2011年3月のべびプリ日記感想
『ベイビー・プリンセス』公式サイト内『WHOLE SWEET LIFE』、2011年3月分への感想です。
【第一週】
1日(火)吹雪
2日(水)春風
3日(木)虹子
4日(金)あさひ
【第二週】
7日(月)星花
8日(火)さくら
9日(水)青空
10日(木)小雨
【第五週】
28日(月)麗
29日(火)綿雪
30日(水)蛍
31日(木)霙
『ベイビー・プリンセス』公式サイト内『WHOLE SWEET LIFE』、2011年3月分への感想です。
【第一週】
1日(火)吹雪
2日(水)春風
3日(木)虹子
4日(金)あさひ
【第二週】
7日(月)星花
8日(火)さくら
9日(水)青空
10日(木)小雨
【第五週】
28日(月)麗
29日(火)綿雪
30日(水)蛍
31日(木)霙
今日、学校で、
給食時に――
校内放送がありました。
校内放送! 学校など卒業して久しいリアル俺にはちょっと染み入る単語だったりしますが、それ以外にも、吹雪の口から学校生活に関わる単語が出てくることが珍しい感じで、ちょっと興味深い感じですよ。
そういえば、吹雪って学校では、どんな感じなんだろうな――と。普通の子とは、雰囲気からしてちょっと違った、論理的で冷静で、めまいを起こしてしまう子。そういう風に考えてしまうと、ちょっと心配にもなってきてしまいますが――そういう意味においても、学校でのことを話してくれるのはありがたいですね。
校内放送で流れる内容を語る際にも――
私にはよく分かりませんが、
人気アイドルグループ
の歌などが多いようで――
怪物の歌や、花の歌など――
よく曲に合わせて
楽しげに踊りだす人を
みかけたりもします。
……ううむ。さすがに小学二年生の学級。吹雪の冷静さはそもそも年齢がどうのというのを超越している感じですけど、でも、そういういかにも子どもらしい子供たちを眺める吹雪とは対照的ですね。まあ、学校だけでなく家の中でも、こういう賑やかさには慣れっこでしょうから、浮いていたりはしないと思います。
さて、この日に放送で盛り上がった話題が、件のスカイツリー世界トップのお話。……男子たちが大はしゃぎかあ。吹雪でなくとも、ちょっと大人になってしまえば、この盛り上がりっぷりは実感しにくいかもですね。
大歓声とともに
とくに躍り上がって
喜んでいたのは――
ほとんどが男子でした。
そしてそのおかげで、
何本かの牛乳瓶が倒れ、
教室内は大惨事に――
……
キミも昔はこんな風な――
小学生男児だったのでしょうか?
とても信じられませんが。
そんな稚気めいた男子たちを見て、吹雪の興味は、トゥルー俺の小さいころに向いたようで。いやまあ、しっかり覚えてないだけで、きっとそんなんだったんじゃなかろうかっていう思いもありますが――
――あ。
まさか――鼻から牛乳など
出したことはないですよね?
もしあるとしたら――それは
大変意外な行動ですから――
少し、キミに関するデータの
書き換えをしなければなりません。
うーん……
なかなか人間の行動データを
完全に把握するのは難しいものですね。
……案外、吹雪にとってのトゥルー俺は、理知的なイメージになってるみたいですね。まあ、たとえば陽太郎を基準に見ても、こんな19人姉妹の家に突然招かれて、曲がりなりにも上手くやっていける人間という時点で、「よくできた男の子」という枠からは逸脱しないだろうなとは思いますけれど。
それにしても、相変わらず吹雪はトゥルー俺のデータに興味津々なのだなあ、一体どうしてなんだろう……などと軽く思っていたら、
常に採取、更新を心がけていなければ――
たとえプロトタイプといえども
コピーロボットの作成まではまだまだ――
……
――いえ、なんでもありません、
キミには関係のないことです。
……なんかさりげなく、とんでもない新事実が明らかになってませんか!?
トゥルー俺ならぬ「コピー俺」! そういうのもあるのか! ……いや、なんというか、吹雪自体にも色々ロボめいた疑惑というか思いがないでもありませんでしたが、よもやトゥルー俺のコピー作成なんて考えてくれていたとは。
ゴッド世界においては、すでにメカ鈴凛という成功例があるので、これもわりと具体的に実現してしまうであろうというビジョンが脳裏に――いや、吹雪にとっては、自分の同類――なのかどうかは分かりませんし置いておきますが、触られたり抱っこされたりしても目眩を起こさないで済むロボの体のトゥルー俺を、もしかしたら、とても強く望んでいたりするのかも知れませんね。
更新と言えば――
予定ではこの後スカイツリーは
634メートルまで高さを増すそうです。
完成したら、1度みんなで
行ってみたいものですね。
フフ♥
ちょっと話をそらされた感もありますが、これはもちろん行くことになるでしょうね。実際に高いところからの眺めを見れば、騒いでいた男の子たちの気持ちも、少し実感できるようになれるかもですし。
きゅんきゅん♪
きゅう〜〜ぅんっ♪♪
きゃっ☆♥
ウフフッ♥♥♥
……………………。
この、のっけから明らかにただ事ではなさすぎる春風さんの超猛烈春風ぴゅんぴゅん状態……何か、何かが起ころうとしている……!
などと、いきなり戦慄せざるを得ない春風さんの猛烈なテンション、一体どうしたことでしょう。そりゃあ季節的にはリアル春風が吹きすさんでもおかしくありませんが、今日の春風さんは、そこいらの自然現象など笑い飛ばすぐらいの勢いであり、一体何が起こったのかと思ったら――
やだ♥
なんか――
春風ってば――
最近、ちょっぴり――
……
太っちゃった♥
みたい――
………………あれ?
えーと、この事実にこのテンション。もしかしたら、この「太っちゃった」という事実で、理性が壊れてしまったのでしょうか……? いや、だとしたら、この壊れ方はちょっと心配すぎというか、そっち方向で飛んでしまうのはマジで危ないよ、と。
まあ、女の子にとって、質量増加の問題は、確かにシリアスプロブレムなことは間違いなく、それは春風さんとて同じことなのでしょうけれど。きっと、さぞや辛い思いを……などと勝手に思っていましたら、どうもそういう様子でもないっぽく?
きゃっ☆
ほら、見てみて♥
王子様――
とくに、この――
おなかのあたり?
少しだけ、ぽよっと
ふくらみがあるような――
なんかさりげに誘惑的行動を交えておりますが! しかしながら、実際にお肉がついてきてしまっていることは確かのようで。いやきっと、女の子特有の、気にしすぎっていう側面もあるのでしょうが。
しかしながら――最初に感じたように、現実逃避での壊れリアクションということではなく、ガチでいつものようなきゅんきゅんテンションなのもどうやら錯覚ではなさそうです。
どうしてそんな相反する状態なのかといぶかしんでおりましたら、どうも最初はごく真っ当に悩んでいたみたいなんですね。そんなおなかをナデナデなどしてみたりして。それが――
言われちゃった。
さくらちゃんから。
「春風お姉ちゃん――
ちっちゃいあかちゃん――
おなかにきたの?」
って――きゃああああん♥
春風、ちょー恥ずかしい!
……あー。いやもう、「あー」というリアクションしか取れないというか――これ、言ったのがさくらだから、何の邪気もない発言として受け取れますけれど、一般的にはちょっとアレすぎる表現でもあり、それにも関わらずここまで喜べる春風さんは、やっぱ逸材っていうか、規格外というか、頭の中の春風がすごすぎるなあと。
まあ、受け取り方はどうあれ、体重が気になることは間違いないのでしょうし、ヒカルと一緒に走りこみなどを――とアドバイスしようかと思ったトゥルー俺を、しかして春風さんのリアクションは遥かに凌駕しており――
ね、ねねねねね、
どうする――?
王子様♥
もし春風のおなかに――
王子様と春風の赤ちゃんが
やってきたら。
……息もつかせぬ連続攻撃とはまさにこのことか。っていうか! 太ったかもというネガ話題から、この猛烈プッシュに自然に繋げられる春風さんすごすぎるよ!
そりゃあ、今年のバレンタインといい、春風さんの普段の押せ押せっぷりといい、あと少し押せば、それこそいつ赤ちゃんコウノトリが春風さんの下腹部に訪れたとしたって(理性の限界的な意味で)おかしくはないわけですが!
だから――
もしかしたら春風にだって――
――きゅんっ♪
春風にはまだちょっと
早いかも知れないけど――
いつだって奇跡は――
清らかな乙女の身におこるものなのね♥
いや、奇跡っていうか、もっと具体的な肉体的接触がわりと目前だったりすることがしばしばであり――ええ、その「清らかさ」と「乙女」の代償みたいなものとして。
おへやいっぱいに
お花をかざったら――
おうたをうたって、
ひなあられ!
おお、トゥルーひな祭りはさすがに華やかっぽいなあ。虹子の様子だけで、実にクラシカルかつゴージャスにお祝いしている姿が眼に浮かぶかのようです。
今日の主役は、本来的には姉妹全員が対象ではあるものの、やはり小さい子たちが優先的にもてはやされているみたいですね。そんな虹子も――
かわいいおきものを
きせてもらったら――
ピンクいろの
おもちをたべて――
カルピスごっくん♪
……はい、最後の単語に気持ちを乱されない精神力も、4年目にしてようやく備わってきた気がします。いや、こうして言及している時点で敏感に反応したことは事実なのですが。あくまで心は冷静に、いつものトゥルー的なアレという認識が。超サイヤ人でいることが平常になった状態という感じでしょうか。
さて――そんなひな祭りを大いに楽しんでいる虹子でしたが、なにやら気になることを言い出しまして。曰く、「トゥルー俺は男の子だから仲間はずれ」的な。
男の子は“なかまはずれ”だから――
1人だけ女の子の中にまざっちゃ――
メ! なの
そ、そんな……と、軽くショックを隠せないこの宣言。いやまあ、本気にしているわけではないのですが、ちょっとびっくりというか、この前置きから一体どんな発言が続くのかに思わず戦慄したというか。
でも――
かわいそうな
お兄ちゃん。
お兄ちゃんはとってもいい子だし――
お兄ちゃんだって――
おひなさまのおもちも
ケーキもカルピスも――
食べたいでしょう?
うふふっ♥
――そして。その戦慄は早くも現実のものになったというか……最後の「食べたいでしょう? うふふっ♥」の妖艶っぷりが凄まじすぎて。に、二歳児という領域がどうのというレベルの話ですらない……! こんな妖艶なオーラ出せる未成年なんて、地球上どころか二次元世界全体を見てさえ数えるほどだと思いますよ。
とにもかくにも、いつもにも増して「トゥルー俺さえ弄ぶ悪女」オーラを放つ虹子に、思わず完全服従したい欲求が迸り始めた次第。
そして恐ろしいことに――この妖艶な意地悪が、さらなる悪戯への布石だったという事実。ええ、本来はひな祭りで祝われない男子のトゥルー俺に「カルピスごっくん」を味わせるために――
お兄ちゃんも――
女の子のかっこう
したらいいのよ♥
お兄ちゃんはかっこいいから――
きっとかわいいおひめさまになるの♥
にじちゃん、おけしょう
ぬりぬりしてあーげるっ♪
こう来たか――!
どうしましょう。はるかに年上の男を、交換条件を持ちかけて女装に追い込み、喜んでしまえる二歳女児。なんということでしょう。以前にも女装にちょっとしたトラウマのあるトゥルー俺が、この持ちかけで、あらゆる意味でいけない何かに目覚めてしまわないでしょうか。ええリアル俺はもうとっくに目覚めてますが――
とりあえずこの発想、虹子のみならず、姉妹の大部分が賛成してくれそうな気がするので、もう逃れようがありませんね。2歳の女児に弄ばれて女装してしまうというハイレベルすぎる快楽に、トゥルー俺も目覚めるべき時です。
はっちゃはっちゃ!
はちゃちゃちゃちゃちゃ――!!!
うわっちゃ♥
ぶっぶ――!
……
うんばぼば〜ああっば♥♥
うむ。今日もあさひさんは実にYASEI味溢れる元気っぷりでなにより! つい最近「おにいちゃん」という単語を覚えてくれましたが、さすがにまだまだ他の言葉までは使えず、今日の発言はいつものように見事なまでの赤ちゃん言語。そんなわけで、翻訳をば。
さむいさむい!
なんかきょうはめちゃくちゃさむい――!!!
だからここにはーいろ♥
はるかのおなか!
もそもそもそ……
うわーい、あったかい〜
あーたんおなかの中にぎゃくもどりだ♥
これまたきわどい危険球を!!!! っていうか、寒いから誰かの体にすがりつくというのはいいとして、よりにもよってそれが春風さんで、よりにもよってさらにお腹の中とか――い、いや、一応確認しますが、この「おなかの中」というのは、山田風太郎の小説的な意味ではありませんよね? もちろん服の中という意味なのでしょうが、いちおう、念の為に。
ともあれ、このあさひさんの行動に、ただでさえ最近止めようもなかった春風さんの猛烈な小作りアピールが、さらにオーバードライブしてしまったであろうことは想像に難くありません。今の春風さんなら、想像と思い込みの力だけで授乳可能な状態になりかねない――
あと、「おなかの中にぎゃくもどり」という単語からして、あさひさんは自分がトゥルー時間で一年前には、人間の胎内にいたことを自覚しているという事実が判明。……いやまあ、この翻訳そのものが、ある意味トゥルー的な偏向を帯びたものという気もするので、いつものアレとして冷静に認識できるようになってしまっていますが俺達は。
今日は――
3月なのに雪!!
です。
なんだかちょっと――
びっくりです!
うむ、今年はなにやら北国以外でもまだまだ雪模様って感じの3月ですね。トゥルーにおいてもそれは同じようで。
星花のクラスも、この寒さで話がもちきりだったようですけれど、そのあたりはさすが小学生というか。ぶるぶる震えながら歩く星花の姿を想像して、その可愛らしさにニヘラニヘラしてしまったりも。
ついこの前
春1番が吹いて、
ああようやく
春が来たって
思ったばかりなのに――。
……個人的には、ちょっと別の意味での猛烈な春の風さんが強烈すぎたことを思い出さずにはいられないわけですが、まああちらは年中吹いているわけで。とはいえ、それでもバレンタインでのアレはまあ、その。実質的に陥落していたというか――と、星花の前で話すようなことではありませんでした。……いや、小学4年生ともなれば、ある程度具体的に知識は得ている……かなあ。星花はオクテそうなので、まだまだそういう具体的な知識はあまり得ていないという気もしますが。
……と、完全に話が逸れました。思わず体がオーバーヒートしそうなこの話題とは裏腹に、国語の授業中、ついには雪が降り始め、
そうしたら、今度は――
そんなみんなの大騒ぎにあきれた先生が、
笑い顔で――
「じゃあ、こうなったらもう
しょうがないから――
今日は雪見授業だ!」
って言って――。
その後の、1時間目の
残りの時間は――
みんなで外で雪遊び、になりました♥
星花の担任の先生がいい人であることが大判明。まあ、小学生の授業ですからね。こういう先生に受け持たれていると、クラスもきっと楽しいだろうなあ、と安心できたりもします。
星花といえば、お友達と一緒に雪の結晶を探してみたりと、女の子らしい感じに楽しんでいたみたいですね。走りまわって遊ぶのもいいですけれど、こういう側面もまた魅力的で、
もし見つけられたら―― お兄ちゃんに見せたかったのにな♥
夜中にこっそり――
お兄ちゃんと雪を見たら。
星花はきっと真っ暗な夜空の中に――
雪の結晶が見られるような気がします♥
……星花の女の子ポイントが、俺内部で急上昇でありました。
うえええん!
どうしよう――
お兄ちゃん――
さくらが泣いてるううううううううう!!!! ……と、この流れもそろそろお馴染みになってきたかなあと思えるぐらいにトゥルー家族との月日を重ねた俺ですが、しかしだからといって、緊急体制になるのも今まで通り。さくらが泣いちゃうのはたいてい、微笑ましいぐらいのことだって経験則からくる確信はありますけれど、それはそれ、トゥルーお兄ちゃんとしては。
さて、今日はさくらになにがあったのかというと――
さくらのようちえんの――
りかこ先生がやめちゃうって!
さくらのだいすきな
りかこ先生――
……と、なにげに重めな事態でありました。いやまあ、その理由にもよるんですけれど、悲しんでるさくらにとっては、どういう理由であれ、大事なのは変わりありませんからね。
いっつもにこにこ――
さくらがおもらししても
ちっともおこらなくて――
ぱんつをかえてくれる
りかこ先生――
お、俺だって、さくらがおもらししたら怒るどころかニヤニヤしますよ! ……と、さりげなく全然ニュアンスの違うことを交えてみました。いや、さくらのおもらしぐらいにはそろそろ耐性がついてきたころだとも思うのですが。
それはさておき、その「りかこ先生」の退職理由は――なるほど、ご結婚でしたか。離職の理由としては、もっともポジティブなものの一つではありますし、本来ならば祝福すべきことですが――さくらにナチュラルにそれを求められないこともまた事実であり。さて、どうやってさくらを慰めつつ、祝福してあげられるように言ってあげようかと悩んでいたら、
……
やだやだ。
そしたら、さくらも――
およめさんになる。
およめさんになって――
もうようちえんやめる。
納得できないさくらが、ちょっとしたわがままモードに。いや、気持ちはわかるんですが、その手段があらゆる意味で問題というか――いや、お兄ちゃんのお嫁さんって響き自体は、微笑ましい言葉なはずなのですが、
……
だって――
およめさんになったら
もうようちえん行かなくて
いいんだもの。
さくら――お兄ちゃんの
およめさんになって――
ようちえん、そつぎょうする。
……ええ。この流れはちょっとマズいわけで。いや、そんな理由のためにお嫁さんになることというのもそうなんですが、このロジック自体がトゥルー家において危険すぎて――
だから、お兄ちゃん――
およめさんになっていいですよって――
いってくれる?
うわあ――♥
そしたら、さくら――
お姉ちゃんに言ってくるっ♥♥♥
……ええとこれ、さりげに大変な事態になってしまうような……。
いや、「お嫁さん」という単語そのもので、春風さんをはじめ、多くの姉妹が反応してしまうわけですが、それだけではなく、幼稚園とか学校をやめるという目的まで付いてきた日には――ええ、夕凪さんとか立夏ならば、氷柱がゲンコして済ますという気もするのですが、問題はその……霙姉さんが大いに乗り気になってくれそうな予感というか確信が。
このさくらの思いつきで、トゥルー家内部でまたも結婚大騒動が起きてしまわないか、ちょっぴり心配です。
ばんこ♪
ばんこ♪
かわりばーんこっ!
かわりばんこ、の
そらはえらいこ♥
青空の日記はいつでもご機嫌タイムだなあ。そんなわけで、今日の日記は青空の番かと思うと、そういう面での安心感がある……のと同時に、今度はどんなことをしでかしてくれているのかという不安が入り交じった気持ちになりまする。
さて、今日の青空は何にご機嫌なのかというと、どうやら「かわりばんこ」という概念の尊さを知っておられることへの誇らしさ、みたいな? 虹子とはまだ幼稚園にも行かない自宅組ということで、やっぱ一番遊ぶ相手なんでしょうね。あさひさんに対してはわりと立派におねーさんしているなっていうのも、なんとなく伝わってきますが……
おにいちゃんの
おうまさんも――
おねえちゃんたちみーんなと
かわりばーんこっ!!
……トゥルー俺が姉妹たちの共用のお馬さんとして扱われているというこの事実! いや、完全に自主的にやってあげているということは重々承知しつつも、それでもなお、このシチュエーションに、単に微笑ましいというのを超えた感情を抱いてしまう自分を否定することができません。……いいなあ(←心からの思い)
とまあそれはさておき、きちんとかわりばんこで順番待ちができる青空は、小さいのにちゃんとそういうことを理解していてえらいな、というだけでキレイにしめられるわけもなく、その矛先は――なんと霙姉さんに。いつものようにあんこたっぷりのおまんじゅうを食べているところに、
「みぞれおねちゃん、
おまんじゅおまんじゅ、
そらとかわりばーんこっ!」
えへへへへ♥
おねえちゃん、くれたよ。
……霙姉さんも、泣く子と青空には勝てないようで。いや、頼めばそりゃあ優しいお姉さんでもあるわけですからくれるでしょうけれど、その内心を思うと……思わず新しいまんじゅうを買ってきてあげたくなるトゥルー心。
おにいちゃんも――
そらとかわりばんこ?
そら、えらいこだよ♥
ともあれ、このいい子っぷりはやはり最強だな、と。
あっという間に――
3月も10日。
あと2週間で――
春休みです。
やばい時間の流れが早過ぎる。成人男子として過ごすリアル時間が早いのは仕方ないとして、トゥルー内部でさえ時間の流れが早く感じられるというのはなんだか切なさが。小雨ももう小学6年生なので、体感時間が子供の頃よりも早く感じられるようになるお年頃なのかもしれませんね。
とりあえず、時間が早く感じられるのは、周りの行事などの慌ただしさの影響もありそうですが――
いつもと違う、
そんなどこかせわしない
空気が苦手な小雨は――
こんな時。
よく図書室に
逃げ込んでしまいます。
えへへ♥
ううむ、実に小雨的な。とはいえ、この子が姉妹の中でも一番図書館が似合いそうっていうのは間違いないわけで、そのうえこんな可愛らしい言い方された日には、それはもう文学少女という肩書きを与えたくもなろうというものです。
そんな廊下から
逃げだすみたいに――
ガラリと――
図書室の扉を開けると。
そこは一転。
しーんと静かな――
本の世界。
このあたりの表現の仕方からも、小雨の静謐な図書館の好きっぷりと、豊かな感性とが伝わってくるわけで。ちょっとした物語のワンシーンみたいですよね。小雨自身もそれを意識しているようにも思えますが、それはそれで。
「異世界にスポンとおとされたような感覚」といった、まさに良い意味での中二病というか、この年頃ならではの感性ですよね。自分の中で世界を、自分なりの形に描き出したりすることに踏み出したくなるお年頃。
ここなら、誰にも見られずに――
本当の小雨でいられる――
緊張していたというのは、この忙しい季節ゆえか、それとも学校生活で普段からそう感じているのかはやや判断しかねますが、外界からの影響を受けやすい小雨には、こういう時間を過ごせることは重要なのでしょう。そんな一人で静かで豊かな時間の中で、
そして、お気に入りの隅っこの席で――
小雨が最近していること。
それは――真っ白なノートに
お兄ちゃんと私の物語を紡ぐこと――
……
どんな中身かはまだまだ秘密です♥
おお、なんか期待通りのことをしておられた。やっぱり文学少女的な素養ありまくりだったのだなあ小雨。小学6年生の女の子ですから、まさにこういう世界に足を踏み入れたくなるお年頃であり、新しい一歩という感も大いにあって、兄としては大いに賞賛したいところではありますが、
いつか――お兄ちゃんに読んで欲しいけど。
でもやっぱり死ぬほど恥ずかしいから――
それを読むのは小雨がおばあちゃんになって
死んじゃった後にしてほしいかな――
えへへへへ♥
……読まれるのが恥ずかしいというのはいいとして、死後に読んで欲しいとか、さりげにブッ飛んだことを言っておられます小雨さん! というか、トゥルー俺より先に死んでしまうと基本的に考えているんですかもう。罰として、書いてる途中のを読んで恥ずかしがってもらう刑を受けて欲しいところ。もちろん、完成した後、勇気を持って読んでもらおうと頼んでくれるのが一番ですが。
あれから
2週間が過ぎて――
日記が、ようやく――
はい。この空白の間、何が起こったかは改めて説明するまでもありません。
この感想を読んでくれているトゥルー兄のみなさんはご存知の通りですが、この日記は、現実のリアル世界の模様をそっくりそのまま反映した、いわば俺たちの生活に入り込んできている世界として描かれております。
普段であれば、これはリアル俺たちの過ごしている時間をそのままトゥルー家族たちも同じく過ごしてくれると言う、このうえなき一体感を与えてくれる素晴らしい特徴なわけですが――それは、嬉しい事だけではなく、悲しい事に対しても同じなんですよね。
そしてそれは――この未曾有の大惨事についても。
……個人的には、この地震がらみの事柄だけ、この心優しい姉妹達が住む世界においては起きていて欲しくないと、心から願っておりました。都合のいいことと思われるかもですが――あんな、いい年をした現実世界の俺たちでさえ、心を砕かれてしまうような出来事を、あんな優しい、繊細な、小さい子供たちが大勢いるトゥルー家族に、そっくりそのまま味あわせることになるというのは――あまりにも心苦しいことでした。
だから、そういう選択肢もきっとあったのでしょうけれど――この日記は、その選択肢を選びませんでした。あえて、現実の俺たちが味わった悲しみを、真正面から受け止めることで、ある意味では今までと同じ、トゥルーと現実とのリアルタイムをつなぎとめることを選択したのです。
俺個人としては、あまり選んで欲しくなかった選択肢――ですが、それをあえて選んだというならば。リアル俺でありトゥルー家族の長男でもある俺たちは、そんな痛ましい記憶を背負ってしまった家族たちと、ともに歩んでいくしかありません。
幸いな事に、この二週間のブランクは、もっとも痛ましく、目を覆いたくなるような辛さを姉妹達が味わっている姿を直接見ないで住むようにもしてくれたわけです――が、そういう光景が、このトゥルーの中で確実に存在していた事だけは間違いないわけで……。
しかしながら……それでも家族たちは、痛みを背負って日々を生きようとしている。
ならば俺たちのすることは、ああだこうだと考え込むよりも先に、そのあるがままを受け止めることではないでしょうか。
そんな心構えができたところで――この、再開した日記を。そして、その日記を最初に書いたのが、麗だったということになど、色々と感想を書いていきたいなと思う次第です。
小さな子もお姉ちゃん達も――
みんな何度も泣きました。
でも私達は――
もう元気を出して、
春を迎えなければ
いけないから――
祈りながら。
今日からはまた
この日記を書いていきます。
姉妹達が、あの惨事をテレビなどで見ながら、泣き出してしまう光景。……今ばかりは、昔から培ってきた脳内再生能力を呪いたくなります。これを見たり想像したくないがゆえに、トゥルー日記と地震とのリンクは拒絶したかったのです。
でも……いくら優しく繊細な女の子ばかりだからって、姉妹たちは、弱いままではないんですよね。
「今日からはまた――」この言葉で、リアル俺たちの痛めていた心も、間違いなく癒される――それを思い知りました。家族なんですから、悲しい事も、勇気を出す事も、分かち合える――と。そういうことなのでしょう。
なんの力もない
私達にはただ
祈ることしか
できないけれど――
どうかこの祈りが
被災地の人たちに
届きますように。
優しい気持ちが――
いつもあなたのそばに
ありますように――
素晴らしいばかりの、麗の言葉――あの、麗がですよ?
本来なら、この最初の日記は、海晴姉さんか、あるいはママが書いているべき重いものなんです。それを、あの姉妹の中でも精神的には子供っぽいところの多いこの子が、こんなにも立派な心を見せてくれている――驚きです。このことだけで、また新たに希望がわいてくるぐらいに。
確かに麗には子供っぽいところもあるんですけれど――でも、気持ちが優しくて、ガンコなところも、ある意味心の強さの現われでもあるわけで――そして、負けん気と正義感。
きっと、悲しんでいる姉妹たちをみて、奮起したのではないでしょうか。
麗は鉄道の趣味があるので、たぶん姉妹の中でも、東北の地理には通じているほうで、それだけに具体的に惨事の様子も把握できてしまっていたと思うんです。
しかしながら、あの被害の中でも、鉄道関係の復旧の力強さは凄まじいばかりで――麗にとっては、鉄道の被害が悲しいのと同じぐらい、その強さに勇気をあたえてもらってもいたのではないでしょうか。
ともあれ、明日からも願わくば、この優しい気持ちとともに過ごせます事を。
この地震が起きたとき、「やっぱりこの日記、去年のクリスマスで終っていれば――」って思いました。でも今は違います。
今日はようやく――
少し暖かになって
とっても良いお天気の日でした。
ああ……ごくごく普通にトゥルー日記がある……。いっとき失って、そしてこうして復活してくれたからこそわかるこのありがたさ。俺たちリアル俺にとってはまさに日常の一部そのものですからね。……この一件に関わらず、もうじきこの日記という形では終わってしまうわけですけれども、その日が来るまでは、こうしてトゥルー姉妹たちとの生活を堪能していきたいものです。
日記の雰囲気も、なんだかおだやかな日常そのものといった風情。書き手がユキというのもそれを増してくれてますが――今回の地震で、やはり特に心配だった子の一人がこのユキなんですよね。小さい頃から、病院のお友達や、自身の身対して、「死」というものを意識し続けてきたこの子にとって、あの大惨事がどんな影響を及ぼしたか――と考えるだけで胸が締め付けられるわけです ……が。
こんなに空は綺麗で青くて
すてきな春の1日のはずなのに――
……
――って。
ほんの少しだけ咲き始めた
お庭のさくらの花を見ていたら
ちょっぴり――
涙が出そうになったけど、
ぐっとがまん、がまん、です。
――えへへ。
……俺たちが想像していたよりも、綿雪って子は、ずっと、ずっと強かったんです。
逆に言うと、この子の辛い経験が、それを乗り切るための大きな力になっていたという部分もあると思います。
涙を出さない1番の方法、
それはどんな時でも――
とにかく笑うこと!
いつも笑顔を作れば絶対に
いいことが起きるって――
ユキが病院にいた頃、
仲良しの看護婦さんが
教えてくれました。
……ほら、こんな風に。自分自身だけで磨いたのではなく、辛い身の上だったユキを見守ってきてくれた看護婦さんたちも、こうして強くなれるきっかけをいくつもあたえてくれていたんですね。
それにしても、「とにかく笑うこと!」……本当、これがなによりですよ。笑えないときに無理に笑うことはできませんが、笑えるのであれば、それを人に届けよう。……この年でもう、それを意識して身につけていられるユキ。本当に強い子です。
ユキ達にできることは
あんまりないけれど――
今日はみんなで――
家中のキャンドル探しをして、
今夜は電気せつやくの
キャンドルディナーです。
……と、地震のことのみならず、電力不足というリアルまでもがトゥルー家に影響してしまっているという事実に、これまたはっと胸が締め付けられる思いが。トゥルー家ってたぶん23区内なんじゃないかって思うんですが、これはたぶん自主的な行為なんでしょうね。
電力が足りないのはもちろん事実ですが、極端な自粛も控えるべきという考え方はもちろんありまして、無駄遣いはともかく、普段の生活を送るレベルの電力までどうこうするべきかはちょっと判断が難しいとは思うんですけれど、これはある意味、家族みんなが団結したり何かの目的に盛り上がるのも主眼においているであろう催しっぽいですね。ともかく、火の扱いにはくれぐれも注意しないと。
とまあ、色々細かいことも考えてしまいますが――
ロウソクがいっぱいのテーブルは
まるでパーティーみたいにキレイなの!
あーちゃんやそらちゃんも
大喜びしています♥
その笑顔を見ていたら、
ユキも笑顔になりました。
お兄ちゃんにも――
この笑顔が届くといいな♥
……全く。この笑顔を見られるならば、なんだって。
朝ごはんを食べ終わって――
キッチンの後片付けが
終わったなと思ったら。
お庭の方から聞こえてくる歓声。
ホタがお料理などの家事にいそしみつつ、その傍らで、小さい子たちが楽しげにはしゃいでいる、いつものトゥルー家族の光景……これがどれほど尊いかということを、この時期にして改めて理解しました。冒頭部分を読むだけで、間違いなく幸せな気持ちが。いつもどおりのにぎやかなトゥルー家。本当に、なによりの宝です。
ふぅ――
春休みってなんだか
時間がたつのが早いですね。
……と、あまりにも色々なことがありすぎて、すっかり春休みという意識が飛んでしまっていました。なるほど、10時のおやつにお昼ごはんと、ホタが忙しそうにしているのも納得です。それでも、朝の食事やお弁当を登校までに終えなくてはならない平日よりは余裕があったりするのでしょうか。なんにせよ、相変わらず頭がさがる働き者なお母さんっぷりです。
さて、お休み中にはどうやら10時のおやつまでがデフォルトで用意されるらしく。とりあえず幼稚園の子までの限定らしいですが、
あら?
お兄ちゃんもほしかったですか?
うふふっ――♥
母性的でもあり、どこか妖艶さも漂わすホタの母性スマイル……ちょっと反応してしまいました。色々と。
それはともかく、なんとなく次女のおねえさんも、物欲しそうな顔でホタの様子をながめているような気がするんですがとりあえず杞憂ということにしておきます。
さて――今日の本題は、そんなお10時のおやつタイム前のちょっとしたできごと。
珍しくどろんこになって、真っ先に駆けつけてきたさくら。……さくらがどろんこになりつつ、それでも嬉しそうにしているなんて、その姿を想像しただけで感動ものなんですが――
とーってもうれしそうな
にっこにこの笑顔で――
「おにわでみつけたの!
これ、ほんもののおかね――
さくら、ボキンするの」
差し出してくれたのは――
お庭のどこかに落ちていたらしい
土で汚れた外国のコイン。
……
蛍の持ってる100円玉と
取りかえっこして――
あとで一緒に募金しに
いくことにしました。
……トゥルー家には、(苗字に関係なく)天使しかいないの法則。すでに証明するまでもない事実ですが、こうして何度だってそれを示してくれるんですよね。ほんとにもう、この子たちは。
さくらがこれほどまでに積極的に……どろんこになったことさえ気にしないだなんて。この子もきっと、この悲しい出来事によって、強さを身につけられたんでしょうね。自分が悲しいことには泣いちゃうけれど、他の誰かが悲しい思いをしているならば、泣くより先に何かしてあげたい……と。そんな心を身につけてくれているのだと思うと…………あー、その。水が。顔から。頬へ。
ところで、外国のコインがどういうわけか落ちているトゥルー家の庭に、なんとなくトゥルー的領域の魔性を感じないでもないのですが、まあ、とりあえずは深く踏み込まないことに。色々妄想はできますが。
さくらちゃんみたいな優しい妹がいて
蛍は幸せだなって思いました。
ともあれ、そんなさくらの思いをを優しく抱きとめてくれる野菜しいホタが妹で、トゥルー俺も幸せだなって思った次第です。
明日から――
4月になる。
早くも――というにはこの3月はちょっと重すぎる一ヶ月でしたが、それはそれとして時の流れが早いということには変わりありませんよね。ええ、3月終了のお知らせです。このトゥルー日記の残り時間も定められてしまった今、一日一日の重さがますます高まっても来ているわけですが、それについてはあまり意識しない方向で。
しかしながら、それについては意識しないとしても、やはり――
まるで悪い夢を
見ているような――
時間だった。
……姉妹の中でも年長である霙姉さんにとってさえ、悪い夢としか言えない時間。そんな中、霙姉さんはいつものように、人間の存在の儚さについて思いを馳せたとのことですが、今この時期に置いては、霙姉さんみたいなことを深く考えた人も大勢いたことでしょうね。
しかしながら、その締めとして――
宇宙の塵のごとく――
小さな儚い私達の人生の
なんという重み。
みな等しく――
私もオマエも――
そして私達の小さな妹たちも。
同じその重さを持っているのだなあと
改めて思う。
やはり、存在の小ささ、儚さを知るということは、逆にその大きさ、重みを思い知るということでもあるわけで。様々な思いが交錯する中、さすがに霙姉さん、見事な形で結論を形にしてくれたなあと思います。
日頃、とくに平和なときは、霙姉さんはわりとおもしろげな餡子お姉さんなわけですが、やはりこういう非常時、家族の心が引き裂かれそうになるような事態においては、一番精神的に頼りに出来る人なんですよ。この深い思索と、どっしりとした思考は、この人が家族として傍にいてくれるだけで、頼りにできてしまうという安心感がありますよね。
こんな日々にも――
明日からは新しい月が
やって来る。
私達はまたみな新しい年次を迎える。
与えられた日々に感謝して――
また新しい日々を迎えよう。
新しい年次――といっても、例によってあさひさんがまた0歳の誕生日を迎えるという時空レベルの話ではありますが、今年はリアル側からの視点では、アニメ化という大きな躍進が待ち受けている年であり、そういう意味でも、こういう初心は大事にしていかなければなと。
今、私達にできること――
それはささやかな募金や節電と、
小さな妹たちを支えてやること――
愛すべき家族を、
ただ互いに思うこと、だ。
普段ならオチの時間でありますが、さすがに霙姉さん、締めるべき時には本当、見事に締めてくれますね。ボキンも節電もすでに姉妹が勤しんでいる姿を確認できていますが、最後の言葉は何度確認してもいいぐらいに大事なことであります。