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旅行記その10:大阪寄り道紀行

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御堂筋ライフ

大阪。待ち合わせ時刻は13時半。

待ち合わせた3人が集まり、大阪駅近辺で一息つける場所を探す。他所もの3人組は、結局阪急梅田駅前の新しいビルにあるスターバックスに入って先輩に買ってゆく土産物について議論した。

阪急梅田駅地下のいい匂いがする名店街で土産を買った後、昼間から店を開けている地下道の立ち飲み屋の脇を抜けて、市営地下鉄御堂筋線で先輩の住む千里中央に向かった。

地下鉄御堂筋線は、キタとミナミを結ぶ大阪の大動脈であり、通勤時間帯を外れて入るが土曜日午後の車内は混雑している。梅田を出ると地上に出て、新御堂筋の高架道路に挟まれて淀川を渡る。道路橋と並行して大きな川を渡るのは、東京の地下鉄では馴染みがない。7〜8年前に乗った、漢江を渡るソウル市営地下鉄を思い出した。

新大阪・江坂と過ぎて列車は千里ニュータウンに入る。自分が産まれる前にここ千里で世界万国博が開催されていた。産まれる前のことなので全く知らないが、万博期間中は御堂筋線が万博会場まで乗り入れていたらしい。千里にすむ先輩にその話を聞いて、帰り道に先輩と一緒に万博会場まで伸びていた分岐線(地下鉄車内から見える)を探した。終点の千里中央に着く1歩手前で、地下鉄新好方向右手に逸れてゆくトンネルみたいなものを見かけた、気がした。

終点、千里中央。名前のとおりここは千里ニュータウンの中心部であるが、他のニュータウンの中心駅と異なり、東京や大阪の都心部で見るような地下街が出来上がっいる。駅はふき抜けであり、地下街の中のカレー屋とか立ち飲み屋から列車の発着が見える。大阪のようで、大阪では無いような、奇妙な光景である。

地上に出ると、駅前はデパートとスーパーが棟続きになっている。その建物が集まっている様は、豪華客船のようであり要塞のようでもある。東京では、ニュータウンの駅にここまで商店が集まって建っている風景は見られない。

この日は雨が降っていたため、屋根が架かっているスーパーの裏道を抜けて先輩宅に向かう。なんだか、迷路のゲームをプレイしているような気分である。

先輩宅は、1970年に開催された大阪万博の際に外国人宿舎として使われた建物であり、つまり建てられてからかなりの時間が経っている。しかし、内装のリニューアルが行われており非常に綺麗な部屋であった。南向きの窓からは大阪の街がかすかに見える、なかなか雰囲気の良い家であった。

ここで先輩の奥様とあわせて5人で、一緒に部屋でお茶を御馳走になった。5人して御堂筋線を走る幻の地下鉄車両「ポールスター号」の話とか、千里中央駅で放送されるエレクトーン音楽とか、そんな御堂筋線の話だけでも盛り上がった。

夕方、御堂筋線で大阪の街に向かう。この御堂筋線は、新大阪、梅田、心斎橋、なんば、天王寺といった大阪の主だったところを漏れなく網羅しており、千里ニュータウンの住民にとっては必要不可欠かつこれだけあれば十分といった存在である。大阪の都市計画/交通計画のメリットとデメリットが滲み出ている。東京とは異なり、これ以外の地下鉄沿線がどうなっているのか、知る由もきっかけも無い生活。どこからともなく「御堂筋ライフ」という言葉が頭に浮かんだ。

梅田のビアレストランで飲んで、御堂筋線に乗ってなんばに向かい、雨の中戎橋を見て有名なたこやき屋をハシゴして、再度御堂筋線に乗って千里に戻る先輩夫妻を見送った。我々3人は御堂筋線沿線の江坂の宿に入った。

続く

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更新日 2006.3.31
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