休日の山歩き 3 丹沢山 Tanzawayama
丹沢主脈縦走 蛭ヶ岳(1673m)、丹沢山(1567m)、塔ノ岳(1491m)
2008年6月28日(土) 
不動ノ峰。今回のコースで唯一、展望が開けた場所。 トップページ 前ページ 次ページ

丹沢主脈縦走('08年)
西丹沢('09年)
丹沢三峰('10年)
丹沢表尾根('11年)
丹沢山山頂下から不動ノ峰を望む
(唯一、展望が開けた場所)

丹沢は、若い頃に大山に登っただけである。身近な山であるし、その核心部分に登ってみたい。登山記録の書き込みを参考に、電車・バス利用の日帰りで北から南への主脈縦走を計画した。梅雨期となり、なかなかチャンスが来なかったが、土曜日は曇りで雨は降らなさそうなので、決行することにした。

(西野々から縦走コースへ)
午前5時に自宅を出発、西武線の1番電車で国分寺に出て、中央線、横浜線で橋本まで。橋本駅北口から6時20分発の三ヶ木行きバスに乗り、終点で月夜野行きのバスに乗り換える。このバスには登山者が数人乗り込んでいたが、最初の登山口となる「焼山登山口」バス停で下車したのは私1人だった。バス停近くにきれいなトイレがある。バス停の先を左に入る車道が焼山への登山口となるが、次の「西野々」バス停が東海自然歩道の入口らしい。

焼山への登山道に合流 焼山への登山道 山ビルに注意の掲示。画像ファイルを保存して拡大して見ていただけます。
焼山への登山道に合流 焼山への登山道 山ビルに注意の掲示
焼山山頂 黍殻山山頂。無人雨量計 黍殻避難小屋
焼山山頂 黍殻山山頂 黍殻避難小屋
姫次
青根からの下部合流点 姫次

7時20分から歩き始めた。ここからゴールである大倉までは、地図のコースタイムでおよそ10時間半である。休憩を含めてその時間内で歩き、午後6時までに大倉バス停に到着することを目標にする。車道は程なく「登山口入口」の看板のある場所で西野々からの道に合流し、東海自然歩道である登山道となる。山ビルに注意の掲示がある。一応、靴に山ビル忌避剤を吹き付け、ポケットに塩をもち、対策は取ってある。まずは焼山を目指す。
今回の荷物は、約30リットルのザックに水3リットル、雨具、着替え一式、食料、さらに使う必然性はないのにガスコンロ、ケトルなどなどで、ずしりと重い。天気は曇り。登山道にもガスが漂ってきた。急坂の連続に一汗かいて、9時ちょうどに焼山山頂に着いた。木立に囲まれており、ちょうど木立の上に立てるような鉄塔があるが、そこからもガスで展望はない。次の黍殻山への取り付きの道は、巻き道と比べかなり急坂だ。山頂はやはり木立の中で、無人雨量計があった。この下りで今日初めて他の登山者(反対方向)と出会った。次の黍殻避難小屋は、登山道から左にそれた草地の奥にあった。さらに高度を稼ぎ、青根からの登山道との上部合流点である八丁坂ノ頭を過ぎた10時40分頃、空腹に耐えかねて、山ビルが出てこないかおびえながらも、道の途中に座りおにぎりを食べた。次の姫次は本来見晴らしの良い所らしいが、ガスの向こうにかすかな山影が見えるだけだった。

(想定外の不調)
ここまで、コースタイムとほぼ同じペースで歩いてきた。ところが、原小屋平を過ぎたあたりで、急坂でもないのに脚がつってしまった。太股が震えている。時間を意識しすぎて速足になったか、荷物も重かったか。11時半、まだ半分も歩いてない。腰掛けて休んでは歩き、しかも、次のコースタイム地点である地蔵平がいつまで歩いても出てこず、どんどん遅れているような気がしてきて、これでは山小屋泊まりもありかと覚悟した。そのうち、木道や木の階段になってきた。特に木の階段はまるで本棚を無造作に横倒しに置いたような感じで、最初の1段の段差が大きく、脚にこたえたが、自然保護のためならばと外さずに歩いた。やがて、見晴らしのある草地の道になり、脚と相談しながら歩くうち、ついに蛭ヶ岳山頂に立つことができた。時に12時40分、コースタイムより20分早い。何とか、ゴールまで歩き通せそうな見通しができた。要は、無理をせずゆっくり歩くのが一番ということか。

原小屋平 展望のある箇所 木道 階段
原小屋平 展望のある箇所 木道 階段
蛭ヶ岳山頂 蛭ヶ岳山荘 丹沢山への道 丹沢山への道
蛭ヶ岳山頂 蛭ヶ岳山荘 丹沢山への道 丹沢山への道

(山頂でも展望なし)
丹沢山系の最高峰、蛭ヶ岳山頂は濃いガスに包まれ、数人の登山者が休んでいた。蛭ヶ岳山荘がひっそりとしていた。先に変なタイミングで食事をしたので、ここでは弁当を半分食べ、取り急ぎ次の丹沢山に向けて、コースタイムよりやや遅れて、笹原の道を降りる。稜線の道は楽だ。やがて丹沢山の山頂に向けて急坂になる頃、ガスが晴れてきて、今歩いてきた峰が見えだした。蛭ヶ岳かと思い写真を撮ったが、位置的に、不動ノ峰であったろう。広い丹沢山山頂では数人の人が休んでおり、みやま山荘とエコトイレがあった。木立もあって特に展望はない。この山頂だけはガスから免れているのだろうか。さっき、山頂下でにわかに晴れてきた時、降りてきた人に、晴れてきましたねと話しかけたが、反応が今一つだったのはそのせいか。
次の塔ノ岳を目指すと、再びガスがかかる。途中、やせ尾根の登山道が流失し、迂回路として作った丸太の道もまた壊れている場所があった。塔ノ岳山頂も深いガスの中で、展望は全くない。尊仏山荘の窓越しに歓談している人々が見えた。ここでは弁当の残り半分と、せっかく持ってきたのだからとガスコンロで湯を沸かし、豚汁を食べた。

鬼ヶ岩 丹沢山への登り 不動ノ峰方向 丹沢山山頂
鬼ヶ岩 丹沢山への登り 不動ノ峰方向 丹沢山山頂
みやま山荘 エコトイレ 丹沢山山頂 丹沢山山頂
みやま山荘 エコトイレ 丹沢山山頂
塔ノ岳への道 塔ノ岳への道 尊仏山荘 塔ノ岳山頂
塔ノ岳への道 塔ノ岳への道 尊仏山荘 塔ノ岳山頂

(大倉に下山)
午後4時05分、コースタイムに遅れること30分余で大倉尾根への下りにかかる。ここは長い。石がごろごろして歩きにくい場所もあるが、地表面が平らで小走りに下りられる所もある。荷も軽くなり、気持ちも軽くなった。若い登山者も結構多い。数人のグループは、ヤビツ峠から登り、塔ノ岳まで行って下りてきたとのことだった。途中、山荘がいくつかあったが、そのうち堀山の家では、宿泊モードに入り談笑する人たちの間を歩き抜けた。
今回は初めての経験となる長い時間を歩き、一時は脚がつってしまったが、どうにか最後までもってくれた。蛭ヶ岳、丹沢山、塔ノ岳とそれぞれ趣のある山頂だったが、展望は全くなかった。それも、展望を楽しんで時間を費やすこともなく効率的に歩けたから、良しとしよう(負け惜しみ)。こんな日でも、蛭ヶ岳以南は結構登山者が多くいるものだ。
大倉バス停に着いたのは午後6時10分、結局、長めの休憩を取った分だけコースタイムより遅れることになった。靴を洗い、汗で濡れた服を着替えていると18時38分のバスが来た。渋沢駅までのそのバスは登山者でほぼ満席だった。渋沢から小田急線、町田から横浜線、中央線と乗り継ぎ、自宅に着いたのは午後9時頃だった。

大倉への道。7kmもある 金冷やし 大倉まで55分とあるが、60分はかかりそうな場所。 大倉
大倉への道 金冷やし 大倉への道 大倉

(参考資料)
山と高原地図「丹沢」(2008年版)

(行程)
7:20焼山登山口→9:00焼山9:13→9:58黍殻山→10:39八丁坂ノ頭(青根上部分岐)→11:05姫次→12:40蛭ヶ岳山頂13:05→14:27丹沢山山頂14:45→15:40塔ノ岳山頂16:06→18:10大倉バス停

(所要時間)10時間50分

2008年7月27日整理、8月30日修正

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