入室者660000人突破記念特別企画
驚異と当然の「読者の声」
犀川&萌絵シリーズへのメッセージ

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ピエロうさぎさん (神戸、18歳)

 言葉が積み重なって、文章となり、文章が積み重なって、物語りを産む。至って簡単な仕組み。その仕組みが私を揺り動かした。
 天才達に囲まれ、じたばたとあえいでいる自分が発見できて、とても新鮮だった。高い壁を力強く叩いているような感覚があった。
 私の思考を遙かに超えた思考。
 物の見方を少し斜めから見るだけで、全く違う物質に見えてしまうように、一連の作品たちはどんな読み方もできてしまう。
 時には恋愛小説であり、哲学小説であり、そしてミステリ小説であり…と。一つの言葉で括ってしまう事が全くできない。むしろそれを否定している。
 犀川のような人間になりたいものだ…とは思うものの、犀川になってしまっては何の意味もない。自分を消して犀川になってしまうのは、単なる模倣でしかない。
 「すべて理解する必要はありません」とは真賀田女史の言葉。
 実はその通りなのかもしれない。すべて理解した後には何が残るのだろう。虚しさだろうか。それとも喜びだろうか。
 そこまでの境地に行けない。
 そんな自分がはじめて愛おしく思えた気がする。このシリーズに出会えて良かったと思う。
 はじめてありのままの自分を認める事が出来たのだから。
 理解できない思考を理解しようとするその思考が重要なのだと思う。
 このシリーズを世に出して下さった森先生に改めて感謝である。

「ちょっと思ったこと」
ゆきさん (東京都、19歳)

 私は小説や映画などの登場人物に対して、過剰にのめり込むこと、それをする人が嫌いです。「○○と××は結婚するだろう」とか「これからも仲良くやっていくだろう」とか。これは犀川・萌絵シリーズでも同じこと。このシリーズがそういうことをしたくなるほど素晴らしい物だということは120パーセント認めます。でもやっぱり気分が悪いのです。作品はあくまで森先生の頭のなかに描かれた世界であって、現実のものではありません。それ以上でもそれ以下でもない、ただひたすらそこにあるだけのものなのではないでしょうか。(言葉で上手く表現できないのが悔しいです)
 …こんなことを書きつつ、実はそういうことが出来る人が羨ましいのかもしれません。私は残念ながら文章を読み、何かを感じ取る能力が低い人間です。犀川・萌絵シリーズを読んだ感想を求められても、「面白かった」としか言えないのです。しかもそれは、いわば凡人向けの面白さで、森ミステリィの真の面白さではありません。森ミステリィ関連のHPを見ていると、それをひしひしと感じます。(ああ、でもそれはそれでいいのかもしれない。「真の面白さ」が解らなくたって、私が楽しめればそれでいいのではないか?そもそも「真の面白さ」なんて無いのかもしれないし…。よくわからなくなってきた。結局は「よく、わからなかった」なんだ)

 こんな一読者のまとまりのない独り言を聞いてもらえるなんて、なんて画期的な企画なんでしょう。
 最後に。犀川・萌絵シリーズは今まで読んできたミステリィのなかでも最高のものでした。でも登場人物達(とくに萌絵)と自分との、あまりの月とスッポンぶりに少々いやになりつつあったので個人的にはちょうどいいかな、とも思ったりしています。(あっ、萌絵に嫉妬してるってことは私も低レベルとはいえ登場人物にのめり込んでいるのですね)
 とにかく次の作品が出るのを首を長くして待っています。読んでくださってありがとうございました。

「10巻で完結なのでしょうか?もう喜多先生なの??」
今西美紀子さん (川崎市、23歳)

 犀川先生と萌絵ちゃんシリーズは、慣れないキーボードをたたいてデジタル世界で働く中で、楽しい逃避の世界でした♪
 だってお仕事中に、理系の男がかっこよく感じるんですから。

「○○君って、私のことどう思ってる?」
「…」
「じゃあ2進数だと?」
「ゼロ」(即答)
 なんていう理屈っぽい同僚の「キカイダー」院卒数学科専攻25歳との会話(実話。いいもん。)も、犀川先生だったら、怒らないのにな。

「F」から「パン」そして再び「F」へ
颯生田鏡子さん (熊本県、38歳)

 終わってしまいましたね。
 理由はわからないけど、なんだか涙が出そうになりました。
 「封印再度(who inside)」のタイトルに惹かれ、「F」から読み始めようと思い、真にパソコン音痴の私がわからないなりに、森worldにどっぷりと浸り、今では毎日こうしてHPを訪れ、メールを送ることになるなんて。

 犀川先生って、私の脳細胞の中では完全に石灰化して使われていない部分で思考している人だと思っていました。でも今、それは違うような気がしています。本来、自分の思考のド真ん中で、ごくシンプルに考え続けること。それが、森先生の一部である犀川先生の思考のような気がします。

 終わってしまうのは淋しいと思っていたけれど、これしかなかったのでは?と思える終わり方だったし、犀川先生も「ええ、また・・・」と言っていたことだし・・・ホントにまたどこかで。

 次に出会えるキャラクターたちにも、きっと私はぐいぐい惹かれていくんだろうな。
 けど、とりあえず「F」からもう一度読み返そうっと。

 P.S それにしても、どうやったら森先生の新刊を早く手に入れることができるのでしょう?「パン」は、東京の友人に送ってもらいました。発売時、熊本市内の書店には並ぶようですが、タイミングを逃すと次の入荷まで、けっこう時間がかかります。何かいい方法はないのでしょうか。文庫は少しはマシかもしれないけど。読む前に、本を手に入れるための労力が大きすぎるよ。

「理系人間からひとこと」
佐藤圭吾さん (新潟県、26歳)

 まずは、犀川&萌絵シリーズ完結おめでとうございます。そして、森先生ごめんなさい。私がミステリーを選ぶときは、まず著者の経歴を読みます。(理由は特にない)

森 博嗣(もり・ひろし)

1957年愛知県生まれ。
現在、国立某大学の工学部助教授。

 すべての犀川&萌絵シリーズではこう記されています。私はこの部分を読んで...。
「昔のパンキョウの助教授が暇つぶしに書いたやつか?」
「小説なんて書いてないで、研究しろよー!」

 すいません...れっきとした、工学博士だったなんて...。(ここまでは、カットしていただいて結構です)

 ああ、ついに終わってしまうのか..というのが素直な感想です。このミステリーを読んでいらっしゃる方の中には、まさしく犀川な方もいるかと思います。私も、分野は異なりますが、この間まで「浜中君」をやっておりまたので、ミステリー以外の部分も非常に楽しく読まさせていただきました。(と言っても、「パン」はまだ読破していません) 特に、私の通った大学には、まさに国枝桃子助手そのものといった講師の方がいて、「理系ってどこも同じなだ...。」と妙な親近感を持ってしまいました。ミステリーとして一冊上げるなら、「笑わない数学者」 ラブストーリーとしては、「幻惑の死と使途」 ノンフィクションは「冷たい・・・」でしょうか? 「封印再度」はすべての要素がうまく入っていて一番バランスが良い! まあ、ある意味で萌絵が人間らしくなったかな?とおもった作品です。

 森作品の魅力は、おなじ理系人間のせいかも知れませんが言葉使いが素直に自分の中にはいってくる所かなと思います。しかし、森先生の真髄は、「まどろみ消失」に隠されている部分だとも思います。願わくば、犀川&萌絵の純粋ラブストーリを読んでみたい気もするのですが...犀川先生がOKしないでしょうね。

(エヴァのときのようにファンの誰かが、書くんでしょうけど)

これからも、面白い作品を期待しています。(実は、知り合いが名古屋大学の工学部にいます...。)

「そしてすべてがFにつながる」
彩子さん (大阪府、30歳)

 シリーズ完結、おめでとうございます。そしてお疲れ様でした。

 「すべてがFになる」冒頭の、萌絵と四季博士の会話を読んだ瞬間、森ワールドにはまってしまった私にとって、「有限と微小のパン」での四季博士の再登場は、本当にうれしいものでした。

 もしかして、このシリーズの本当の主役は犀川先生と四季博士だったんでしょうか?

 四季博士の登場によって、「有限と微小のパン」が「F」へとつながり、きれいな円を描いて完結したという感があります。このシリーズは大好きなので、本当はもっともっと読みたいのですが、こんな美しい終わり方なら、それもいいのではないかと思ったりします。

 今回、萌絵はちょっと可哀想な役回りでしたが、その分ちょっぴり大人になった萌絵に会えてうれしかったです。犀川先生と四季博士を相手にする、というのは萌絵にとっては少し大変かもしれませんが、これからどんどんステキな女性になりそうな予感がありますから、きっと大丈夫でしょうね。

 私は犀川先生びいきなので、誰にもとられたくないっていうのが本音なんですけど…!

 それでは、これからもがんばって下さいね。いつでも応援しています。

「世界は回るよ、いつまでも」
絵の具さん (東京都、21歳)

遊園地から出てきてしまった。そんな感じです。

楽しかったけど、寂しくなる。
いつまでも、ずっと遊んでいたかった。

その遊園地を思い出すと涙がでてきそうだ。

また来ることをいつでも静かに待ってくれてるだろう。


僕はまた行って、遊んじゃうのだ。

「貴方と」
成瀬りあさん (横浜市、20歳)

 私は真賀田四季が好きでした。Fで彼女と出逢ってから、ずっと彼女に再開できる日を待ち望んでいました。すべての終着点に彼女が立ち、犀川先生の永遠になってくれる事を(俗なことではなく)望んでいたのです。唯一人の人として、確かに彼女は存在している、と。

 そんな私だったので、最終巻のオビに、背表紙のあらすじに、人物表の頭に、これから始まるフィナーレの幕開けに、胸を高鳴らせたのは言うまでもありません。そして読了後の開放感は果てしなく境がなくなるように広がっていきました。

 私の中で、本当に大切なお話になりましたし、これはFが大前提の上でシリーズすべてを追いかけてきたからこその気持ちなのだと思います(ですからどの巻もはずせないです)。浜辺のシーンに涙があふれ、一欠けのパンに想いを馳せました。「ただ」それだけのために彼女は何をしなくてはならなかったのか。私は真賀田博士と犀川先生のことを思う時にいつも浮かんでくるのは「サロメ」なのです(かなりニュアンスは違ってしまいますが・・・)。

 余談ですが、金子くんとラヴちゃんのカップルをプッシュしていたので、その後の二人と言えば、実は熊本に行ってしまった彼らが気になるところです。いえ、犀川先生と萌絵も気にはなるのですが。犀川先生も本当にお変わりになられましたよね(笑)。

「忘れられていた自分」
ペンコさん (東京都、26歳)

 とても興味深い本達でした。
 森博嗣作品を読めば読むほどに、心地よい孤独を感じるようになりました。
 それは、初めて気づいたという訳ではなく、単に思い出したというだけです。
 生きていると、やがて生きていることを忘れるように、です。
 自分が自分であることを思い出したとも言えます。
 individuality とは、思考することから生まれるのですね。
 すっかり怠けて、忘れていました。
 思い出させてくださって、ありがとうございます。

「これぞ DEEP IMPACT !」
Fuyuki Miyaさん (静岡、22歳)

 先日ようやく読み終わりました。森先生の作品は『F』の初版のときから読ませてもらっています。
 今回もやはり期待通り、いやそれ以上の作品でした。今までの9冊はこの作品のために書かれたのではないかというような気さえします。
 相変わらず、最後の一文には身震いしました。以前森先生とお会いしたときに、最後の一文には他より時間をかけているというようなことを仰っておりましたが、今回も今まで同様痺れました。
 本を読んで考えさせられることはよくありますが、森先生の作品のインパクトは桁違いです。将来研究者になるであろう自分と重ね合わせて考えてしまう部分が多かったです。科学者はやっぱり素敵ですね。
 本当にごちそうさまでした。
 来年の新しい美味ももちろんいただきます。

「Thank you for fine lecture」
Takashima@TUTさん (豊橋市)

「有限と微小のパン」、装飾を取り除くとレクチャノートなんですね?

正直な印象です。

「犀川先生の片思い」
こんさん (澁谷区、26歳)

 「F」からはじまりあっというまの10巻でした。私は犀川先生のファンなので、これで会えなくなってしまうのかと思うとあまり嬉しいシリーズ完結ではありませんが。。。
 このシリーズの全10巻の中での言葉のはしばしに、私は影響を受けたような気がします。犀川ファンとして、犀川先生の思考をなぞるようにしてみた私ですが、犀川先生の思考はなかなか読めませんでした。
 ところで、そんなことをしているうちに思ったことが一つ。
 犀川先生って、実は国枝桃子さんを好きなのでは?

 なんとなく、犀川先生の思考の中に国枝桃子さんがいたような気がします。この二人がカップルだったら、最強だろうな。。。。。

「20字程度ではとても言い表せない感謝の気持ち」
月の光さん (京都、3?歳)

 新しい職場に移った春に初めて読みました、「冷たい博士」でした。とても面白いアシモフのような理系向け推理小説だなあなんて思い、すぐ「F」を探しました。理系向けと言うのは、SFに憧れて理系に進んだ僕等のようにきっと森さんのこのシリーズを読んで工学部なんかに行きたいと思う子が増えるんじゃないかって言う、いかにも先生の考えそうな勝手な意味です。

 薔薇の名前やレムの作品、アシモフのシリーズ物を読むようなわくわくとした感じが、森さんの意図はともかく、沸き上がります。ああ至福だ。なんて周りの人に薦めると、何人もはまって行くのが面白かったです。

 このシリーズが終わるのは非常に残念です。最後の絞め方も非常に心残りです。それは一つには個人的な理由もあるのですが。・・・次のシリーズの展開が待遠しい今日この頃です。表紙のデザインも気になりますけどね。んでは。

「10年後から」
中野みきさん (東京都、20歳)

 最終巻を読んで何日経ったのでしょうか。私の性能の悪い脳はすでに内容を忘れつつあります。他の9作もほとんど忘れてしまいました。[すべてがFになる」のFの意味をFANと勘違いして、なんて自意識過剰な題名だろうと思ったこともありました。
 もう一度全てを読み返すことはすぐできますが、それはしないで10年後にとっておきます。今はまだこのもやもやとした感じは言い表せないけれど、きっと10年後には何とかなるでしょう。
 とりあえず、10年後の私に代わって「ありがとうございました」

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