現在の位置:トップページ - 旅行記綴 - 再び、南の島へ(No.5)
タクシーを拾い、道路改良でロータリーでなくなり跡に新しいビルが建った嘉手納ロータリーから那覇ゆきのバスに乗る。時刻は午後7時を回っているが、本州に比べて西に位置するため、米軍基地の上にはまだ高い太陽がいる。それでも、ほんのり夕日の色がついているような感じだった。日が暮れた頃、那覇の喧噪の国際通りに到着する。
国際通りから沖縄料理屋に向かい、沖縄最後の夜を、泡盛をちびりちびりやりながら過ごす。
一緒に来たK氏は、沖縄独特の文化というかリズムというか雰囲気というかオーラというか、「言葉では説明しにくいモノ」にすっかり嵌り、もう一度来たいと語っていた。
自分は・・・どうだろう。沖縄には2回来たが、正直に言うとK氏を含め多くの人を魅了する「言葉では説明しにくいモノ」の魅力が、よく分からない。よく分からないから、当然文章にもできない。しかし、よく分からないながらも給料を工面して10年で2回来たことが、その「言葉では説明しにくいモノ」にある程度取り憑かれているかもしれない。
居酒屋で飲み慣れない泡盛を呷っていたせいか、だいぶ酔って来たみたいだ。ホテルに戻ってからの記憶があまりない。
日も明けて最終日。朝寝坊をしてホテルの朝食をのんびり食べた後、モノレールの駅まで歩く。相変わらず陽射しがまぶしく、地面からの照り返しがきつかった。
しかし、真新しいモノレールに乗って、真新しい空港ターミナルで東京行きの飛行機に乗るまでは、涼しく快適な、逆に言えば沖縄の空気から隔離された、文字どおり「地に足が着かない」状態で他人事のように見ていた。
しかし、飛行機のタイヤが沖縄の地を離れた時、「次来るのはいつだろう」と名残りを惜しむように窓の下に広がる島と海の写真を写真に撮り続けた。