第46回 : ホプキンソン・スミス リュート・リサイタル(武蔵野市民文化会館小ホール)

6月22日(金)、今回はリュートの響きを楽しめたらいいなと思って、標記の演奏会に行きました。リュートだけのリサイタルというのは、ほとんど行ったことがなく今回で2回目だと思います。次のようなプログラムで、フランス・イタリア・ドイツの17〜18世紀にかけてのリュート作品を集めての一夜となりました。
V.ゴーティエ
Vieux Gaultier(1575-1651)
プレリュード・ノン・ムジュレー
Prelude non mesure
V.ゴーティエ
Vieux Gaultier(1575-1651)
シャコンヌ、ラ・カスケード
Chaconne, La Cascade
ジョバンニ・ザンボーニ
Giovannni Zamboni Romano
(late17c.-early 18c.)
ソナタ第9番
Sonata 9 (published in 1718)
  I.  Preludio
  II. Alemanda
  III. Gavotta allegro
  IV. Sarabanda largo
  V. Giga
シルヴィウス・レオポルト・ヴァイス
Sylvius Leopold Weiss(1686-1750)
ニ長調の3つの作品
Three pieces in D major
  I. Preludium
  II. Passacaglia
  III. Giga
J.S.バッハ
J.S.Bach(1685-1750)
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調 BWV.1001
Sonata in g minor(based on the version for solo violin, BWV.1001)
J.S.バッハ
J.S.Bach(1685-1750)
シャコンヌ(《無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番》より)
Ciaccona(based on the version for solo violin from the d minor Partita, BWV.1004)
ふだん、私はリュート音楽に親しんでいるわけではないので、演奏者の経歴なども知らず(会場で配られたプログラムにもざっと出ているのですが、なにしろ生年さえもわかりません)、ウェブサイトを検索して、Hopkinson SmithというHPをみつけました(こちら へどうぞ!)。わかったことは、1946年ニューヨーク生まれといいますから、今年で55歳になるわけですね。十代のころクラシック・ギターを始め、ハーヴァード大学で音楽学を修め、そしてリュートは始め独学で、その後1973年に渡欧し本格的に学んびました。70年代には古楽アンサンブルといっしょに仕事をし、80年代にソリストとして活躍し始めたようです。

ゴーティエの2曲はいずれも短めの曲ですが、ここに一曲シャコンヌが置かれています。ソナタが続き、賞品3曲で前半が終わります。後半はソナタとシャコンヌ。そうです、この日のプログラムは時系列順に作品が並べられたのみならず、全体がシンメトリーのように組み立てられているのですね。

プログラムの前半では、ザンボーニのソナタをそれも1回だけ聴いたことがありますが、あとは初めて聴く曲ばかりです。そんなわけで、ただひたすらリュートの響きの美しさを堪能していました。私は、ホールの6列目の右サイドのほうで演奏を聴いていましたが、音量が小さい楽器なので、室内楽や独奏(唱)を聴くにはもってこいの武蔵野市民文化会館小ホールでさえ、大きすぎるのかなという印象を拭えませんでした。さて、後半はバッハ。ギターにアレンジされた場合とも違って、低音がことさら強調されて響くといったこともありません。じっくり耳を傾けました。これがまた、きりりと締まった演奏でよかったです。なお、当夜使用した楽器は「13弦リュート 1980年製 ジュエル・ヴァン・レンネプ製作(ボストン)−Thirteen course lute made by Joel van Lennep, Boston, 1980」でした(配布されたプログラムより)。

書き忘れるところでしたが、前半最後の曲辺りから、曲の終りの余韻を聴かずに、拍手のフライングをする人がいて、興ざめでした・・・・・。
【2001年6月24日】


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