第92回 : Webギャラリー(2000年12月27日)

今年の夏、東京ステーションギャラリーで行なわれた「マックス・エルンスト展」を見に行きました(「展覧会の絵」第28回参照)。10月になって、あるギャラリーの方がその記事を見つけてくださり、メールをいただきました。そのギャラリーでは、10月のほぼ1ヵ月にわたって”シュルレアリスム Graphic Works展”を開催していて、エルンストも展示に含まれていましたので、案内が来たのです。「ふ〜ん、どこなんだろうな」と思って、場所とギャラリー名を確認。すると、大阪の地下鉄御堂筋線「淀屋橋」で下車する「アート・遊」というギャラリーでした。ありがたい案内には違いありませんが「行けるわけないじゃん」(笑)。しかし、少し先まで読み進んでいくと「ご遠方の方、ご多用の方はどうぞWEBギャラリーにお越しくださいませ」と書かれているではありませんか。

WEBギャラリー!! 
面白そうです。早速、リンクが貼られているURL( http://www.mmjp.or.jp/art-u/index.html )をクリックしました。すると、”シュルレアリスム Graphic Works展”に出品される作品から数点を選んで、Web上で見られるようになっているではありませんか\(^o^)/ くわえて「ベトナム現代アート」とか「暮らしにアートを」、さらにいくつかのコンテンツが用意されていました。これらは、過去の展示から引き継いでいるものかもしれない、私はそう思いました。そこで、その時すぐに、このWebギャラリーのご紹介することをやめて、少し時間をおいて、時々覗いてみることにしたのです。

そもそも、この「アート・遊」はダダ・シュルレアリスムのペーパー・ワークに関しては国内有数(一、ニを争う?)のギャラリーだそうです。また、画廊のHPとしては、先駆け的存在だということも、ギャラリーの方から教えていただきました。HPの作成は、経営者・澤井あいさんの娘さんが手がけ、息子さんが展覧会の企画等にあたる。そして、経営者ご自身は、ひたすら「WEBを徘徊して歓迎されたり、顰蹙をかったりしています」とのことです(笑)。

さて、今回のHPに話を戻しましょう。実は、初めてメールをいただいた10月と、この記事を書いている今とでは、微妙にコンテンツに変化が見られます。まず変化に気付いたのは11月。新しい展示が始まるのにあわせて、そのコンテンツが増強されました。ひょっとすると無くなってしまうのかと心配していた、シュルレアリスムのコンテンツも残っていました。そして、今回。新しいコンテンツとして「ル・コルビュジェ」と「ベン・シャーン」が見出せました。これまでのものは展覧会名などが消えていますが、「主な取扱作家」「シュルレアリスム」などに、うまく整理されています。

こうしたWEBギャラリーは、同時代の作家が生み出した作品と出会うきっかけを作ってくれることがあり、とてもありがたいものだと思います。時々、図書や雑誌に作品が掲載されることもあるのでしょうが、モノクロだったりすると、どうも感じが掴みにくいですよね。その点、HPならば多少画像が小さい場合でも、カラーで見られますし、いいと思います。ときどき、こうしたWEBギャラリーに「出かけてみる」のも、いいものです。


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