原文
She knew Paul was ten but he looked no more than eight. He had the most
beautiful little face she had ever seen in a child . . . features of
exquisite delicacy and refinement, framed in a halo of chestnut curls.
His mouth was delicious, being full without pouting, the crimson lips
just softly touching and curving into finely finished little corners
that narrowly escaped being dimpled. He had a sober, grave, meditative
expression, as if his spirit was much older than his body; but when
Anne smiled softly at him it vanished in a sudden answering smile, which
seemed an illumination of his whole being, as if some lamp had suddenly
kindled into flame inside of him, irradiating him from top to toe. Best
of all, it was involuntary, born of no external effort or motive, but
simply the outflashing of a hidden personality, rare and fine and sweet.
With a quick interchange of smiles Anne and Paul were fast friends
forever before a word had passed between them.
語彙など
- feature of:〜の特徴
- exquisite:優美な,絶妙な
- delicacy:繊細さ
- refinement:上品
- frame:構成する
- halo:後光,神々しさ
- chestnut:栗毛色
- curl:巻き毛
- pout:口をとがらす
- crimson:深紅の
- lip:唇
- curve:曲線を描く
- dimple:えくぼ
- sober:まじめな
- grave:厳粛な,深刻な
- meditative:瞑想にふける
- expression:表情
- vanish:消える
- illumination:照明
- kindle:火をおこす
- flame:炎
- irradiate:照らす
- from top to toe:頭のてっぺんからつま先まで,体中
- best of all:第一に,何よりも
- involuntary:無意識の
- external:外部の
- motive:動機
- flash:きらめく
- personality:個性,人格
- rare:まれな
- fine:素晴らしい
- sweet:魅惑的な,ほれぼれする
- interchange:交換
- fast friend:親友
- forever:永久に
ポールが10歳だとは知っていたが見た目は8歳にもなっていない。その幼い顔はアンがそれまで見た子どものなかでも一番美しかった……繊細さと上品さが絶妙に合わさったその顔を栗毛色の巻き毛が後光のように縁取っている。とがらさなくともふっくらとして触りたくなる口、真っ赤な唇は微かに触れて曲線を描きながら見事な口の端に至るが笑窪ができるほどではない。真面目で厳粛でしかも瞑想にふけって見えるポールの表情からは、体よりもはるかに精神が年齢を重ねているようだった;しかしアンが優しく微笑みかけるとその成熟した表情はアンに返す笑顔の中に一瞬で消えてしまうが、その笑顔はポールの身体全体が輝いているような微笑みだ。まるでポールの中で突然ランプの明りが灯り頭からつま先まで照らしているかのようだ。何よりも良いことはそれが無意識に行われたこと。強制されることも目的があってのことでもなく生まれついてのもの、ただ内に秘めた個性がちらりと姿を現したもので、稀で素晴らしくまた魅力的なものだった。笑顔を素早く交換することで、言葉を交わす前にアンとポールは永遠の親友となった。
ポールが10歳だとは知っていたが見た目は8歳にもなっていない。その幼い顔はアンがそれまで見た子どものなかでも一番美しかった……繊細さと上品さが絶妙に合わさったその顔を栗毛色の巻き毛が後光のように縁取っている。とがらさなくともふっくらとして触りたくなる口、真っ赤な唇は微かに触れて曲線を描きながら見事な口の端に至るが笑窪ができるほどではない。真面目で厳粛でしかも瞑想にふけって見えるポールの表情からは、体よりもはるかに精神が年齢を重ねているようだった;しかしアンが優しく微笑みかけるとその成熟した表情はアンに返す笑顔の中に一瞬で消えてしまうが、その笑顔はポールの身体全体が輝いているような微笑みだ。まるでポールの中で突然ランプの明りが灯り頭からつま先まで照らしているかのようだ。何よりも良いことはそれが無意識に行われたこと。強制されることも目的があってのことでもなく生まれついてのもの、ただ内に秘めた個性がちらりと姿を現したもので、稀で素晴らしくまた魅力的なものだった。笑顔を素早く交換することで、言葉を交わす前にアンとポールは永遠の親友となった。