きままにライブレポート

 記憶力には断然自信があるほうなのだが、どうやらライブに関して、私の記憶力は揮発性のようである。そのとき、盛り上がって、細かいことはすぐに忘れてしまう。どんな曲を演奏したのか、覚えておこうと思っても、ライブに夢中になっているうちに、今、何曲目の演奏なのか、だんだんおぼつかなくなってくる始末である。
 というわけで、ライブレポートは私には書けない!、それは他の人におまかせ!、を決め込んでいるのだけれど、最近、思い出に残るようなライブをたくさん見せてもらって、なんだかちょっと書いてみたくなって、試しに書いてみることにした。
 とはいえ、何せ私の記憶力は揮発性。年に1回ペースの不定期きわまりないレポートになってしまうかもしれないけれど、気が向いたら書いてみようと思うので、よかったらおつきあいのほどを・・。
 忘れっぽい私のことなので、曲目やMCはかなり不確か。間違っていたらごめんなさいねー。

2004年のライブレポートについては、こちらをどうぞ。


2003年7月4日 仲井戸"CHABO"麗市 TOUR 2003 Fight'ing Guitar MAN
横浜・THUMBS UP 整理番号:#28
19:30開演 23:00過ぎ終演

 チケットを2枚購入したのだけれど、結局、1枚余ってしまい、いくつかの掲示板に「チケット売ります!」告知を出させていただいた。そのなかのcafe HENDRIXの告知を見て、昨年、渋谷AXでお会いしたことのあるEsmeさんからお誘いがあった。「ひとりでいらっしゃるなら、ご一緒しませんか?」 もちろん、即OK! こちらこそお願いします、と返事をした私である。Esmeさんは、前日、佐野元春さんの福岡ライブを見たその足で、横浜に直接向かうという。17時ごろには行けると思うので、ということなので、そのころTHUMS UPの前で、ということになった。
 平日ということもあって、5時に行ったら一番かもなぁ・・と、密かに期待していたのだけれど、行ってみると、思ったとおり、THUMS UPの前には、お店の人が1人いるだけであとは誰もいない。きゃーっ! やっぱいちばん? とぬか喜びをした私であった。「チケットはお持ちですか?」と聞かれ、差し出すと、彼はチケットを受け取って、すっと店の中に姿を消した。が、戻ってきて渡されたチケットには、「#28」と手書きの文字が・・。「開場の6:30までに戻ってきてください」と言われて納得。これまでに整理番号をもらった人は、どうやら開場時間まで、どこかに散らばってしまったらしい。それにしてもEsmeさんはどこ?、と、電話をかけようとエッジを手に取った途端、電話がかかってきた。「どうもー」、と私。「今、どこにいるんですか?」とEsmeさん。「へっ? 私はTHUMBS UPの前にいます」「私も向かってるんですけどぉ・・」という声を聞くか聞かないかで、エスカレーターで3Fに上がってきたEsmeさんを発見! 「こんにちはー」と手を振ったのであった。
 最近、開場待ちで1時間半も並んだことがなかったもので、そんなに長い時間、どうしようかと思っていたのだが、こうやって、整理番号をもらったら、会場時間まで自由にできるってーシステムはいいですねー! しかも、偶然、割り当てられる整理番号とは違って、それなり、早く来たーっていう努力(?)が評価してもらえてるってわけですから。
 会場時間まで、あと1時間半弱あったので、お茶でもしましょう、ということになった。
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 会場時間ちょっと前にTHUMBS UPに戻ってきてみると、すでにお店の前にはかなりの人の列。お店の人の案内で、28,29の順番に入れてもらい、しばし開場を待つ。Esmeさんは、麗蘭のライブのオフ会で、今回、私たちのキュービッドとなったcafe HENDRIXのHagaさんをご存じだとのこと。あそこにいるのがHagaさんですよ、と、教えてもらう。へぇ、あの人かぁー、と思っていたら、私たちのほうが整理番号が若かったらしく、入場するとき、すれ違いざまに、まだ店の前に並んでいるHagaさんに挨拶する機会があった。「どうも、お久しぶりです」とEsmeさん。「あぁ、どうも久しぶりー」とHagaさん。そのあと、Esmeさんがすかさず、「ヨーコブルースさんです!」と紹介してくださった。きゃーっ抜き打ちの紹介。 恥ずかしー! そしたら、Hagaさんのお連れの方から、「あ、ヨーコブルースさんだぁ。いい名前だなぁーと思ってたんですよ」とハンドルネームをほめていただき、でへへ・・とテレながらも、内心、すっごくうれしい。こんな感じで、私のTHUMBS UPの幕は開け、素敵なライブを楽しめそうな予感がしたことでした。
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 THUMBS UPは、カントリースタイルのライブハウス。カントリーソングが流れるなか、各テーブルに、お店の人が飲み物や食べ物のオーダーを取りに来てくれた。私たちは、すでにお腹に食べ物を詰め込んできたもので、飲み物だけオーダーして、話をしながら開演を待った。
 開演は19:30。まずは、KANNさんやyanさんのサイトのライブレポートで見ていたとおり、新潟や博多と同じく、平和Bluesdeで始まった。チャボの登場とともに、のっけからすっごい盛り上がり。チャボは、「Jリーグじゃないんだから」とか「宴会モードだね」とか「お前ら、何にでもこうなんじゃないの?」とか言ってた気がする。ギターを弾くチャボの姿に、「チャボかっこいい!」と、私の2つ前の男性から声援が飛び、「よし、今日はお前を中心にやる」、とチャボ。 「飲んだくれジョニー」、「ホーボーへ」と、続く。ここら辺までは、新潟や博多と同じ曲目のようだ。
 そして、「昔は家にこもりがちだったんだけど、40を過ぎてから目覚めて、こうやって、ツアーに出るようになったんだ。今回は、"FightIng Guitar MAN"っていうかっこいいタイトルをつけてもらって、5月から、毎月、どこかの地方に行くことにしているんだけど、テーマ曲があったほうがいいだろう、というんで、つくってみた。練習を兼ねて披露してやる」と、「FightIng Guitar MANのテーマ」。「Who'll stop the rain」が続いて、「体調も気分もいいことは、しょっちゅうあることじゃない。今日は気分がいい!!」、と、「Good Day」。ここで、チャボ、客席にある食べ物に気がついた。「もしかして、飲んでるだけじゃなくって、何か食ってんのぉ?」 ほーんと、食べながらライブを見るだなんて、ディナーショーじゃないんだからって感じでしょ? ごめんなさいねー。
 「Blue Moon」が終わったところで、さきほど、「お前を中心にやる」と言われた男性から、「チャボ、チャボ、チャボ」、と声がかかる。チャボの返事がある前に、彼が続けた。「『月影のなぎさ』ってー曲あったでしょ? 僕はビールを吸いながらーってやつ。あれ、聞きたいんだけどなぁー。」「あったなー。そういうの。お前ひとりを相手にするのは、ムカつくんだけど、面白いからやってみていい?」と、突然のリクエストに応えて、演奏し始めた。「全部は覚えてないんだけど、この歌、君は月影のなぎさを歩いている夢でも見てるのかい? そのうち、お金持ちになったら、僕が月影のなぎさに連れてってあげるよっていう歌なんだよな」。とっても素敵な曲だったので、ぜひぜひ、フルで聞かせてほしいなーっ。チャボさん、そのうち、お願いしまーす! で、この曲に触発されたのか、ちょっと古い曲を、というので、「早く帰りたい」、「セントルイスブルース」を演奏。「早く帰りたいっていうのは、オレの昔からのテーマなんだ」。
 「オレには行ってみたい所ってーいうのが4か所あったんだ。セントルイスやメンフィスの辺りと英国! そして、ジミヘンと同じようにバリ。もう1つがニューヨークだった。ニューヨークには、98年に行くことができたんだけど、ああいうことがあって、しばらく演奏する気がしなかったんだけど・・」と、「スケッチN.Y.'98」。「どうしちゃったんだアメリカ!」と、「アメリカン・フットボ−ル」が続いた。
 「打破」の演奏のあと、かなりの盛り上がりに「ひとりハイロウズ」と笑うチャボ。このあと、例のレインメーカーを石川氏がチャボに手渡す。でも、何やかんやしゃべっているうち、レインメーカーを下に置いてしまったチャボ。しばらくして、ふと、「あれ? オレ、何を待ってたんだっけ?」と、それがさっき手渡してもらったレインメーカーであることに気づき、「最近ねー。こういうことが多いんだ。今日、何曜日だっけ?で始まって、ここって、何ていう町だったっけ?ってーこともある」と笑いながら、レインメーカーを奏で始めた。チャボが飼っているネコのキイちゃんは音楽が大好きということだが、チャボが夜中の3時ごろ、このレインメーカーを弾いているときだけは、怖がって、遠くで見ているんだそうだ。「そういえば、この間、渋谷(陽一)に呼ばれてインタビューされたんだけど、最近、あいつ、撮るのにも凝っちゃってさー。で、どこで聞きつけたか、このレインメーカーのこと、知ってて、この4倍ぐらいの大きさのレインメーカーを用意してきて、オレに持たせて、写真を撮ったんだ。いいですよー。いいですよーって言うから期待してたんだけど、あとで送られてきた写真を見てがっくりきたよー。写っているのは、どう見ても電柱とオレ。これだから、しろうとは困るんだっ!」
 このあと、「マイR&R」、「エピローグ」、「ホームタウン」を演奏したあと、「ガルシアの風」で締めくくり。22時に第一部は終了したのであった。
 そして、客席のアンコールに応えて、 「Blues Is Alright」とともに、チャボがまたまた登場! 「オレのはアンコールじゃなくて第二部だから・・」というチャボの言う、第二部が始まり、「R&Rメドレー」、「悲惨な戦争」、「夏に続く午後」が演奏された。
 最後は、最近のライブのお決まりって感じの「Feel Like Going Home」。アットホームな雰囲気ななか、すっかりくつろいでのたっぷり3時間以上のライブだったので、この曲が始まったころには、今日もたくさん、素敵な曲をありがとー、の気分。おまけの「家路」、そして、恒例の「What a Wonderful World」がなるなか、チャボはそのまま、出口へと消えていったのであった。23時過ぎ終演。
 新宿や渋谷に思い出の多いチャボだが、横浜にもいくつか思い出はあるらしい。その昔、今は松坂屋となっているノザワ屋で演奏をしたこと、TVKテレビにしょっちゅう行っていたこと。チャボのアシストをしている石川氏は横浜出身だそうで、まさに本牧あたりでよく遊んでいたという。記憶の奥に埋もれていたようなそんな記憶が、古井戸時代からのファンであるという某男性の存在によって呼び起こされ、横浜の夜はスペシャルなものになった。あの方に、心から感謝したい。
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 ライブの帰り、「このTシャツいいでしょ?」、「誰にでも似合う!」と言っていたチャボの言葉にそそのかされて(?)、青のFight'ing Guitar MAN Tシャツと、「たった1000円!」につられて「仲井戸麗市 全歌詞集1971-2002」を買ってしまった私である。でも、全然、後悔はしてない(当たり前だけど!)。だって、歌詞集なんか、マジ、1000円安いよ!っていう充実振りですもん! 

1.平和Blues 2.飲んだくれジョニー 3.ホーボーへ 4.Fight(ing Guitar MANのテーマ 5.Who'll stop the rain 6.Good Day 7.Blue Moon 8.月影のなぎさ(?) 9.早く帰りたい 10.セントルイスブルース 11.スケッチN.Y.'98 12.アメリカン・フットボール 13.打破 14.オータムレイン 15.My R&R 16.エピローグ 17.ホームタウン 18.ガルシアの風
<アンコール>1.Blues Is Alright 2.R&Rメドレー 3.悲惨な戦争 4.夏に続く午後 5.Feel Like Going Home 6.家路 (7.What a Wonderful World)

(2003.7.9)


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