1935年、ナチスドイツが徴兵制と再軍備を宣言した年にMS406は初飛行。同世代の戦闘機として、メッサーシュミットBfl09やスピットファイアが挙げられるのだから、第2次大戦でフランスの空を守るはずの戦闘機だった。
しかし胴体が鋼管溶接の骨組み構造で、エンジンの出力も小さく、冷却機、可変ピッチプロペラの機構などにも問題があり、次々と改良型を送り出してきたメッサ一に比較すると時代遅れは明らか。
1940年、ドイツ軍がフランス侵攻を開始すると果敢に立ち向かうが、質・量ともに圧倒され悲劇的ともいえる戦いだったらしい。
「戦史にはあまり関心がないけれど、この飛行機は好きですよ。現在のミラージュと同じくコックピットの居住性がよかったといいます。人生、楽しむことが一番というフランス人らしい、味のある飛行機ですから」と小池さん。なるほどと思う。 |