第58回 : MOBB第26回定期演奏会(なかのZERO大ホール)

去る6月8日(土)、何年ぶりかで標記の演奏会に行ってきました。

MOBBとは、都立武蔵丘高校の「M」、吹奏楽部OBの「OB」(もちろんOGも大勢います)、そしてバンドの「B」を繋げて「モブ」と読ませるアマチュアの吹奏楽団です。高校卒業後も吹奏楽が好きな人たちが集まってバンドを作り、月に何回かの練習と年一回の演奏会を開いて、四半世紀を越す歴史を築いてきました。実は私は、この高校に在学し、吹奏楽部の前身である「ブラスバンド同好会」に所属していましたから、いっしょに演奏をしたことのある先輩や後輩も舞台に乗っているのです。メンバー同士で楽しみながら、しかもこれだけ歴史を築いてきた皆さんには、私は敬意を表しますから、普段の感想文とはちょっと違ったトーンになるかもしれません・・・。

プログラムは次のとおりでした。

1.沖縄幻影 指揮: 粟田幸助
2.千と千尋の神隠しメドレー 指揮: 粟田幸助
3.AGUERO 指揮: 井戸信行
4.鍛冶屋のポルカ(ヨゼフ・シュトラウス) 指揮: 井戸信行
5.ペンシルバニア6−5000 指揮: 井戸信行
6.マッカーサーパーク 指揮: 粟田幸助
7.アイムアブラスバンド 指揮: 粟田幸助
8.アメリカングラフィティX 指揮: 井口悟
9.ドクトル・ジバゴ 指揮: 井口悟
10.南太平洋メドレー 指揮: 井口悟
11.第3組曲(ロバート・ジェイガー) 指揮: 竹腰勝

同じ高校の出身者が集まって活動を続けている吹奏楽団ですが、メンバーの世代の開きは親子ほど(いや、時にはそれ以上)のこともあるとききます。今年は、その中でも若手が中心になってプログラムを組んだといいます(メンバーの一人が解説をしながら進行していったので、このあたりの事情もわかります)。

全体を通していえば、メンバー一人一人が楽しんで演奏しているのが伝わってきます。特に、作品を手中に収めている演奏の時は、響きが綺麗にまとまります。さらにツボにハマった演奏もあり、そうした時はアルコールでも傍らにおいて聴けたら最高なのに、と思うような大人のフレージングも聴けましたね。こうした瞬間は、ちょっとした幸福感を味わえます。

あまり手前味噌になってもいけないかもしれませんね。たとえば、ゆったりした曲調の作品で、どのパートもがんばっているのだけれど、主旋律が消され気味になったりという演奏も確かにありました。また時にはミスもあるのですが、そこで動揺せず、すぐに立て直しがきくのですね。こうしたあたりも、26年間の歳月をかけて培ってきた積み重ねがモノをいっているのだろうと思いました。

皆さんのまわりにも、音楽好きな同志が集って、楽しみながらコンサートを続けているという団体がありますか? もしおありのようなら、時々聴きに行きましょう。演奏している人たちを応援することにつながるという面もあるでしょうが、むしろ音楽を聴いて楽しみながら「自分もがんばろう」といった、いい意味のエネルギーを分けてもらえるでしょうから。
【2002年6月16日】


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