邦題『心の散歩道』
日本盤:東芝EMI TOCP67018 2002年10月17日発売 \2548
ライナー:ヤン・ウェナー(『ローリングストーン』誌・発行人)、歌詞・対訳・ライナー訳・解説付き ボーナス・トラック収録
US盤:Manhattan Records 40990 2 2002年10月8日
歌詞付き
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今回の新譜の特徴は、何と言っても、Artが共作した曲が6曲収録されていることです。「ソングライター」として、Artの新しい魅力を発揮したアルバムです。ライナーでJann Wenner (ヤン・ウェナー)氏が言うように、まさに自伝的なアルバムに仕上がったと思います。Artが共作した曲の元になった、Still Water の詩もこちらで紹介します。Artのオリジナルの詩をぜひartgarfunkel.comで読んでみることをおすすめします。★Maia Sharp
また、もう一つの特徴は、トリオ・アルバムであること。Maia Sharp (マイア・シャープ)、Buddy Mondlock (バディ・マンドロック)との本当に美しいハーモニーを聞くことが出来ます。このトリオを引き合わせたのが、プロデューサーのBilly Mann (ビリー・マン) です。
1970年か1971年生まれ。サックスを始め、ピアノやキーボード、オーボエなどをこなすロサンジェルス在住のシンガー・ソングライターです。今回のアルバムにも、ボーカルだけでなく、サックスやキーボードも担当しています。分かりやすいところでは、"Wishbone"の最初のソロ、"Another Only One"のリード・ボーカルが彼女です。★Buddy Mondlock
1997年アルバム Hardly Glamour (Ark21)でデビュー。日本でも東芝EMIから日本盤がでましたが、現在は廃盤です。2002年に、2枚目のアルバムMaia Sharp(Concord Records、日本盤はVictor)をリリースしました。Artの紹介文がシールで貼られており、Thank YouにはArt、Billy、Buddyの名前も挙がっています。
また、カルフォルニア州立大学ノースリッジ校を音楽専攻で卒業、当時の同級生とFour On The Floor というサックス・カルテットのバンドを組み、アルトとソプラノサックスを担当しています。
ソングライターとしては、Carole King (キャロル・キング)、Paul Carrack (ポール・キャラック)、Jules Shear (ジュールス・シアー)(Scissors Cut の"So Easy To Begin"の作者)、Timothy B. Schmitt (ティモシー・B・シュミット)、Lisa Loeb (リサ・ローブ)、David Batteau (デイビッド・バトゥ) (Fate For Breakfast の"And I Know"、"Finally Found A Reason"の作者の一人)とも共作していて、高い評価を受けています。お父さんのRandy Sharp (ランディ・シャープ)もカントリー・ミュージシャンで、共作"A Home"が、Dixie Chicks (ディキシー・チックス) の2002年のアルバム Home (Open Wide/ Columbia)に収録されてヒットしました。
シカゴ出身、ナッシュビル在住のフォーク・シンガーソングライター。今回のアルバムでも、ボーカルに加えギターでも参加しています。分かりやすいところでは、タイトル曲"Everything Waits To Be Noticed"のリード・ボーカルが彼。★Billy Mann
80年代前半にシカゴのクラブで活動を始め、86年のニュー・フォーク・コンテストで認められました。アルバムOn The Line (Sparking Gap、1987年)でデビュー。94年 Buddy Mondlock (Son)、99年に Poetic Justice をリリースしています。
Joan Baez (ジョーン・バエズ)、Janis Ian(ジャニス・イアン)、David Wilcox(デイビッド・ウィルコクス) らに曲を提供。Nanci Griffith (ナンシー・グリフィス)の 93年のグラミー受賞アルバム、Other Voices, Other Roomsの "Coming Down In The Rain"は彼の曲。Janis Ian の1995年のアルバムRevengeに、ボーカル参加もしています。今回のアルバムにも収録されている"The Kid"は1996年にニュー・フォーク・コンテストの「ソング・オブ・ジ・イヤー賞」を受賞。
1971年か72年、フィラデルフィア生まれ、現在はニューヨークを中心に活動しているのマルチ・ミュージシャンです。シンガー・ソングライター/プロデューサーとして注目を集めています。今回のアルバムにも、プロデュースだけでなく、作曲、ギター、バック・ボーカルで参加。10代前半から、R&Bのバンドを組み、ゴスペル隊にも参加、家に帰るとお母さんがJim Croce (ジム・クロース)、Carol King、Simon and Garfunkel をかけている、そんな環境で育ったとか。1. Bounce (Graham Lyle & Billy Mann)
自身もDV8/A&Mから、Billy Mann (1996年)とEarth Bound (98年)の2枚のソロ・アルバムをリリースしています。色々なミュージシャンにヒット曲を提供、また共作も多い Billy Mann ですが一度Stephen Bishop (スティーヴン・ビショップ)とも共作しています。Jim Brickman (ジム・ブリックマン)のアルバムVisions of Love (Windham Hill、1998年)に使われている"We Live for Love"という曲で、Stephen が Jim Brickman とデュエットしているようです。
おなじみ"Break Away"と"A Heart in New York"を手がけた Gallagher & Lyle(ギャラガー&ライル) のGraham Lyle (グラハム・ライル) とプロデューサーのBilly Mannの共作です。この曲が、このアルバム制作のきっかけになった曲のようです。発売前に発表された資料によると、Billy MannがGraham Lyleとロンドンでこの曲を作り終えた時、ニューヨークのArtに電話したそうです。電話越しに"Bounce"を聞かせると、Artが気に入ったので、Billyは、この曲をレコーディングするのならBuddy MondlockとMaia Sharpとやるべきだ、と言ったことから、このトリオ・アルバムが始まりました。これが1999年のことだったようです。アルバムの最初の曲がこれ、というのも納得ですね。2. The Thread (Art Garfunkel, Buddy Mondlock & Maia Sharp)
この"Bounce"と"Perfect Moment"の2曲は、アルバム発売に先行して、2001年にアメリカのWBネットワークの人気ドラマFelicity (邦題は『フェリシティの青春』、WOWOWで放送)の挿入歌として使われました。 "Bounce"は"Senioritis" (第3シーズン・第15回。日本での放送時のタイトルは「ジェラシーの波紋」)で使われました。この時に使われたバージョンをリミックスしたものが、アルバムに収録されています。
カバー・バージョン等はまだないようです。
Poem 17(解説/試訳)から。ニューヨークのBilly Mannのアパートで、Art、Buddy、Maiaの3人で作った曲で、パーク・アべニューの情景が思い浮かぶような、素敵な曲です。53丁目と62年(シーグラム・ビルディング)、7年後と2ブロック南の聖バルトロメオ教会、49丁目のウォルドルフ=アステリア・ホテル。映画『ジェラシー』からミレーナのイメージも出てきます。 各建物の写真は、Heart in New York Tourに載せてあります。曲にのみ出てくるリーヴァー・ハウス(Lever House)は53丁目と54丁目の間、シーグラム・ビルディングのはすむかいにあるビルだそうです。The Midtown Book-Lever Houseで写真をご覧下さい。 アルバムのジャケットも、車の窓から、雨の降るパーク・アベニューの風景のイラストになっています。この曲からは、Artのニューヨークへの思いが伝わってきます。元の詩では、Artの人生を貫き、パーク・アベニューを通る糸でしたが、曲では、主人公と恋人を結び、パーク・アべニューを通り抜ける糸、になっている気がします。 |
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