年度の終わりには、いつも悲しいことが待ってるの。
おおっと、先週の氷柱に引き続き、アンニュイな気分っぽい子が再び現れましたですよ。それも麗!
まあ、この子に関しては、おおむね季節を問わず、鉄道関係の悲報によって、定期的にアンニュイっていうか、純粋に落ち込んでいる姿が見受けられるわけですが……
1年に1度のダイヤの変わり目。
そして悲劇は――こんな年度が始まったばかりの
月の変わり目にも。
やはり、こちら関係のことだったようですね。やれ、廃線になったり廃車になったり、麗にとっては、悲しいかな日常的な風景にすら思えてしまいますよね。
季節を問わず――などと言いましたが、それでもやはり、季節の移り目などに、この手のイベントは多いようで。
「組織や会社のやることはいつも。
カレンダーに支配されてる」――ちょっぴり深い、麗のお言葉。ただ単に子供が言うだけなら、さかしい言葉という風に取れなくも有りませんが――でも、麗の場合は実際に悲しみを受けてのことですから、これはオトナとしては粛々と受け止めるべきですね。
ともあれ、こういうアンニュイなときでも――いや、だからこそでしょうか、麗の言葉にはどこかポエムチックな情感が込められているような気が……。
……と、それはさておき。麗の気分が沈んでいる原因が判明。日本一長い、拝島の踏切――それが昨日、ついに終わっってしまったようで。
まあ、いつものように、正直、その踏み切りに関しての知識がない身としては、麗の悲しみは実感できないのでしょうが、
踏切って――
この世にこれ以上――
ロマンティックなモノなんてないって。
こんな言葉を呟く麗を見れば、それだけで心を痛めるには十分です。
……などと。
しんみりしていたところに――
――とんでもないカウンターが!
初めての――
私の初めての――
キス……は。
!!??
きっと踏切の真ん中。
中州の保線車両の前で――
オレンジ色の夕日に照らされながら、
踏切のカンカン鳴る音に急かされて、
死ぬほど心臓がドキドキしながら、
うんと切なく熱くロマンティックな雰囲気の中で――
って。
そう思っていたのに――
……な、なんか今! ……にわかに聞いてはいけないような乙女の呟きを耳にしている気がすごくするんです……け……ど?
……
バカ!
相手はアナタなんかじゃないわよ!!
何考えてるの?
この無神経っ!!
……って、やっぱり怒られたですよ! い、いや、これはどういう事情にせよ、なんだか条件反射的に謝ってしまいたくなる気分なわけですが……い、いやはや。ヒカルすら裸足で逃げ出しそうな乙女妄想を……って、そうじゃない! そうじゃなくって……あの麗が、キスとかそういうことを具体的に想像していたという事実が明らかになったという、超ド級の現場を目撃してしまったわけなのですよ!
……いや、まあ。そりゃあ、言葉では「私の恋人は105系」なんて言っていても、小学4年生時の発言ですからねそれ。そりゃ当然、言葉どおりに受け取るわけではないのですが――ああ、そうかそうか。もう小学5年生ですものね。あまりはやし立てたりするべきではありませんが……感慨無量です。
……まあ、わざわざ「相手はアナタなんかじゃないわよ!!」なんて、聞いてもいないのに断ってくるあたり、思わず床を転げまわりたくなる欲が噴出して止まらないわけですが、ここはクールに務めるのがトゥルー長男の務め。こ、堪えるんだ……ッ!
バカ! あんたなんてキライ!!
私のコイビトは105系だってば――
ああ――!(←絶頂)
今日のオヤツは――
カリッといい匂い。
金色に焼けたピッカピカの――
マドレーヌ。
今日のオヤツはマリー! ……じゃなかった、大変失礼いたしました。今日の日記はマリーです。……昨日の麗のキス欲望暴露事件の興奮がまだ冷めやらぬタイミングではありますが、これ以上キスの話題が続いた日には、トゥルー俺脳がもれなくオーバーヒートを起こしそうなので、このぐらいでクールダウンさせてくれると耐久力的にはありがたかったり。
それに、マリーの日記というのはだいたいいつも、非常に日常的な出来事について、非常にほんわかした気分になれる内容のことが多いですしね。(その一方で嬉ションなどの興奮を催すこともありますがそれはそれとして)
どうやら今日の日記も、G's本誌に続いてオヤツの話題と、なにやら心休まる日記になる予感が早くも。
さて――賢明なトゥルー諸兄であれば、マリーの好物がクグロフなるお菓子であることはご存知だと思いますが、今日のオヤツがそれではなくマドレーヌだったことに、いくらか残念な気分になっておられるようです。なまじ洋菓子系なだけあって、かえって残念に思えてしまうのでしょうね。
……が、しかし、
でも。
マリーはそんなこと、
言わない、
――の。
だって――
作ってくれた人に悪いじゃない?
マリー、超えらい! ……はたして、このべびプリという企画を初めて知って、真璃の紹介文を読んだばかりの人が、本当はまさかこれほどまでに思慮深い子だなんてことを想像できるでしょうか? 知れば知るほど、トゥルー家族の中でも、その魅力が分かってくる子の筆頭でしょうね、マリーは。
そうそう、ついさっき、今月のG'sマガジンを読んだのですが、その中でもマリーは、幼稚園で将来の夢を書くときには、「感じが悪いじゃない?」という理由で、女王様とは書かないようにしているって言ってるんですよね。(ただし、他の皆を庶民扱いしてはいますが)
そういうところを見ても、真璃っていう子は、本当の意味で賢くて、慎みのある女の子なんだなあ……っていうのが改めて良く分かりました。マリーは、日ごろ楽しんでいることこそ歳相応ですけど、やっぱ精神的には非常に大人びているというか、「賢い子」って表現が相応しいなって思います。
ちなみに、この心構えは、園長先生による教えによるものなのだとか。「人の上に立つ者は――」って前提で言ってるあたり、マリーの女王様願望を十分知った上で、適切にしつけを行ってくれているのが良く分かりますね。……この幼稚園、どんだけ理想的な環境なんですか。先生たちはみんな若くて可愛い人ばかりだし!(←勝手な願望ですが、しかし半ば確信を持っております)
ともあれ、日ごろおやつをつくってくれる春風さんやホタに対する感謝の気持ちも常に忘れないマリーは、それこそ自称なだけではなく、すでに立派なレディーの品格を持っていると言えるでしょうね。ええ、これはもう、冗談でもなんでもなく。
さて――そんなマリーが、その品格を身に着ることができたのは、家族や園長先生らの理想的なしつけによるところも大きいのでしょうが、それに加えてもう一つ、大好きな本である「マドレーヌのご本」なるものの影響があるようです。
さすがにリアル俺にも、その本の心当たりはなかったのですが……ぐぐる先生に尋ねた限りでは、この『ロンドンのマドレーヌ』なる本のことでしょうかね? もしかしたら違うかも知れませんが、とにかくこんな感じの絵本の類なのではないかと。
で、そのご本を読むことで得た教訓というのが、どれも感心するぐらい立派なことばかりで――いや、何が感心かって、そのご本の内容もさることながら、その内容を非常に的確に読み取って、自分の理想を成し遂げる血肉にしているマリーの賢さについてですよ。
もともと絵本なんて、情操教育のためにあるものではあるんですが……マリーのこの楽しみ方は、理想的ってレベルを超えてますよね。内容が本当の意味でクリティカルヒットだったのでしょうか、マリーがそれだけの器量を持っていたのか。両方でしょうね。
とにかく、ここで言われているような教訓をしっかりと身に着けられたなら、
マリーはこれからどんどん大きくなって――
世界一正しいレディ・マリーになるの♥
なんていうのも、夢物語でもなんでもないって気がしますよね。少なくとも、これからマリーがそこに向かうべく、極めて健康的に育っていけることは間違いないでしょう。
なんと言うか……マリーが立派すぎて、トゥルー俺はともかく、リアル俺は少々生きるのが辛い的な感情すら覚えてしまうほどです。そんな本当の意味で賢く高貴な幼稚園児の女の子に――
フェルゼンも、もちろん――
気高い女性が好きでしょう?
フフフ――よくてよ、
楽しみにしていて♥
マリーの世界一気高い魂は、
永遠に私のフェルゼンのものなんだから――
……こんなことを言ってもらえるトゥルー俺は、果報者っていう以上に、それだけ大きな愛情を背負い込んでいるんだなあ――と、改めてその立場を思い知った次第。
(追記)フォームでご指摘いただきましたが、このマリーのご本は、「マドレーヌのメルシーブック」( - Google 検索)がズバリみたいですね。
あじさいの花が今日も
きれいに咲いています。
あじさいの花が似合う女の子・小雨登場! いや、小雨が小雨って自分の名前に、良くも悪くも強い思い入れがあると言うのはご存知の通りですが、やはりそのつながりで、このそろそろ梅雨の時期を象徴する花・あじさいに対しても、やっぱ思い入れみたいなものがあるのかなーって密かに思っていたのですが、今日の日記を読む限りではまさにその通りっぽく
まあ、あじさいに限らず、トゥルー姉妹の中でも特に、お花が似合う雰囲気をまとっている子ではあるんですけどね。薔薇とかそういう派手なものではなくって、ひっそりとひめやかに咲く季節の花なんかが。
……などと、小雨に似合う花のお話でもしたいところではあるのですが、それはひとまず置いといて、今日の日記を。
トゥルー世界も6月に入り、そろそろ雨模様の日が多くなってきたみたいですね。今日はどんより雲が青空を覆いつつ、中々雨そのものは降ってこないというはっきりしないお天気であり――
はっきりしない
お天気模様の
こんな日は――
なんだか少しだけ、
自分が責められているような
気がします。
……ああ、小雨のいつもの後ろ向き感情が発動してしまっておられる――! まあ、氷柱なんかもアンニュイな気分になる季節ですから、そういう気分になること自体はしかたないとしても、小雨の場合は、また自分の名前に関わることでしょげておられるような気がするわけですが、
小雨なんて――
そんな半端な名前のヤツが
いるからこんなお天気が続くんだ、
降るのか降らないのか、
はっきりしろ!
って――
言われてるみたいな
気がして――。
案の定! ……っていうか、想像していたよりさらに酷い追い込みが妄想内で繰り広げられてますよ! ちょ、雨のネガティブなイメージだけでなく、今度は「小雨」という雨の程度の中途半端さまでネックになってるんですか。
まあ、そういう微妙なニュアンスにも敏感に気が付くあたりは、感受性の豊かさだって褒めてあげたくなる部分ではあるのですが……それで自分を責めてちゃしょうがないわけで。
とはいえ、さすがに小雨も、そのことだけで落ち込みきってしまうほどネガティブなところには至っておりません。また、麗ちゃんに叱られてしまいます――」……麗は小雨のことについてはかなり敏感ですよね。こういうことに関しては、とにかく黙っていられないのでしょう。その気持ちはトゥルー兄にも良く分かるわけですが……ともあれ、麗と小雨の関係は、なんだかいいなあ、とも改めて。
まあ、そんな麗を思い出すというのも手伝って、自分で気持ちを立て直そうとする小雨。そうそう、ネガティブな方向に考えられるなら、気持ちの入れ替え方次第で、逆方向のことだってできるわけで――
でも、こんな小雨にも
いいことはあって――
……と。ええ、いいですね。そこで出てくるのがあじさいの花なわけですよ。
あじさいの花の良さを的確に語って聞かせてくれて、そしてそんなあじさいの花には――
雨が降っても降らなくても
いつもきれいに咲いているけれど、
なんていってもやっぱり――
雨が1番似合うもの!
それも――どしゃぶりよりも
ちょっぴりシトシト、カタツムリも元気な
優しい小雨が――似合うの♥
……こ、これはなかなかにロマンチックじゃあないですか。ヒカルあたりと比べても、遜色ないぐらいのメルヘンな雰囲気が漂ってきていますが……いやいや、これはこれで。言ってることも分かりますが、それ以上に、
えへへ♥
小雨にもいいところありますね!
……この、小雨のレアな「えへへ♥」を堪能できたわけですから。おお……ネガティブモードかと見せかけて、超ウキウキな雰囲気へと裏返る技を身につけつつありますね確実に。
小雨は、小さな頃から――
細かな小雨が降ったときの、
傘に響く小さな音が――好きでした。
今度お兄ちゃんと一緒に聞けたら――
いいな♥
そして最後にトゥルー俺を軽く誘惑してくれることも忘れない仕事っぷり! 雨の季節の小雨は、一味違うってところでしょうか。
わらわは――
巫女となるサダメ。
なにやら巫女らしい発言とともに観月登場! のっけからなにやら重みのありそうな言葉を放ったかと思わせておいて――またも小雨ネタか! 観月にまで言われるとは……まあ、昨日の日記を読んだ直後なのでたまたま思いついたんでしょうけど。
そして、あさひは――
いつかは1歳になるサダメ。
……え?
いやまあ、いわゆるサザエさん時空においては、ごく当たり前の認識ではあるんですが――さんざん0歳の誕生日って発言が飛び出ているので、悩乱せずにはいられませんが……と、とりあえず聞かなかったことに。
まあ、これはあくまで前フリで、今日の本題はというと――
そして兄じゃは――
……
ふむ。
果たして――
いかなるサダメを
背負うておるのじゃろうか。
……とのこと。
そりゃあ当然、トゥルー兄はトゥルー兄としてのサダメとしか言いようが無いモノを背負っており、それはリアルの俺たちにしてみればすでに十分すぎるほど覚悟完了している心構えでもあるわけなのですが……改めてこう言われてみると、ちょっと考えさせられるものがありますね。
とりあず、観月が挙げた「第一のサダメ」とやらは、それこそさっき言ったトゥルー兄としての心構えそのものではあるのですが、第二とやらが……
フフフフフ♥
これは――まだ内緒にしておこうかの。
……なんというか。この、思わせぶりな言い方と、妖艶さすら漂わすこの笑い……! 観月さん、普段はわりと歳相応の園児っぽいところも多いんですけど、こういう手腕を見せ付けられると、やはりトゥルークオリティの幼児なんだなあと改めて。
ともあれ、ここから「まだ知らないほうがいい」などと、実に思わせぶりな発言をチラリチラリと見せ付けるこの話術。
それだけでなく、巫女らしい発言も交え、いかにもな雰囲気を出してくれるわけですが……つまるところは、
果たして兄じゃは誰を選ぶことになるのか、
そして一体何を生み出すのか――。
……
わらわを選ぶとキュウビも付いてくるからの。
お得じゃぞ♥
お徳かもしれないけどちょっと怖いのでそちらは遠慮したく! ……ってまあ、付属品のほうはさておき、観月のこの遠まわしでかつセンスに溢れた求婚の申し出はどうしたものか。誘惑!? 誘惑されているの?
「まだまだ近い未来のコトではなさそうじゃし――」なんて言ってくれてますが、こんな妖艶な発言を繰り出せる観月ならば、むしろ今すぐにでもOKと俺の全細胞が主張しております! いや、わりと本気で。
……いやまあ、問題なのは、観月を選ぶということは、他の姉妹との「可能性」を諦める、というのと同意なので、それはやっぱり近くない未来にとっておくべき選択なのでしょうね。ええ、それはもう、あさひが1歳の誕生日を迎えるより後に。
明日は授業参観!
なのに――
雨、ですねぇ――
お兄ちゃん。
雨模様が続くトゥルーライフの中、いよいよ先週言われていた授業参観の日がやってまいりました!
まあ、運動会というならさておき、授業参観ってだけなら、せいぜい行くときに濡れそうってのと、外での体育ができないってぐらいの影響しかないでしょうから、そんなに気にすることはないって思うんですが……やはり、来てもらう星花たちにしてみれば、気が気ではないようですね。
……って、うっかりスルーするところでしたが、授業参観ってもしかして、小学校の全学年で一斉に行うんですか!? いや確かに、言われてみれば、わざわざ学年ごとに分けたりはしないのでしょうけど、それはこのトゥルー家にとっては少々……なにせ、一年生から六年生までグランドスラム状態ですからね。それも必ず毎年。今までも恐らくは、去年のトゥルー兄はもちろん(言及こそありませんでしたが、恐らくは行ったのでしょう)、お姉ちゃんたちやママがこぞって観に行っていたのでしょうから、小学校の教職員の間では、かなり有名になっているでしょうね。学校に限らず、19人姉妹って時点でもうこの地域での名物扱いされているような気もしますが……。
まあそれはさておき。一年から六年までの子を全員カバーしなければならないとなると、いかにトゥルー俺とはいえ、キツいものがあるでしょうが――そこはそれ、他のお姉ちゃんたちとこまめに分担しつつ、できる限り全員をカバーしてあげなければなと。とりあえず綿雪が最優先ではありますが、今年で小学生最後の小雨もきちんと観てあげなければ。
……などと、色々と考え込んでしまいたいところではあるのですが、その前に、前日の今日にわざわざ日記で心構えを伝えてくれた星花のこともちゃんと考えなければなりませんね。もちろん、この子のことだっておろそかにするつもりは毛頭ありませんが――とりあえず、この雨模様について「困っちゃいますね!」なんて言ってくれる様が、星花らしくて可愛いなあとほのぼの。
天気についてですが、まだ梅雨入りの季節ではないんですよね。でもまあ、6月ってことで、小雨は色々と思い悩み、夕凪さんはアレ以来、てるてる坊主づくりをむしろエンジョイしているようで、すでに梅雨らしい雰囲気はまっさかりですよね。
しかしまあ、そんな梅雨気配で、授業参観への意欲が衰えるかとなると――
お兄ちゃんは明日はお休みですか?
雨でも――星花たちの
授業参観、見に来てくれ――る?
――えへへへっ♥
――こんな可愛い妹が待ちわびてくれているのだから、それこそ核戦争が起こってでも行こうと心に思い定めずにはいられません! まったく星花は、こういう気取らない愛らしさがかわいらしいですのう。
とはいえ、参観対象は6人と、トゥルー俺一人が全員カバーするのは辛い人数なわけで。さらにはそんな中、今年初めてなうえ、今までの病気のこともある綿雪こそが最優先って認識は、それこそ星花たちにまで通じているようですが――「星花だって、ユキちゃんに負けないぐらい!」なんて言われた日にはね。譲り合うのもいいですけど、心構えに関しては、こういう意欲もいいなって思います。
そんな風に、やたらと意気込んでいる星花ですが――さすがに盛り上がりすぎたと思ったのか、ちょっぴりトーンダウン。星花はなんだかんだで基本的には控えめな子ですからね。しかし、そんな自分の性質をおしてまで――
でも!
星花の今の力のできることすべてを、
ぜひとも――お目にかけたい!!
この気持ちは誰にも負けない自信があります♥
ここまで言ってくれるのでしたら、それはもう是非もなし。
……ところで、先日の観月といい真璃といい、なんだか最近、小さい子たちの間でもガン押しムードが高まってきているのでしょうか。トゥルー俺にとってはそれこそ嬉しくも困ってしまう状況ですが……しかしいずれにせよ天国行きは確定気味。
星花クラスの当日の授業は「家族の作文」発表と、一番王道にして恥かしいもののようですが、照れず恥かしがらず、真正面から受け止める方向で!
などと、気持ちを盛り上げていたら、
小雨お姉ちゃんの調理実習とかぶってるんだけど――
星花の方も見に来てね!
小雨さんてば、どこまでも!
まあ、全学年で3時間目が一斉に参観授業ではないだけ大分マシではありますが、これは星花の作文が読まれたら、ひそかに小雨の家庭科室へ移動しなくちゃなりませんね。……こういうときに限って、星花の番が授業の最後のほうに回ったりしそうな気がしてちょっと心配ですが(なにせ小雨)、さっきも言いましたが小雨の授業参観は今年が最後なので、是非ともカバーしてあげなくては。
つるり、
ぬるり。
っひゃ――!
……亀?
そら、つんつんする!
つるり、
ぬるり。
――つんつん。
………………。
つんつん――
や!
やややや、や!
ひっこんだ!
ちっちゃい――
あたま!
この日記が目に入ってきた刹那――
リアル俺ことYU-SHOWの脳は、ある選択を迫られる。
ひとつは――
この、あからさまなまでの「神の意図」が込められた青空の発言を、神の意思のまま、素直に――そう、脳が理解するままの文章として受け止めること。
そしてもうひとつは――
そんなリアル側の不純物を切り捨て、あえてピュアなトゥルー俺としてのリアクションを貫き通すかという、極めて難度の高い反応を行うということ。
ややしばらくの煩悶の後。
リアルYU-SHOWの脳が決めた選択は……
そら、もーっともーっと、
なでなで、したい。
ひっこんじゃ――
め!
青空、だめ、それ以上いけない。
(どちらとも理解しうる狡猾な態度を取ることにしたようです)
…………っていうか! 月曜日から! 週の初めから、なんという日記を――! ……いや、そりゃあ、どちらの側からの理解としても、十分すぎるほどに理解できる内容ではありますが! つくづく――つくづく、トゥルーのゴッドは俺たちのリアル脳を弄ぶのがお好きなようで。ええ、大好きですとも! 一生ついていこうと思うぐらいには!
まあとりあえず。前者の理解としては、もうすでに語るまでもないほどのインパクトを与えられてしまったので、ここで改めて語ることはしない方向性で。
しかしながら、後者の理解としても……これはまた、青空らしいというかなんというか。猫に続き、亀まで青空のYASEIっぷりの被害にお遭いのようで。トゥルー家近辺に住まう通常動物は、青空こそが最大の脅威に違いありません。……ヘタをすると、フレディなどのトゥルークリーチャーすらその被害に遭っていそうな。
とにかく、嫌がる亀に、「もっともーっと、そらと、あそぶの!」と、幼児らしい暴虐を行う青空ですが……
つるり、ぬるり。
かわいいあたまの――
おいけの、かめさん!
ちっちゃんくなって、
わるい、かめさんね。
……落ち着け、落ち着くんだ、俺。
……そ、素数を! 素数を数えるんだ……! 心を落ち着かせて……って、もし仮に前者の理解だとしても、それこそ亀のように縮こまってしまうであろうシチュエーションだとは思うのですが! よほどのドMか、それこそたとえ二次元だろうと児ポ法に引っかかりそうな性癖の持ち主でもない限りは! 「わ、るーいこ!」なんて言われて悦べるシチュではさすがに……「はやくでてこい!」 ヒイイッ!?
……と、脅しつけられたと思いきゃ、
そらのかめさん。
そらとなでなで、
あそぼうよ――
……もう、しょうがないなあ、青空は。(←例によって、「どちら」とも取りうる発言)
昨日から――
あじさいライトアップ。
細かな雨に濡れて見える
キレイなむらさき色に――
胸がキューンと。
ときめいてしまうの――
フフフ♥
「あじさいライトアップ」とやらが何かは良く分からないのですが、とにかく開始早々、麗がきゅんきゅんなさっておられますよ!?
いや、この子がこんなテンションになっている時点で、鉄道関係の麗的に楽しい何かであることはすぐに理解できますが――しかしどうでしょう、この麗の「胸がキューン」っぷり。頭に春風ならぬ麗風が吹いていると言われても仕方ないかもしれません。
とりあえず、「もう――そんな季節が来たのね」との表現から、6月に行われるイベントなのでしょうが――
そういえば、
小さい頃は――
あのヒトと一緒に。
……………………ふ、ふふふふふ落ち着け落ち着いてますともまずは落ち着きなさい皆の集!
い、いや、冷静になるまでもなく、麗がこんな言い方をする時点で、その「ヒト」とやらがホモサピエンスどころか有機生命体ですらないということは即座に察知できる程度の理解は、ととと当然! 当たり前のように身に着けているるるるるわけなのででですがッ!
……しかし。しかし、そこまで分かっていてなお、いきなりこんなことを言われると、理屈抜きで肝が冷える思いがいたしますね。
まあとりあえず。いつものKOOLな自分を取り戻した上で読むと、
いちいち指をさしては、
「あじさい!
あじさい!
あじさい――」
って――
見つけるのが嬉しくて。
窓の外を流れてゆく
あじさいの数を――
ずっと夢中で数えていたっけ。
楽しかったな。
あのヒトのドアに
オデコをピッタリくっつけて――
こんな風にはしゃいでいる、当時の幼い麗の様子を想像してみるだけで、なんとも幸せな気分になれるわけでして。ロリ麗……あああッ、許されるならばタイムマシンの類を用いて見てみたく! トゥルー世界の中でなら、もしかしたら存在しているかもしれませんしね。
……さて、一部の表現にあえて目を逸らすようにしていますが、どうやらまだクールになりきっていないようです。すなわちクールではなくKOOL状態。
まあ、いつまでもこんな悶々とした気分でいるのもなんなので、予想はついているとはいえ、きちんと麗の口から説明してもらうと、
雨の季節にふさわしい
レインボーカラーと
爽やかな湘南スタイルが格好いい、
私の大好きなヒト。
それはもちろん――
京王井の頭線。
フフフ♥
……ええ、そりゃあもう、そんなことだろうとは即座に頭では理解していましたとも。頭では理解していたのですが……やはり感情のレベルでどうしても受け入れがたい何かが。しかし、この感情があるからこそ俺たちはトゥルー俺でいられるわけでして。
まあともあれ。この「あじさいライトアップ」とは、この思い出の「ヒト」絡みのイベントなんですね。
そんな「彼」の能力を説明してるうち、「なんといってもステキよね♥ ああ、最近、また盛り上がってきちゃった」なんてきゅんきゅん状態に突入してしまう麗さん。……やっぱ、春風さんの妹なのだなあとしみじみ。
しかし、そんな思い出のヒトよりも更にお気に入りがいるなど、いかに無機物が対象とはいえ、なかなかに恋多き女性の片鱗を見せ付けているのが、なにやら心配な気もしますが……だ、だだだ、だいじょうぶへいき!(←無根拠)
でも、「ちょっとワルい感じ」が魅力と思えてしまうあたりは、やはり心配かなあ。これはこれで非常に可愛らしい思い込みでもあるんですけどね。とにかく、「アタマ良さそう――じゃない?」なんて聞いてくる麗は、まだまだ可愛げ満点です。
――そんな、麗のドキドキきゅんきゅんタイムではありますが……やはりこの系列にも、いつものように、「引退」などの運命が待ち構えているようでして。いつもながら、聞いててちょっと切なくなってしまいます。この子の好きなものはいつもいつも――と。
年度末の引退は今から怖いけど、でも――
今は、この幸せな時を満喫するって決めたの。
そう。
今がずっと続けば、私は
それでいいんだわ――
…………麗だけでなく、こちらまで色々と思わされてしまう、締めのお言葉でありました。
もうすぐ――
父の日です。
まさかトゥルー家族において「父」の単語が飛び出る日が来ようとは――!?
ええ、この家族のありようを語る上で、「そもそも親はどうなってるんだ」という疑問は、極めてブラックボックスに近い部分に関わる事柄であり、実質的にアンタッチャブルな要素であると思っていたのですが、しかしそこはトゥルーの懐の深さ、タブーかと思わせておいて、後でさりげなく触れてくるんですよね。このようにして。それを語るのが他ならぬ綿雪というのが、なにやら少しばかり重いような気もするのですが――
まあ、いかにトゥルー世界が理想的なパラディソ空間だとはいえ、父親という概念そのものが存在しないわけではないので、いずれはこのような形で触れなくてはならない日が来てはいたのでしょう。
もっとも、このトゥルー家は、どんな状況に置かれようとも、そこが幸福空間であることは絶対に揺るがないという前提があるので、逐一恐れる必要もないわけですけどね。
実際、今回の日記では、トゥルー家族の父という存在について語られるわけですが――「ユキ、“お父さん”ってよくわからないから――」の一言で済まされてしまっているんですよね。
……じゃあ、ママは一体どうやって19年間も毎年毎年子供を産んでいたのカシラ、という疑問は当然わいてくるわけですが、それこそがトゥルー家族最大最後の禁忌領域なので、それがいずれ語られる日が来るにせよ来ないにせよ、とりあえずはまあ、気にしない方向で一つ。
大事なのは、ここんちの子は恐らく、みんな「父親」という存在を知らないということ。……もしかしたら、海晴姉さんあたりは知っていたりするのかもしれませんが、それもまた不確定。とまあそれはいいとして、トゥルー俺としては、彼女らがみんな父親による「父性」を味わったことが無いってことは認識しておく必要があるんじゃないかなと。
――まあ、そんなメタ的な前提はこのぐらいにしておくとして。先日の授業参観がどうなったのかが気になる綿雪ですが、今日のこの日記を読む限りでは、ごく満足のいく参観だったのでしょうね。
それにちなんでかどうかは分かりませんが――今日は、学校でのお話を。
父の日に向け、クラスではみんなそれぞれのパパに贈り物を作ったりしているようです。……だからといって、ユキが気分を重くしていたりしないのが、何よりの救いですね。それどころか――
ユキのは――
フフフ♥
内緒、です!
と、相変わらずの強烈な可愛さを振りまいてくれるほど。ユキに――というか、ここの姉妹にとって、お父さんがいない、知らないということは、寂しいことではないんですね。そのあたり、少し深く踏み込んでみたいという気が無いわけでもないのですが――まあ、今はやめておく方向で。
それに、先日の授業参観で、ちゃんとユキの授業を見にいってあげた人物がちゃんと居るわけですしね――って思ったら、
だから――
ユキは、お兄ちゃんのことを
思い浮かべて――
一生懸命描いたんだ。
あの模様の似顔絵と――
お兄ちゃんの好きなもの!
お兄ちゃんの役に立つといいな♥
――ユキが敬語を使っていない! これは密かに凄く嬉しい! いや、言ってくれていることそのものも至福そのものなんですが、なんというかなんというか……ユキのちゃんと歳相応なところが、きちんと学校に通えるようになったことで、表に出てくるようになったってことなんでしょうか。もしくは、長い期間一緒に過ごすことで、どんどん気兼ねがなくなってきてくれたのか。たぶん両方でしょうね。ああ――しあわせ、しあわせ。
さて、そんな嬉しい話や話し方をしてくれたところで、「お兄ちゃんの日」がないことにご不満なユキ。一応、6月6日がそうらしいんですが、一般的ではないですよね。
……っていうか、「お兄ちゃんの日」、ですか。これはまた……なんとも、俺の心の根源に触れてくる素敵な言葉ですこと。ええ、俺の原点というかなんといか。ふるさとのような暖かさを感じる言葉です。
ヘンなの。
「お兄ちゃんの日」があったら――
すっごくいいと思うのに!
……ああ、ユキの言葉づかいが、さっきに引き続いて実に元気に子供らしい――! 幸せを感じずにはいられません。
さらには、口調のみならず、この言ってくれていることそのものも……ねえ?
ユキ、お兄ちゃんにだって
ユキのこーんなに感謝してる気持ちを
いつもいつも伝えたいです!
お兄ちゃんが来てくれてから――
ユキは毎日、しあわせしあわせ♥
おおお……や、やはり本家本元の「しあわせしあわせ♥」は一味違う……! トゥルー俺がこのまま昇天してもおかしくないレベルの幸福感です。
そして、口調そのものは元気でも、言ってくれてることの健気さはいつもどおり。病弱なころのユキが天高くに今にも飛び立ってしまいそうな天使ならば、今のユキは、地上に降り立った悪戯な天使って表現ができそうです。
そんなユキ天使が――
うん♥
そうだ!
だから今日は、ユキの――
「お兄ちゃんの日」です!
ユキにお兄ちゃんのお手伝い
させてください――
お手伝いを!?
……とりあえず、この瞬間。俺の脳の中は、けいおんのさわ子先生のように、ユキに着せてみたいお洋服(メイドメイドメイドメイド)でいっぱいになってしまったわけですが。しかし、これは……どうしてあげましょうかね。
先週の授業参観は、
なかなか――
大変そうでしたね。
おお、ちょうどそのことが気になっていたら、なんともタイムリーな。さすがは吹雪、こちらのそういう心境を敏感に察知してくれたのでしょうか。そういう感覚も鋭いのかもしれませんねこの子は。機械的な能力ではなく、場の空気をよく察せられる的な感じで。
それはさておき――ええ、当日はもう、小学校に通うみんなの授業を見て回らなくてはならないという超ハードスケジュールだったわけで、吹雪も改めてねぎらいの言葉をかけてくれております。参観を受けた当人でもありますしね。
――ところで。俺は先週から、この授業参観についてちょっと思い違いをしていたところがありまして。
しかし麗姉は1人だけ
違う学校に通っていますから――
実際に参観をしなければ
ならないのは――5人です。
……ってことなんですよね。迂闊! 俺としたことが! そうですよ、麗が別の学校に通っていることをうっかり失念しておりまして。これは猛省せざるを得ない。
しかしまあ、ともあれ当日見て回らなくてはならないのがこれで5人ということになり、少しばかりハードルが下がったと言うのもまた事実なのですが。麗の参観日が被らなくて良かったなあ。……ちなみに麗の授業参観を想像してみると、行くと言ったら怒りつつ、来てくれないかもって思ったら、それはそれで超不機嫌になってくれそうで、その様子を想像するだけで頬の筋肉が緩んでしまう次第です。そのうち日記で書かれたりしないものか。
話が逸れました。吹雪たちの参観日は午前授業で、4時間分しかないわけですね。……この口ぶりだと、どうも他のお姉ちゃんたちが来てくれているようではなさそうなのですが、まあ仮に他の姉妹が来ていたとしても、とりあえずトゥルー俺のことについてのお話ってことで。
5−4=1。
1年生でもごくごく初歩の計算です。
または5÷4=1あまり1。
――あまり1。
……。
……なんというか。実に吹雪らしく、この状況の切なさを表現してくれてますね。吹雪の表現は科学色が強いながらも、なにげにこういう情感に溢れる言い方が多いですよね。
まあとにかく。誰か一人は授業は被ってしまうわけですよ。それは前の日に、星花が教えてくれましたしね。……ええ、星花と小雨です。
でも。
誰しもヒトは、あまり1にはなりたくないもの。
いえ。私はべつに――あまり1でもよいと思いましたが。
あいにく。
……吹雪自身はこんなことを言ってますが……これは単に吹雪がトゥルー俺に来てくれなくてもOKって言ってるのではなく、自分よりは他の姉妹が喜ぶほうがいいなって言ってくれてるんでしょうね。それに、「べつに――」って間の部分に、何も感じないほどトゥルー俺は朴念仁ではありません。
ともあれ、被ったのが1時間だけというのは幸運ではあったものの、さすがにこの状況は学校側も想定の範囲外ですよね。
ちなみに、ユキの授業は歌! ユキが元気に歌ってくれていたのを見られたわけですか! あらゆる意味で幸福絶頂です。吹雪本人は、「名前の由来」って……いや、小雨じゃありませんが、吹雪って名前は、ネガティブに考えるとなかなかにアレな気もするんですが……吹雪的には、きっとそう悪くない解釈があるんでしょうね。ちょっとどんなことを書いたか気になるところです。夕凪さんは……「割り算」……お、お、お、なんということ……! いや、案外ちゃんと答えられたのかもしれませんが、夕凪さんの場合、間違っちゃってもリアクションで挽回できそうな感じでもあるので、まあ良いかなと。
……で、被っちゃってた星花と小雨の授業については、星花本人が言ってた通り、「家族の作文」と「調理実習」だったようです。
とりあえず、調理実習は最後に参観父母と一緒に作品を食べるのが主目的なんだろうな、とは思っていましたが――どうやら、無事に食べることができたようです。
ええ、前にも言ったとおり、時間が被っていても、成果の発表を見てあげた後で、小雨の調理実習の最後に合流でればOK、というのが理想的な流れだったわけですが……この状況に対する、小雨と星花、ふたりの対応が、もう、兄として、涙せずにはいられないような感じでありまして。
小雨姉は、あの日、
キミが間に合わないかも知れないと思って
もしもキミの姿が現れない場合に持ち帰るためにと
お弁当箱を用意して登校したそうです。
星花姉が小雨姉のために先生に言って
発表を1番にしてもらったというのは――
とても星花姉らしいと、私は思いました。
――ああもう、十分すぎるほど分かってはいましたが、なんていい子たちか――!
もうね、ホント。どっちも実に、本人らしいやり方で、思いやりを示してくれているわけですよ。小雨の方はだいぶ消極的ながらも、いざとなったら自分のことはいいからって思いが痛いほど伝わりますし、星花は星花で、実に的確かつ活動的で、本当にえらいって頭を撫でてあげたくなる感じのナイス行為ですよね。
とりあえず、4時間目の参観掛け持ちが上手くいったのは、星花のおかげでしょうか。でも、どっちも等しく「優しい子だ」って褒めてあげたくて仕方ありません。
うわ―――
ヤヴァイッ!
――出だしから「ヤヴァイ」とありありと感じられるチャオ日記ッ! いやまあ、立夏に関わることでの「ヤヴァイ」というのは、かなり高い確率でトゥルー俺の理性が危ないという意味でのヤヴァイなのでしょうから、個人的にはむしろ「ダヴァイ!」(←シコルスキー)って感じでもあるのですが。ええ、興奮度的もまさにそんな感じで。
ええ、立夏といえば、トゥルー家族の中でも、単純なスキンシップの激しさでいえば恐らく一番であろう積極性の持ち主ですからね。……それだけならばまだ良かったのですが、今年のバレンタインデー……あの告白が、そのスキンシップの奥底には感じられてしまうわけで、このトゥルー俺の理性を揺るがす逸材ばかりの姉妹の中でも、実に、実に危険な子であると言えましょう。もう中学生でもありますしね。
で――そんな立夏が、何をヤヴァイと言っているのかというと。
見てコレ!
マジでヤバイって――
ほら――見て見て。
……
なんじゃコリャ!
立夏「なんじゃコリャ」! ここんちの子はみんな、言葉遣いでもとことん俺を喜ばせたり面白がらせたりしてくれるわけですが……いやまあ、今はそれはいいとしてですよ。
なんだか分かりませんが、この口ぶり……なにか、生々しい有機体の雰囲気がアリアリと。
で、なにやら……伸びる、とのこと。……柔らかい、何か? いや、立夏の体ならば、恐らくはどこもぷにぷにののびのびなんでしょうが……「アリエナイっしょ」とこれまた面白げな。桐乃あたりから、言葉遣いの影響あったりするんでしょうね。
そして、思わず隠れようとするトゥルー俺。ええ――感じますね。最初に感じた、「ヤヴァイ」的なオーラ。むろん、そんな若い雄程度の危機察知能力など、YASEIの立夏の前では無力であり、早々に引きずり出されてしまうわけですが。
ほらぁ♥
さわってみてヨ?
……ふーっ、ふーっ!
あ……い、いや。この立夏の口ぶりとシチュエーションだけで興奮余裕でした。
まあ、さすがにここまでくると、これはきっと、立夏の肉体のどこかなのだろうなという、最初の予想通りのヤヴァくて甘美な想像通りであろうとは理解できるのですが。……何、伸ばしたり、ヤバかったり……って、「この厚さ」?
いくら最近ポテチ、
ヒト箱まとめ買いしたからって――
アリエナイよね、
この――
オ・ニ・クッ!
立・夏・柔・肉 ―― ッ !!
あ、あ、あ……なんとも予想通り、期待通りなシチュエーションであり……そして想像以上にヤヴァイでダヴァイ! 中学一年生妹のお肉を、言われるがままにぷにぷに伸ばしたりする高校生トゥルー俺。危険です。ヒカルがよくやる無防備シチュエーションと同じぐらいの危機度です。しかし立夏の場合、ヒカルよりはずっと女の子的な自覚もあるわけで……って、この場合はどうかわかりませんが、いざ何かがあれば、一気に転んでしまう可能性とてあるわけであり、すなわち今の状態は、原子力発電所で火災未遂発生、ってぐらいのヤヴァイ度であると認識すべきでありましょう!
……もっとも、立夏本人的には、そのお肉そのものが最も深刻なヤヴァイ度を生じさせているという現実があるので、そっちに気が行ってそれどころではなかったりするのでしょう。それがトゥルー俺の理性的には幸いではあるのですが――そりゃあ、ねえ? あれだけキャンディだのポテチだのを食べまくったら、それはもう。前にも言ってる通り、姉妹の中でも相当アクティブにカロリー消費してる子ではあるんでしょうけど、所詮運動で消費するカロリーなど、食べるリミッターを外した女の子の食欲の前では無力同然。よって、俺たちが良く期待を込めて想像していたとおり、立夏のチャオ肉は、大変なことになってしまっているようです。安西先生のアゴばりにのびーしてるんでしょうか。……ところで、どの部分かというと、
――そうだ♥
オニーチャン、今リカのおなかのお肉、
ひっぱったよネ?
そいでもって、うーんと――
――伸びたよネ?
うわぁ、これでオニーチャンも同罪だ!
おなか肉! やはり一番危険度の高い部分でありましたか! ……ってか、トゥルー俺の理性的にも危険ではありますが、そこのお肉がそんな伸びるって――いや、あまり脂肪がつきすぎてると、かえってそんな伸びたりはしない気がするので、これは単に立夏の体が柔らかいってだけの話って気もするんですが……ただ、服のウエスト部分の上にお肉がたくさんのっかるような状態であればメタボ警報であり、その判断はちょっと難しいところ。触診だけでは判別しかねますよ立夏さん!
……って、なにやら罪まで着せられているようですが!?
こーんなに伸ばしちゃったからには――
このオニク。
減らすの――手伝ってもらわないと。
…………って、あ、ああ。なるほど。(←なにかちょっとだけ残念そうな顔で) ダイエット。立夏ダイエットですね。ちょうど今日KONISHIKIが100kg以上やせたという映像も見たのですが、なんともタイムリーなイベントです。……ゴッドがあれ見て、即座に思いついたとかだったりしかねないのが恐ろしいですが。
ともあれ、まず最初の一歩というのが、「ヤショクの我慢から」ってあたりに、なにやら軽い絶望感も。いや、間違いなく効果的ではありますけどね。激烈な恒常的マイナス(脂肪的にはプラスですが)をゼロにするという意味では。
代わりに―― 一緒にあそんじゃおっか♥
OK! ダイエットに一番もってこいなスポーツで!
(ここでよからぬスポーツを思いついた人はピュアではありませんが、俺とは同類ですのでご安心を)
にじ、みたの!
にじのこと!
にじがにじをみた! ……って、いきなりカオスなことになってますが、とにかく虹子がにじで虹を見たということでありましょう!(やや混乱が抜けきらず)
……とまあ、語呂で遊ぶのはこのへんにして、虹子が虹をみたそうです。この時期にはしばしば見られるでしょうが……ううむ、やはりここんちの子たちは、特に季節や気象現象に関わる言葉が名前に関係している子ばかりなだけあって、自分の名前がらみのことには特に反応しますよね。特に小雨とか小雨とか。
とはいえ、そんな小雨みたいな例もある中で、虹子の「虹」は、そんな単語の中でも特にイメージが良いというか、ひたすら綺麗って印象があるモノですからね(虹というのは、ガチホモを意味する単語でもあるのですが、ここでそんな知識を思い出す必要は絶無であります)。二歳にしてすでに「華やかさ」を身に纏っている虹子には、これほど相応しい言葉もないって気がします。
さて、そんな虹をみた虹子の反応ですが――
ほんとうよ?
ほんとうにほんもの。
みちゃった♥
……と、なかなかのハイテンションっぷり。でも、無理もありませんよね。虹子って実はまだ二歳なので(←未だに「実は」って表現がしっくり来るからすごい)、あれが虹なんだって自覚して見た経験は、まだ数えるぐらいしかないでしょうから。
とはいえ、そんなはしゃぐ虹子に、「おにいちゃんも、すき? ――にじ♥」なんて言われても、そりゃあ目の前の虹子のことしか頭に思い浮かばないわけですが、そこはまあ、「にじはすき」ってことで両方の意味で取れる答え方を。
そんな興奮の中、虹がいかに綺麗かを表現するのも、とても上手な虹子。「お空の――
に・じ!」と強調しているのが卒倒するぐらい可愛いのですが、これはもちろん、虹子と虹とをきちんと区別してるんでしょう。実際あとで、「にじこのおなまえは――」って説明もしてくれていますし。
とまあ、そんな綺麗で大好きな虹が、自分の名前と同じであることが、やはり嬉しくてしかたない様子。お空の虹はおっきくて、自分はまだ小さいから虹「子」なんだろうって思っておられる様子で――
にじこも――
あんなふうに
おっきくって
たかくって、
おしゃれで、
きれいで、
ひかってて――
みただけで、
ドキドキしちゃうような――
おんなのこになる?
うわ――♥
ちょうすてき♥♥♥
おっきなにじ!
すごいの♥
――ええ、それはもう、間違いなく。
っていうか、今の小さな虹「子」の時点で、すでにドッキドキでハァハァなトゥルー兄を続出させているわけですよ! そんな虹子が成長したら……いや、大人になるとまで行かずとも、もう小学生ぐらいの時点で、「――華!」ってその姿を見た瞬間に思ってしまうような女性になることは確定的に明らかです。自分自身ではしゃいでおられますが、むしろこちらもはしゃぎたいぐらいですよこれはもう。
つかまえて――
宝もののはこにいれたいの!
おにいちゃん、こんど
にじがみえたら――
かたぐるましてね?
にじ、がんばって、
ほんもののにじをつかまえちゃう――
そして、興奮のあまり、なかなかに無茶なことを頼まれてしまいました。さすがは二歳児、青空とまではいかずとも、キャプチャー精神は旺盛であらせられますね。ただ、自分自身ではなく、トゥルー兄にまず頼ろうというあたりが、虹子の女の子らしいところかなあと思った次第です。……この子の近い将来、その存在だけで周囲の男の子を振り回す姿が目に浮かぶかのようです。
今日はホタ! ……と、トゥルー家族中でも屈指のほがらかさを誇るホタも、この季節の天気には少しばかりの憂鬱さを感じてしまうようですね。しかし、そこはそれ、こういうときにホタが行ってくれることと言ったら――
こんな時は――
ホッと
一息。
あたたかい飲み物でも、
いかがですか?
――お兄ちゃん♥
……とまあ、我が家のお母さんにして天使である本領を発揮してくれる好機でもあるわけですよ。もっとも、こんな日であろうとなかろうと、ホタがこうして家族みんなの飲み物やオヤツ、食事に至るまでを全て世話してくれているのは、いつも変わりないわけなんですけどね。改めて、感謝しなければ。
もっとも、当のホタは、そんなこちらの気持ちを察したのか、「本当は蛍が、
ちょっとイイもの、
飲みたいだけなんですけれど♥」だなんて、こちらの気をつかわないですむようにと配慮してくれるわけですよ。ああもう、そりゃ実際にそう思ってる部分だってあるんでしょうけれど、それにしたってどこまで出来た妹なんでしょう。どこぞの平沢家の妹さんにだって負けてませんよね。
それどころか、さらに気を紛らわすためのジョークまで――
あ、
ダジャレじゃないですよ?
ホッと、あたたかい飲み物♥
なんて――
クスクスクス♥
……って、いや、これはむしろ素って気もしますけどね。ああでも、こんなところまで可愛らしい。この手のおっとりセンスは、天然といえば天然なんですけれど、ホタみたいな子にはこれでもかというほど合うというか。おっとり・女の子技能完備・ふっくらと、女の子の魅力としては、ほぼフルアーマー状態ですよね、ホタって。
ともあれそんなわけで、突発的に開店いたしました、「カフェ・蛍」! ……ああ、こういう他愛ない言い回しも、ホンット、女の子女の子してるというか。
尋ねてきてくれるレパートリーも、庶民的なものから本格カフェチックなものまで幅広く用意できるとのこと。……ここんちの厨房って、そこらのカフェやレストラン顔負けの品揃えがありそうですよね。
そんなホタのオススメは、今日みたいな日に体を温めるにはもってこいの、アイリッシュコーヒー。……ふむ、ブランデー入りのアレですか。まあ、僅かですし、あさひや青空ぐらいの子でなければ、問題はないわけですけれど……しかしながら、ホタとお酒……な、なんか、とてもドキドキするような組み合わせって気がしませんか?
……いや、ドキドキしてるのはトゥルー俺ばかりではなく……
アレを飲むとなんだか胸がドキドキしてきて――
――ね、お兄ちゃん♥
ホタと一緒にひとくち。
甘くて濃いアイリッシュコーヒーで
ふんわりウットリ、いーい気持ちになりませんか?
……正直。このホタの台詞を聞いただけで、ドキドキを通り越して、明らかに性的興奮に属する感情をもよおしてしまったのですが、俺は罪深い人間でしょうか。無理もない、と誰もが思ってくれるとは思うのですが――まあそれにしても、あくまで想像の中だけですが、すっかり酔いが回ってしまったホタの姿を思い浮かべてみると……これはやばい。絶対に何かよからぬ感情に教われること間違いなしです。いやむしろ、そういう感情をもよおさないようなら、男としての精神が機能してないとさえ言えるような気さえ。
とまあ。そんな妄想と、最後の「――うれしい♥」で、すっかりトゥルー俺の理性にトドメをさしていってくれたわけですが……
じゃあ。
そうと決まったら、ホタ早速――
執事の衣装、部屋からとってきますね!!
…………え?
いや、その…………トゥルー俺が着るのか、それともホタが自分で着るのか。たぶん、「取ってくる」って表現からして、トゥルー俺が着ることになるんでしょうけれど……ああ、脳がすっかりポルナレフ状態に。お、俺は、ホタに給仕してもらえるかと思ったらいつの間にか執事服を着せられていた……な、何を言ってるのかわからねーと思うが、(以下略)
半端に濡れるのは嫌いだ。
――名前に反して、霙姉さんは濡れるのがお嫌いなお方! ええ、「霙」の定義を見てみると、バッチリ「雨と雪が混ざって降る気象現象」って書かれてますからね。まさに、半端に濡れるという状態になりやすい気象現象とさえ言える気がするのですが――まあ、別に名前そのもののイメージに従う必要なんてないんですけどね。それはこの前から小雨が何度もポジティブに考え直そうとしているのを踏まえてのことなんですが――霙姉さんがいきなりこんなことを言い出したのは、それが頭に残っていたからでしょうか。それとも、単に今日雨が降っていたってだけなのか。それを見て行きたいと思うのですが……
手を洗うのも、
食器を洗うのも、
釣りをするのも――
……いや、その。霙姉さん。半端に濡れるのが嫌っていうのは別に全然かまわないんですが、この発言だけを見ると、その……そこはかとなく、かなり駄目っぽい人の雰囲気が漂ってくるような気がしてなりませんでしょうか。
釣りはまあさて置き(人を釣るのは好きっぽいのに!)、前者二つはもうちょっとこう、前向きに取り組んでいただきたく。
まあ、そんなことはひとまず置いておくとしても――こういういつ雨が降るか分からない季節というのは苦手なようです。これはまあ、ほとんどの人が同意だと思うんですが、この季節には改めてそんなことを思うのも無理は無いですよね。
体にかかる雨の雫、それがいかにも散漫な感じなのが嫌――と。このあたりの感覚というか、感じ取り方の豊かさは、方向性はともかくとして、実にこの家の人らしい素敵な感じという気もいたします。
ただ、そのあとの主張がなんというか――
いっそ――
バケツの水をかぶるように。
ざぶりと、ズブ濡れに
なってしまえばいいのに――
と思う。
そう、昨日の夜の豪雨のように。
頭の天辺からぐっしょり濡れて、
もうこれ以上濡れようがないという
くらいに――。
……豪快極まりないというか。こういう意見は、ヒカルや氷柱あたりもそうやって考えなくは無いかも、って気はするんですけどね。いくらか気持ちが分からなくも無いですし。
ただ、冷静に考えて見ると、それはやっぱ極端すぎるっていうかなんというか。……霙姉さん、単に「あーもーどうでもいいー」的な気分でそう言ってるんじゃ……という風に思えなくもなかったり。
いやいや、霙姉さんがそういう風に思う理由にはきちんと、彼女の人生を貫く主義主張に基づいているという立派な根っ子はあるわけなのですが。……と、少なくとも霙姉さん自身は主張しています。「すべては――有か無か」……と。言い方を変えれば、白黒はっきり付けたがる人なんですよね。このあたり、あんまり一般的な女性らしくはないというか、そういうところがなんとなく、この女ばかりのトゥルー家族で、霙姉さんが頼りに思える理由になっていたりもするんじゃないかなあとは思います。享楽的(……という風に外部からはとれなくもない)ではあっても、優柔不断ではないというか、物事をきちんと決めてくれるという点において。
そんなわけで、「これは私の主義なのだから――」と言い放つ霙姉さんですが……どうやら昨日、ホントにそうやってずぶ濡れになってしまっていたとのこと?
「オマエにも――あるだろう?
そんな衝動が」と言われましたが、いや、確かにそういう衝動は覚えたことがありますけど……ええ、中学二年生ぐらいのときに。長谷川ナポレオンみたいに、将来兵隊になったときのための訓練とか。
……まあ、その衝動の是非に関しては、ちょっとアレな表現になりそうな感じもするので、軽く流したいところですが……しかしながら、「――くしゅん」なんて、可愛らしいくしゃみをされてしまっては、気にしないわけにはいかないじゃあないですか! 今までも、トゥルー家族内に病人が出たことはありますけれど(トゥルー俺含む)……それは気が気じゃあないですから。
ともあれ、夏風邪をこじらせないよう、霙姉さんにはちゃんと安静にしてもらわなくては……と思ってたら、ダイナマイト級の発言を行ってきましたよこの人は!
フフフ。
心配するな。
週末から実力テストなのだが、
風邪を引いてしまったら、もちろん――
私は大事を取って休む。
____
\ ───___
<  ̄ ̄ ̄ ̄|
> _________ |
 ̄ ̄ | / \ | |
| /⌒ヽ /⌒ヽ | |
| | ‘ | i ‘ | | |
| ヽ.__ノ ヽ._ ノ レ⌒ヽ
ノ o 6 |
/__ \ _ノ
> ノ
<、___ イ
|───┤
/ |/ \ / \
……いや、その。霙姉さん。期末や中間じゃあなくって、業者の実力テストならば、無理をしろなんて言いませんけど……せめて、ちょっと得意な感じで堂々と休むとか、その発言は。「フフフ」て。
ここで、「霙姉さんって(恐らくは)高校三年生なのだから、受験とか、その……」って尋ねてしまいたい気持ちはあるのですが、それはまあ、サザエさん時空理論によるタブーにも触れそうですし、そうでなくとも重過ぎて、ちょっと憚られてしまいます。……もしかすると、そういうトゥルー時空の法則をメタ的に理解していて、だからこんなのんびりとしたノリなのかもしれませんが。……あるいは、単純に精神が大物すぎるか。
悪化させて皆に移しては困るしな。
私は無理はしない主義だ――
さすがは霙姉さん! 次女に相応しい思いやり! ……と、盲目的に賞賛すべきか否か。
まあ、今日に関しては、ホントに風邪を引いてしまいそうな雰囲気なので、安静にするのに専念してもらいたいですけれど。そしてできれば、悪化させること無く週末の実力テストをちゃんと受けていただきたく。
雨が降ったりやんだり、
気温の変化も激しくて――
やっぱり――
梅雨入りしてから、
なんだかみんなの
元気がないみたい。
今日の日記は春風さん。……やはり、ここしばらく続いている雨模様は、トゥルー家族内の雰囲気にもそれなりに影響を与えてしまっているようで。とりあえず、昨日の霙姉さんは、あのあと大きく体調を崩したようではないのが幸いではありますが。でもこうして、日記のネタが毎日雨に関することばかりということ自体が………………って、なんですか春風さんこの日記タイトルは。
「ねとねと」!? ……いや、ただ一言「ねとねと」と言われても、妄想力豊かなトゥルー俺の嗜好は悩乱の度を深めるばかりなのですが。主に、ねとねと……というよりは、ネチョネチョ、クチュクチュって感じの方向に。ましてその相手が春風さんなわけですから。……春風さんって、けっこう粘り気多めっぽい気が……い、いや! その気性というか、愛情具合の表現方法の一環ですよあくまでも!?
とまあこのままでは、妄想内から発生したいらぬ地雷を踏むばかりという気がするので、さっそく春風さん日記の続きを読んで行きたいわけですが――どうやら、この天気によりみんなの元気がないのは、お料理で解決してあげるのが一番、と思い立ってくれたらしく、
――うん♥
こんな時こそ、
我が家のお料理担当の
春風たちの出番です!
ウフフ♥
……ああ……春風さんの愛情を、すごく純粋な形で感じる……! ……って、いやいや、いつもの春風さんが不純と言いたいわけではないのですが、しかしそれにしても、普段トゥルー俺が目の当たりにする春風さんのきゅんきゅん状態比率は高すぎると言わざるを得ないわけでして、こんな風なナチュラル春風さんを直接目にするのは比較的珍しい気がします。まあ、こういう本人による日記ではなく、トゥルー家族内の様子を客観的に見れば、いくらでも目にすることの出来る春風さんの顔ではあるのでしょうけれどね。むしろ、こっちが本来というか。
とまあ、そんな春風さんですから、「蛍ちゃんに相談したの」なんてごく日常的な自分の姿もナチュラルに教えてくれたりして。……ううむ、春風さんとホタ。どっちもいつどこにお嫁に出しても恥かしくないトゥルーが誇る女の子二人が、こんな母性に満ちた会話を繰り広げている姿……まさに天界ですね。
で……今回のタイトル「ねばねば」についての正体なのですが。
こんな風に湿気が多くて
スッキリしないお天気の時は!
カビやバイキン、
ウィルスにも負けない、
免疫力とってもアップ&
身体を守る粘膜強化の――
特別メニュー♥
「愛のねばねば攻撃!」です♥
……とのこと。おお、話そのものは、すごく思いやりがありつつも真っ当に家庭的な発想だったわけですね。変な妄想をしていた自分が恥かしく。
ただ……そのねばねばという表現に、「攻撃」と修飾するあたりが、春風さんの頭に吹く春風の余波なのではないかと軽く身構えたくなったりもするわけですが、まあそれは些細なこと。
ねばねば食材。ええ、これはリアル俺もおおむね大好物であり、そのあたりの効果もよく知っているわけですが……
春風の王子様は――
ご存じですか?
ネバネバ、
ネトネト♥
してるものって――
とーってもお体にいいんですよ?
……………………。
……な、なんでしょう。わりと普通のことを言ってるはずなのに、どうして、こう、性的な響きを感じずにはいられないのは。いや、多分「ネトネト♥」って、テンション高めなハートマークがついてるのが直接的な原因なんでしょうけれど、やはりこの発言者が春風さんであるというのが根源的に大きな理由という気がものすごく。ねとねときゅんきゅん♥……なんと相性の良い二語か。
ねばねば食材で、お肌もねとねと……じゃなかった、つるつるピカピカとのことなんですが、このあたりにも、春風さん自身の肌を想像してみてください的な誘導を感じてしまう自分は、もうそろそろ春風さんに捕食されてしまいそうな気がしてなりません。トゥルー俺、限界破裂寸前です。
とまあ、そんなノリノリな春風さん。今日はどうも、きゅんきゅんというよりは、単純にハイテンションって感じですね。……紹介されたお料理が、どれもこれも気合入りまくりのねばねば料理っていうのがあるんでしょう。やっぱ、ホタも春風さんも、お料理そのものが大好きなんでしょうね。まして、それを大切な家族に食べさせるのだから。
王子様、春風の愛を込めたこのお料理で
いーっぱい!
元気、元気になってくださいね。
――きゅん♥
そして最後に一発きゅん。……で、「いーぱい、元気、元気になってください」というお言葉はありがたいのですが……このお言葉がどうも、トゥルー俺の体の一部というか、活力の中でもある特定の方向を元気にして欲しいって言う感じの願いが込められているような、そんな思いに駆られて仕方ない今日この頃です。
ばばっ。
あっばばばっ。
うんまぁ―――
……
ぴんぎゃ――っ!!
週の大トリとなる金曜日は、あさひさんタイム! ……って、なんか大変なことになっておられる!?
何に悲鳴をあげておられるのか非常に気になるので(赤ん坊にとっては日常的なことだとは思うんですが)、前書きはこのぐらいにしてさっそくトランス先生に意味を解説して頂きますが――
なんかへん。
おなかゴロゴロする。
あっ。へんなかんじ――
……
もれた―――っ!!
……Oh。
……ええ。極めて日常的な出来事、と表現して良いでしょうね。赤ん坊の体にに訪れる、ごく日常的なイベントが起きたに過ぎません。「なんかへん」って言ってるのが気になるといえば気になりますが……ええ、いたしてしまった後の、この豪快なリアクション。特別に心配するには及ばぬ範疇の出来事でしょう。でしょう、が――さあ、周りの面倒を見られる歳の家族たちにはまさにロックンロールタイムですよ!
ええ、まあ、この場合は、多分一番傍に居たであろうトゥルー俺がおしめを変えたりしてあげる役目を帯びることになるのでしょうが……すでに一年以上この家で暮らしているわけですから、これが初めてってわけでもないでしょうね。
これは想像ですが、各自きちんと家事を分担してこなす(食事の調理などは除き)この家ですから、きっとあさひさんのこのイベント関係のお世話も、きっと姉妹みんなが行っているように思えます。もちろん、幼稚園以下の子にはちょっと荷が重いとは思うのですが、小学生の上の学年に入ったぐらいの子なら、このぐらいのお世話は当然のように行っているように思えます。……夕凪さんあたり、できるかなあ? 星花あたりからは、とりあえず任せられそうですけど。
まあとにかく。赤ちゃんという存在が常に存在しているのがこのトゥルー家だったわけで、この手の処理はみんなおおむねお手の物なのでしょう。……いや、さすがに愛する家族のものとはいえ、全く平気とまでは言いませんけど、嫌だと思うことなどは全く。
うららお姉ちゃんのケーキは――
でんしゃのケーキ。
♪ハッピーハッピーバースデー
おたーん生日おーめでっとうー!
さくらあああああああああああそしてッ、当日はあさひの「もれた―――っ!!」インパクトによってスルーされてしまっていた、麗のめでたいお誕生日祝いが!
もちろん、このハッピーハッピーバースデーと、さくらが可愛らしく歌ってくれたのは、今日ではなくて当日なんでしょうけれど、ともあれこうして誕生パーティーの様子を語ってくれるというのは嬉しいですよね。ここの家の場合、姉妹一人一人の誕生パーティーを全部説明していると、日記がそればっかりになってしまうので、仕方ないっちゃ仕方ないんですけれど。
そんなわけで、今日はめずらしく、そんな姉妹の誕生パーティーについて詳しく語られるというわりとレアな内容でございます。ああ、それにしても、さくらがこんな風に歌ってくれるのだったら、いつしかプレッシャーしか感じなくなったリアル自分の誕生日すら、素直な気持ちで喜べる気がいたします。
ともあれ、そんなトゥルーお誕生日は、実にハッピーそうですね。虹子が歳の数だけ手を叩いてくれるって――麗はもう年齢二桁に達してますから、これはけっこうな大変なことですよ!? とはいえここは、トゥルーがどうのと言わず、素直にすごいって褒めてあげたいなと。だってほら――
しあわせ笑顔で
おいわいしたの!
……ああ。もう、言葉に出来ないレベルの幸福度。こんな場の空気を大事にしたいなと心から。
そして、とってもとっても嬉しそうにしつつ、ケーキのロウソクを、ほっぺた膨らませてふーって消したという麗の顔を想像してみるだけで、その幸福度がより濃厚かつ芳醇なものになってくれますね。ちゃんと一息で消せたようで、女の子にしては、麗の肺活量もなかなかのもののようです。
……それに加えても、「ぜんぶいっぺんに消えたらしあわせさん!」って、さくらの言い方が可愛すぎて、どうにかなってしまいそうです。幼稚園で覚えた言い方なんでしょうかね。
ちなみに、当日作られたケーキは「でんしゃのケーキ」とのことで、いかにも麗が喜んでくれそうなものだったようです。ううむ、相変わらずの本格パティシェっぷり。……ところで、このケーキの形って、姉妹にあわせてユニークなものを必ず作っていたりするんでしょうか。星花用には赤兔馬ケーキとか。……いや、書いててどうかとは思いましたが。
でもまあ、そんなわりと無茶な形であろうと、ホタと春風さんのコンビは、問題なく作ってくれるのでしょう……などと思っていたら、
蛍お姉ちゃんと
春風お姉ちゃんと
小雨お姉ちゃんが――
一生懸命に作ってた、
でんしゃのケーキなの。
――小雨、ひそかに素晴らしい仕事をしてくれてるじゃあないですか! ううむ、さすがは同室の一つ違い。この子たちには、姉妹愛や家族愛ってだけじゃなくって、強気だったり弱気だったりするお互いへのフォローをしあうという、ベストパートナー的な側面もありますからね。もしかしたら、でんしゃのケーキ自体、小雨のいいだしっぺで作った可能性もありますね。とにかく、すごくいいものを見せてもらえた気分です。小雨はホント、地味なところで心を打つことしてくれる子ですよ。
さてさて。そんなでんしゃのケーキは、きょうだいの人数に合わせて20両で作られてるという、想像してみるとすんごいボリュームのしろもののようですが……ああ、さくらがこの「両」という数え方を思い出せず、軽くではありますが「ぐすん」状態に。ここですかさず教えてあげるのもいいですけど、麗に尋ねてみさせるというのもいいのかな。
とまあ、そんなさくらにとって、やはりでんしゃのケーキは趣味にあうものではないようで、どうせならば「くまさんケーキ」のほうが良いとのこと。
さくらなら、くまさんのケーキがいいな
お兄ちゃんくまさん、ぜんぶで20くまさん!
うわぁ――ステキ♥
ぜーんぶさくらのにしたくなっちゃうのぉ!
……将来、さくらがこのノリをそのまんま保って、あたかも女王様のような女の子に成長したとしたら、ちょっとゾクゾクしますよね。ワールドイズマインさくら的な。
どうしよ。
……。
困ったな。
……。
どうしてあんなこと――
……。
言っちゃったんだろ。
――のっけから、何かについて、やたらとお悩み中の氷柱が!
いままあ、氷柱が日記を書いてくる時には、何らかのトラブルが生じていることが多いので、この手の「事件発生!?」的な展開にも、それなりに慣れてきたような気はしますが……しかしながら、やはり何があったかは気になるところ。
この口ぶりからして、何らかの舌禍が生じたという感じではありますが……確かに氷柱って、売り言葉に買い言葉というか、激情に任せた言葉が多いので、それが元のトラブルというのはかなり多そうですよね。
トゥルー俺にとってはもう慣れたものでし、姉妹のみんなも同様でしょうから、家庭内ではそんな深刻な事態に発展することは多くないでしょうけれど……学校ではわりとありそうですよね。
G'sの連載なんかを見ても、それなりに上手く学校生活は過ごせていそうなんですけれど、やっぱ根本的に、あの超高いプライドは、何かと困ったことを引き寄せるのではないかと思えてならないわけですよ。根本的にはすごくいい子なんですが、逆にその表面と内面とのギャップが問題になることだってあるでしょうしね。
……などと、まだ詳しく聞いてもいないうちから、想像ばかりしていても仕方ないので、さっそく何があったかを具体的に聞いてみますと……、
はぁ。
……
あーあ。
もう、私ってば、
やっぱりバカだ。
男なんてくだらないって
いっつも思ってるのに
「彼氏いる」なんて――
……超コッテコテの王道イベント起こしてくれているじゃあないですか!
ああもう、どんだけ! どんだけコッテコテなんですかこの氷柱って子は! ええ、それはもう、女の子なら誰しも言ってしまいそうなことではありますが、こと、強気でプライドの高い氷柱にとって、これほどまでに想定および期待されたイベントがあったでしょうか否ッ!
本当に……ああ、本当に、この氷柱って子は、自覚せずともこの手の王道を歩んでしまう子なんでしょうね。このコッテコテなところがいとおしすぎです。ましてや――
……
――う、うわぁっ!
な、なな、なによ!?
いきなりこんなところに
いたりして――
この――バカッ!
――私が驚くでしょ?
……はい。日記という媒体を通しているという物理的制約すらスルーであります。しかしそのようなこと、この氷柱の王道すぎるリアクションを引き出すことの前では、極めて些細な問題に過ぎません! ……っていうか、いつものことですしね。
しかしそれにしても、本当、ありとあらゆるところで、期待通りのリアクションを返してくれますね氷柱さん。……本当は、無意識の内に、聞いて貰いたくて話してた(……というか、日記に書いていた?)んじゃ……って無粋な想像は、俺たちの脳内だけでとどめるとして。いつものように、下僕扱いの悪態をつきつつも――
あっ、ちょ、
ちょっと――!
何、黙って行っちゃおうとしてるわけ!?
バカ。
本当〜に救いがたいマヌケだわ!
私が困ってるのがわからないの?
「どうかしたの?」くらい
いったらどうなのよ――
……すいません。こんな反応された日には、トゥルー俺の顔に「フヒヒ! すいません!」的な笑いが浮かんでしまわざるを得ません。本当、どんだけこの氷柱って子は――!
とまあ、とにかく。この「私が困ってるのが――」という発言とこの態度で、氷柱がどれだけトゥルー俺のことを頼ってくれているのがよく分かりました。もうその時点で法悦極まり気味で、満足してしまいそうではあるのですが……いやいや、そこに達する前に、きちんと氷柱の悩みを解決してあげなくては。
とはいっても、おおむね悩みの内容どころか、その後の展開に至るまで、おおよその想像はついてしまうわけなのですが……単に見栄を切っちゃった、という事態から、さらに何か深刻な状態になってしまっているとしたら、ちょっぴり大変なことになってしまうかも。……主に、トゥルー俺の頬の筋肉が緩む方向に。
ねぇねぇねぇ♪
おっにーいちゃんっ♥
なんか―――
匂いがする。
くんくんくんくん――
くんっ!
むひっ♥
むひひひひ―――♥♥♥
うわあああああああああああああああッ夕凪さんッ、何をするだァ――――ッ!?
……いやもう、のっけから、大変です。大変なことになってます夕凪さん。普段からかしましい嵐のような子ではありますが、今日のこの興奮っぷりは、立夏にも劣らぬYASEIを丸出しにしてくれているじゃあないですか!
このくんくんくんって、犬のように匂いをかぐのもさることながら、その後の「むひっ♥ むひひひひひ――♥♥♥」って――! ああっ、この瞬間の夕凪さんがどんな素敵スマイルを浮かべているかが、あたかもその場に居るかのごとく理解できる……できてしまう……ッ!
しかしそれはそれとして。いきなりこれは一体どういう事態が発生しているのでしょうか。……まあ、昨日の氷柱の日記からして、バックでどういう状況が動いているのかだけはおおむね明確にわかるのですが、しかしいきなりこれは状況がホットすぎるというか……匂いって……あー、香水?
それに思い至ると、だいたいの状況も、具体的に察せられるわけですが……って、もう香水を付けておめかしをするとか、そういう段階に!? とりあえず、この夕凪さんの反応だけ見ると、そうとしか思えない状況なわけですが――ともかく、夕凪さんの日記の続きを読んでみましょう。
「夕凪のお鼻センサーによると」……などと、魔法少女としてよりも超感覚少女みたいなノリでトゥルー俺の匂いをかぎまくる夕凪さん。ああ、この状況は天国のような針のむしろのような……! しかしまあ、この手のオシャレ的な空気に敏感なのは、さすがは女の子ってところでしょうか。夕凪さんぐらいの子でも、オシャレということに関してはもう立派に女の子はセンスを身に着けてますからね。ましてやそれが男の子がらみなのだから、程度はさておき、興奮してしまうのも無理なからぬ話でありましょう。
この首のへんのあたりから〜、
におう、におう、にーおーうー♪
秘密の匂い♥
ししししし。
……とまあ、ここまでハイテンションなノリになってしまうのは、夕凪さんや立夏みたいな子限定でしょうけれど。ああ、このはしゃぎまわりのノリ、こそばゆくてえもいわれぬ快感が。
まあ、これが恐らくは香水の匂いとして、それに気が付きさえすれば、たとえ夕凪さんでなくとも誰もが、何か色恋関係のイベントの匂いは察知してしまいますよね。夕凪さんも「それも――恋の!」と、バッチリ言い当てておられるわけですが……
あっ、わかった。
もしかしてお兄ちゃん――
ついに夕凪に――
恋しちゃった?
きゃ―――っ♥
――まさに夕凪さん!
「すっごい、夕凪超マホウ!」と、なにやら新感覚っぽい日本語を駆使しつつ、いつものようなイケイケノリを大全開です。……ううむ、ここまで物事を無条件にポジティブに考えられるのは、ある意味本当に感心できることなのかも知れませんが……まあとりあえず、おおはしゃぎする夕凪さんが可愛すぎるので、しばし見ていたい気分にも。
それも、「いつでも大歓迎♥」なんていわれてるぐらいなら、ハハハって反応で済ませられもするのですが、「も、抱っこ抱っこだよ♥」って迫られるのは、さすがにガチでときめきかねません。……っていうかときめきました。責任をとって彼氏にならないといけませんか。
……なんてノンキしていたら、
よぉーし、これからみんなに発表しに行こうよ!
あっ、氷柱お姉ちゃんだ!
おーい、おねーちゃーん!
聞いて聞いて聞いて――
夕凪のカレシねぇー
スゴイんだよぉ――♥
――って、またこの子は自分から殴られに!!
……いやまあ、この場合、事情を全く知らないわけで、さすがに殴ったりはしないかもですが……でも反射的に思わず、というノリは十分に考えられそう。まあ、けいおんで澪がりっちゃんを殴るようなものなので、そこまで気にしなくてもいいかもですが。
それよりもなによりも、氷柱の反応や、この例の状況がどこまで進んでしまっているのかが気になります。なんというかもう、明日ぐらいには、彼氏として友達に紹介されてしまう流れが生じておられます!? ま、まだ心の準備が――
……とそれ以前に、今日のこの夕凪さんのノリのとばっちりがまず飛んできそうですね。オオゥ。
だが、断る――みたいなノリのタイトルで、今日の日記に現れたのは、トゥルー家族のもう一人の王子様ことヒカル! ……ええ、先日から見ての通り、今週は氷柱に関わる非常事態が現在大絶賛進行中であり、そちらの具体的な状況ができれば知りたいところではあるのですが……そのあたりを実に巧みに焦らしてくるのがトゥルー日記の醍醐味でもありますしね。
普段は頼れる(ことも多いが、ダイナマイトばりに危険な事態を生じさせることも多い)ヒカルでも、どうも今回の一件については、あまり事情を把握してはいないようですが……ともあれ、日記を読んでいきましょう。
ん?
日曜日の買い物のことなら――
断ったぞ?
……と、なにやら事態が飲み込めない発言がいきなり飛び出してきましたが――これはどうやら、今週の日曜日に、氷柱に誘われたってことなんでしょうね。
このことからすると、どうやら氷柱に生じた緊急事態のリミットはその日であり、ヒカルに声をかけたと言うことは、昨日の夕凪さんが格地雷を全力で踏んだことが影響して、トゥルー俺を頼る方向を考え直してみたってことなんでしょう。……昨日の夕凪さん、あのあと一体どんなことになってしまったんだろう……まあ、とばっちりを食ったトゥルー俺のほうが多分被害大きいでしょうけど。
しかしそれにしても――
氷柱にしては。
いやに――
モジモジしていたような
気もするけれど。
……
ま、
気のせいかな♥
ヒカルさんそれ気のせい違うアルよ! 絶対違うアルよ!
個人的にはその、モジモジしていたという氷柱の様子が壮絶に気になるところではあるんですが(できれば録画したいぐらいに)、しかしこれはなんとも……ヒカル、相変わらずこの手のことについては、歳不相応すぎるほどに鈍感です。立夏あたりどころか、ヘタをすると、星花あたりと同レベルかも知れません。色事察知能力に関しては。……いや、この豪胆な性格が根本的にネックになっているので、もっとアレかも。まあ、そんなヒカルだからこそ魅力的ではあるんですけどね。このおかげで、ヒカル本人はますます男らしいってことになって、学校の女の子にもどんどん言い寄られてしまうんでしょうけれど。
ちなみに、ヒカルが語る内容からすると、その日曜日は、恐ろしいことに――一緒に水着を買いに行くというミッションが予定されていたようです。いやまあ、ヒカルにとっては、姉妹同士でごく日常的な買い物なんですけれど……これを、トゥルー俺の見に置き換えてみると……ねえ? まして相手が氷柱なわけで。……ヘタに、胸のサイズあたりなどに言及してしまった日には、それはもう恐ろしいことに。
それに加えて、映画やアイスなど、ごく一般的なデートコースを歩む予定も希望していたようですが……ここまで言われて、このおおらかな認識っぷりは、本当ヒカルは男前だなあという認識を新たにせずにはいられません。
しかし氷柱の要求はそれどころか――
毎日暑くて大変だろうから――
髪を切らないか?
なんて――
……
まるで学校の後輩達
みたいなコトを言い出す始末――
……氷柱さん、ヒカルをバッチリ仮彼氏に仕立てるつもりだったんですね。ってか、そのためだけに髪を切らないとか、もう相当追い詰められていますね。……っていうか、ヒカルってホタの友達あたりにまで知られているのだから、同じ学校に通う氷柱の学年にだって、知名度が及んでいる可能性は大なわけで。……いつもはMEISEKIな氷柱の脳ですが、夏の暑さとこの状況への焦りで、大分夏モードになってしまっているようです。
……って言うかヒカル、後輩達からいつもそんなことを言われてるんですね。ヒカルの日常はきっと、俺たちが想像しているよりもさらに百合色に染め上げられているのでしょうか。本人の自覚のないままに!
まあ、脳がゆるんできているというのは、ヒカルも同意権なようなのですが――その「あは♥」って笑いが、あらゆる意味でクリティカルですよヒカル! 単純に可愛すぎて死ぬっていうのと、氷柱的な事態の重さをまるで察してくれていないあたりでもう色々と!
もうね、「まるでデートみたいなコトしたがって」なんて、モロなことをまるで遠い仮定のように口走ってるあたり、ああ、ヒカルのおおらかさは本物だなあと。氷柱はとりあえずご愁傷様でした。この氷柱とヒカルの組み合わせっていうのも、こうして見るとすごく面白いですね。微妙にかみ合わない度と、それがもたらす面白さに関しては、姉妹の中でも随一かも?
ともあれ、そんなことまでを口にした後で――
あ、どうだ?
私は週末はソフトボール部の練習試合の助っ人で
いけないから――オマエが、
代わりに行ってやったら――?
――(ヒカルの自覚は一切ないまま)ふりだしに戻る!
あの――さ。
あの――。
日曜日って――
……
空いて、
たり――
……
……
す、
――する?
……………………。

……いや。これはもう、何も言いますまい。本当はもう、これでもかというほど色々言ったり悶え転げたいところばかりなのですが――トゥルー俺は、紳士ですゆえ。氷柱に恥をかかせぬよう、黙って最高の笑顔で頷くことこそ、トゥルー俺としての責務であると思う次第です。
そんなわけで――俺が知る限りここ最近で最高の笑顔で答えて見せた次第。そりゃあ、こんなアフォかわいい氷柱のためなら、喜んでワシズコプターだろうとやってみせましょうとも!
とまあ、事の成り行きは、ほぼ完全に想像したとおりの展開になってきたようですが……っていうか、最初のリアクションから、これほどまでに予想通りの展開が行われるっていうのも、いかに王道展開の多いトゥルー家族内とはいえ、なかなかにレアではないでしょうか。さすがは氷柱、コッテコテのお約束に関しては、他の姉妹の追随を許さない――! ああもう、どうしたものでしょうか。恐らくは今日からずっと、氷柱の前でワシズ様ばりの笑顔を消すことができそうにないんですけれど!
そんな王道に陥った氷柱ですが、その後も、「うぅん、べつに
なんでもない、
たいしたことじゃないんだけど――」などと言いよどんだり、「あー!
もうっ!!」とキレ気味になられたりと、更にそのコテコテっぷりを確固たるものにしてくれております。これはもう、黄金率とかそういうレベルの美しい正道すら感じてしまうほどです。
とまあ、そんな煩悶を行いつつも、ようやく話は、日曜日に行うことの内容に入るわけですが……って、トランスフォーマー名指して! それも映画タイトルとして直に! ちょっとパラマウン●あたりから怖い人がMWを訪れたりしないか気がかりです。レッドクリフとかはぼかした言い方してたのに……。いや、もしかすると、俺たちの知る劇場版トランスフォーマーではなく、ビーストウォーズの映画版である可能性も完全には否定しきれないかもしれませんね。……うそうそ。
……っていうか、トランスフォーマーなんて映画をチョイスした氷柱の思考を辿ってみると……あわわわ、ワシズ様スマイルが止まらない! 止められない!
だって、まず氷柱が見にいきたいような映画じゃありませんよねコレ。もしかしたら、先に頼んだヒカルにあわせてチケットを買った可能性も否定はできませんが……って、友達から貰ったというのがもし本当だったとしても、別にわざわざ、この日曜日に氷柱が同伴する際に観なくてもいいってのは事実なわけで。つまり、氷柱がバッチリ、トゥルー俺のためを思って、行動をあわせてくれている……と。……どんだけ可愛いんですかこの子。
まあ、ともあれ、氷柱にこんな風に誘われてしまったら、そりゃあもう、ヱヴァ破の座席指定チケットとブッキングしようと、そっちを優先しないわけにはいきませんね。「下僕のくせに一緒に映画なんて……」と、氷柱の調子もいくらか戻ってきたようですし、ここは氷柱の臨むがままに。兄として、クールにカッコよく……って!
――は!?
ば、ばっか――何言っちゃってんの!?
わ、私が買うわけないでしょ?
こんな男子向け映画――
……ここんちの子は、どんだけ自分から地雷を踏むのが好きなんですか。夕凪さん! これはもう、明らかに夕凪さんレベルの自爆ですよ! ただし爆死するのはトゥルー俺。氷柱はトゥルー俺を悶絶死させるつもりなのかとさえ思えてしまいますよウオオオオオオッ!(←床をゴロゴロ中)
嗚呼……もう。こんな調子じゃ、日曜日の当日まで生き残れるかすら分かりませんよ。この氷柱を見てたら、いつ喜死してしまうか分からないです。……ホラ、
少しは――
おしゃれとか。
……
がんばってよ――ね?
フン。
――おおおおおおおおおおおおおおおをををををオオオオオオオオ雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄ッッッ!!!
あっ……。
――お兄ちゃん!!
うわぁ――♥
会えてよかったぁ♥♥♥
星花、とっても――
心配してたんです!!
――この土日のトゥルー俺に一体何が!?
い、いや、この星花の口ぶりだと、むしろ現在進行形で、なにやらトゥルー俺の身が切迫的に危険(ヤバ)いって感じが濃厚なわけですがこれいかに!?
……まあ。具体的な状況はサッパリですが、原因としてはもうこれ以上ないほどの心当たりがバッチリなんですけどね。ああ、やっぱりつつがなく映画を見て、楽しかった――で終わるようなヌルい事態で済ますわけにはいかなかったようですね。いや、当の氷柱がそう臨んだわけでは勿論ないでしょうけれど!
しかしながら、体の心配までされるということは……何か、肉体的なダメージまで受けるような状況に陥っていたんでしょうか。氷柱もあれで、ビンタぐらいならばわりと放ってきそうではありますが(夕凪さんなんかよくゲンコツ喰らいますしね)、相手がトゥルー俺ということで、さらに遠慮のない肉体打撃を与えてくださったとか。……っていうか、本当どんな状況だったんですか日曜日。
とまあそれはさておき、星花が心配してくれるのは実に嬉しいですし、星花によってトゥルー俺の体がすみずみまで調べられるというのは、むしろ明らかにご褒美的な状況であり、今はその視線や触診される感触を全力で楽しもうかと思うわけですが――
うん――
お脈もお熱も
大丈夫、むくみも――
全然ないですね♥
……トゥルー俺、実は生存していませんでした説が浮上いたしました。……いやまあ、星花らしいといえば星花らしい、聞きかじりのニアミス言葉遣いってことは分かるんですが、もしかしたら今のトゥルー俺が、ボスと戦った後のブチャラティのような状態で生存しているという可能性がないわけではないかもしれません。……いずれにせよ、脈が止まってたらアウトだということは、いずれ星花には教えるとして。(追記)あ、脈は「大丈夫」で、そのあとに「ない」って繋がってましたね。うっかりうっかり。
とにかく、こんな謎の状況に陥れられたトゥルー俺を、星花はいつもの調子を交えつつも心配してくれるわけですが……どうやら今、トゥルー俺といっしょにいるのはマズいようです。
……
あっ、ご、ごめんなさい!
もっと一緒にいたいけど、
こうしてお兄ちゃんと話してるのが見つかったら
きっと大変なことに――
……ここだけを聞くと、なんだかトゥルー俺が、デートの最中に氷柱に対してOh!KAMIになってしまって、そのことが家族会議にでもかけられてしまったのではと恐怖してしまうわけなのですが。……いや、他の家族といっしょにいることさえ許されがたいと言う状況はなかなか深刻ですからね。
とりあえず、もう少し具体的な証言も出ましたが――
カンコウレイなんてヒドイと思うけど、
でも今回は氷柱お姉ちゃん、
「あんなに口の軽い男は許さない!」って
本当に本当に怒ってて――
……漢字で書くと、緘口令。要するに、この件に関して氷柱は何も語るつもりもないし、家族に語らせたくもないということですか。うむむ……さすがに今回は、事情が今ひとつ飲み込めないため、かなりの部分を妄想しないといけないわけですが……しかしながら、相変わらずの氷柱クオリティというか、自分で一つ言っちゃってますね。
ええ、「あんなに口の軽い男は許さない!」……と。……今回の映画行きに関して、何か不手際が? いや、今回は元々、状況がだいたいのところしか察せられず、詳しく語られていることもなかったので、どこかで見逃しなどがあったかも知れませんが……それにしても、一体なんなんでしょう。
もしかしたら、そういう氷柱個人の事情ではなく、破のネタバレを思い切り語ってしまったとか、そういうことならまあ想像しようもないわけですが、しかしながら、口が軽いといわれても、心当たりが……もしや、例の数字をトゥルー俺が不意に言いふらした? いや、これは怒るでしょうけど、さすがにそれもなさそう。
というかですね、今回の件に関しては、具体的な状況はもちろんのこと、他の家族がどこからどこまで知ってくれているのかさえ不透明なので、氷柱の地雷ボーダーが分かり難いわけですよ。まあ、だからこそトゥルー俺側も、こんな風に氷柱を怒らせるに至ってしまったのでしょうけれど……。 仕方ないので、この疑問は素直に明日以降の日記を待つしかなさそうですね。さすがにここまで怒られていると、気が気ではないんですが……。
よけいに怒らせるようなコトしちゃったら
お兄ちゃんに悪いから、星花行きます。
お兄ちゃん――私達は何があっても
お兄ちゃんの味方ですから、
がんばって耐えてくださいね。
きっと明日には――
春風お姉ちゃんや蛍お姉ちゃんが
氷柱お姉ちゃんのご機嫌を
取り戻してくれると思います――
……嗚呼。星花はできておる喃。この適切かつ心の篭った気遣い。将来どころか今の時点でも、何処に出しても恥かしくない女の子ですよ。
そして、他の姉妹も、氷柱のように怒っているという状況ではないようで、ほっと一息。……まあ、状況が分からないので、気を抜けはしないですけれども。
そんなわけで、こういう状況で頼りになりそうな春風さん&ホタのお母さんコンビが出動してくれたとのこと。ああ、これはとりあえず安心できる。このお二人だと、氷柱の怒りをすぐにどうにかできるって感じではないでしょうけれど、とりあえず逆なでするということも考え難いですしね。これが霙姉さんだと、分かり難い表現で短気な氷柱をキレさせそうですし、海晴姉さんはゴリ押し系なので、モロに癇に触ってしまいそう。氷柱より年下の子では、怒った氷柱をどうすることもできないでしょうしね。
で、こういう状況となると、やっぱり、頼りになるのは圧倒的にヒカルだなあ、とも思ってしまうわけですが。しかしいきなりヒカル頼みと言うのも、トゥルー長男としては許されないと思うので、とりあえずは自力をもって氷柱のお怒りをなんとかしようって方向で。
え?
まだ――
氷柱お姉ちゃま、怒ってるの?
――なんかいきなりもう遠くの出来事っぽく語っておられるー!? ……というリアクションもなるほど納得。今日の日記は、まだ幼稚園児ながらも姉妹の中で屈指の器を誇っておられるマリーでありますからして。
いやもう、リアクションそのものがもう、ある種の魔性すら感じさせるほどですよ。
やだ――フェルゼンったら!
本当に――怒らせ上手
なんだから――♥
ウフフフフッ、
おもしろい――♥
……ああ、マリーさん。その調子で俺のM心を満たしてあげて下さい! いやこの、幼稚園児にして、高校生の兄をナチュラルに「オトコノコ」扱いしてしまえるこの器は、感心するとともに、ホントにゾクゾクさせられてしまいます。すげー、マリーさんすげー。
とまあ、そんなマリーの魅力もさることながら、ようやく事情を話してくれそうなので、まずはそちらを。
だって――
氷柱お姉ちゃまが怒って
みんなにお兄ちゃんと口キクナって
ヤクソクさせたって言ったって――
そんなの――
幼稚園児にはカンケイないもーんっ♥
ウフフフフッ。
……どうしましょう。この「カンケイないんだもーんっ♥」というあどけない発言と、その後の「ウフフフフッ」っていう笑い方の妖艶さのギャップに、クラクラしてしまいます。ああ、あうあああ、この真璃って子はすでに女王様として完成されている……!
――と、ついついそちらにリアクションしてしまいました。ええ、このトゥルー俺が置かれている状況。……なんと、氷柱の超お子様的リアクションによるものだったのですね。カンコウレイって、日曜日に起きた出来事を話すなって意味じゃなくって、こういう……。
ううむ、氷柱だってまだ中学二年生ですから、こういう反応が、ことさら子供っぽいと言うつもりはありませんが……しかしこの、マリーの悠揚すぎる器を見せられてしまうと、なんだかちょっと、姉の威厳が崩れ気味です。まあ、氷柱はこの怒りっぽさで威厳にマイナスがあっても、いざというときの行動力と思いやりとで十分カバーできますけどね。
とまあ、そんなわけで、トゥルー家族内では氷柱が「トゥルー俺と口きくな」的いいつけをみんなに行っているようです。……ううむ、いかにも素直に言うことを聞く子が少なそうな。
で、そのうちわけを早速マリーが教えてくれてますね。まず昨日のを見ても分かるとおり星花と(それでも目を盗んで話に来てくれるのがまた嬉しいわけで)、予想通りの小雨。吹雪はやや意外ですが、氷柱の怒りにどう対処すべきかを冷静に判断した結果かな、と。……で、夕凪さんは、ゲンコツに屈したようです。ちょ、こんなところだけで屈するとかw ああでも、絶対一日か二日しかもたないとみた。
幼稚園児以下は、マリーのようにフリー立場(さすがに氷柱もこの子らに無理強いはしないようですね)、立夏や氷柱より上の子はむしろたしなめる側なわけで。……そして麗。
ほんと――ひねくれてるんだから!
ほんとうはきっと話したいくせに。
クスクス――♥
……マリーさん。今日から貴女が長女を名乗ってもわりと問題なさそうです。少なくとも、小学生組までが相手なら、十分すぎるほど姉として勤まりますよ絶対。ああ、そしてこのクスクス笑い――もしかして、今日、トゥルー俺を完全に陥落させるつもりんでしょうか。抵抗……できるはずもなし!
それどころか、ライバルの口減らし的に好都合とか、わりと恐ろしげなことまで口走っておられます。うあああ女王様だ、女王様がここにいる! もちろん、こんな状況が続くわけもないと十二分に理解しているが故の言葉なんですけどね。
さて――そこで、氷柱をどうしてここまで怒らせたか、その原因が判明しました、が……
それにしても――
ホント、フェルゼンもうっかりさんね!
せっかく氷柱お姉ちゃまが誘ってくれたのに
「別の映画が良かった」
って――言っちゃうなんて!
……あ。
これはさすがに……トゥルー俺、アウト、かな。……いや、気持ちは凄く良く分かりますけれど! 確かにもし自分が、男友達とかにこの日曜日に、「映画いこうぜー」とか言われて行ってみたらそれがトランスフォーマーとかだったら、全力でズッコケ&ツッコミを行うとろではありますが!
……しかし、まあ。相手は女の子、ましてや氷柱なわけですから、ねえ? あれほどまでにコッテコテに、初めてオトコノコをデートに誘う乙女全開な様子を露骨に見せてくれていた以上、さすがにこのリアクションは大チョンボと言わざるを得ません。どんだけ氷柱が、あの映画に誘うのに必死になっていたか、想像つきますからね。そこでアスカに気を取られてましてそれを口にした日には……戦争だろうが、って話にもなりますよ。
まあ、よく出来た男であるトゥルー俺にしては、わりと珍しい大ポカではありますが……高校一年生の男子である以上、むしろ自然なぐらいではありますね。むしろ普段のトゥルー俺が、このトゥルー家族に実ににふさわしいというぐらい老成しているともいえるわけで。
ともあれ、「氷柱お姉ちゃま、夕ご飯はいらないって言って
出て行ったのに――すごく早く帰ってきて、
それもスゴイ怒ってて――」って様子を想像するだに、どれほど氷柱が傷ついたかが理解できてしまうので、今回に関してはむしろ、全力で氷柱に対して誠意を見せてあげないとってモードに入るべきではないかなと。
というわけで、氷柱に対してどうするかは、これから考えるとして……
まあ――
マリーはそういう素直なメンズは
かわいらしくってだーいすきだけど♥
教えてあげる。
あのね、男の子はマメと素直が1番なのよ♥
……マリーに「かわいらしくってだーいすき」ってゆわれた! これだけでもうじゅうぶんうれしくてしあわせしあわせ!(←あまりのマリーのオーラに、脳がマリー以下の年齢になることを選んだようです)
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