クラッシャーコネクト

 グラヴィティショックウェーブジェネレイティングディビジョンツールゴルディオンクラッシャーは、Zマスター級の敵性体を殲滅するためにのみその発動を許される、究極の決戦ツールである。しかし、ツクヨミヒルメタケハヤがドッキングして完成する全長1km、総重量約38万tに及ぶこの巨大ツールを使用できる者は、地球最強のファイティングメカノイドガオファイガー以外にはありえない。そのガオファイガーが、ゴルディオンクラッシャーとツールコネクトする事を、特に「クラッシャーコネクト」と呼ぶのである。
 クラッシャーコネクトとこれまでのツールコネクトとの相違点は、コネクトするツールのその巨大さもさることながら、ゴルディオンハンマーおよびマーグハンド装備仕様のガオファイガーがそのままゴルディオンクラッシャーにコネクトする点にある。というのも原理的にゴルディオンハンマーと同一であるゴルディオンクラッシャーが放つ重力衝撃波はその対象を惑星規模の敵性体以外に想定していない。つまり極めて広範囲に展開される重力衝撃波の周辺への影響被害を最大限に抑制し、かつ最大効果をもたらすようコントロールするためには、これまでガオガイガーと共に、幾度も地球外知性体を光子に変換してきたゴルディーマーグ超AIの働きが必要不可欠となるからである。よってまず、ガオファイガーがゴルディオンハンマーおよびマーグハンドを装備し、この状態で更にゴルディオンクラッシャーにコネクトする事で、ゴルディーマーグの超AIがゴルディオンクラッシャーの主制御系を掌握し、然る後ゴルディオンクラッシャーが展開されるという手順を踏む事になる。
 しかしパスキューマシン争奪戦において、レプリジンスターガオガイガーとの戦闘でゴルディーマーグおよびゴルディオンハンマーは大破し(ちなみにこの時爆砕したゴルディオンハンマーから重力衝撃波が、ディバイディングフィールドさえ展開されていない市街地で放出される危険もあったのだが、ゴルディーマーグは自ら打ち砕かれながらも、それを防ぐために最後まで衝撃波の制御に全身全霊を傾けていたため、最悪の事態は免れた。彼のその勇気と胆力には驚嘆すべきものがある)、その直後GGGは国連事務総長より地球圏追放処分を受けるに至り、ゴルディーマーグはその機体を修復する事もままならないまま、三重連太陽系へと赴く事になる。だがソール11遊星種暗黒物質の流出という前代未聞の方法で、宇宙全域を消滅の危機に陥れている、かつてない強大な存在である。GGG長官に復帰した大河幸太郎は、その危機に鑑み、最終的にはゴルディオンクラッシャーの使用がありうると判断。しかしゴルディーマーグの修復を待つ時間的余裕が見出せなかったため、ゴルディオンクラッシャーのコネクトユニットの改修を指令する。これによりゴルディオンクラッシャーはコネクトユニットにゴルディーマーグの超AIを一体化させ、ゴルディオンクラッシャー起動と同時に運用へと移行できるよう改造されたのである。ただし、機体保護ツールであるマーグハンドも失われているため、コネクトユニットは大型化され、シールドを兼ねるようになっている。
 それでもその使用はあくまでガオファイガーによるものという想定は、当然の事だが外されていなかった。
 だが、実際にその使用にあたったのは三重連太陽系に遺されていた完成勇者王ジェネシックガオガイガーであった。ガオファイガーよりも一回り大きく、かつ接続形式も異なる異星文明のメカノイドに、果たして純地球製のハイパーツールが使用できるのか?しかし、その懸念もGストーンを取り込み超進化人類となったエヴォリュダー・ガイの存在が解決の鍵となった。エヴォリュダーは生機融合体であり、機械との高い親和性を有し、自身の体を流れる電気信号を自在に制御できる。神経系統を直接ゴルディオンクラッシャーに接続すれば、充分ゴルディオンクラッシャーの使用に耐える事ができた。
 かくして、勝利の条件は整えられたのである。