「大きい飛行機は細部を描きたくなるので、どうしてもぐっと寄った構図が多くなる。
Ju88の場合は特に機首ですね」。小池さんが言うように、4人の乗員が機首に集まり、コックピット前後の銃座、下面ゴンドラ内の銃座や爆撃照準器等すべての操作機能を機首部に集中させたのがJu88の持微、そしてドイツ空軍爆撃機の特徴でもある。
大戦初期のノルウェー侵攻からバトルオブブリテンを経て敗戦まで活躍し、改良型を合わせて15,000機以上も生産された。3tonに達する爆弾搭載量なのに高速で急降下爆撃も可能。そんな性能に注目した日本海軍は1940年にJu88を1機輸入し、調査を行いデータを蓄積、これが基礎となって生まれたのが傑作陸上爆撃機「銀河」である。
ヨーロッパまでJu88の実物を見に行つたという小池さんの感想は「ゴツゴツした機首のイメージが強いですが、すごくきれいな飛行機でした」。ドイツ人らしいメカニックな機能美が、この作品からも感じられる。 |