――ふん。
え〜え、そうよ!
マリーは――
どうせ、まだ見てないわよ。
上野の――
パンダ。
やはりトゥルー日記は時事ネタがあってこそ! ……ええ、そりゃあ先月は、その特性のおかげで、家族の皆までがリアルの大きな悲しみを背負ってしまうことになってしまったわけですけれど、それだけじゃあなくって、こういう楽しい系の事だって今まで山ほど分かち合ってきたわけですからね。
ちょうど新しい月も迎えられた事ですし、悲しい気持ちと悼む心は胸に刻み込みつつも、今までどおりの日常で世界を盛り上げていくことこそ、リアルにおいてもトゥルーにおいても大事な事なんですよね。
さて、そんな気持ちの切り替えの境には相応しい器の持ち主であるマリーがこの4月トップの日記を書いてくれたわけですが――ええ、ええ。さっそくの時事ネタというわけですよ。パンダ。
ちょうど春休みということで、観に行こうと思えば行ける状況ではあるのですが、どうやらこの初日にはトゥルー家族も動けなかったようで。トゥルー家のメイン動物園は井の頭動物公園とのことですが、
ほら、あそこって
ミニ遊園地だってあるし、
モルモットだってさわれるし、
とっても楽しいのよ?
マリーなんかしょっちゅう
行ってるからもう――
自分の庭みたいなものだし!
さすがはマリー。動物園にしても遊園地にしても、等身大かつ全力で楽しみつくせるこの器。この自慢げなところがもう本当可愛いです。
ちなみにパンダそのものについては、和歌山ですでにほわんほわんの最高かわいいタイムを満喫した経験がある模様。そんなわけで、お友達に対しては精神的なアドバンテージがあると自負しておられたところに――
……
きぃ――もう!
悔しい〜!!!!
聞いてよ、フェルゼンったら!
今日公園で会った
同じ幼稚園のキコちゃんに――
「今日パパとパンダ見てきたの」
って、自慢されたあ〜!!
うわあああああん!!!!!
超ストレートな嫉妬&羨ましがり来たあああああああああああ!!!
マリーは大人びたようでいて全力で子供らしい子ですが、こういうストレートに激しい羨ましがり方はレア! 珍しい! しかし珍しいながらもこれまたいかにもマリーらしいなってすんなり受け止められてしまうところがミソですよね。ああもう、この悔しがり方までマリー的に可愛らしい。
噂のパンダ食パンも持ってたのよ……
マリーはもうそんな
コドモじゃないし――
パンダはそんなに興味ないけど、
パンダパンは――
パンダパンは――
1度食べてみたかったんだもん〜〜!!!
そして駄目押し! ……このナチュラルすぎる羨ましがり方。本っ当、マリーは「子供」という自分の立場を最大限すぎるほどにエンジョイするんだよなあ。大人の立場からして理想的すぎる子供でありつつ、その傍らであっさり大人顔負けの器を見せ付ける魔性の幼稚園児。ともあれ今はその魔性の片割れである子供らしい子供らしさを存分に愛でさせていただきたく。
とりあえずパンダパンとやらのプリンセスハートをズキュンと撃ち抜きっぷりはなんとなく理解するとして――オオウ、来ましたおねだり。抵抗できるはずもない!!!
……そういえば、姉妹はそれぞれ、トゥルー俺におねだりすることがしばしばありますけれど、みんな基本的には控えめというか、どこかに連れて行って欲しいレベルのことをおねだりするのは、麗ぐらいって気がしますね。そんなわけで、マリーのこのおねだりもわりとレアなケースというか。もちろん、麗がしょっちゅうねだっている以上、許容範囲どころか可能ならば全力で叶えてあげるべきレベルのことがらで御座います。
女王様のマリーがキコちゃんに
負けてるなんてそんなこと――
私の愛しいフェルゼンは
もちろん絶対に――
許しておけないわよね?
――ウフフ♥
そのキコちゃんとやらのキャラを、なんとなくマリーと張り合ってしまうちょっとおませな子系統の妄想をしてみましたが、仮にどういう子であれ、マリーにとっては、すんなりお友達として納められてしまうというイメージが頭の中に浮かんだ次第です。
あーあーア!
知ってた?
オニイチャン――
ナント、明日で――
春休みももうオワリ!
明後日はイヨイヨ
始業式だヨ――
ううむ、なんとも時間が流れるのの早い事――いやまあ、今年の3月に関しては、そう感じてしまうだけの大きすぎる理由はありましたし、そのおかげで色んな出来事がすっ飛ばされてしまったという面もあるわけですけれど、多分それがなかったとしてもきっとこのぐらいには感じていた事でしょうね。
そんなわけで、先月の件の暗い影などまるで見当たらない、いつもどおりの超元気なオーラを漂わせつつ、立夏が春休みのラストを日記を書くことでエンジョイしてくれております。……とまあ、まっさきに書いているのは悲鳴ではあるのですが。
春休みってホーント、
短くてヤになっちゃうよネ。
セッカクこっちは
わーい、わーい♪
イヨイヨ春のお休みダァ〜♥
って期待してお迎えシテるのニ――
この「わーい、わーい」が許される中学一年生……ええ、立夏ならば、年齢相当かを問う前に、まず本人のオーラというかノリに合いすぎていて、そんなに違和感を覚えたりしない発言ではありますね。もうブラも一応しているというのにこの子はもう。
終了式やら通知表やら、
持ち帰りのニモツのこととか、
新しいガクネンの準備とか、
ドラえもんの映画とか――
いや、さすがに「ドラえもんの映画」はいかに立夏とはいえさすがに審議対象であろうと。
……と一時は思ったのですが、毎年二回プリキュアの映画を劇場に観に行っているリアル俺がそれをとやかく言う資格など絶無であるなと思いなおしました。いや、観に行く動機とかベクトルはまるで違うと分かっているのですが! 大友と小さいお友達との明確な差異が俺と立夏の間には!
……などと、ちょっとした部分でエキサイティングしてしまいましたが、ともあれあっという間に春休みが過ぎ去ってしまったことに、立夏は寂しさを抱いてしまっている様子です。
でも、なんか、
こうしてサクラの花を見てると――
……
ふわああああぁ――
――エヘッ♥
ナンカ、眠くなってくるネ!
とか思ってたら即立ち直りました。ええ、これが立夏の美徳というか、まだまだ暗い話題も多い昨今、この子の存在はそれこそ強烈なダイナモとなって周りの人のエネルギーになってくれているのではないでしょうか。
とはいえ、今はそのフリーダムなベクトルも、お休みモードに向いてしまわれており、まあそれはそれで春眠暁を覚えずの実践に良いかなと。貴重な二日の一日――ま、いっか、というノリは、年をとりすぎてしまったリアル俺には少々痛みを感じないでもない発想ではあるのですが、
ではでは、オニイチャン――
おひざをハイシャク♥♥
オヤスミナサイ〜♪
――ゴロンチョ♥
うん、もちろん抵抗不能。あずまんがの榊さんのように動けなくなってしまいまして候。
明日からいよいよ
新学期です♥
みんな――
春休みの間に
元気をためることが
できたかしら?
春風さんが「たまっちゃった?」とか言ったらなんだか途方もなくピンク色な方向に想像してしまいますよ! ……などと思ってしまうリアル俺がギルティか否かの判断はおまかせするとして、春風さんも再開後の日記にいよいよ登場です。
さすがにあの大変な3月を経ての新学期を前に、春風さんのお姉さんモードもいつもより色濃く感じられますね。この家の実質的なお母さん要素は、やはりホタと春風さんとがかなりの部分を担っているわけで、そういう意味でも今年の春休みは非常に精神的負担も大きかったんじゃないでしょうか。
春風さんといえば、俺たちがまっさきに頭に浮かぶのは、トゥルー俺を狙う頭の中が春風な状態のきゅんきゅん春風さんの姿なわけですが、その他にも、みんなのお姉さんとしての顔、一人のかよわい女の子としての顔と、いろいろ持ち合わせているわけで。
……個人的にはやはり、後者二つの顔のギャップが、今回の件で心配なわけですよ。春風さんって内面的には、誰かに守ってもらいたいかよわい女の子なわけでして。あの地震で、春風さんがどれだけ怯えて、悲しい思いをして、心にダメージを負ったかと想像すると、ちょっといたたまれない気持ちになってしまいます。そのくせ、妹たちを支えてあげなくてはならないので、弱さを表にはそうそう出せないという立場と責任感。その板挟みが、ますます辛さを増していたのだろう……と想像してしまいます。
などと、春風さんの内面を察しようとしているのをよそに、春風さんはこの春休みを振り返り――やはり、いつものようにお出かけなどはできないお休みだったようで。しかしながら――
みんな“お兄ちゃん”にも
たっぷり甘えて――
ウフフッ♥
のんびり平和な
春休みだったかも
しれません。
……みんながいっしょに家で過ごせるという意味においては、かえって良かったと思える部分もあったみたいですね。それでもやはり、みんなの面倒をみる立場としては、心労なども一方ならぬものがあったとは察しますが――やはり春風さんは、みんなの心を優先してくれているなって感じますね。
そんな春休みを経て、明日からの新学期。昨日の立夏を見てもわかるとおり、元気が余ってきちゃってる子もすでに出始めているトゥルー家。新しい学期を迎えるにも、ちょうどいい状態ってことなのかもですね。そんなみんなの様子に、ようやく春風さんもホッとできたようで――ああ、なによりだなあと、身を案じるトゥルー弟としても一安心したわけですが――
だから――
そろそろ♥♥
これからは――
毎日チビさん達に独占されていた
“お兄ちゃん”も
解放してもらって――
今夜からは――春風の所に
帰ってきてもらえるのかな、
って思ってます♥
――きゅん♥
安心できると思ったとたん春風さんが春風さんモード(通常)に!! ……ええ、これでこそ春風さんだなと安心といえば安心なのですが――なんというか、言ってることは穏当に見えて、「今夜」とか言っちゃってるあたりが、バレンタイン以来の危機がまだ進行中であるということを思い知らされます。やる気だ、まだまだ春風さんはやる気満々で――
春休みも終わって――
ここからはもうオトナの時間♥♥
今夜は余震があっても――
王子様と一緒だから――
ぎゅううって抱きつけると思うと――
ちょっぴり安心です――♥
ほらもうオトナの時間とか言っちゃってますよこの人! ……とはいえ、こうしてある程度安心を取り戻せた今よりも、本当に怯えきっていたであろう地震直後あたりで、はたしてトゥルー俺は、この人のことをちゃんと抱きしめてあげられたのかな、とも思ったり。今だと怯える以上にそれ以上の何かを求められそうでちょっと!
……もっとも。さっきも言ったとおり、もともと春風さんは臆病でかよわい女の子。こんな風にきゅんきゅんしていたって、内心ではまだまだ不安で怯えているという気もするんですよね。だから今は、ちょっとだけ警戒を緩めて受け入れても……なんて思ってたら即陥落されそうな気もしますけれど! でも、やっぱり、慰めてはあげないと。
桜の花が――
満開じゃ!
やれ、嬉しや。
桜をに喜ぶ観月! この季節の桜なら誰もが好むものでしょうが、そこはやはり観月、その愛で方も趣の味わい方もなにやら本格的じゃあないですか。
やれ、嬉しや。
時は巡りて――
今年も出会おうた
うす桃色の――
花の雲。
美しく――
儚く。
まったく――
世にこれほど
わらわ達の心を
揺すぶるモノがあろうか?
うん、相変わらず幼稚園児の感じ方を超越しまくっておりますが、こんな観月の感性にももうすっかり馴染んでしまいましたよね。今年の春は本当に大変なことがあったので、この桜の見え方についても、例年とはやはりどこか違うものもあるように思えるのですが――感性が超越しているとはいえ、それでもまだ幼稚園児ではある観月には、はたしてそのあたり、どういう感じ方になっているのでしょうか。ちょっと追求するのは怖い気もしますが――
この花の散る
一片ひとひらが――
儚い命のようにも思え、
なんて言葉を聞くと、ちょっとドキッとしてしまうのは、考えすぎ……ということにしておこうかなと。しかしそれにしても、極楽浄土に体がふわりと――というのはそうであろうとなかろうとヒヤリとしてしまうわけで兄としては!
フフフフ♥
じゃが――
……なんて思う兄心を知ってか知らずか、この可愛らしくも妖艶にも思える笑い方で続ける言葉が――
わらわの体から伸び出る――
赤い糸。
うねうねと蔓のごとく伸びて――
ほれ、見い――
兄じゃにつながれておる♥
古風にもメルヘンチックにも思える、いわゆるひとつの赤い糸フラグ。観月が言うと、なんだか前者の印象も強くはなりますが、そこはそれ、本質的には同じことですよね。
縁あって――
この世に生まれたわらわは――
この世のつとめを果たさねば――
浄土に渡ることはできぬのよ。
さればこそ、今はこうして――
このいつもよりも少し暗い
本当の夜桜を――眺めていよう。
……これもまた、観月がどんな認識で言っているかは分からないけれど、今この時期には、しっかり考えさせられることを語ってくれておりますね。やっぱり深い子だよなあ。
兄じゃは木登りは得意か?
わらわを少しでも高いところに――
のぼらせてたもれ!
とか思ってたら、即座に幼稚園児モードで甘えてきてくれるのも観月って子の醍醐味であり。
昨日の地震は――
こわかったわね……
……海晴姉さんが本当に怖がったりシリアスにしていると、緊迫感が違う……。いや、今回のこの最大余震は相当なものだったようで、あちこち被害もでていますし、海晴姉さんのこの反応も理解できますが。
言うまでもなく、姉妹の中では一番のお姉さんであり、みんなを支えてあげなくてはならない立場の海晴姉さん。そんなわけで、あの軽ーいノリはありつつも、やはり家族を精神的に支えてくれる、頼れる人なわけですが、
やっぱり――
地震って本当に
こわいわ――
とか言われてしまうと、深刻さがやはり違うわけで。……と同時に、不安になってる海晴姉さんを、しっかり支えてあげなくてはと、トゥルー弟としては発奮すべきときでもありますね。
もちろん支えてあげなければならないのは姉妹みんなが対象であり、特に悲鳴をあげてるホタや春風さんは、小さい子たちの面倒をみているという立場からも負担がとても大きいわけで、なんとしても守ってあげなければ。
姉妹それぞれ、地震に対するリアクションは違えど――
でも、立夏ちゃんは
いくら起こしても
起きなくて――
ウフフ。
小さな子達は意外と――
地震には強いみたいだけれど。
うん、小さい子たちはさくら以外、案外地震の揺れそのものには耐性があるんじゃないかなって思ってましたが(青空とか特に)、その遥か上を行く立夏さん……本当、いい意味で幸せな子だなあ。しかしもし建物の倒壊がありえるレベルの地震が来たら、まずやるべきことは立夏を起こすか、もしくはおぶって非難する覚悟を決めることですね。
さて、海晴姉さんはテレビで喋ったりするお仕事についているので、この災害に対して社会的にも付き合っていかなければならない重い立場でもあるわけで。その海晴姉さんが言う「被災地の人のことも考えたら――」は、これもまた重みが違うな、と。そんな重荷にさらされた海晴姉さんの力になんとかなってあげたい――と思うことは、全トゥルー俺にとって義務を越えて本能のレベルの思いではないかな――などと、思っていましたら。
でも、そんな中で――
キミが♥
いてくれたから――
昨日は本当に心強かったナ♥
夜中の地震――
きゃ〜助けて〜♥って
キミの部屋に飛び込もうとしたら。
キミの方から――
「みんな大丈夫か」って――
出てきてくれて。
みんなの無事を――確かめてる姿、
本当にかっこよかった♥
トゥルー長男、100点満点の働きをしておりました。
……あくまで俺であっても、自意識が完全に及ぶわけではないトゥルー俺ですが、この振る舞いはまさに100点満点という他はない。よくやったの一言ですよ。
こんな理想的な対応がちゃんとできているのを目の当たりにしたら――そりゃあ、海晴姉さんだって、姉の部分と女の部分、その両方が反応してしまってもおかしくないですよね。ああ、リアル俺の願望がこれでもかってぐらい理想的な形で。……いやまあ、そういう海晴姉さんも「きゃ〜助けて〜♥って」とか、(あくまで今そう表現してるだけで、当時はもっと切迫していたとも考えられますが)わりといつもどおりのノリだったりはしたようですが。
我が弟ながら、やるじゃない!
って思って――
なんだか――春風ちゃんに
お婿にあげるのが惜しくなっちゃったな♥
やっぱり――お姉ちゃんとケッコンしよっか?
お姉ちゃんは、全然――
かまわないよ?
うふふっ♥
いつものからかいのように見えて――案外、この発言って、けっこうガチなような……。
というか、この一件がなければ、トゥルー俺の身ってほぼ春風さんのお婿確定な流れだったわけですか海晴姉さん内部で。いやまあ、あんだけいろいろしでかしていれば、そりゃあ家族の中ではそういう流れも暗黙の了解に近くなっちゃうだろうとは思いますが! 春風さん恐るべし。
しかしながら――ああ、なんか嬉しいなあ。こうやって、単に弟として愛され可愛がられるという中でも、表向きはちょっとだけとはいえ、こうやって女の子な部分を見せてくれるっていうのは。弟冥利ここに尽きまする。
しばらく雨は
降ってなかったし――
氷柱がヤラれてしまった!!!! ……いや、タイトルの単語に即反応してしまうのはこの日記においてはいつものことですが、それにしても今日のはなんというか……しかも書き手が氷柱ってあたり、なんとなく反応してしまわざるを得ません。
まあそれはさておき、この書き出しからして、どうやら氷柱は雨にぬれてしまったということで「ヤラれた」と表現しているようです。
ここんちの子たちは、長女の海晴姉さんが朝のお天気番組に出ていることもあって、お天気チェックはよそよりも細やかに行っているのでしょうが、
正直言って、
その辺ぜんぜん――
ちゃんと聞いて
なかったんだもん。
昨日の夜は
新しい問題集に夢中になって
ちょっと夜更かししてたから
珍しく朝少し時間がなくて――
ああ――
こんなこと言ったら
海晴姉様に
怒られるかしら?
怒られるというか、かっこうのいじり材料を見つけたと感じて嬉々としつつ色々言ってくるだろうな、と即座に想像できますが、問題集に夢中になって、という事情は、朝寝坊を注意する要素としてはちょっと弱いですよね。むしろ褒め要素。
この氷柱の場合、勉強でのめりこんでというのは自分を良く見せようとしている意図はまるでなく、本当に漫画を読みふけるのとかと同じ感覚で言ってるんじゃないかなって感じがあって、そのあたりのナチュラルな勤勉さに関してはさりげに美徳だなあとも思ったり。
それはさておき、みはチェックをスルーしてしまった氷柱は、
みて、ほら――
学校帰りの時間に
ちょうど降られて――
制服がぐっしょり!
気持ち悪い――。
……相変わらずリアルタイム性を帯びた日記だなあ、と思いつつも、見事に濡れてしまった氷柱さん。……「濡れた」というぐらいではさすがに反応しないでも済むようにはなりましたが、さりげに「気持ち悪い――」という発言にちょっとゾクゾクするものを抑えきれませぬ。マゾ的な意味でも、サド的な意味でも。
とりあえず、腹立たしくて仕方ないご様子の氷柱でしたが――
あ――なんか腹立つわ。
そうだ!
こうなったら悔しいから――
下僕も道連れにしてやる!!
ほら――
こっちにいらっしゃいよ♥
ぎゅううっとハグしてあ〜げる♪
これで下僕の制服も
最悪のびしょ濡れね――
クスクスクス♥
なんか想像を超えたことをしてくれちゃっておりますよこの氷柱!!!!!
え、え、ええー!? ……いや、このハグとかハグとか、氷柱さん全力でデレ……というわけではなく、これって完全に素でいやがらせをしているつもりなんですよこの子! あ、アホな……いや、ホームズごっことか素で言っちゃう子ですから、このぐらいはなるほどって感じでもありますがしかしこれは……!!
……ええ。もちろん氷柱も、無意識のレベルで、トゥルー俺にハグとかスキンシップしたいって欲求を覚えているのでしょうが、そんな無意識の欲求をまったく意識しないというところが、氷柱って子の醍醐味であり、すなわちアホ可愛いの局地でありますよ。いやもう……可愛すぎでしょうこの子。意地悪してやりたいという気持ちも、ハグしてやりたいって無意識の甘えっぷりも、その単独でも相乗効果のアホ可愛さにおいても極上すぎです。
もちろん、そんな行為で濡らさせるトゥルー俺は、精神的な意味でも肉体的な意味でもご褒美――っていうのさえ通り越して、至福のひとことって感じじゃあないでしょうか。「下僕も道連れにしてやる!!」って、ホント、この可愛い女の子っぷり妹っぷりと来たら。
ああ――
困った。
春だから――
新しい服を買え、と。
海晴姉がまたうるさいんだ。
ボーイッシュ少女全般における大王道イベント来たああああああああああ!!! 今までにもヒカルにはホタの過激コスプレを着せられたりとか色々ありましたけれど、今日のはまたストレートなイベントとして新しいお洋服をと。ちなみに命令主は海晴姉さんということで、さすがのヒカルも拒否しにくい状況です。
まったく――
どうでもいいじゃないか、
人の服やおしゃれのことなんか――
なあ?
お前もそう思うだろう?
同意――してあげたいところではあるのですが、ヒカルのお洒落した姿を想像すると確かに魅力的すぎるので、うんとはなかなか言えないところです。自分の身に置き換えてみれば、それこそ全力に近い勢いで同意できなくもないわけですが――しかしそれにしても、ヒカルの主張は少々女子度が低すぎという感は否めませんね。
「服なんて興味ない」「十分持ってる」「穴は繕った」「これ以上必要ない」「季節に合わせて服を買うなんてまったく無駄なことだよな」――む、むう。ヒカルがそう思っているんだったら、なるべく気持ちは尊重してあげたいところではありますが――やはり勿体無い。いや、無頓着なスポーティー姿のヒカルだって魅力的すぎるわけですが、それに加えて、たまにでもオシャレ度高めな姿を見れるのであればそれはそれで。
そう、実は――
昔からずっと思ってたんだ。
人間って――
Tシャツとジャージと
グラウンドコートがあれば、
どんな季節でも過ごせるのにって。
あとはせいぜい――制服とパジャマ?
うん。
みんなが、それで過ごすようになれば
きっとすごくエコだし――
こんな風に余計なことで――
煩わせられたりしないですむのに!
しまいにはこのような極論……というか、思いつきの言い訳の領域にまで。ヒカルは基本さっぱりしたいい子ですが、苦手分野ではこうやってちょっと後ろ向きにあれこれ考えてしまうところもあるんですよね。それはそれでまたこの年頃の女の子らしくもあって(言ってることは女子度とは反対でも)、ヒカルって女の子の心の表れ方として興味深く、親近感にも繋がるわけですが。
まあしかし。あれこれ言っていても、要するに――
まして――
海晴姉がいうような
……
ワンピースなんて――
……
私に似合うわけが――
ないっていうのに。
……ニヤニヤ。これですよね。ニヤニヤニヤ……と、あまりニヤニヤしすぎるとヒカルを傷つけるので、あくまで心のなかで留めてはおきますが。
まあつまり、「女の子らしくするのが恥ずかしい」という、中学生ぐらいの女の子がよく陥る思考回路なんですよね。これまた大王道の。ううむ、こういうコンプレックスまでまっすぐ正統派っていうのは、いかにもヒカルらしい。
とまあ、そういう定番の、それでいて難しい問題でありますからして、ここは海晴姉さんたちに任せて、男の子であるトゥルー俺から深入りするのは避ける方向が懸命でしょう。もちろん、「ヒカルのワンピース、見てみたい」って言ったら、ビンビンのフラグトリガーになっちゃいますが、それはそれでいつか見てみたいという思いもあるわけですけれど。
……などと、勝手にニヤニヤしつつ話を終わらせようと思っていたら、
そうだ、どうしても海晴姉が
新しい服を買うというのなら、
今回はオマエが買ってもらえばいい。
ワンピースでもジャケットでも
よりどりみどりだ♥
今度の週末は海晴姉の買い物の相手――
頼んだぞ?
やった――
あの買い物、耐えられないほど長いんだ……
なにやらこちらにお鉢が回ってきたでござるの巻。いや、海晴姉さんとお買い物とか、非常にそそられる魅力的な案件ではあるのですが――いや、最後の行に関しては間違いなく大変そうであり。どっちを選ぶか、あらゆる意味で悩みどころですね。ヒカルの意思を尊重しつつ、海晴姉さんとの買い物デートという選択肢なので、こっちが正しいという気もしますが……うむむ。
あぱらぱ!
うぉっぱ!
うぉんぱっぱらぷっか――
ぺぺろっぱ!
ぷおっぷぷぷぷ〜〜♪
おえ〜♥
野性味や雄々しさがとどまるところを知らないあさひさん日記! いや、毎回毎回、この獣性のトップスコアを更新してきている感じですね。今日はもういきなりけものの咆哮を思わせる雰囲気の日記ですが――さて、さっそく翻訳を。
おひさまぴかぴか!
おおはれだ!
うれしくなってうたぷっか――
らっぱをふけ!
ぷおっぷぷぷぷ〜〜♪
くちがかゆいぞ〜♥
「おおはれだ!」……ああ、翻訳をかけてもなお雄々しい。天気の良さに思わずいい気持ちになり、テンション高めて歌ったりするというあたりがもうこれでもかってぐらいの雄度を感じてしまいます。今さらながら、赤さんならではの力強さを思い知りまして候。
さて、「うたぷっか」から「らっぱをふけ」の繋がりが、具体的にどうなっているのかがちょっと想像しにくいのですが――ラッパってあれでしょうか。口を何かに押し当てて「ぶぶぶぶー!」って吹き鳴らす、的な? お口もかゆがっているところから、なんかそんな感じですね。
そんなあさひさんも、今夜を超えれば、再び0歳の誕生日を――ええ、今年は学年ジャンプなどは見られないので、やはり今年もそうなのでしょうね。本来ならば、あさひさんが1歳になるあたりで日記に区切りが付いたりするのがキレイなかたちなんでしょうけれど、まあそれは本格的に日記内世界がピリオドになっちゃうので、ホントのホントに終わりのときを迎えるまでお預けってことで。
また、去年の暮れにようやく「おにいちゃん」と言葉を覚えたわけですけれど、今日の日記を見る限り、そちら方向の成長というよりは、さらなる赤さんとしての野性味が板についてきたような……まあ、永遠の0歳児であるあさひさんですからして。
ふるふるふる〜♪
ふるふるふる〜♪
すっごい!
おはなのあめ!
おお、今まさに満開でありますか――というのが手に取るようにわかる青空の感想! いいねえ、実際の桜もさることながら、この青空の元気の良さにこそ心を奪われるトゥルー俺心でございますよ。
とはいえ、おはなのあめ、すなわち桜吹雪という状況は、突風が吹いていて穏やかではないということと、すぐに花が散ってしまうということも意味しており、どちらかというと穏やかに桜を愛でようというのには不向きなお天気ということでもありますが――まあ青空にとってなら、このぐらい豪快な方がずっとお好みなのでしょうね。
おにわ、みーんな
さくらだらけ!
さくらのあめ!
きれい、きれい、
ねぇ〜♥
おにわ、さくら
いっぱい!
桜は、散った後が汚くて、片付けるのが大変、という見方もしばしば耳にしますけれど、それもまた青空にとっては、むしろきれいきれいと大絶賛。いや、俺もむしろ桜の花びらが敷き詰まった地面というのはいいなあって思うので、ここは青空に全面賛成――その後の庭掃除のことを思い出すまではですが。
それはさておき、恒例のネタではありますが、この桜と我がトゥルー家のさくらを混同してしまうと、一転してなにこの素敵なさくら空間はということにもなるのですが、ふだんのほんわかしたさくらならばともかく、庭中のさくらが一斉に泣き出したらと思うと少々怖い気もするのでこのへんで妄想はとどめておこうかと。
さて、そんな妄想に浸っている傍らで、青空はやはり小さい子にとっての定番なおままごと的お遊びを。おはなごはん――きれいでいいなあとしみじみ思うのですが、青空のばあい、本当に口に入れて飲み込んでしまいかねないところがあるので、そこは注意を払わないと……
そら、つくるひと。
おにいちゃん、たべるひと。
おいしいよ?
たべてたべて!
おいしいおはなごはん!
なんて無粋な心配も、この幸せおままごとの前では、ただひたすらに幸福感を味わうばかりの心境へと転じてしまいます。まあこの場合、実際に食べるとしたらトゥルー俺の側になるということでもありますが。それはさておき、青空はその活発なイメージとは裏腹に、将来けっこうお料理とか好きな子になりそうな気もしますね。食べる遊ぶが大好きで、そのための手間なら惜しまない的な子に成長してくれそう。
やまもり、ぜーんぶ
たべたらえらいこ。
えらいこには――
ちゅーちゅーする♥
ハムハフッ、モフッ!(AA略)
ぱちん
ぱちん、
ぱちん――
はい、できあがり!
何の音かと思ったら、さくらの爪を切ってあげている春風さん! おお、これはまたいい光景。もうお姉ちゃんを通り越してお母さんの仕事ですね。またこういうのも絵になりますよ春風さん。やっぱお料理が上手で胸も豊満な人って、外見年齢を問わず母性的ってイメージになりますよね。
とりあえず、夜の爪切りはことわざ的にはNGではと頭に浮かびますが、そんなことを気にさせないぐらいに安心感のある光景です。やはり小さい子なので、爪が伸びるのも早いようですが――さくらの手のちっちゃさを想像すると、爪までふんわり柔らかそうってイメージですね。切るのにも男手だとすんごい気を使いそうだなあ。その点春風さんならこのうえなく優しくやってくれそうであり。
気がついたら、もうのびて――
ツメのの隙間にカラフルなクレヨンが
いっぱいはいっちゃってました♥
か〜わいい♪
将来、春風と王子様にも
こんなかわいい赤ちゃんが
さずかるしら?
――きゅんっ♥
……ま、まあ、春風さんの赤ちゃん欲しい発言にも、そろそろ慣れてきたので、動揺も最低限に抑えられるようになってきた今日この頃です。まあ、その分そこから続く攻撃がさらに激しくなっているのですが。
とまあそんなわけで、さくらも幼稚園やおうちできちんとお絵かきなどを楽しんでいるのだなあ、などとほのぼのとした気分に浸っていたわけですが――なにやら、春風さんの爪も伸び気味だとか。
とりたててどうということもないこの発言に――
ツメののびるのが早い子は
エッチな子っていうけど――
きっとアレは嘘です♥
だって――春風は全然
ちっともエッチなんかじゃない、
夢見る乙女だし♥
もちろんさくらちゃんが
エッチなわけがないし――ウフフッ♥
――まさかこんな、トゥルー日記が始まって以来、もっともどう反応したらよいか分からない発言が飛び出してこようとは。
………………い、いや、春風さん。その、その発言を俺に対して言い放って、一体どうしろと。は、反応を見ておられるのか――いや、春風さんに限ってそれは。
ええ、この全国の全トゥルー俺を招集して全体会議で議論したくなるような発言ですが……これって春風さんの性格からして、「あえて」言ってるわけではないんでしょうね。100%、素でそう思ってくれている言葉なんだと思います。
確かに――ことトゥルー俺絡みのことを考えなければ、まさにそのとおりとしか言いようのない女の子である春風さん。恥ずかしがりやで、控えめで、まさに乙女という表現が相応しい女の子なわけですけれど……問題は、普段のトゥルー俺に対して行なってくれているあれやこれをどう評価すべきか。
まあ、ぶっちゃけ、やってることだけを見れば、さすがに明確に「男女の営み」を示してくれている、春風さんの圧倒的きゅんきゅん乙女アプローチ。改めて言うまでもなく、トゥルー俺の理性と貞操を脅かしてくれております。まあ客観的に見て、「エッチなことを積極的に求めている」と言わざるを得ません。
しかしながら――春風さん的には、あれは極めて純粋な行為なんでしょうね。ただただ、愛しいがゆえに行っていることであり、不自然なことでもなんでもない、と。……詭弁といえば詭弁なのかもですが、肝心の春風さん自身に、そういう「エッチなこと」という後ろめたさがない以上は、淫らなことと断言してしまえないというところはあるんじゃないでしょうか。
そんなわけで、この圧倒的爆弾発言を前にしても、リアル俺としては「おまえが言うな」とは言えない気分なわけですよ。いや、春風さんに対して「おまえ」とか言えないという部分もありますが。
……しかし、ですよ。春風さんがもし本当に、自分のアプローチを「エッチなこと」と認識していないのだとしたら、もしかするとそれこそが、いまだトゥルー俺が春風さんと「結ばれていない」ことの原因なんじゃないかなって気がします。
だって、本人がどう思おうと、それは確かに「エッチなこと」なんですよね。春風さんは内面的にまだ夢見る乙女であって、行動に半して、その本質をまだきちんと受け止めきれていないのでは――っていう風にも思えるんですよね。だとしたらそれは、恋愛というステージにおいて、ちょっと足をひっぱる要因なんじゃないか、と。なんとなくそんなことを思った次第です。
………………とまあ、あまりにもインパクトのある発言で、思わず色々と考え込んでしまいました。
そんなこっちの動揺を知ってか知らずか(多分知らない)、ことわざの「夜の爪切り」問題について触れてくれたりする春風さん。ええ、そういう意味ではぜんぜん心配していないんですが――なんとなく物欲しそうなトゥルー俺の視線を感じてくれて、さっそく反応が。ええ、さっそく「大きな手♥」と、きゅんきゅんながらも乙女らしい可愛い反応をしてくれるんですが――
こんな風に王子様の手の
手入れをしていると、
なんだか胸がドキドキしてきて、
ほら、もうこんなにドキドキよ――って
どうしても触ってもらいたく
なっちゃいますね♪
――きゅんっ♥
……はい。エッチなことではないんです、きっと。……その理屈にトゥルー俺まで乗っかってしまうわけにはいかないっていうのが辛いところなんだよなあ。しかし逆に言うと、それこそがトゥルー俺の心理的な障壁ともなっているのでしょうが。こんな純粋な春風さんをエッチな目で見てはいけない、的な。
明日は――
学校探検の日です!
学校のお兄さんやお姉さんと
低学年の子がペアになって
学校のいろーんな場所を
探検するんですって!
ユキのいろんなところを探検! ……すいませ(以下略) などという頭の悪い前ふりはもういい加減やめたいところなんですが、この無垢で元気なユキの姿を見ていると、どうしても、こう、心が!
まあそれはさておき。ユキの小学校ライフは本当に充実しているっていうのがこの書き出しの元気の良さからも伺えますよね。本当に幸せすぎる。こういう学校で普通に行われそうなイベントのひとつひとつが、ユキにとっては本当に新鮮で、輝かしい体験なんだって思うと、ホントに胸にクるものが。
いったいどんなことを
するのかしら――って、
ユキがちょっぴり
ドキドキしていたら、
夕凪お姉ちゃんや
星花お姉ちゃんが
教えてくれました。
とはいえ、ユキがドキドキしてるとか自分で言ってるのを聞くと、やっぱりなにか別の意味でドキドキしてしまうリアル俺がいることも決して否定できません。ああ、なんという汚れ兄か。
その傍らで、夕凪さんや星花はしっかりとお姉さんらしさ&上級生らしさを発揮してくれていて、眩いばかりです。……夕凪さん、というあたりに、即座に連想してしまう展開が頭の中にないではありませんが……
ともあれ学校探検という響きには、リアル俺さえわくわくしてしまう響きがあるわけで、そりゃあユキにしてみたら、これ以上ないってぐらい刺激的な体験なんだと思います。思わず「す、ごーいの♥」なんて、トゥルー姉妹から久しぶりに聞く言い方まで飛び出すぐらい! ああ、ユキが歳相応の子供らしい率直な反応をしているのを見ると、これまたじんわり来てしまうなあ。
ユキの今までの不自由な生活もありますが、それにくわえて新一年生という立場もドキドキを増してくれてますよね。まだまだ行けていない特別教室もたくさんあるわけで――
夕凪お姉ちゃんは――
理科室っていうお部屋に、
あ、これって4年生以上の
お兄さんお姉さんだけが
使う部屋なんですけど、
その理科室には――
大きなホネホネオバケがいるから、
今年こそ、そのオバケをつかまえて――
家来にするんだって言ってました。
本当でしょうか?
ユキ――ドキドキです!
うん、夕凪さんが夕凪さんらしいクオリティを発揮してくれていて、ある意味安心。この無垢な瞳で夕凪さんを見てくれるユキが、ただひたすらに眩いばかりです。
さて、そのほかに気になる場所としては、校外室と給食室とのこと。給食室って確かにロマンがありますよね。今のリアル俺だって、見学できるのならばちょっと見てみたい場所ですし。そして郊外室とやらがなぜ気になるかと言うと――
校外室では、いつも信号のところで
みんなの見守りをしてくれてる
おじいちゃんとおばあちゃんが
いるんですって♥
ごあいさつに行って――
いつもありがとうございますって、
お礼をいいたいな♪
……ユキの天使クオリティも相変わらずでして。ホントにもう、この子の言動は、どうしてこうも無垢さと清らかさに満ち溢れているんですか。病気が治ったユキは、本当に天界から地上に降り立てたばかりの天使みたいな女の子です。
さくらは
シャンプーが――
きらい、なの。
……
――ぐすん。
さくらはシャンプー嫌い! うん、いかにも想像できる感じですよね、お風呂場でシャンプーを怖がるさくらの姿。……いや、け、決して桃色的な妄想ではなく!
というか、トゥルー俺もさくらぐらいの子たちとはしばしばいっしょにお風呂に入っているようですし、さくらのシャンプーぐらいしてあげたことはあるんじゃないかと思うわけです。
まあ、小さい子にとって、目に入って来るシャンプーは大敵でしょうね。自分を振り返ってみても、さすがにその時代のことは思い出せませんが、シャンプーハットぐらいは使っていたような遠い記憶がないこともなかったり。
しかしそれにしてもさくらの嫌がりようは、「はりをさす」ような痛みとなかなかに過激であり、その痛いの嫌いっぷりが伝わってきます。そしてやっぱり泣いちゃうさくら。頼みのシャンプーハットを使ってさえ。
麗お姉ちゃんや
小雨お姉ちゃんは――
さくらがこわがって
あたまを動かすからよ
って――いうけれど。
さくら――やっぱり――
やっぱり、シャンプー
こわいんだもの。
うわあああ〜ん!!
……ううむ、さくらにシャンプーしてあげるのは、想像以上に大変そう。まあ、ちっちゃい子の面倒を見てあげるというのは、なんにせよ大変なものですが。
ちなみにここで真っ先に麗と小雨の名前があがっているのは、一緒に入ってさくらのシャンプーを見てあげてるからなんでしょうね。なにもかもホタや春風さんにお任せすることは出来ませんし、お姉さん役割は姉妹みんなで分かち合い状態。小学生組の最年長であるこのふたりは、それぞれまだ頼りきれないものの、面倒見の心は強い子たちですしね。いかにも様子が想像できます。
そんな状況ではありますが、さくら自身が奮起して――
だから――さくら、
今日はれんしゅうなの。
おっきな子グマのミーチカちゃん。
さくらおねえちゃんが、
ごしごし、あたまをシャンプー
してあげます!
ここにきて、さくらの連れてるKUMAのぬいぐるみの名前判明――! しかも名前が「ミーチカ」ちゃんて。かしこいかわいいミーチカちゃんですか中の人的に!? ええ、ラブライブ話ですが、どっちも公野櫻子ワールドでありますからして。
まあメタ的な話はキリがないので止めますが、それにしても自分が怖いシャンプーを、別の相手にしてあげることで解消というのは――いやまあ、こういうのは精神的な問題ですから、さくら自身が苦手意識を克服できるのであればなんだって。
しかしながら、ぬいぐるみにシャンプーとかって大丈夫なのかという心配は当然――ただ、このさくらのお姉さんぶりを見ると、止めるのが無粋というか止められない気分に。俺もミーチカちゃんになってさくらといっしょにおふろはいる!! いや、兄としてではなくて、さくらにいろいろ面倒を見てもらえる立場で、というのが重要であり!
あれれ?
どうしたの?
ミーチカちゃん――
おふろに入れたら――
でろでろのぐにょぐにょになって――
おふろのそこにしずんじゃった!!!
うわああああああん!!!
ミーチカちゃんがしんじゃうよぅ――
お兄ちゃん――
どうしよう――
うえええええええん!!!!!
……とまあ、案の定の結果になってしまい、本当にミーチカちゃんになってしまっていたら哀れ溺死という運命をたどることになってしまっていたわけですが。しかし風呂に沈んだぬいぐるみのサルベージ……可能だといいなあ。せっかく名前も判明したというのに、ここでおわかれというのは寂しすぎですミーチカさん。
ミーチカちゃん?
誰それ。
……
――なんてね。
ウソよ、ウソ。
なんかデジャブを感じるこのやりとり――って、ウソかい! ええ、ミーチカちゃんは先日名前が明らかになったさくらのクマのぬいぐるみですが、このやりとりは以前のフレディが見える見えない騒動を思い出させますね。あのピンク色、今いったいどうしていることやら。
とまあそれはさておき、なにやら茶目っ気を出した氷柱の日記でございます。いやまあ、ホームズごっこのときといい、本質的には歳相応よりも低いぐらいのお茶目さんでありますからね。
で、昨日の日記で、名前判明と同時に水没の憂き目にあったミーチカちゃんですが、哀れ、デローンと物干し竿にぶらさがり状態のようで。
あーあ。
やっちゃったわね!
と、言葉の上でこそこんな感じですが、さくらはもちろんのこと、このぬいぐるみそのものに対してもけっこう気にしている雰囲気が伝わってきますね。
っていうか、なにやら濡れてしまったぬいぐるみの処置に対して、やたらと詳しい説明が。いやまあ、勉強家の氷柱ですから、どういう知識が身についていてもおかしくはないんですが――
――え?
なんでそんなこと知ってるのかって――
そりゃあ、もちろん
私が過去に何度も
そういう経験を――あ。
……
な、なんでもないわよ!
――この子は本っ当に分かりやすいな!
本当にどんだけ素直! 可愛すぎてそのまま抱きしめてあげたいぐらいですが、こういうときにさらに追い詰めるとものすごい反撃を喰らいそうですし、それはまあいいのですが気持ち的には穏やかでいられないでしょうから、そっとしておく方向で。
ともあれ、言葉から察するまでもなく、ダイレクトに理由を語ってくれてしまった氷柱さん。それも何度も……小さいころには相当なぬいぐるみっ子だったんですね。もしかしたら、今でも押入れあたりにたくさんいたりして。
そんな照れ隠しとばかりに、さくらのためにミーチカちゃんへの処置を色々トゥルー俺に指示してくる氷柱。ええ、もちろんさくらのためならどんな労力も惜しみませんが、「今日の下僕は――ドライヤー係を命じるわ!」……オオウ(ご褒美に悦ぶINUの表情)。
あ、あと――
ミーチカちゃんの毛並にも注意してね。
うっかりしてるドライヤーの熱で
ボソボソになったりするから――
……
う、うぅん、なんでもない。
別に私、一緒にお風呂に入った
ぬいぐるみの世話に
特別詳しいってわけじゃ――
ないんだから――
……。
いや、さらに込み入った説明までしなくても! 本当、どんだけ……っていうか、これってもしかして、ワザと語って……いたり? いや、氷柱のことだから、素でもこんだけってことも十分に考えられますが。判断が難しいかも。いずれにせよ、このやりとりだけで失神するぐらい可愛いってことだけは間違いありませんが!
今年も――
ついにいよいよ
ゴールデンウィークが
やってくるわね!
ええ、今年も待望の大型連休――とはしゃぎまわりたいところなのですが、さすがに今年は、たとえ出かけるにしても、世間の空気が昨年とは違うというのは否定できませんよね。
海晴姉さんも大人であってテレビ人でもある以上、そのあたりの空気には敏感にならざるを得ないといった感じですね。
しかしながら――そんな大人の事情も、小さい子たちの前では通用せず。
夕凪ちゃんや星花ちゃんや
小学生の子達だって――
昨日もみんなで
プロレスごっこして
和室の障子を破っちゃったりして――
元気パワーあまってるみたいだし。
って、星花たちまでこれほどの興奮を!! いや、小さい子たちといっても、夕凪さんは思いっきりそこにあてはまるわけですが、星花はそっちに引っ張られている感じでしょうかね。ちょうど小さい子たち組とややお姉さん組とのボーダーラインというか。まあ、立夏みたいに、テンションだけなら明らかに小さい子組に所属している子もいるわけですが――
とまあそんなわけで、今年のGW旅行は、またも大磯に赴くという無難なところに落ち着いた模様。何度行ってもいいところはいいところですしね。
……などと呑気していたら、もっと深刻な事情もあったようで。主にトゥルー俺にとって。
あ、これで、キミも――
おじさまに初お目見え、ね♥
おじさまはなかなか厳しい方だから――
私達姉妹の大切な“お婿さん”として――
気に入られるといいわね♪
あっ、違った――
大切な“お兄ちゃん”
だったわね――クスクスクス♥
トゥルーおじさんと初謁見!!! ……もうずいぶんトゥルー生活も長いので、こういう本来あってしかるべきイベントが、今になって訪れるというのもなんだか不思議な感覚ではありますが……うむむ、さすがにこれは緊急事態。
とはいえ、トゥルー世界のことですから、なんだかんだで落ち着くべきところに落ち着いてくれそうという思いはあるわけで。……そんなことより、海晴姉さんが冗談めいて口にした「お婿さん」発言が、あまり冗談になっていないような気がするのが非常に気がかりです。「お兄ちゃん」であることと、「お婿さん」であることとは、決して相反しないわけで――!!
くすくす♥
くすくすくすくす――♥
見て♥
見てみて♥♥
お兄ちゃん――
虹子が妖しい色香を放ちつつ微笑んでいる!!! ホントにこの子のくすくす笑いには、二歳を超越した――っていうか、二歳でこれだからこそ出せる魔性があるなって毎回思うわけですが、今日の虹子もまたどこか蠱惑的です。
こんな虹子に求められたなら、何であろうと抵抗できるはずもなくホイホイ言うことを従ってしまいそうですが――
にじちゃん――
ほんものの
おひめさまみたい?
きゃ――
くすくすくすくす♥
……こんな小さな子ならだれでも言いそうなやりとりも、最後の「くすくすくすくす」があって、発言者が虹子って時点で、明らかにオーラが……ああもう、すでにしてあらゆる意味でお姫様ですよ、と全力で愛でてあげたいところです。
――なのです、が。今日はなにやら、少しばかり事情が違うようで。
にじちゃん
おひめさまのかんむり――
かりてきたの!
マリーちゃんの――
キラキラ☆ドレッサーの前に
おいてあったの。
……む、なにやら予感が。
ええ、小さいきょうだい同士なら、ごくごく当たり前に見るような光景が即座に頭に思い浮かんでしまいますが――
マリーちゃん
いなかったけど、
ちゃんと――
かーしーてって
いったから――
いいんだもん♥
もう、これ――
にじちゃんのかな――
えへへへへへ♥
あ、ああー、なんか見事に予感的中というか。
いやまあ、この虹子の理屈がどうなるかっていうのは、改めて語るまでもなさそうなんですが……うわあどうしよう。マリーは器の大きい子ですが、逆に変に歳不相応な振る舞いをしないというあたりが特筆すべき子ってところもあるので、これはもう、間違いなく騒動の火種であり。
やる前なら止められるんでしょうけれど、もうやっちゃった後ですからして……
ほっほー♪
ケンカじゃ、ケンカじゃ!!
虹子とマリーの
本気のケンカじゃ!
うわあああああああああやっぱりこうなってしまったあああああああああああ!!!! しかも本気のケンカて! なんかそれを思いっきり楽しんでしまってそうな観月ですが、なんとなくそのノリも分かりますけれど、さすがにトゥルー兄としては穏やかならぬものが!
すもうじゃ!!
祭りじゃ!!!
ガチンコじゃ!!!!!
くすくすくすくす――
っていうかはしゃぎすぎです観月さん。ガチンコだなんて言葉一体どこで――とこの子に言うのも今更ですが、今時系のスラングということで、精通しているのは古風なものばかりでもないのだなあと変に感心。
それにしても、SUMOUとは……い、いや、小さい子にとってのぶつかり合いならどうあれそういう形になっちゃうんでしょうけれど、穢れたリアル俺の脳においては、どうしても「女子相撲」という言葉があやしげな形でリフレインせざるを得ません。こ、これがもし、ホタとかホタとかホタだったりしたら……そんな! ヒカルだと、下手に言おうものならむしろ「よし、スモウしようか」ってその場で即がっぷり四つになってしまうこととて考えられるわけでそれはもう!
……なんてアホな妄想にエキサイトしている場合ではありません。ええ、観月の事をまったく言えた身ではありませんが――「どちらもなかなか――オメオメと負けてはおらぬ性格じゃからのう」という観月の意見がやはり正鵠を射ておりまして。
こんな時は――
年かさのマリーの方が
先に譲ってやれば
よかろうものじゃが、
あやつの心に“譲る”という
言葉はなかなか浮かばぬようじゃ。
いくら虹子が幼いとはいえ
かかっているのが――
「女王のかんむり」とあらば、
絶対に譲れぬ――
“女の勝負”なのだそうじゃ。
もちろん単に理屈だけを言うならその通りであり、そしてそんな正論ばかりを振りかざすのが適切な教育でないこともまた明らかであり。
マリーはこれで、別にちゃんとお姉さんしていますから、場合によっては譲ってくれるでしょうし、そもそもそういう発想をすでにちゃんと心に抱いているんだとは思うんですが、そこはそれ、あくまで「歳相応に」ってところがマリーという子のツボでもありまして。ここでやたら老成した精神を見せ付けてしまったりするのは、それはそれで不自然っていうか、マリーらしくないわけです。こういうところではきちんと歳相応にムキになったりしてくれるからこそマリーになんか風格を感じてしまう次第なのです大人の視点からすると。
ともあれ、小さい子組どころか、姉妹全体を見ても、最も「女子としてのプライド」が高そうなこの二人。もはや、理屈はどうあれ決着をつけなければならないところまで来てしまっているようです。……もっとも、ここんちの子ですから、その方法がやりすぎてしまうところに行くことはないだろうと言う安心感はあるんですよね。ちょうど観月がのんきにこの事態を眺めているのがそれを如実に示しております。まあ、ルールそのものはバーリトゥード寸前ではありますが――
はてさて――
兄じゃはどうする?
どう――なさる?
くすくす♥
兄じゃの腕の見せ所じゃのう――
むしろこっちのほうが修羅場という気が! ううむ、やはりこの状況ではトゥルー俺の兄度が試されてしまう……まあ、リアル俺が感心するほどいいお兄ちゃんっぷりを見せてくれるトゥルー俺ですから、だいたい安心はしておりますが。
やっぱりケンカは
両成敗――
と、いうか。
うむ、日記のタイトルからして安堵感が漂ってくる今日の日記、それを書いてるのが小雨というのがさらに拍車をかけてくれていますね。ええ、小雨ならば、本当にけんかが一安心できる段階に入ってないとこういう穏やかな書き出しをしないでしょうから。
どんなに剣呑な雰囲気で
見ている小雨の方が
ドキドキハラハラしちゃう
ようなケンカでも――
落ち着くところに
落ち着くものなんですね♪
良かったです!
それはまあ、ここんちの姉妹だからっていうのもかなり大きいとは思うんですが、なにはともあれ小雨も安心できてなによりです。観月ぐらいの胆力のある子にとっては、かえってエキサイティングなイベントにも見えていたわけで、そもそも幼稚園児以下の子同士のケンカって時点で、たかが知れているといえば知れているということもでもあるわけです。ましてマリーや虹子がそんなひどいケンカを引きずるなんて考え難いですし。
とはいえ、「女王のプライドをかけた、オンナの戦い――」なんて表現をされると、さすがに大丈夫かとも思ってしまうわけですが、事の顛末は、とにかく理想的な形に収まったようで。
さて、そんなこんなで事態そのものは収束したわけですが、それに際して小雨にも少々思うところが。
それにしても――
“女王様のかんむり”、なんて
小雨なんかにはもう
恐れ多くてもったいなくて
例え「さあ、どうぞ」って
目の前に差し出されても
絶対に手が出せないような
気がするのに――
2人とも正々堂々と
自分が欲しいって
主張できて――
すごいです……
二人の押せ押せオーラのぶつかり合いに、思わず小雨が自分自身について省みてしまったり。さすがに「恐れ多くてもったいなくて」というのは、内気を通り越してちょっと面白いぐらいの感じ方になっちゃってますが、小雨本人にとってはシリアスな問題なんですよね。
そんな二人の性格に、すなおに驚嘆し、自分にはできないとも思ってしまっていますが――まあ、「てへへ♥」で締められるぐらいですからして、小雨にとってもほどよい刺激になったのかな、と。
おすもう勝負もかわいかったですね!
小さなにじちゃんが負けるのは
目に見えていましたけど――
そこで――にじちゃんに
新しい小さな冠を買って
あげることにするなんて――
お兄ちゃんって、やっぱり
とってもとっても素敵です!
ううむ、「おすもう勝負」と聞いて、即座になんだか興奮してしまったリアル俺ではありますが、実際にマリーや虹子がおすもうしていたら、そりゃあ「かわいかった」の一言に尽きる内容になるでしょうね。ええ、リアル俺が穢れているだけのお話ですウフフ。
そして相変わらず期待通りの兄仕事をこなすトゥルー俺あっぱれ。いや本当、リアル俺とトゥルー俺が別というのは、本来憂慮する事態がもっと生じてもおかしくないのに、完璧に近い仕事をこなしてくれて本当に安心です。こうやって賛辞を受けるのもただただ面映くそして快きなり。
それを受けて、「小雨も勝負に参加していれば」って思っちゃってるのは、おいおい小雨さんこやつめハハハって感じで微笑ましいのですが、
小雨は――
本当に臆病者で――
後で氷柱お姉ちゃんにコッソリ言われました。
「虎穴に入らずんば虎子を得ず、よ――」って。
麗とか氷柱みたいな、気の強い姉妹に、こうやって気をかけられることの多い小雨であります。やっぱ、なんとかしてあげたいって気持ちが他の姉妹よりも更に強く抱くんでしょうね。自分なら――って風に考えるでしょうから。
それはまあ、小雨がもっと自分の性格に苦しまなくても済むように、ということはいつもトゥルー俺とて考えますが、
ああ、小雨もいつか――
強い心の女王様になりたい、けど――
……
やっぱり。
なれないんだろうなあ――
ぐすん。
女王様みたいな小雨……う、ううむ。見たいような気もしますが、小雨はやっぱ女王というよりは、穏やかでさりげなく優しさを振りまいてくれる存在でいて欲しいな、と。いやまあ、憧れる気持ちは大事にしてもらいたいですけれど。
明日から――
いよいよ待望の
ゴールデンウィークだ。
待望のゴールデンウィーク! ……といっても、無条件でそう言いきれない要素が今年という年にはどうしてもまとわりついてしまいます。
かく言う霙姉さんも、「私が待望してるわけじゃなあい」って言ってますが、それははたして今年の地震によるものなのか、本人の性格から純粋に出たものなのかはちょっと判断がしにくく。チビたちが待望してるから――って感じに背中を押されるその構図は、なんだかお父さんのようでもあり。
まあ、私達も――
いつもあの笑顔に元気を
もらっているのだから、
少しくらいは――
協力しないと、な。
これは俺たちリアル俺にも通じるものがありますね。
それはさておき、「本当は家でゴロゴロしているほうが」と真っ先に主張してしまう霙姉さん。ああ、やはり……と思われることを一応察してもいるのか、その理由も一応ちゃんと語ってくれたり。
ん?
そりゃあ1日家にいたって
やることはいっぱいある。
部屋の掃除とか――
掃除をしながら、うっかり
古い本を見つけて――
読みふけってしまうとか。
引き出しの奥につっこまれた
くしゃくしゃのテストの答案を
見つけて少しブルーになるとか――
そのキズを癒すために、
キッチンに行って、
蛍が作った白玉ぜんざいを
見つけておいしくいただくとか――
まあ、いろいろ、な♥
…………………………いや、まあ。予想通りといえばこれ以上ないほど予想通りすぎて、かえってビックリというか――とりあえずハートマークをつければよいというものではありません霙姉さん。くしゃくしゃのテストの答案……ああ、「別に成績は悪くないのかも」とかの希望的観測が行える余地が、どんどん少なくなっていく……。
でも、そんなゼイタクは、
とりあえずお預けで、
明日からは――
大磯の叔父の家に出発だ。
世間を騒がす嫌なことは
少し忘れて――
のんびりした休日が
過ごせると良いな。
こういったことを贅沢と思える感性は、大人のもの――っていうか、わりとおっさんの領域って気もしないではないのですが。ともあれ霙姉さんののんびり願望がかないますように。
いよいよ今年も旅行開始!! 今年は、日記の終るリミットとか、地震の影響とか、例年とはいろいろ事情が違いますけれど、でもまあやっぱり基本は同じ、楽しくにぎやかなユキ先生イラストによるトゥルー旅行でござますよ! ……本当、この企画が始まって以来、ユキ先生のイラストは、トゥルーの空気そのものといっても過言ではないものを作り出してくれました。これからも本当にどうぞよろしくお願いします!
さて、出発日のイラストは、いくら暑くなったからってちょっとふとももがまばゆすぎるヒカルのお姿が。抱えるあーたんもこれまたおニューで可愛らしいうさぎさんモードなんですが、またもYASEIを発揮しており……USAGIもYASEIの象徴ってことでしょうか。きっとまた麗が手作りしたのであろうしおりがベトベトに。これもまた風物詩みたいなものでしょうか――
2日目は健康的にハイキングか! 小さい子組は大変そうですが、まあそこは色々配慮はされていると思われ。
そしてなにより、体を動かすときってもしかしていっつもシャロリングなんですか小雨! 可愛いので普段でもそれたまにやりましょうよ。星花の声で「まだですー」みたいな離れ業を行うのもそれはそれで。
夕凪さんも大変ご機嫌に遊びまわっておられます。その木の枝でいらんところつつきまくりそうだなあ。落ちてる動物のナニとかつついたりして。
べびプリ日記への感想や、誤字・ミスの指摘などございましたら、こちらからどうぞ。(返信)
↑今月の最初へ
← 前の月へ / べびプリトップ / 次の月へ →
→ 『好き好き大好きっ』へ戻る