http://site.add/ 薄明ブレス




■ 2012カカ誕(3) ■


注意

LOVEL●SSの設定を借りています。

『耳と尻尾が付いている=未経験』で『そういう行為をすると耳と尻尾が落ちる』という設定です。

苦手な方はご注意ください。













唖然としたまま、アスマは二人が消えた空間を眺めていたが、突如としてハッと正気付いた。
土遁の拘束を力任せに解除し、暫し両目をぎゅっと閉じて考え込む。
「……カカシの阿呆を追うしかねーか」
捨て置けないと重苦しい溜息混じりに吐き出せば、座ったままの紅が問いたげな視線で見上げていた。
豊かな黒髪の美女を上から見下ろすと、胸の谷間がくっきりと覗けて大変美味しいシチュエーションなのに、アスマは仏頂面のままだ。
「何が言いてぇんだ?」
「追う必要なんて、無いんじゃない?」
「ここは里内だ。格上の人間が権力を笠に着て格下を好きにどうこうして良いなんてのは、許されないだろ。それが例え、写輪眼のカカシでも」
きっぱりと言い切るアスマに、紅はしなやかな身体を猫のように伸ばして立ち上がり、向かい合った。
二人の身長差は大きい。
「イルカ先生、満更でも無さそうだったじゃない?」
「はぁ?!」
「私なりに把握しているイルカ先生の性格と行動パターンを照らし合わせると、今のは心底嫌がってるって雰囲気じゃなかったわよ。カカシが強引なのは認めるけど、イルカ先生も憎からずとは思ってそうだし」
「はぁ?!」
「ちょっと。ハァハァ煩いわよ」
「止めろ。その言い方だと俺が変態じゃねーか」
心底嫌そうな顔の見本とばかりにアスマが顔を盛大に顰め、紅は肩を軽くそびやかした。
美女は何をやっても似合うと、イルカの隣に座っていたが為に一連の騒動に巻き込まれ、ずっと氷像と化していた同僚が見惚れている。
「イルカ先生の性格なら、デートを重ねてやっと手を繋いで、それからまたデートを重ねて、なぁんてゆっくり進行していきたいでしょうけど。カカシは命短し恋せよ乙女、の主義じゃない?そういう考え方の相違が怖いんでしょ、きっと」
「……命短し、は違うだろ」
「それじゃ、一を聞いて十を知る?」
「違うだろ」
「毒食わば皿まで」
「違う」
「チャンスの神様には前髪しかない」
「……やっぱりカカシとイルカを探して来る」
のそりと動き出そうとしたアスマを、紅は止めた。
振り解けない訳ではないが、大人げない事も出来ず、アスマはむすりと紅を見遣った。
「止めときなさいよ。馬に蹴られるわ」














+++














「ぎゃーっっ!」
「あらら、立派な尻尾」
「ひぅ?!」
「ま、慣れるまでは最初痛いけど、拷問より全然マシだから」
「比較する対象じゃない!」
「恥ずかしくないよ〜」
「止めっ!そこは嫌だっ!」
「耳と尻尾に十分さよならした?」
「アホか〜っっ!!」
「可愛いけど、見納めか〜。ちょっと名残惜しい、かな」
「んっ?!」
「深呼吸して〜。はい、力抜いて」
「嫌だ!」
「気持ち良くしてあげるから。安心して任せてね」
「ぅあっ、ぎ、ぎやぁぁぁぁぁぁっ!!!!」




                              and more……?







続きます