アガサ・クリスティーはお好き?
グリーンウェイ

Greenway

クリスティーが住んだ家



グリーンウェイにあるアガサ・クリスティーの家。
彼女は、夫のマックスとこの家で休暇を過ごしたという。
1959年に、家は娘のロザリンドに譲られ、彼女の死後、2000年に、家族は家をナショナル・トラストに委譲した。

tourist information centreの近くにあった"Agatha
Christie Special"の看板。
クリスティーの家の敷地内からは海が見えた。
小道には、ベンチが置かれていて、庭でくつろぐことができた。

 2005年に訪れたトーキーの写真をながめていたら、なんだか無性に、またトーキーに行きたくなってしまった。「イギリスの海が見たい」。
 そして、6月の中ごろ、再びイギリスへ向かった。木曜日に成田を立って、ロンドンに着いたその晩と翌日の金曜日はロンドンで過ごすことにし、土曜日から水曜日までトーキーを拠点に旅することにした。
 今回トーキーを訪れる第1の目的は、2005年に行くことができなかったグリーンウェイを訪れること。グリーンウェイには、かのミステリーの女王、アガサ・クリスティーが住んでいた家があるという。その庭はとても美しいと話に聞いていたので、ぜひ訪れたいと思った。
 インターネットで調べてみると、クリスティーの家は毎週水曜から土曜日だけ一般に公開されていることがわかった。水曜日は午後にロンドンに戻る予定だったので、クリスティーの家を訪れるのであれば、ロンドンからトーキーに移動する土曜日しかない、ということになる。げっ、ウソッ! しかも、以前、トーキーで入手した資料によると、 トーキーからグリーンウェイまでのフェリーは日に1本、しかも11時半発とある。乗ろうと思っていた列車は、11時半ごろトーキー駅に着くことになっていたので、どう考えても11時半発のフェリーに乗るのは無理だった。その前の列車はパディントン6時半発。ブリストル乗り換えで行くため、トーキーまで4時間もかかり、10時半着だった。「うーん。旅行中はそんなに強行軍にしたくないなー」。インターネットで調べ、メールでグリーンウェイまでのフェリーの時間を問い合わせてみると、ダートマスからは日に何本かフェリーが出ているとのことで、トーキーからダートマスへもそこそこ頻繁にフェリーが出ているようだったので、トーキー11時半発のフェリーはあきらめ、ダートマス経由でグリーンウェイに行こうと考えた。
 が、その話を英会話の先生、ジョン P.にしたところ、「今回、君がトーキーに行く第1の目的はグリーンウェイなんでしょ? じゃぁ、6時半の列車に乗るべきだと思うな。その後の列車に乗ってトーキーに行って、もしもグリーンウェイに行き損ねるようなことがあったとしたら、絶対、後悔すると思うよ」。うーん。それもしかり。毎朝5時に起きて会社に行っているので、早起きは全然苦にならない。旅行中たった1日、早起きするだけだもんなー。グリーンウェイに行くのはダートマス経由でいいと思ってはいたが、とりあえず早い列車に乗って行こう。いろいろ悩んだ末、結局、6時半の列車の切符を買った私である。

 当日は4時半起床。5時半ごろホテルをチェックアウトして、パディントン6時半発の列車に乗った。8時11分ブリストル・テンプル・ミードに着き、8時44発の列車に乗り換え、10時半ごろトーキーへ到着。帰りの日の列車の時間を確認しようと思い、駅にある時刻表をチェックしている間に、駅前にいた何台かのタクシーには他の人たちが乗ってしまい、すべていなくなってしまった。とほほ。
 しばらくして戻ってきたタクシーに乗り込み、B&Bにチェックイン。グリーンウェイに行くのはダートマス経由でいいや、と思っていたので、のんびり11時10分ごろB&Bを出て、海へ向かった。
 tourist information centreがすぐそこにある海沿いの通りに着いたとき、"Agatha Christie Special"という看板が目についた。看板の前では、若いお兄さんがチケットを売っている。周りには大学生と思われる男女が4〜5人いた。あの人たちもグリーンウェイに行くのかも。時計を見ると、11時半近かったが、なんとか11時半のフェリーに乗れそうな気がしてきた。「あのぉ、グリーンウェイに行きたいんだけど」と声をかけると、その若いお兄さんはちらと時計を見て、「うん、今なら間に合いそうだ」と言い、携帯でフェリーに連絡を入れてくれた。「中国人の女性が、フェリーに乗りたいって言ってるから待ってて」。中国人? おいおいー、とちょっと笑ってしまった。時間が迫っているので、代金を支払っている最中にも彼は続ける。「乗り場はわかるかい?」。2年前に来たばかりで、サンセットクルーズに乗ったことがあったので、見当はついた。ざっとフェリー乗り場までの道を説明した後、彼は言った。「急いで、急いで!」。
 私は走った。この年で走るのなんて、信号が赤に変わりそうな瞬間、慌てて横断歩道を突っ切るときぐらいだ。が、フェリー乗り場までの距離は横断歩道よりも、ずっと長かった。息が切れ、走るのが嫌になったが、それでも走っ  た。だって、フェリーは、中国人の女性が来るのを待っていてくれるはずだから。(笑)
 フェリーはダートマス経由で1時20分ごろグリーンウェイに着いた。クリスティーの家がどこにあるのかわからず、迷ったこともあり、門にたどり着くのに20分ぐらいかかった。クリスティーの家は広大で、門から入場口までがまた距離がちょっとあった。まずはカフェでスープとケーキを。食べ終わったのが2時20分ごろ。受け付けの人に聞いたオススメのコースを歩くのには1時間以上かかる。帰りのフェリーが3時35分発であることを考えると、そのコースを歩くのには時間が足りなさそうだったので、とにかくぶらぶら歩いてみることにした。が、あまりに広すぎて、途中、迷ってしまうほど。今は家の中は公開されていないので、見られるのは庭だけなのだが、とても1〜2時間で見尽くすのは無理だと思った。自然そのままの、山全体とも思えるほどの広い空間をプライベートスペースにできるなんて、すごいなー、とつくづく思ったことよ。
 

 


帰りのフェリーが、ダートマスに近づいたころ、
もやが出た。そこだけもやっていて、なんだか不
思議な雰囲気であった。
その後、太陽の光に照らされて、海はきらきらと、
とても美しかった。

 フェリーは、5時45分ぐろトーキーに戻った。トーキーとグリーンウェイは片道が約2時間。思いのほか遠かった。ダートマス経由で行ったとしたら、庭を見る間もなく、着いてすぐ戻らなければなかっただろう。思えば、前日は腰痛でたいへんだった。もしこの日も腰痛があったとしたら、フェリーに乗るのに走ることなんてできなかった。運よくフェリーのチケット売りのお兄さんに出会えてフェリーに乗れたこと。腰痛もなく、1日過ごせたこと。本当にラッキーだったなぁー。私には、すべてが神様からの贈り物の1日に思えたのだった。


トーキーとグリーンウェイを結ぶフェリー

(2007.10.14)

アガサ・クリスティーはお好き?

トーキー

クリスティーが住んだ家

エルキュール・ポワロはお好き?
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シリーズ 2 (1990)
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シリーズ 6 (1995-6 ) ※作成中
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