あとがき
 2022年の秋から2023年の春にかけて例年になく多くのノスリ属の野鳥を観察しました.2022年におよそ1万1千種の野鳥のガイドブックが揃いましたので,これまで撮影したノスリ属の種,亜種の識別を試みました.
 結果,これまでノスリButeo japonicus japonicusと判断していたものがステップノスリB. buteo vulpinusまたはヒマラヤノスリB. refectusだったり, オオノスリB. hemilasiusとしていたものがニシオオノスリに変わりました.
 ノスリ属には26種が記録されています(表1).これら種の亜種を含めると64の種,亜種に名前が付けられています.揃えたガイドブックは26の種に対する記述はあるのですが,すべての亜種についての記述はありません. さらにノスリ属の場合,羽衣の変異が多く,例えば亜種がいないオオノスリでも暗色,淡色の異なる羽衣のタイプがいます.従って,種の識別は大きさ,形態が主で羽衣による判断は従としています. また,文献に記載のない亜種については種のレベルまでしか特定できていません.
 ノスリ属だけではないのですが「野鳥散歩」で記載している識別の結果は鳥学会の鳥類目録と多々違っています.これは,識別の判断に使った参考文献の違いによるものと思われます.2023年現在識別に使っている文献は80で ノスリ属の識別に使用した文献はそのうちの14です.

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目次, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 参考文献

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