アガサ・クリスティーはお好き?
トーキー

Torquay



トーキーのtourist information centreの前の広場にあるクリスティー像。
アガサ・クリスティーは1890年9月15日、トーキーで生まれた。





行き方

ロンドン・パディントン駅から電車で、Newton Abbotまで。そこからローカル線に乗り換える。約3時間。

 2005年の旅のテーマは、アガサ・クリスティー。6月で季節がよかったこともあり、イギリスのリヴィエラとも呼ばれている、クリスティーの生まれ故郷のトーキーまで足をのばしてみることにした。
 パディントン駅、プラットホーム3から9時5分発のプリマス行きの列車に乗った。トーキーに行くには、Newton Abbotで乗り換えなければならないが、途中、信号故障で列車が遅れ、ちょっといらいら。ようやくNewton Abbotに到着し、トーキーに行くという隣のホームの電車に慌てて飛び乗った。しかし、一向に発車する気配がない。そのうちに駅員さんが乗り込んできて、「この列車はキャンセルになりました」と言う。この日は、すべての列車が遅れ、この列車のように運行が中止になったものも多かったようである。近くにいた中学生ぐらいの女の子が「試験に間に合わない」と訴えると、駅員さんは「じゃぁ、タクシーに乗って」なんて言っている。久しぶりにでくわした英国の列車のルーズさに、やれやれといった感じだった。
 午後1時過ぎ、1時間遅れでトーキーに到着。B&Bにチェックインした後、まずはtourist information centreへ。クリスティー関連の場所なら、トーキーミュージアムに行ったら、と言われ、まずはそこを訪れることにし、歩いてきた道を引き返した。
 中に入ってみると、クリスティー関連の物は期待したほどはなく、主な展示品は、化石や旧石〜鉄器時代の出土品や第二次世界大戦関連のものなど。とはいえ、クリスティー関連には、特別に部屋が設けられており、家族の写真や彼女が着ていた毛皮のコート、TVのポワロやマープルシリーズで使われた洋服や小物が飾られていて、けっこう面白かった。

グランドホテルで遅いランチ。窓からは海が見えた。

 最後にショップに寄ってみると、昔何度か日本を訪れたことがあるというおじいさんが愛想よく出迎えてくれた。ティーンエイジャーの頃、朝鮮戦争時代に派兵されていたとのことで、日本に好感を抱いてくれているらしかった。「訪れるべきスポットはどこですか? 明日はコッキントン・ビレッジに行ってみようと思っているんですけど」と言うと、「うん。あそこはいいよ。クリスティーの家のあるグリーナウェイも庭がきれいだよ」との答え。「どっちがいいかしら?」と聞くと、「コッキントン・ヴィレッジはピアノを弾いて音楽を聴かせてくれる店があるからいいんじゃないかな」とアドバイスしてくれた。さらに「クリスティーのメモリアルルームがあるはずなんだけど、どこですか?」と尋ねると、「今は改装中で閉まっているよ」という。がーん! はるばるここまで来たのになー。でも、また訪れる理由ができたな、と思った私である。
 来るときは荷物もあったので、駅からタクシーに乗った私だったが、明日帰るときは歩こうか、と思っていたので、駅まで歩いてみることにした。駅の目の前には、クリスティーが新婚旅行で訪れたというグランドホテルもある。ちょっと遅くなったが、ランチを食べるのもいいと思った。
 tourist information centreのあるドアベイ付近から駅までは、荷物なしの状態で20分はかかるようだった。炎天下だったこともあり、途中でバテそうになってしまったが、なんとかたどり着いた。グランドホテルも、クリスティーが新婚旅行で泊まったころは新築だったのだろうが、今はちょっと殺風景な感じ。1Fにあるレストランに入り、パンとスープにアップルパイをいただいた。窓からは海が見え、のんびりと一休みすることができた。

フェリーのチケット売り場(翌日撮影)。フェリーには、階段を降りて橋を歩いて行った場所から乗った(右)。

 この後、クリスティーが執筆活動を行ったというインペリアルホテルへ。ランチを食べるという口実もなく、ちょっと敷居が高くて中には入れなかった。
 6月ということもあって、まだまだ明るい。このままB&Bに帰ってくすぶっているのももったいない。どうしようかとドアベイに戻ってくると、サンセットクルーズが8:30からあるらしい。「何時ごろ戻ってくるの?」と聞いてみると、10時との返事。一人で夜の10時過ぎにB&Bまでの道を歩くのはちょっと物騒かもと思ったが、またぶらぶら歩きながら、結局クルーズに参加してみることに決めた。B&Bに戻って、身支度を整えてから、途中にあったインド料理屋さんで、ちょっと早めの夕食を済ませることにした。

 若いウェイターさんが「日本人? いつまでいるの?」と話しかけてきた。オーダーした料理が出てくるまでの間、ノートにこの日に起こったできごとをつらつらと書いていたら、「日記をつけているのかい?」と興味深そうにまた話しかけてくる。食後には、おいしいから飲んでみて、と、サービスでリキュールを出してくれたのだが、これがとても美味で、なんだかほわーっと幸せ気分。
 8:20ごろベイに戻ると、さっきいたチケット売り場の人が、「やぁ、戻ってきたね。子ども料金の4ポンドにまけておくよ」なーんて言ってくれて、これまたラッキー!! 私のトーキーの夜はハッピーな気分で彩られたのであった。


 クルーズのフェリーは、トーキーの海をのんびりとわたっていく。フェリーが再びベイに戻ってきたときも、まだそこらは薄明るく、1年でいちばん日の長いこの季節を満喫した私である。


夜10時過ぎ。フェリーを降り立っても、まだ少し明るかった。


 翌朝は、早く目が覚めたので、朝食の前にB&B付近をぶらぶら。朝食後、バスで、昔の英国の村の風景が残っているというコッキントン・ヴィレッジに向かった村は本当にラブリーの一言につきる雰囲気。工芸品を売るお店やガラス工房、ポタリーなどがある場所のほか、広い野原や大きな池などがあり、歩いたり、お店を見たりしているうちにあっという間に時間が過ぎた。バス停からちょっとの所にピアノの流れるレストランがあった。あぁ、昨日、ミュージアムのおじいさんが話していたのはこのお店だなーと思い、中に入ってランチを食べた。


コッキントン・ヴィレッジの風景。右はピアノの流れるレストラン。
村にあるポタリーで購入したニンニク入れ。
その他に買ったものは、こちらをどうぞ。

 2時ごろドアベイへ戻り、ちょっと町をうろついた後、ロンドンへ。



トーキー駅から。列車がとってもカラフルである。
右に見えるのはグランドホテル。

 私にとってトーキーは、海が見れて、バスでちょっとコッキントン・ヴィレッジへと足をのばすとラブリーな気分にもなれる、1か所で2度おいしい場所、であった。

(2007.3)
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