第191回 : 防災訓練(2005年2月3日)

去年は、台風、地震など自然災害に見舞われることの多い年でした。次から次へと続いて、とても他人事とは思えませんでした。年が明けて、阪神淡路大震災から10年が経つことを知り、もうそんなになるのかと思いました。その一方で、自然の営みからすれば10年というのはさほど長い時間ではないに違いなく、油断禁物と襟を正す気持ちをもったりもしました。折もおり、1月16日に町内で防災訓練が行われました。あいにくの雨模様で、近所の公園で朝に行われる予定だった訓練こそ中止となりましたが、午前10時から近くの小学校に集まり、いくつかのメニューをこなしてきました。といっても、実地に訓練したわけではなかったのですけれど、何をすればよいか以前よりも理解できましたのでご報告というわけです。

小学校で用意されていたいくつかのメニューをご紹介しましょう。

まず、公立の小中学校などでは、いざという時の水や食料(乾パンやレトルト食品など)を用意しています(地域の避難場所になっていますからね)。それらが展示されていて、そうか、いざとなるとこういうもののお世話になるんだと目に焼き付けてきました。問題は何人分用意されているかです。そこでは1500〜1600人分だったのです。その小学校は、私が住んでいる町と隣り町が対象になる筈ですで、前者だけで3500名くらいの人口であることが自治体のホームページから明らかです。大地震が起きたと仮定して、町の全住民がその居住地で被災するとは限らないわけですが、それにしても足りるのかなという疑念が頭をよぎりました。それと公共の施設以外でも、こうした備蓄はある程度しておいた方がいいと思いましたが、まだ自分ではしてません(汗)。この日の参加者には帰りがけに、暖かいおこわと乾パン一袋が手渡されました。もらった乾パンは賞味期限切れが今月に迫っているものでしたので、無駄にしない意味でもちょうど良いプレゼントだったのでしょう。乾パン1枚が9つだったか12だったかに割ることができました。子どもの頃は、喉に引っかかる感じがして食べづらいものだという記憶がありましたが、今回試食してみると水無しでも充分いけました。いざという時は、分けあって食べましょう!!

次に見たのは、段ボールで組み立てた避難所のブロック。昨年、大雨や地震で住民の方が学校の体育館などに避難されると、よく段ボールで敷居を作り、毛布を敷いて休んでいる姿をテレビで見る機会が多かったですが、アレです。段ボールがしっかり床に置けるような製品があるのですね。それと段ボールが曲がった部分をしっかり抑える製品もありました。一人分だとこの程度のスペースかなと思うのですが、どなたかが、この1ブロックを2人くらいで使わないと間に合わないのではないかと言い、その間、プライバシーは無いなとも言っていました。そうであってほしくはないのですが、時と場合によっては、そうなる可能性はあるんだろうと思いましたね。ちなみに訓練当日は寒い一日でした。この会場は体育館でしたが、しんしんと冷えていました。ストーブをたいたとしても、長い時間こうした場所にいたとしたら、きっと身体が参ってしまうだろうだろうと想像してしまいました。

次いで簡易トイレ。これはマンホールの蓋を外して設置するといっていました。時間があれば、実際に設置するつもりもあったようなのですが、見るだけでした。その次は応急処置のいくつをデモンストレーション。まず、応急呼吸です。私は何年か前に職場である大学で、訓練をうけたことがありますが、(幸いと言うべきでしょうが)それを実際に行う機会がありませんでした。怖いことに、いくつかのことを忘れていました。思い出せただけでもありがたかったです。もう一つは、三角巾というものの使い方について紹介があったことです。包帯代わりにもなり、腕を吊るときにも使え、腕と身体を固定するときにも使えるというスグレモノなのですが、風呂敷くらいの大きさのものを、ある仕方でたたんでいくその方法は、実地でやらなかったので、いざというときに応用できるかどうか。

その次は、住んでいる住宅の耐震性が心配な人へ、ということで無料だけれども簡単な自己診断をする方法と、有料ですがより詳しい診断を受ける方法が紹介されました。ときどき、くわせものの業者もいるとのことで、練馬区では専門家のいる相談先として、東京都建築士事務所の地元の支部を紹介してくれました。以上が、体育館を会場に行われたメニューです。

このあとは、暖かい教室に移りました。前半が寒い場所でしたから、後半暖かいところへ移れて正直なところホッとしましたが、もう一つのグループは逆のコースなのでちょっと気の毒な気もしました。そこでのメニューは、自分でできることの一例として、窓や食器棚などのガラスに貼る飛散防止フィルムのデモンストレーションでした。これはボランティアの方々が手順を説明しながら実際に行うところを間近に見られましたので、仮に私が実際にやるとしても、恐らくその手順通りにできると思います。もちろん、このほかに転倒防止器具の説明そのほかがありました。区の職員の方でしたか、大地震が東京都を襲ったときに予想されている死傷者数が出ているが、家具等の防災対策を施すことによって逃げる時間がかせげるようになり、その結果、被害が少なくなるというお話が印象的でした。たしかにこれまでの私は、地震に対する考え方がどこか他人事だったのです。それと、地震が来たらその時の運に任せるという態度が自分のどこかにあり、これでは減らせる被害も減らせません。大がかりなリフォームとなると費用面もバカになりませんが、できることから少しずつ手を打っておくことが、大切なことだとこれまで以上に思い知りました。

そして、今日、転倒防止用具を少々買ってきました。少しずつ手をつけなくては!


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