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旅行記その3:通勤ひとりたび(2003.10.1〜)

第2週(2003.10.6〜10.12)

10月6日(月曜日):

いわゆる鉄道マニアではない、フツーの人は、各路線の車両をどのように見分けているのであろうか。

自分は、まず「車体の色」で見分けるのが当然、それ以外でも「車体の外見(ドアの数とか)」で見分けるのかな、と思っていた。一番目立つところだし。しかし・・・、それはマニアの独りよがりであることに、今日気づかされた(また大げさな)。

 

「ダリーな」などと思いながら通勤電車に乗っている時、近くに立っていた高校生が、このような話をしていた。

「この前、友達に『本数が少ない水戸線と水郡線って同じじゃん』と言われた」

「そんなことないじゃん。水戸線は朝夕は30分おきで走るし。それに、水郡線はドアはボタン押さないと開かないのに水戸線は自動だし」

「そういえばそうだね」

「あと水郡線には窓をハンドルで開ける車両もいるって話だよ(車の窓のハンドルを開ける仕草をする)」・・・これは多分間違い。

・・・びっくりした。もしも手元に「へぇボタン」があれば、連打したい気持ちになった。

車両だけで言えば、水戸線と水郡線は、全く違いすぎるほど違う車両を使っている(水戸線は白地・ステンレスに青い帯の車体でドアは3つの電車、水郡線は白・緑のツートンの車体にドアが2つの気動車である)。そういう外見には目もくれず、まず話題にしたのが「ドアの開け方」。

「マニアの常識世間の非常識」とまでは言わないが、色形がどうとか言うよりも「ドアを開き方の違い」の方が、普段電車を使う際には「より身近な問題」という見方も考えられる。そういう見方を自分が出来なかった(少なくとも重視しなかった)のは、やはり「マニアの独りよがり」の成せるワザのような気がする。

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10月7日(火曜日):熟睡

今日の行きは電車の中でぐっすり眠ってきたので、今日は休み。気がついたら水戸に着いていた。毎日電車に乗っているが、こんなに熟睡したのは初めてである。

でも、電車の中って、どうしてああも不自然な姿勢(どんな椅子より狭い。しかも背もたれは直角、足も伸ばせない)なのに、熟睡できるのだろうか。

謎である。

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10月8日(水曜日):物騒な世の中

最近、殺人やら強盗やらATM破壊やら農作物盗難やら、「盗み」の話をよく聞く。「治安が悪くなった」というのは、もはや都会だけの話ではない。

この前も、通勤途中に見かけるコンビニに強盗が入った。新聞には、水戸線某駅付近に建っている「SUPAR 24h」の看板の店の写真がデカデカと出ていた。「SUPER」でも「SPAR(茨城のコンビニ)」でもない・・・間違いなく、電車の中で見かけるあの店だ。

しかし、事件はもっと身近なところで・・・。

自宅の最寄りである折本駅のすぐ近くに、農協があり、道路の目の前にATMが建っている。朝、その農協とところにパトカーが停まっている・・・「(今流行りの)農作物泥棒か!?やられたか?」と思ったが、駐車場にはたくさんの車が停まっていた。その一部は凹んでおり、その目の前で、警察官が巻き尺を持って事故らしき痕跡を図っていた。

「なんだ事故か。それにしては事故車のマイクロバス、ピッタリATM機械のよこにすえつけているな」・・・とんでもない。

今朝そこの農協であったのは事故なんかではなく、自動車(マイクロバスともう一台トラック)をバックでぶつけてATMを破壊する強盗未遂事件だったのを、次の日の新聞で読んで知った。

田舎だからって油断もスキもあったものではない。

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10月9日(木曜日):茨城の朝

「ちみでー(茨城弁)」

自宅から駅まで歩く10分足らずのうちに、一気に手が冷たくなる。まるで氷水を触っているかのようだ。

東京で一人暮らしした経験からすると、やはり茨城の秋冬は東京に比べると寒さのレベルが1段階違うように思う。体の冷え方が明らかに東京とは異なる。こんな中、よく高校の3年間、朝っぱらから自転車で学校に通っていたものである。偉いぞオレ(そうじゃなくって)。

深夜、車の窓が当り前のように凍っていたりするのも茨城ならではである。

今日から暦のうえでも「晩秋」である。いよいよ、氷のような冷たく澄んだ、茨城の冬がやって来る・・・

って、去年の今頃は思わなかったのだが。これも、早起きするようになって思考が変わったためだろうか(去年は外が十分温かくなる、朝の8時頃まで布団にくるまっていた)。

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10月10日(金曜日):選挙

「万歳!」間もなく総選挙である。

国会議員を目指す候補者が時々演説をしている水戸駅前でも、いつもとは「張り」の違う演説の声が聞こえてきた。まるで戦争である。

(小泉総理大臣の秘書が書いた本では「選挙は日本国内で合法的にできる唯一の戦争」と言っていた。なるほどそうであろう)

水戸から50kmも離れた下館に住んでいる自分や家族にとって、この演説は他人事・・・なのかと思えばそうではない。両市は同じ選挙である。

下館と水戸は距離は離れているし、生活圏も異なるのだが、「人口のツジツマが合う」といった理由だけで(他に政治的な意図があるのかもしれないが)引かれた区割り。もちろん人口とかは水戸市の方が圧倒的に多く、どうも下館市周辺からは自分のところの候補者を送り出しにくい、「ワリを食っている」構造になっている。

でも、この区割りだったら・・・汚職事件で逮捕された元建設大臣を選挙の度に国会に送り込んできた隣(茨城7区)の選挙区・投票者を、「民度の低い」と嗤い飛ばすこともできるし。

そうじゃなくって、国政選挙は、国のためになる人を選ぶべきであって、地域のためになる人を選ぶべき選挙ではないから。

これでいいのかもしれない。

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10月11日(土曜日):たまには車で

今日は、車の点検日。下館から水戸の自動車屋まで車を持って行かなければならない。

体調に問題があるため普段は車の運転は止められているが、今日だけは正当な理由のもと車を運転できる。きちんとした後ろ盾がある中で行う「悪事」は気持ちのいいものである。

いつもは駅までトボトボ歩いて行くのだが、今日はいつもと逆。この日を待っていた。

 

毎日のいつも電車の窓から見ている国道を走り、毎日走っている線路を感慨深げに見つめて・・・いたら、それは「わき見運転」。さすがにそれはやりかねる。

それにしても、車の運転というのは非常に「集中力を要する」作業であることを実感した。

運転している最中、他のことはラジオとか音楽とかを聴く程度。窓の外の景色を見るのですら「景色を見る」といった感じではなく、「運転のついでに景色が目に入ってくる」感じである。同じ移動でも、電車の中だったらメールをやったり本を読んだりボーッとしてたり考え事をすることが出来るのだが、クルマ運転中ではそのいずれも出来ない。

よく「テレビ見ながらクルマを運転」とか「メールしながらクルマを運転」とかいった馬鹿の話を聞くが、自分はそんな器用なこと、真似したくてもちょっとできない。

 

目的地に着いて1時間ぐらい経つが、まだアドレナリンみたいなものが頭の中を飛び交ってドキドキしている。たった1時間強の運転だったのに、こんなに体に負担がかかるとは・・・「久しぶりの運転で慣れてない」ってことを考慮しても、ちょっと降参した。

自分が勤める会社では、毎日1時間以上かけて車で通勤してくる人がかなりいるが、自分はそんなタフなこと、真似したくてもちょっとできない。

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10月12日(日曜日):トリック

時はある休日の午後5時半。場所はJR水戸駅、

電車待ちの時間を喫茶店で過ごし、17時31分発の水戸線の電車、空席を見つけて座る。これに乗れないと後々の接続が悪く、家に着けるのが1時間遅れてしまう。これだからローカル線は具合が悪い。

乗って身の回りを見回すと、手のあたりがどうも寂しい。今日はいつもより多くの荷物があった気がするが・・・。

「!!」

忘れ物だ。今日は荷物が余計にあったはずだが、それを喫茶店に忘れてきた。

すかさず発車ベルが鳴る電車を降り、改札を抜けて荷物を取りに喫茶店に戻る。

「あーあ、1時間待ちか。コーヒーでも飲みなおすか」と思って駅の案内表示を見ると、「17時35分常磐線土浦止まり」の電車がある。確かこの電車は、先を行ったはずの水戸線に友部で追いついたはず。以前水戸線の車内から、この「土浦止まり」を見たような気がする。

これがうまく出来れば、途中でで相当なことをしても、水戸と小山に証人がいればアリバイが成立する。

とにかく改札を抜け、土浦止まりの電車に乗った。一番後ろに乗ったので、他の乗客と車掌との会話が聞こえる。「水戸線は何時?」「向かい側のホームで30分待ち。」もしかしてこの車掌、嘘を教えているかもしれない。間もなく電車は水戸を出発。

15分後に「次は友部、友部。水戸線は4分後の連絡です。」と車掌のアナウンスがあった。やっぱり。

友部駅で階段を登って水戸線ホームに向かうと、一旦自分が乗ってすぐ降りた車両が停まっていた。さすがに恥ずかしかったので、最初に乗った車両とは別の車両に乗り込んだ。

ともかく、これでアリバイが成立した。このトリックで、2時間ドラマが1本ぐらいるだろうか?

作れねーよ。

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更新日 2003.10.11
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