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No.5 アメリカ上陸

成田空港の3時間

2002年7月17日12時40分、成田空港に到着。

一番肝心なものをまだ用意できていない。「飛行機の乗車券」である。旅行会社からもらった引換券を引き換えればいいのであるが、これが意外と面倒だった。

といった手順を踏まなければならない。初めて外国に行ったときも、ここでものすごく迷った。今回も、搭乗券をもらうまで30分かかってしまっている。

飛行機の離陸は16時10分。まだ3時間以上ある。この間に、両替(空港内の郵便局)・昼食(空港内のフードコート)・散髪(空港2階の散髪屋。丁寧だが5,000円もかかった)いろんな事を済ませておくう。

15時半、出国手続きを済ませ、本空港ビルから離れた別棟(サテライト)に向かう。このビルには出国手続きをしない限り立ち入ることは出来ず、日本でありながらもう日本国内ではない、変な場所となっている。ここから本空港ビルとそこから発着する飛行機を見ていると、もう日本のことが他人事に思えてくる。やれやれ、やっと出れた。

離陸

15時45分。

成田空港81番搭乗口では、アメリカの黒いパスポートを手にした、ハイスクールの学生と思われる一団がはしゃぎ回っていた。窓の外では、おろしたてのボーイング777型、N78017号機が荷物積込その他フライトの準備を終えようとしていた。

成田からニューアーク国際空港まで飛ぶ、コンチネンタル航空8便の搭乗が始まった。彼らに続いて飛行機の機内に入り、あてがわれている通路側の座席にまずは座る。その後、自分の荷物をしまったり近くの人の荷物整理を手伝ったりして、改めて腰を落ち着けて一息つく。

【なぜ通路側?】

以前飛行機に乗ったとき、窓外の風景を楽しみたいと思って窓側の座席を取ったとき、トイレに行くのにも荷物を整理するのにも、狭い機内で気分転換のために屈伸運動をするのにもいろいろ不便だった。飛行機に乗る時には、できるだけ通路側の席を取っておく方が良い。

機内で少し待たされて16時25分頃、飛行機は動き始めた。時速40kmほどの速度で10分以上構内を走って滑走路手前に到着。飛行機が目の前を横切って着陸するのを待って、滑走路に登る。飛行機はエンジンを最大限にふかし、ちょうど時速300キロくらいで離陸した。

飛行機の内装がガタガタと揺れる。いつ乗っても、今にも飛行機が分解しそうで気味が悪い。

 

(写真)

お待ちかねの機内食

1時間ほど待たされただろうか。ようやく飛行機は水平飛行に移り、アテンダントがおしぼりとスナック菓子・飲み物を配りに来る。そしてお待ちかねの夕食。17時半頃にアテンダントが「beef? or salmon?」と聞いてまわり、いずれかのトレーを渡して回る。

メニューはこんな感じである。これがプラスチックのナイフ・金属のフォークと共に厚紙製トレーに乗ってくる。

機内食メニュー

  • 前菜(サラダ)
  • 主菜(鮭バター焼き)
  • 直径5cmくらいの小振りなパン
  • 飲料水パック、チョコケーキ

思ったより少量で、チャチである。陸上で食べる食事なら結構ガッカリするが、しかしながらここは機内。きちんと主菜が暖まっていることであり、ナイフとフォークを使ってゆっくりおいしく食べることができた。

食べるものを食べたら、眠くなったのでそのまま寝てしまった。飛行機はまだ千島列島付近を飛んでいるはずである。

ニューヨーク夏時間で午前7時半頃(アメリカは12時間制のため、以下「午前」「午後」の表現を使う)、ちょうどいい時間に目が醒めた。都合2時間ぐらいしか寝ていないが、懸念していた時差ボケにはかからなくて済みそうである。目覚ましのコーヒーをもらう。その後、間食が出てくるが、ちょうど飛行機はアラスカ半島の上を通過している頃。ここからアメリカ大陸の本土までが長い。長い。長い。

いくら飛んでも本土に辿り着かないので、いい加減ウンザリしてくる。

アメリカ時間の午後0時頃に昼食を食べられればばいいな、と思うが一向にその気配がない。午後2時近くになって、ようやく「ご到着の前に」と称された、小ぶりの機内食が出てくる。焼きうどんの上に卵焼きとチキンが載ったグリルであった。食べ終わる頃にアメリカの入国カード(I-94)と税関カードが配られる。一通り記入して着陸を待つ。

機内での失敗

  1. 機内ではラップトップコンピュータが使える座席を用意してもらった。電源アダプタも持参し、さて作業と思うと、コンセントの形が全然異なる。直流15vを供給するタイプであり、これでは全く使えない。事前の調査不足である。
    ちなみにエコノミークラスでラップトップコンピュータを使っていた人は、2〜3人しかいなかった。
 

アメリカ上陸

午後3時10分、「席に戻るように」と案内される。

成田を離陸してほぼ半日、雲の切れ間からようやく高層ビル群が現れ、車輪が出る音がし、あれよあれよの間に地上の石油タンクとかが見えるようになり、一気に着陸。

ニューアーク国際空港、天気は晴れ、気温は35度。陽射しが強い。夏真っ盛りである。

飛行機が空港ビルに横付けされる。機を降りてガラス張りの明るいニューアーク空港内を歩いて、入国手続カウンターまで向かう。眼下は、出発フロアーになっており、店舗とか離陸待ちの人とかが見える。

前の人が持っていた、「SEE BUY FLY」の黄色いビニール袋に見覚えがある。ちょうどアムステルダムからも飛行機が到着したようであり、多くの乗客を裁かなければならない入国窓口は混雑していた。

10分ほど待って、自分の番になる。入国審査官は腰に拳銃をぶら下げている。背筋が一瞬凍り、本当にアメリカに着いたことを自覚させられる。すぐに検査官はボソボソと英語で放しかけるが、これが理解できない。検査官はしょうがないなという視線を投げかけ、「The purpose of visiting?」再度尋ねる。ようやくそれに答えると、検査官がスタンプを押しカードをホチキス止めにする。

どうやら、ちゃんとアメリカに着いたらしい。空港ビルの作りにアメリカらしさは感じられなくとも、ここまでのやり取りでソレと分かる。

 

空港を出る直前に

着いたのはいいが。

実のところまだ目的地のニューヨーク市には到着していない。現在居るのはまだニュージャージー州である。ここからニューヨークまでは近郊鉄道で20分くらいかかる。

空港構内の鉄道券売機(カード社会のアメリカらしくクレジットカードでもOK)で切符を買い、空港モノレール(これ自体は無料)にまず乗り、終点で近郊鉄道に乗り換える。はじめて見るアメリカの本土。アメリカの鉄道。鉄道自体はニューヨーク近郊のみならずボストン・ワシントン間の連絡特急も停まる格の高い駅だが、駅の作りがホームの造りから改札口のしつらえまで、日本の多摩ニュータウンの駅そっくりであった。

アメリカに着いた実感が湧かない。

 

「for NewYork」の階段を降りると、ホームにはちょうど電車が停まっており、行先も確認せず切符を確認した車掌に言われるままに乗車する。期待してたような大きな感慨もなく、乾いた風景の中を列車は15分ほど走ってゆく。

ハドソン河と思われる長いトンネルを出た時、電車は信号待ちのため臨時停車。窓の外には、上方には30階はあろうかという高層ビルがいくつも建ち並んでいるのがチラと見える。まだ高い太陽の光を遮ってそびえ立つその様を例えるのに、「Sky Scraper」以外の例えしか思いつかない。そして列車は、ニューヨーク・ペンシルバニア地下駅に到着。車両の外に出るとムアッと蒸し暑く、売店のキャラメルポップコーンの甘ったるい香りが鼻につく。ちょうど時間は午後5時、様々な人種の人々が駅の地下通路をせわしなく歩いていた。

本当に、本当に、夏真っ盛りのニューヨークに着いた。このとき初めて実感した。嬉しくて、ちょっと興奮して、写真どころではなかった。

地下鉄でホテルへ

ここからホテルまでは、かつて落書きやら犯罪やらで悪名高かった地下鉄で向かう。退勤時間と重なっていることもあり、地下鉄の車内は東京のそれに近いくらい混雑していた。東京の地下鉄の混雑は世界的に有名だが、こちらの地下鉄の混雑も結構半端ではない。あと地下鉄のトンネル内、車両からの排熱が激しいこともあってこの中が非常に蒸し暑く、油断しているとホームで気分を悪くしそうである。

冷房こそ効いているものの混んでいて不快指数の高い急行地下鉄で12〜3分、目的地の「96丁目」で降りる。午後6時をすこし回った頃、地下鉄駅前の「Quality Hotel on Broadway」に入り、日本から持ってきた予約票を見せる。受付の窓口氏も、この種の「ツアー客よりちょっと身勝手な旅行者」は扱い慣れているようで、手慣れた説明をしてくれる。

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更新日 2004.05.23
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