「Ａ Mortal」という絵を描いているとき、人物像が絵の具の層のなかに埋もれたり、又描きおこされ現われたりする様が、大地の輪
廻のようだと思った。
又その頃、家などでかいわれやハーブなどを育てていてその発芽力に感動していた。そんな中この作品は発想された。
一昨年、親友がビルから飛び降り自殺したが、そのこともイメージのもとになっている。しかし彼の死体は土に還ることなくかたずけられ、火葬場で焼かれ、
骨壷に納められ、墓に入っている。まあ千年も経てば確実に墓も土に埋もれ、彼も草木の肥やしとなり、又生を育むだろう。私も同様に。
A Mortal（このアイデアが浮かんだとき、ふだん絵を描いていることもあり、生な素材を使った制作は自分自身かなり抵抗があったが、このまま闇に葬ってしまうのも悪 かと思えた。今後の絵画制作の糧になればと思う。）
人はいつか死ぬだろう
絵は死ぬのか
死は無ではない
限りない豊穣さを秘めた大地
亡骸は大地へ還る
絵は死から始まる
生を育むものとして