Beyond the Border from Here 展 <3>

10 月20日
 
今日はギャラリー内の様子をレポート。

 ギャラリー内は私の絵画と、小室李谿さんの書、武井浩一 さんの写真で構成されている。
 私はギャラリーの大きさに負けないように大型の絵画3点と『Limit System』を展示した。
 縦長の作品は『頭の上に』という題名だ。縦の長さが約290センチある。太陽を画面の上部に配し、本当に頭の上から光が降ってくるような体験が得られる 構成になっている。(つもりだ・・)
 オレンジ色の作品は『太陽の丘』という題名。夕日で染まったギャラリー木葉下のある丘をイメージした。
 反対側に展示した作品は『日の出の時間』と名付けた。水平線から日が昇ってくる様を描いたのだが、闇を象徴する暗い青の地塗りの上に、光の粒に見立てた 黄色を細筆で置いていく。どんどん画面が明るくなっていく様は、まさに日が昇っていく時間と重なる。

 『Limit System』は筆洗の廃液をビンにためたものだが、顔料が沈殿しビンの中にカラフルな地層を造る。もうかれこれ10年ほどこの小瓶には廃液をた めている。
 小室さんの書は、木葉下の情景を描いた詩を書にしたためたものだ。線、木の葉や小枝に見えるのは私だけだろうか?
 小ギャラリーの方では『アフガニスタンの母と子』写真展が開催されている。武井さんのジャーナリスティックな作品だ。だいたい同じ緯度にあるアフガニス タンの子供達を支援したいとのローマス孝美さんの想いから、同会場で義援金を募集している。


  ギャラリーの周辺には山田さんと西成田さんの作品が配されている。山田さんの作品は<森の入り口>を示すための門として作ったのだそうだ。総重量800キ ロもの金色に塗られた鉄くずやレディメイドのオブジェが無造作につり下げられる。なんでも、女の子が携帯にじゃらじゃらつけるストラップからイメージした のだそうだ。夜にはライトアップされる。
 西成田さんの作品は森の中では風景に同化しそうにも思われたのだが、こういうところに置くと違和感バリバリである。廃棄物が化けて出てきたような感じ だ。
 青々としていたカイワレの足跡も長雨や踏まれたりで、ぼちぼち土に帰っていく。葉の緑よりも茎の白の方が眼に飛び込んでくる。山頂の人型は前回見たとき よりもカイワレが密に生え、こんもりとした立体感が出てきた。いい感じだ。せっかく見に来ても山頂までは行かれない方が多いようですが、ぜひ山頂まで行っ て『野ざらし-循環共生 図』の 結末を見ていただきたいです。できたら、収穫して食べてください。





←浅房山へ続く道の土手が所々掘られ ている。この辺の土は陶芸によい土だそうで、その手の人たちが夜な夜な採っていってしまうのだそうだ。

11 月3日 木葉下ツアー1
 木葉下ツアーを行いました。参加者2名。小平で拾って車で木葉下へ向かう。午 前中に着き、水戸インター近くのコンビニでおにぎりなどを買う。朝房山山頂でランチにする予定。
 まずはギャラリー内を見学し、いざ朝房山へ向かう。じつに良い天気。絶好のハイキング日和だ。参加者の作品を一つ一つ観ながら歩いていく。カエルやヘ ビ、バッタなどがお出迎え。前回来たときよりも、キノコがたくさん生えていた(食べられるのかな?)。道の足型カイワレはところどころ本葉になっていると ころもあるが、もうほとんど土に還って足跡が判らなくなっている。
 山頂に着くと、山頂のカイワレだけは本葉が生え元気で青々している。陽当たりのせいだろうか?収穫しおにぎりと一緒に食べてみた。本葉の方は味気な い・・・根元の方の白い茎の部分に辛みがある。
 人型の方はもうほとんどのカイワレがグターっとしてしまっているが、何とかその量で形を保っている。
 帰り道で何人か展覧会に来られた方に出会ったが、山頂まで行ってくれただろうか?日の暮れるのが早くなったので、午前中に着くように行った方がいいみた いです。
 次回は6日に木葉下に出没する予定。



11月6日 木葉下ツアー2
 木葉下ツアー2回目。参加者3名。雨が心配 されたが何とかもった。やっぱり私は晴れ男なのか?紅葉しかかった木々のトンネルを歩くのはほんとに気持ちがいい。だいぶ寒くなってきて、カエルなどを見 かける回数が減ってきた。途中アケビが成っていてギャラリーの次男ジェイが採ってくれた。
 前回と同じように頂上で昼食。
 山頂には新しい作品?↓

 夕飯を水戸インター近くのドライブインでとり、帰るころには雨も降り出し、常磐道が霧やら事故やらでずいぶん込んでいた。

11月13日 展覧会最終日
 いよいよ展覧会最終日。『自転車 ツーキニスト』の著者、疋田智さんを招いての講演会と浅房山山頂ツーリング。夜は Cinema dub Monks のライブと盛りだくさんだ。
 講演はヨーロッパの街の自転車事情を引き合いに出しながら、街作りと自転車の有効性について話された。本は読んだことが無かったが、私もロードレーサー で自転車通勤をしていたので(今でもたまにしている)親近感がわいた。山頂ツーリングは茨城県サイクリング協会提供のマウンテンバイクを借り、ギャラリー を出発。地元の子供達が先導してくれる(いつもこの辺を走り回っているのだろう)。作品のところで停まり、私が作品解説を行った。スポーツ車に慣れない方 もいたが何とか全員山頂まで行き、帰ってきた。自転車だとじつに早い。全行程1時間もかからなかったのではないか?
 山から帰ってくると、たくさんの人が集まっていた。夜のライブの準備が着々と進んでいるようだ。缶ビールで一杯やりながら疋田さんなどと談笑。いやー 走った後のいっぱいはたまらないね!
 ライブが始まる前に興野さんと水戸へ買い出しに行く。酒量販店で焼酎の量り売りを発見!安いし味もなかなか良さそうだ。(一升1000円ぐらい)こりゃ いいや、と買い込みギャラリーへ戻る。
ライブが始まるまで、ワークショップ屋台で興 野さんなどと焚き火しながら一杯・・・というか、いつもどうりガンガン飲む。なかなかうまいぞ量り売り焼酎!
 ギャラリーも水玉にライトアップされた。手作りの竈に 火がともり子供達は竈を突っつき回して喜んでいる。いつの間にか駐車場は、車でいっぱい。100人ぐらいの人が来ているだろうか・・・
 真っ暗な会場の壁に映像が映され Cinema dub Monks の演奏が始まる。ウッドベースがビートを刻み、ピアニカやハーモニカ、ウクレレなどがメロディを奏でる。さらに電気楽器を効果的に使って世界を広げてい る。とても2人編成とは思えない。沖縄のバンドだと聞いていたので、沖縄音階の緩やかな曲をイメージしていたのだが、沖縄の音楽はそんな単純なものではな いらしい。ジャズ色が強い楽曲だ。
 ライブが終わると、お客さんはそそくさと帰ってしまった。展覧会のクロージングとしてはちょっと寂しい。終わってからはギャラリー裏のローマスさん宅 で、バンドの皆さん、疋田さん、飲み過ぎて帰れなくなった
興野さんと4:00ぐらいまで話した。疋田さんの話題の豊富さには驚かされる。量り売り焼酎を8合ぐらい飲みかなり気分良く酔っぱらった。
 それにしても良い展覧会だったと思う。この展覧会に呼んでいただいたローマス孝美さんに感謝感謝である。しばらくこのギャラリーで展覧会はやらないそう で(もったいない・・・)絵はそのまま置いてもらうことになった。ごらんになりたい方はギャラリーに行けばまだ観れますのでぜひ訪れてみてください。
 何よりも、ご来場いただいたみなさまに感謝いたします。(了)
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