第24回 : NDL-OPAC(国立国会図書館)

今回とりあげるのはNDL-OPACです。NDLは「Nippon Diet Library」、つまりわが国の国会図書館のことですね。ちなみにOPACとはOnline Public Access Catalogue の略で、オンラインを用いて検索できるようにした図書館蔵書データベースのことです(すでにお馴染の言葉かもしれませんけれど・・・)。

国立国会図書館では、2000年4月にWebOPACをスタートさせていました。それが昨年の秋に、国会図書館関西館がオープンしたのを機にWebOPACの機能を拡充させてNDL-OPACを提供し始めたのです。ただ、はじめのうちはWebOPACと併用できるようにして、NDL-OPACのデータが増えるのを待っていたのですね。それも一区切りついたというしだいで、WebOPACの方は2003年3月をもってその任務を終了しました。本コンテンツの第20回で国立国会図書館のWebOPACをとりあげましたが、ここに、参考記録としてリンクを貼っておくことにします(← こちら)。

さて、NDL-OPACです。

これが使える時間帯は、

   月〜土 7:00〜28:00(翌日4:00)
   日 7:00〜25:00(翌日1:00)
     (第3日曜は22:00まで)

となっています。さっそくNDL-OPACのサイトhttp://opac.ndl.go.jp/index.html )につないでみましょう。

画面の左半分には、登録利用者IDとパスワードを入力するボックスが用意されています。「なんじゃ、それは?」という方もいらっしゃるでしょうが、いずれ機会をあらてめてご紹介することにしましょう。右半分に目を移すと、上から順に、「一般資料の検索/申込み」「簡易検索窓」「一般資料の検索(拡張)/申込み」「雑誌記事索引の検索/申込み」「規格・リポート類の検索/申込み」「点字・録音図書全国総合目録の検索/申込み」と並んでいます。

「簡易検索窓」を挟んで、その上下に「一般資料の検索/申込み」と「一般資料の検索(拡張)/申込み」があります。ここでいう「一般資料」というのコトバが、いざ考えるとちょっとわかりにくいと思いますが、要は「図書、雑誌新聞、電子資料、古典籍、博士論文、地図、音楽録音・映像」のことです。以前あったのWebOPACでは、図書だけが検索の対象でしたから、これだけでもずいぶん枠が広がったといえます。それにひきかえ「簡易検索窓」が検索できるのは「和図書」に限られ、用意された検索ボックスも「タイトル」と「著者・編者」だけという、いたってシンプルなものです。

私は、「一般資料の検索(拡張)/申込み」が使いやすいという感想をもちました。拡張という言葉が付いているだけあって、いくつもの検索項目に「細分」とか「追加」というボタンが用意されています。ちなみに「タイトル」の細分を開くと「本タイトル」「部編・巻次」「シリーズ名」「各巻タイトル」「内容細目」の検索ボックスが登場します。言葉の意味がわかりにくいと思う人は、その行の右端にある「説明」をクリックしましょう。わたしも図書館員の端くれで、ときどき利用者の皆さんと会話していて、業界用語をわかりやすく説明するのに苦労することがあります。そうした同業者の目から見ても、これらの説明はなかなかいい線をいっていると思います。たとえば「本タイトル」とは、その資料のタイトルのことですが、並列タイトル、サブタイトル、統一タイトルなどを含むことがわかりますし、「部編・巻次」は、「第○巻」「上中下巻」「○○編」といった表現の部分を指すと理解できます。このような構成になっていますから、検索をするときの使い勝手は以前のWebOPACの時代よりも確実に向上したと思います。

一般資料を検索した際の結果表示についても改善のあとがみられます。検索をして該当する資料がある場合は、まずリスト形式の表示が画面にあらわれます。ただし、そこでは国会図書館の請求記号まではわかりません(それに、目録にどんなことが記述されているのか詳しく見たいというケースもあるかもしれませんね)。これ、という行をクリックすると詳しい表示が出てきます。WebOPACの時代にはなかったタイトルの読みまで表示されるようになりました。「な〜んだ、そんなこと」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、難しい漢字が並ぶようなタイトルでその読みがわかることは、とてもありがたいことなのです。

検索できる資料は、これまでにご紹介した一般資料だけでなく、

   雑誌論文
   規格・テクニカルリポート類
   点字・録音図書全国総合目録

にまで拡がりました。これもまた、画期的といってよいでしょう。

特に強調したいのは、雑誌記事索引がオンラインで、誰でも自由に使えるようになったのは素晴らしいですね。私は仕事がら、永年『雑誌記事索引』(国立国会図書館編)のお世話になってきました。冊子だけの時代には、一冊ずつ繰って調べました。それがけっこう重かったりするわけです。それに、なかなか見つからないときなどは、焦って行を飛ばして読んでしまうこともあったことでしょう。その後、CD-ROMが販売されるようになったのですが、これは図書館向けとでもいうべきものでした。ごくさいきん、私が雑誌記事索引で検索を試したのが「浪曲」。そう、浪花節です。何冊もの冊子をバタバタとひっくり返す苦労もなく、関連する記事が、いつ、何の雑誌に載ったかがわかるのですから、感激でした。雑誌記事索引は、国立国会図書館が戦後になってはじめた仕事ですから、戦前・戦中の記事・論文は含まれていませんし、小さい単位の記事まで網羅されているとは言い切れないようですが、これが使えるようになったメリットは、とても大きなものです。

次回は、日を改めて、このNDL-OPACをより有効に活用するための「登録利用者制度」についてご紹介するつもりです。

【2003年9月18日】


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