Old Fashioned Rock Wave

Rock Around The Eagles

THE GUITARISTS OF THE EAGLES
ギタリスト・オヴ・ザ・イーグルス

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 カントリー・ロックから徐々に自分たちのスタイルを築きあげていく、イーグルスの飛翔の歴史は実は、これから紹介する3人のギタリストに負うところがかなりあったと思います。そんな彼等に拍手喝采を!
 もちろんグレン・フライもギタリストとしていい腕してるけど、ここはひとまず専業ギタリストたちにスポットを当ててみました。

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バーニー・リードン
BERNIE LEADON

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イーグルスの初代リード・ギタリスト。カントリー系のプレイを得意としており、アルバム『呪われた夜』を最後に脱退。『オン・ザ・ボーダー』に収録のバーニー作の「マイ・マン」は、グラム・パーソンズに捧げられた名曲です。
THE FANTASTIC EXPEDITION OF DILLARD & CLARK
幻想の旅
1969年

 元ディラーズのダグ・ディラードと元バーズのジーン・クラークが結成したカントリー・ロック・ユニットの1stアルバムにして傑作アルバムといえます。ジーン・クラークのヴォーカルがなんともいえない哀愁感あふれる味を出しています。クリス・ヒルマンも何曲かマンドリンで参加しています。
 バーニー・リードンは、バンジョーとギターで準メンバー?として参加しており、6曲に共作者としてクレジットされています。中でもイーグルスが1stアルバムでカバーする「朝発つ汽車」はジーン・クラークとの共作の名曲ですね。

THE FLYING BURRITO BROTHERS/
BURRITO DELUXE
ブリトウ・デラックス
1970年

 今は亡きカントリー・ロックの鬼才グラム・パーソンズ率いるブリトーズのセカンド・アルバム。メンバーチェンジの後、クリス・ヒルマン、バーニー・レドン、スニーキー・ピート、マイケル・クラークという布陣になりました。
 カントリー色が濃厚だった1stアルバムに比べて今作では、ロック色がやや強くなりヴァラエティに富んだ作品に仕上がっています。グラム・パーソンズとクリス・ヒルマンの個性がほどよくブレンドされ、バーニー・レドンも曲づくりに参加し、「マン・イン・ザ・フォグ」などの新しい傾向も見られ、1stアルバムとならぶ名盤といえます。
 しかしなんと言ってもハイライトは、ストーンズのジャガー&リチャーズがグラム・パーソンズに捧げたという感動的ナンバー「ワイルド・ホーセズ」でしょう。ストーンズも71年に『スティッキー・フィンガーズ』に収録しています。
 このアルバムを最後にグラム・パーソンズは、バンドを脱退してエミール・ハリスらを引き連れてソロ活動を開始します。
THE BERNIE LEADON・MICHEAL GEORGIADES BAMD/NATURAL PROGRESSIONS
歌にくちづけ
1977年

 バーニー・リードンがイーグルス脱退後に、シンガー・ソング・ライターのマイケル・ジョージアデスと結成したユニットです。プロデュースは、初期イーグルス作品でお馴染みのグリン・ジョーンズが担当しています。
 このアルバムを聞いてバーニー・リードンに対する認識がすっかり変わってしまいました。イーグルスの頃からバーニーは、グリン・ジョーンズお気に入りのカントリー・アーティストなのですが、このアルバムではバーニーは4曲提供していますが、どの曲もイーグルスの「我が愛の至上」を彷佛させるようなメロディアスで洗練された素晴らしいナンバーになっています。あの泥臭さはどこへ行ってしまったのでしょうか?
 ジャケット写真からアコースティックなフォーク・デュオを想像しますが、実際の音はもう少しバンド的なアンサンブルになっています。面白いことにマイケル・ジョージアデスの作品のほうが、よりロック的なイーグルス色を強く感じさせるように聞こえます。二つの個性が明確に表現されたいいアルバムだと思います。バーニーにとってもグリン・ジョーンズにとっても、イーグルスでやりたかったことの本音かもしれませんね。

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THE ROLLING STONES/STICKY FINGERS
スティッキー・フィンガーズ
1971年

 ストーンズ・レーベルの第1弾アルバムであり、ストーンズの70年代の幕開けを飾る傑作です。アンディ・ウォーホールのコンセプトによるジャケットでも話題となりました。
 ミック・テイラーがフル参加して大ヒット・ナンバー「ブラウン・シュガー」にみられるように、よりパワー・アップしています。フライング・ブリトー・ブラザースのグラム・パーソンズに捧げられたというカントリー・バラードの「ワイルド・ホーセズ」やミック・テイラーのサンタナやピンク・フロイドのデイヴ・ギルモアを彷佛させるギター・インプロヴィゼーションが素晴らしい「キャント・ユー・ヒア・ミー・ノッキング」などストーンズの奥の深いところを見せつけてくれますね。素晴らしいアルバムです。

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GRAM PARSONS/
GP/GRIEVOUS ANGEL
GP/グリーヴァス・エンゼル(2 in 1)
1973/74年

 フライング・ブリトー・ブラザースの方向性にずれを感じたグラム・パーソンズのソロ1st、2ndアルバムの名盤のお買得2in1セットCDです。
 再びカントリー色の強いサウンドに戻っています。ナイーブな感性を南部のR&Bの影響も感じさせるカントリー・スタイルの中で切々と歌い上げる様は感動的なものがあります。特に全編に渡ってエミール・ハリスの伸びやかなヴォーカルがフィーチュアされた2ndアルバム『グリーヴァス・エンゼル』では、聞き所も数多く素晴らしい出来です。バーニー・リードン、リンダ・ロンシュタットも何曲か参加しています。
 ちなみにグラム・パーソンズは。73年に亡くなっています。2ndアルバム『グリーヴァス・エンゼル』は死後の発表ということですね。

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ドン・フェルダー
DON FELDER

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3rdアルバム『オン・ザ・ボーダー』から参加。ジャズ系のFLOWというバンドに在籍したこともある安定したテクニックをもち、スチール・ギター、マンドリンなどもこなす器用なミュージシャン。「呪われた夜」、「ホテル・カリフォルニア」でのソロはロック史上に残る名演といえます。後期イーグルス・サウンドの要といえます。職人的ギタリストですね。
DON FELDER/AIRBORNE
エアボーン
1983年

 イーグルス解散後の今のところ唯一のソロ・アルバム。のっけからあの「駆け足の人生」を彷佛させるファンキーなナンバーで始まるこのアルバムですが、「呪われた夜」、「ホテル・カリフォルニア」のギター・ソロを期待して聞くと肩すかしをくらってしまいます。
 カルロス・ベガ、ネイザン・イースト、ジェフ・ローバー、ジョー・バイターレなどを起用して、モダンなロックを展開していますが、イーグルス・ファンにとってはドン・フェルダーのやりたいことが、本当にこのようなサウンドなのかちょっと疑問という感じですね。しかし、全曲オリジナルということは評価してあげてもいいかなぁって思いますが...。
 かなりの曲でティモシー・B・シュミットがバック・ヴォーカルでサポートしており、ケニー・ロギンスとの共作の「ネヴァー・サレンダー」ではケニーとデイヴ・メイスンがバック・ヴォーカルで参加しています。

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DAN FOGELBERG/SOUVENIRS
アメリカの思い出
1974年

 ジョー・ウォルシュのプロデュースによるこのアルバムは、ダン・フォーゲルバーグの出世作といえるでしょう。グラハム・ナッシュ、ラス・カンケル、バーンストーム、イーグルス、マナサスという豪華なメンバーに囲まれながらも、自らマルチ・プレーヤーとして歌に演奏に堂々としたものを感じさせてくれます。爽快なウエスト・コースト・サウンドの中にきらりと光る何か純粋なものが見隠れする好盤です。

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ジョー・ウォルシュ
JOE WALSH

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バーニー・リードンと入れ代わりで5thアルバム『ホテル・カリフォルニア』から参加。ジャームス・ギャング脱退後ソロ活動でかなりの評価を得てはいましたが、プロデュ−サー、ビル・シムジクの縁でイーグルスに加わることになりました。当時えっ、なんでっという声が多かったと思いますが、以外とイーグルス・サウンドに溶け込みながら、自分を表現する器用な面を見せていましたね。『ホテル・カリフォルニア』に収録の「お前を夢みて」は秀逸の出来だと思います。またドン・フェルダーとのツイン・ギターも良かったですね。メローなハード・ロッカーと勝手に呼んでいます。
JOE WALSH/BARNSTORM
バーンストーム
1972年

 ジェームス・ギャング脱退後の1stソロ・アルバム。
 ソロというよりバーンストームというジョー・ヴァイターレ、ケニー・パセレリからなるトリオといったほうが正確なのかもしれません。
 ハードな曲は、名曲「ターン・トゥ・ストーン」ぐらいであとは、ジョー・ウォルシュ独特の粘っこいヴォーカルを中心に、深みのあるアレンジを聞かせるナンバーで占められています。時々ブリティッシュ・ロックを感じさせるドラマティックな演奏を交えながら、イーグルスにつながっていくようなナチュラルな曲も含む多彩なアルバムになっています。
JOE WALSH/YOU CAN'T ARGUE WITH A SICK MIND
ジョー・ウォルシュ・ライヴ
1976年

 イーグルス参加直前のスタジオ・ライヴ。
 ジェームス・ギャング時代の代表曲「ウォーク・アウェイ」(昔バンドでコピーしました...)で幕をあけるこのアルバムは、収録曲が6曲と少ないのが不満ですが、「ロッキー・マウンテン・ウェイ」、「ターン・トゥ・ストーン」などの代表曲を網羅しており、「ヘルプ・ミー・スルー・ザ・ナイト」(94年のイーグルスの再結成MTVライヴでも演奏されていましたね)では、グレン・フライ、ドン・ヘンリーも参加しており、イーグリーに仕上がっています。また、イーグルスより一足早くドン・フェルダーとのツイン・ギターが実現しています。
JOE WALSH/But Seriously,Folks...
ロスからの蒼い風
1978年

 イーグルス在籍中のソロ・アルバム。
 イーグルスが「ホテル・カリフォルニア」ですっかり重くなってしまっていたのに、この人はそんなことにはおかまいなく自由にのびのびとしたアルバムをつくってしまいました。
 イーグルスのメンバーもゲストで参加していて、イーグルス番外編的感じでもあります。'80年の「イーグルス・ライヴ」でもとりあげられた「この人生に賭けて」などアルバム・タイトル通りのメローで気持ちのいい曲ばかりです。

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ホテル・カリフォルニアの冬
テキーラ・サーキットの宴
J.D.サウザー〜イーグルスに最も近かった男
バンズ・アラウンド・ザ・イーグルス〜前編

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