第20回 : アンサンブル・メルクス=ニーダマイヤー「ウィーンナワルツの夕べ」(東京芸術劇場大ホール)

今年はヨハン・シュトラウスの没後100年にあたる年です。久しぶりにウィンナ・ワルツもいいなという思いと、その演奏者たちの顔ぶれにつられて、このコンサートに行きました。S席が2000円、A席が1000円という料金設定がされていたことも記録しておきましょう(主催は日本経済新聞社)。

アンサンブル・メルクス=ニーダマイヤーという団体をご存知でしょうか?
かつてアルヒーフ・レーベルでお馴染みだったヴァイオリニストのエドゥアルド・メルクスが主宰する"アンサンブル・エドゥアルド・メルクス"の弦楽器奏者(ほかに、アレクサンダー・クリンス<vn>、ミヒャエル・シュテゥーベ<va>、ゲラルド・ゾンネック<vc>、クラウディオ・ガスパローニ<cb>)と、ウィーン・フィルの首席フルート奏者マインハルト・ニーダマイヤーが率いる管楽器奏者(ほかにハンネス・モーザー<cl>、ギュンター・ヘグナー、ペーター・ホフマン<ともにhrn>)で構成される9人のグループで、今回が初来日だそうです。

プログラムは
ヨハン・シュトラウスU世 ワルツ「春の声」op.410
ヨハン・シュトラウスU世 ワルツ「ウィーンの森の物語」op.325
ヨハン・シュトラウスT世 「アモレテン カドリール」op.183
ヨハン・シュトラウスU世 「アンネン ポルカ」op.117
ヨハン・シュトラウスU世 ポルカ「浮気心」op..319
ヨハン・シュトラウスU世 ワルツ「ウィーン気質」op.354
ヨハン・シュトラウスU世 オペレッタ『ジプシー男爵』より 行進曲
ヨハン・シュトラウスU世 オペレッタ『こうもり』より クープレ
ヨゼフ・シュトラウス ポルカ・マズルカ「女心」op.166
ヨハン・シュトラウスU世 ワルツ「芸術家の生涯」op.316
ヨハン・シュトラウスU世 「ピチカート・ポルカ」
ヨハン・シュトラウスU世 「トリッチ トラッチ ポルカ」op.214
ヨハン・シュトラウスU世 「皇帝円舞曲」op.437
こういうプログラムですから、あまり難しいことを考えずに(あ、普段もそうですけど・・・)のんびり聴いていました。でも、この9人のグループにとって、今回のホールは大きすぎたように思います。メルクスとニーダマイヤーのユニゾンの演奏など、特に前半、メルクスがよく聴き取れませんでした。メルクスは尻上がりに調子を上げて行ったように見受けましたが、以前聴いたことのある、ウィーン・リング・アンサンブルでは感じなかったことでした・・・
それにしても、あのメルクスが楽しそうにウィンナ・ワルツの数々を弾いている姿は、とても微笑ましく印象に残りました。

アンコールは、1曲目が「美しく、青きドナウ」。2曲目が「ラデツキー行進曲」といった定番。「ラデツキー行進曲」では、誰ともなく手拍子が鳴りはじめ、止めるべき箇所でも自然と止まりました。その後は、ホルンのへグナーが私たち客席にキューを出し、最後の箇所もきっちり決まりました\(~o~)/
【1999年11月18日記】


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