急停止コード

   GGG機動部隊をはじめとするGストーン搭載型AIロボットはGストーンから抽出するエネルギィによって現行のいかなる兵器をも凌駕する性能を持ち得る。打撃力、機動力、防御力、汎用性などを総合的に評価するならば、彼等の軍事的能力はポスト核兵器たり得るほど強大なものといえるだろう。現存するGストーン搭載型AIロボットをすべて結集させれば世界最強といわれるアメリカ軍とも互角に戦い得るのではないか、と推測する者もいる。無論これは空論にすぎないが、彼らの戦闘能力が人々に対しそのような危惧を抱かせるほどに強大であることは心に留めておかねばならないだろう。新生GGGが一大国際組織となった要因の一つは、日本一国にGストーンによる軍事力が集中していることに対するアジアを含む世界各国の危惧にあるのである。
   これらのGストーン搭載型AIロボットが万が一「暴走」し、人類に「造反」するような事態に陥った場合、彼等の軍事的能力を掣肘できる手段を人類は持たねばならない。数ある手段の一つが緊急停止コードである。これは特殊な信号を光通信によって特定のAIロボットに送信し、そのAI機能を一時停止させることができる。AIロボットごとにその信号は異なり、これはGGGおよび国連内部でも最重要機密のうちの一つである。
   実際に使用された例は、光竜が奪取された直後の闇竜に対するものが現在のところ唯一である。 
 なお、JアークをはじめとしたJジュエルによって稼動する機動兵器群にも同様の機能が設けられており、こちらの場合、その製造者であるアベルアルマにコード使用の権限が与えられている。