第192回:花粉症2005(2005年3月28日)

懐かしいですね(!?)、2年ぶりの花粉症ネタです。ここ2〜3年は症状が軽くて、去年などは1度もこのネタを書かないまま終わりました。その代わりといっては何ですが、都立野川公園での花見のことなどを喜んで書いていたのでした。それが今年は久しぶりにひどいのです。

でも、今シーズンはとても特徴的で、花粉の飛散開始がえらく遅かったのです。昨夏の状況からして今シーズンのスギ花粉はとても多く、昨年の暮あたりには、たしか花粉の飛散開始時期もひょっとしたら1月下旬か2月上旬から始まるかもしれないなどとまことしやかに言われたり(メディアで報道された!)したものでした。

2001年に花粉症ネタの記事を書いたおり(← こちら )、「花粉温度計」( http://www.sankyo.co.jp/cgi-bin/thermo/thermo.cgi?area=22 )なるものについて触れました。三共株式会社が提供するデータで、スギ花粉の飛散が始まる日は毎年元日からの最高気温を積算していって、一定の温度に達したとき、つまり関東以西は350〜400℃、東北北部では210〜280℃に達した日だという目安を示したものです。まあ、多少の幅はありますが、例年目安として機能してきたのですが、今シーズンは400℃になってもいっこうに花粉が飛散しない日が続いたのでした。理由は11月の暖かさでスギの花芽の休眠が遅れたこと、あるいは2月が予測より気温が低くてこのようになったのだろうというのです。

都内ほぼ全域でスギ花粉の飛散が認められたのは2月22日頃、それが全域で認められらのが2月25日という記録があります。これは東京都のスギ・ヒノキ花粉情報( http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kanho/chousa/kafun-g/kafun/index.html )によりますが、今年の私がひどいといえる症状に陥ったのは3月8日頃からでした。都のスギ・ヒノキ花粉情報を見ていくと、私の症状が悪化したのは花粉の飛散量が飛躍的に増大した時期であることがわかります。

花粉の飛散開始が遅れて得したことがあるかといえば、ありますね。例年ならばすでに鼻が花粉にやられている2月の下旬、私は(おそらく)7〜8年ぶりに世田谷美術館に行きました。この美術館は以前に2〜3度行ったことがあり、いつも用賀から歩くのですが、真っ直ぐに行けたためしがありません(もしも花粉症がひどければ、用賀から徒歩で15分はかかる美術館へ行くことじたい、きっと見送っただろうと思うのです)。いままでは、通りすがりの方に道を教えていただいて、どうにかこうにかたどり着いていたのですが、今回は、2月からPHSをやめて携帯電話に切り替えた私が、そのナヴィゲーション機能を十全に使って目的地へ行けたのです。モニターには地図が、そして音声は「50メートル先を右に曲がってください」といった類のアナウンスを送ってくるのですが、通り1本間違って迷い込んでしまったときなどは「コースから外れました」と言われてしまいます。だんだんに慣れて「100メートル先を右に曲がってください」などと何度か言われているうちに「了解!」などと答えている私がそこにいました(笑)。美術館のある砧公園に着き、手に持った携帯電話をベルトより下にさげたとたんに「コースから外れました」と言われたときには、ちょっとムカッとしましたけれど(大人げないか?)。

損得に関係ない話もありますよ。2月の終わり頃から予防の意味も兼ねて、マスクをし、薬も飲み始めました。今年はマスクをしている人が多いように感じられます。それにしても、ひとたびマスクをすると誰が誰だかわかりにくくなりますね。さいきん経験したいくつかの例をご紹介しておきましょう。

【例1】私は職場の先輩が帽子+眼鏡+大きなマスクという出で立ちでいるところを、駅で会ったのですが、すぐにはその人が誰かわかりませんでした。わざわざ、帽子と眼鏡を外してくださいましたので、やっとわかりましたけれど・・・。悪気はないのですが、ちょっときまりが悪いですね。
【例2】やはり駅のホームで電車を待っているときに、通りすがりの中年男性がマスクをした私の顔を見て「ああ、こんにちは」と挨拶して行くではないですか。だれだったんだろう、あの人。少なくとも同僚ではないと思うのですが・・・。うーん、謎です。
【例3】ATMに入ったときのこと。私がキャッシュカードを財布から取り出したときに某CDショップのポイントカードを落としてしまいました。そこにはもう一組親子連れがいらっしゃったのですが、小さいお子さん(3〜4歳か)が「お兄ちゃん、これ!」と言って渡してくれました。あ、もちろんそのときの私はマスクをしていましたよ。一瞬とはいえ小さなお子さんに「お兄ちゃん」(私は52歳)と言わせるだけの威力が、マスクにはあるのですね!! 「ありがとう」と言って受け取りましたが、この話には少々続きがありまして、そのお子さん今度は「おじちゃん」と正しく表現し直し、もう一度話しかけてきたのです。曰く「おじちゃん、『ありがとう』は?」と。そこでもう一度「ありがとう」と言ったのですが、その子、まだ「どういたしまして」を習っていなかったらしく、さらに「おじちゃん、『ありがとう』は?」とニッコリしながら問いかけてくるではありませんか。何回繰り返すんだろうと思いながらも、3回目の「ありがとう」を言うと、親御さんがすまなそうに「もうありがとうは言ってもらったんだからね」とその子を諭して出て行かれました。

今シーズンの特徴は、雨が降っても気温が下がっても、それなりに症状は強いことではないかなと思っています。10日ほど前、まとまった雨が降ったときに、バイクや自動車の車体に赤っぽい代物がこびりついたそうですが、それって花粉だというのです。本来ならば、もっと早く飛び始めるものが、ぐっとこらえて3月上旬から非常に多く飛び始めたのですから、それも無理もない話ということになるのでしょう。これなどは、遅く飛び始めたからと言って得につながらない話ですね。辛抱は、もうしばらく続きます。



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