雲
ひろゆき
どこを見ても
雲
目を凝らしても
雲
引き下がっても
雲
その単純さ
その明快さ
それなのに
どこまでも曖昧な
雲よ
空を漂う 無限よ
2000.9.10
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空っぽ頭の夕陽 |
ひろゆき
割れた雲から
パールピンクのロウが溶け出して
西の空をいっぱいにする
白い翼達が
明日の好天を告げながら
高く 低く
山の方へと飛んでいく
空っぽ頭の僕等は
一番星さえ
探せず
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2000.8.18 |
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砂浜にて |
nonya
思いがけず
雲を切り裂いた光は
穏やかな波間に
光の鋲を撒き散らした
痛そうに顔をしかめて
視線を沖へ泳がす
とめどなく広がる意識が
淡い島影をなぞっていく
堅く閉ざしたはずの唇から
不覚にも微笑が滲み出す
来て良かった と
身体中で思う
もう
海になんか捨てたりしない
わざとらしく
波間から掬い上げたりしない
ただ
砂浜に佇んで
そのまま
潮風に自分を晒そう
果てしなく打ち寄せる波に
打ち上げられた
貝殻を拾い上げるように
自分の中の答えを手にしたら
少し日焼けした笑顔を土産に
さっさと帰ろう
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2000.8.9 |
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作者のHPアドレス http://www.interq.or.jp/rock/nonya/
Mailアドレス nonya@rock.interq.or.jp |
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朝 凪 |
織部夕紀
ここでは何もいらないけれど
満ち足りた光がかえって眩しく
波の上で私を突き放すように
遙かに見えるから
静かな時間の通り道を開けて
息を潜めながら見送っている
輝かしい朝のささやきが
私の耳元まで届けられるように
一歩近寄ると違う波が違う方向へ
私の意識を連れ去ってしまうから
もう少しそのまま目を閉じて待つ
強い陽の照り始めた
草むらで
青々とした声が私を呼ぶまで
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Rain
Tree
秋乃 陽
糸のように降りかかる 優しい雨
そんな日には
ひとり 街へ出て 街路樹を巡る
ショーウィンドウに映る自分
あの頃よりも 疲れた顔
「
最近何してたっけ… 」
そんな日が続いてた
切れ切れに目に映る 乳白色の雨
そんな雨が
古い映画の ノイズのように 記憶を映す
懐かしさに 急に寂しくなる
自分でもよくわからない
「
何やってんだろ… 」
そう思ってはいたけど
雨が樹のように降りかかる
樹が雨のように遠く霞む
あの日 見たのは
哀しいほどに 優しい白
白い空の下で
雨が飾る樹の下で
いつか
昔の自分に 遭えるような
そんな気がした
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AIL
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作者のHPアドレス http://www6.freeweb.ne.jp/art/dal/welcome.htm
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風のなかで
大猿
冷たい風がふきすさむ砂浜で
俺はうねる水平線をみている
かもめも飛べない鉛色の空は
それはそれで芸術的な作品
激しくも寛大な海は
人間の感情を優しくときほぐしてくれる
砂をかみ、ほほを凍らせながらも
母の胎内にいるような安らぎをかんじる
気がつくと心のタコメーターは
レッドゾーンにちかづいていた
両手を天に突き、気合いをいれると
待たせたままにしておいた
自分の戦場にもどる
強き海の子として
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ここにいると
下社裕基
雲をみていると
空の道を
憧れが通って行くのが
みえる
僕の心は もう
飛び立ってしまって
電線にいる
まるで鳥のように
ここにいると
僕の中で
いつまでも響いてやまぬ
波音のような音楽が
よく聴こえる
僕はその歌が好きだ
僕の歌を
聴こうともせず
生きねばならぬときがあることの
苦々しさがよくわかる
ここにいると・・・・
僕の体が上下に揺れる
ゆっくりと
微風が吹いて
僕の言葉は 白く消える
心が求めていたことも
いつか
みえなくなる
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L |
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An
evening glow
彰
オレンジ色に輝く西の空
幾重にも重なった美しい雲
この自然のアート
君にも見せてあげたい
二度と出逢えぬ
この風景を
光る風
大空を渡る
あのころ描いた夢は
何処へいってしまったのだろう
いつのまにか
空の色は
ハーバーブルーに衣をかえて
天高く 一点の輝き
ほら もうそこに…
Evening
glow
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翼
彰
君は何処へ行きたい?
湖水で羽を休める
渡り鳥を見ていると
ふと
羨ましくなることがある
彼らの泣き声を聞いていると
その仲間に入って
話を聞いてみたくなったり・・・
異国のこと
空で見つけた宝石や
七色の虹
色々なものを
見てきたんだろうな
何処へでも体ごと飛んでいけるんだね。
いいな。
でもね
「ひとってすごいな」
って想うことがある
それはね・・・
たとえば 僕は
どんなに遠く離れていても
愛しい君を思い
心で見つめ
愛し・・・
だれにも負けない気持ちで
君の心を守っている・・・
誓えるよ
大空を飛べない代わりに
神さまがくれた「心のつばさ」
なのかも知れない。
素敵だよね。
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