休日の山歩き 20 皇海山 Sukaisan
[北関東] 皇海山(2144m)
松木渓谷から登り、庚申山(1892m)を経て銀山平に下山する周回コース
2009年9月20日(日)〜22日(火)
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鋸山十一峰の一つ(剣ノ山)から
望む皇海山

【皇海山に登る計画】
北関東の名山皇海山に登ろうという計画は、去年の夏から温めていた。当初から、群馬県沼田側の長い林道ドライブは敬遠し、栃木県足尾側の銀山平から往復しようと計画した。ただ、週末の土日で行こうとすると庚申山荘を2日目早朝5時頃にも出発しなければならず、去年の秋深まる頃になり、この計画は封印した。今年の春になり、破線ルートだが、足尾町の松木渓谷から入り、県境主稜線上の国境平に幕営して周回するという案もあるのではと考えながら、計画を練ってきた。そして9月になり、突然やってきた大型5連休、天気も良さそうだし、家族旅行の計画もなく妻の了解が得られたので、ついに計画を実行することにした。

【栃木県側の皇海山登山口・足尾町へ】
5連休の2日目に当たる日曜日早朝5時過ぎ、自宅を出発。まだ寝ている妻に当てて登山計画書を書いてテーブルの上に置いてきたが、これは何かあったときに必要なものだから、妻は登山計画書の中身に目を通すこともなく、私が予定どおり帰宅してその役目を終えるのが常だ。
今回の計画は、1日目、足尾町の銅(あかがね)親水公園に駐車し、松木渓谷を歩き、モミジ尾根を詰めて県境主稜線上の国境平に幕営。2日目、皇海山に登頂し、鋸山、庚申山を経て銀山平に下山し、近道の林道を歩いて親水公園まで戻り、車で帰宅するというもの。コースタイムは1日目6時間余り、2日目12時間半程度になる。
所沢ICから関越道に入って間もなく、6時過ぎに早くも下り線の渋滞が始まったが、1日目の行程は長くないから、平気だった。川越の辺りで左の車窓に富士山が望めたから、秋らしく空気が澄み、特別に天気の良い日だと思われた。北関東道・伊勢崎ICを下りてしばらくすると、国道は渡良瀬川とわたらせ渓谷鉄道と並んで北上し、県境を越えるともう日光市足尾町だ。国道と分かれ、かつて銅山で栄えた街並みを抜けると目的地、銅親水公園だ。駐車場は川岸の上に作られた立派なもので、橋を渡った先の砂防ダムの下がきれいな公園になっている。周囲の山の斜面は緑化事業が行われている。

【松木渓谷を詰める】
9時45分、駐車場から歩き始めると、渡良瀬川源流の碑があり、その先が車止めのゲートで、緑化工事の関係車両以外は通行止めになっている。ここは3つの川が合流する場所になっており、そのうちの松木川に沿って、右側(左岸)を歩く。相当以前から大規模に続いていると思われる緑化工事の一方で、松木集落跡の付近では、今年5月の表示のある新しい説明板や苗木の植樹の記念碑などがあり、そのNPO関係者と思われる人たちや車がいた。その先にも車止めのゲートがあり、右から大ナギ沢が合流している。ここから先もガードレールがあるからかつては車道として使っていたと思われるが、右手から大量の岩石が流れてきて道路をふさいだり、大変荒れている。松木川の流れはさして急流ではないが、いくつもの堰堤が築かれている。対岸の山は険しい岩壁になっている。この途中で石に腰掛けコンビニ弁当を食べた。その先の3段ほどもある高い堰堤では、川の水がほとんど流れていない。堰堤の先では河原が道のすぐ下まで上がってきて、ここから踏み跡に従って河原に下りる。ここに、わずかの水が河原の砂に潜り込んで流れが消える場所があった。対岸はウメコバ沢で、岩壁が深く切れ込んでいる。ここで初めて、川の左側(右岸)に渡り、以後左右の渡渉を繰り返すようになった。水量も先ほどより増えてきた。遺棄された重機があり、その先の高い堰堤はどうやって越えるか思案したが、右手にロープが垂らされており、それを頼りに1段上がると、それより上の段は上り下り用のステップが付いていた。平成6年完成の6号ダムと示す石碑があった。その先で右から三沢、小足沢の2つの沢が合流した。ここで、登山靴から運動靴に履き替えた。滑りやすい石伝いに歩くより、膝下ほどの水をジャブジャブかき分けて歩く方が楽だ。やがて右側の岸から正面の谷間に皇海山と思われる山が見えた。

追記・訂正(2014/9/14)
以下の本文で、「モミジ尾根を登り国境平に達した」旨書いておりますが、間違いでした。
実際は、ニゴリ沢と出合うより手前の地点で右側(松木沢左岸)の尾根に取り付き、この尾根を登って、国境平の北側の白砂台地で稜線に上がったのです。

松木沢、両岸とも切り立った岩で水深があり、
もう先へ進めないと判断した場所
稜線に上がった砂地の広い場所(白砂台地)
から、北側の日向山を望む

【モミジ尾根から県境主稜線へ】
その先で、両岸とも切り立った岩で水深があり、もう先へ進めない場所になった。その少し手前の右の斜面の木の枝に赤テープが巻かれているので、どうやらモミジ尾根の取り付きに達したことを知った。時々地図で現在位置を確認しながら来たつもりなのに、左から合流する沢があると思っただけで、気付かないままニゴリ沢の側に進んで来たらしい。ともかく、登山靴に履き替え、午後2時過ぎ、急斜面の登りに取りかかった。解説書に言われている、ジグザグの踏み跡や木に付けられた標識も見当たらず、不安になって元の場所に戻ったりした。急斜面を少し登ると尾根の中心線が分かる場所になったので、その筋を外さないように登ることにした。踏み跡も分かるようになった。途中、尾根筋を土砂が流れて木が生えていないために白い砂地がむき出しの場所があり、周りの展望が開けたが、それ以外は木立の中の歩きだ。やがて登りが緩やかになり小さいピークがあり、踏み跡や標識に関わらず、ひたすら尾根筋をたどるようにして登っていった。

松木川 岩石でふさがれた道路と、堰堤 河原に下りた付近。水流がない
松木川 岩石でふさがれた道路と、堰堤 河原に下りた付近。水流がない
靴を履き替えた付近 モミジ尾根の取り付き モミジ尾根
靴を履き替えた付近 モミジ尾根の取り付き モミジ尾根

【尾根上で一夜を過ごす】
やがて、樹林の斜面をトラバースして、稜線に上がったのかなと思われる場所になった。木立に囲まれているが少し開けた場所があるので、国境平かと思った。稜線上を左にさらに登ると小さなピークがあるほか同じような開けた場所はなく、逆に稜線上の右側は急な下りで確かめに行く気にもならず、元の開けた場所を国境平と考えて幕営することに決めた。時刻は4時半だ。今日は大ナギ沢のゲートよりこの方誰にも人に会わず、初めての場所でたった一人で過ごすことになった。早速水場を探したが、開けた場所の周りは草や木が茂り、余り遠くへ行ける状況でなく、水場探しは断念した。今回、水は3.5L携行したが、夕食前の時点で1.5L消費し残りは2Lポリタンク1つ分だけで、どこまでもつか不安を抱えることになった。アルファ米で夕食を取り、水の残りは1.3Lになった。空は晴れているが、木の葉の間から切れ切れに夜空が見えるだけで、星は見えない。防寒着を着てテントの中で消灯し、この先無事に帰れるかどうか、大きな不安が襲った。十分な調べもせずにたった一人で初めての場所に来た自分が愚かだったと思った。
夜半過ぎ、かん高い動物の鳴き声がした。鹿かと思った。「フィーョ」と繰り返し、真っ暗闇の中でも当方のテントが見えるのか、少し遠巻きに警戒しているようだ。もっと近づいてきたらテントの中からライトを点けて威嚇しようかとも思ったが、それ以上近づいてこないので、じっと過ごした。熊は夜行性でないから襲ってこないだろうと思っていたが、鹿が夜行性だとは知らなかった。午前3時、別の方向から再び鹿の鳴き声がした。鳴き方からして先ほどより若い鹿かなと思った。早く夜が明けてほしいと思った。午前4時に起床。まだ暗く、テントの中でライトを点けると先ほどの若い方と思われる鹿が先ほどとは逆方向で鳴いたので、ずっと周辺にいたようだ。空腹感がなく、水の節約のため朝食は作らなくても良いと考えたので、余りすることもなく、明るくなるのを待った。

【2日目の行動開始】
5時40分頃、木漏れ日が差し始め、テントを畳んで6時に出発した。すぐに昨日のピークに達し、防寒着を脱ぎ、菓子パンを1個食べた。その先で細い尾根になり、笹の広い斜面を斜めに登り詰めると、砂地の広い場所に出た。なんと、ここが両毛国境の主稜線で、昨日幕営した場所は、まだモミジ尾根の途中のどこかだったのだ。右手の山からラジオの音がし、人の気配がある。左手前方には皇海山が聳え、笹原の中、木の幹に短い間隔で赤や黄の金属板が打ち付けられており、その先に「国境平」「水」と刻まれた板があり、焚き火の跡もあり、ここが本当の国境平と知った。水にありつけると喜んで、バックパックを下ろし群馬県側に歩いてみたが、草が深く容易に水場が分からない。とりあえず元の場所に戻ろうとすると、主稜線のだいぶ皇海山寄りに出た。折しも若い男性3人がテントを撤収し出発するところだった。水場のことを聞くと、昨日はモミジ尾根から登ったが、ここの水場は分かりにくいから探さなかったと言い、今日は白根山に向け縦走すると言う。この人たちと分かれ再度水場探しに出たが、結局分からなかった。

幕営地の夜明け 国境平 国境平から皇海山を目指す笹の道
幕営地の夜明け 国境平 国境平から皇海山を目指す笹の道
国境平から皇海山を見上げる
国境平付近から皇海山を見上げる。左裾に鋸山が見える

【皇海山を目指して登る】
再び水不足の不安を抱えながら、ここを出発した。時は午前7時40分。今日の日程は6時に国境平発と組んであるから、既にそれだけの遅れだ。抜けるような青空の下、前方に聳える皇海山は幾筋かの深い切れ込みがあり、急な斜面を見せつけており、あんな所が本当に登れるのだろうかと思う。道は濃い笹原から次に樹林の急登になるが、踏み跡が分からない所では木に打たれた目印の板を探し、ほぼ間違いなく歩くことができる。木が倒れたりして金属板の間隔が空くところは、テープもあった。やがてシャクナゲの葉が密生する尾根に出て、左に折れ、再び林の急坂を登り、通行止めのロープをまたいで9時50分、皇海山山頂に着いた。

【皇海山山頂の賑わい】
さして広くない山頂は老若男女で混んでおり、この一角にバックパックを下ろし、気持ちはほっとする一方、しばらくは疲れてものも言えず荒い息を整えた。そのうち男性2人とどこから来たという話をし、余裕の水があれば欲しいと言うと、自分も水がなくなった経験があるなどと話し0.7L程分けてくれたので、ひとまず安堵した。また、新鮮なトマトもいただいた。栄養補給のための菓子パンは、のどに押し込むには相当の水も必要なので、山頂までの登りで1個の半分、山頂で1個だけ食べた。
国境平から山頂へはコースタイムで1時間半だが、背負い荷物のせいもあってか2時間以上かかった。自宅の妻には今日中に帰宅する計画で置いてきたが、庚申山荘にもう1泊することも考え、電話する必要があった。携帯電話は山頂でも圏外で、このことについて若い男性らと話すと、1人だけ3本立ってると言う人がおり、またこの下の不動沢に下りる所で電波が通じるかもしれないと言う人がいたので、それに期待することにした。山頂は木立であまり展望が良くないが、広葉樹の一部は紅葉しており、近々きれいな紅葉に包まれるだろうと思われた。登ってきた国境平の方向を最後に振り返り、10時半、庚申山の方向に下山を開始した。

皇海山山頂 不動沢のコルから鋸山を見上げる 鋸山山頂
皇海山山頂 不動沢のコルから鋸山を見上げる 鋸山山頂
鋸山から皇海山を望む 鋸山から皇海山の右に連なる山並みを望む
鋸山から皇海山を望む 鋸山から皇海山の右に連なる山並みを望む
左から錫ヶ岳、日光白根山、太郎山、男体山
右に松木沢を見下ろす

【鋸山へ】
山頂下の大きな剣に「庚申二柱大神」のように書かれていた。庚申山の信仰からは皇海山も後背の山に過ぎないのか。急な樹林の歩きで下り着いた不動沢のコルで、またも荒い息を整えた。どうも水を節約しているせいか、疲れやすい。期待した携帯電話はここでも通じなかった。前方左手の立木の上に鋸山の尖った三角の山体が見える。皇海山山頂でも一緒だった若い男性3人組は、ここで不動沢から皇海橋に下りるつもりだったが、鋸山から戻ってきた人がおもしろかったと言ったので、結局鋸山に登ることにし、登りの途中で私を追い抜いて行った。コルから鋸山への登りは、中間のピークを挟んで後半に険しい岩場や鎖場があり、大岩の通過で左上のロープを見落として右下に進んでしまった所があり、また逆向きの場合に黄色いテープを見落として間違えそうな所もあった。たどり着いた鋸山山頂は、細長い砂地の場所で、皇海山の勇姿が望めるほか、庚申山までの峰々の連なりも見える。またここは、ここを最後に不動沢へ下る人や、庚申山を経て皇海山に達し下山路は六林班峠を経る人など、思い思いのコースをたどる人たちが交差する場所だ。鋸山十一峰の岩場の様子とか、六林班コースの笹藪の深さとか、いろんな情報が交換された。私はここでも座り込んで菓子パンを食べ、水の残りが皇海山でもらった最後の0.7Lになったことを確認し、不動沢に下りる3人組と分かれ、12時半、庚申山を目指して歩き始めた。妻への連絡が気がかりだったが、庚申山荘に着けば何とかなるだろうと思った。

【鋸山十一峰と庚申山を経て庚申山荘へ】
この先は深く切れた鞍部や長い鎖・ロープ・梯子をたどる上り下りの岩場が連続し、一つ一つのピークでは皇海山の素晴らしい姿も望めた(このページ冒頭の写真)。私の足取りは大変重く、小休止を頻繁に繰り返した。やがて岩場を脱し笹原のアップダウンになり、好展望地で皇海山を振り返ると山頂に雲が掛かっている。その先に木立に囲まれた庚申山の山頂があり、素通りしたが、少し気が楽になった。その先は複雑な地形の下りが続いたが、梯子の長さもかわいいものだと思えるようになった。お山巡りの分岐の先で少し間違えた。庚申山荘まであとわずかかと思える頃、ついに水がなくなったが、思いがけず地図にも表示されていない水場があり、一気に500ccほど飲んで、生き返った。庚申山荘には午後4時半に着いた。

鋸山から鋸山十一峰と庚申山(後方右)を望む 庚申山山頂
鋸山から鋸山十一峰と庚申山(後方右)を望む 庚申山山頂
庚申山荘 古河橋 銅親水公園
庚申山荘 古河橋 銅親水公園

【庚申山荘での一夜】
立派な建物に入ると管理人も登山者もいず、数人分の荷物があるだけだ。ここでも電話が通じず、さらに下ることも考えたが、銀山平までは山道1時間弱と林道1時間なので、暗い山道歩きが頭をよぎり、泊まることに決めた。料金2千円を納め、外のテーブルで夕食の支度などしていると、荷物を置いていた男女5人のグループが帰ってきた。昨夜も泊まり、今朝から庚申山、皇海山、六林班と回ってきたそうで、みな楽しそうにしていた。次に男性1人が到着し、昨日間藤駅から松木沢に入り、ニゴリ沢に幕営し、今日皇海山、庚申山と歩いてきたそうだ。私の後を追いかけてきたことになるが、今日モミジ尾根の登りから歩き始めてここまで着いたということは、ちょっと速い。
山荘の向かって右手にバイオトイレがあるが、不心得者が異物を捨てたため故障したとして、管理人が閉鎖したらしい。昨日は使えたそうで、皆トイレの使えない山小屋なんてと不平を言いながら、山荘周辺で用を足した。山荘の中はきれいで、向かって右手に炊事場があり、宿泊室をはさんで左手に食堂があり、食堂の一画が神殿になっており、昨日は祝詞をあげていたそうだ。5人組が食事をした後に我々単独2人も懇談に入れてもらった。電気がないのでローソクとヘッドランプが頼りだ。5人組は関西から来ており、リーダー格の男性が仕事で毎月一定の日数東京に来ているので、皆を案内して来たとのこと。5人のうち女性2人は百名山を達成しているとか、また11月に宮之浦岳登山を計画しているとか、すごい人たちだと思った。また男性単独者は九州から現在東京に単身赴任中とのことで、これまた相当の登山歴のある人だ。楽しい一時を過ごした。
夕方、まだ暗くなる前だったが、山荘の周りで鹿が鳴いていた。昨夜、全く違う状況で怖い思いで聞いたのと同じ鳴き声だ。山荘では前夜も鹿が出ていたそうで、暗闇で目が青く光るそうだ。

【3日目の朝下山】
翌朝は5時に起床し、登山計画を1日延ばしたので家族が心配しているかも知れないから早く下山すると理由を言って、6時に6人と別れ出発した。山道を下り、7時少し前に一の鳥居を通過し、砂利の林道を歩いていると、7時10分に携帯電話が通話可能になったので、妻に電話すると、私の無事を知って電話の向こうでわっと泣き出した。心配かけてごめんと詫びた。登山計画どおりに昨夜帰ってこないので、転落でもしたのではないかと心配し、今朝早く、東京の地元の警察に捜索願を出し、警察署にいるところだった。(ちょうどクレヨンしんちゃんの作者が荒船山のトモ岩で転落死したところだった。)その後、その警察署の人と電話で話をし、こちらから栃木県日光署に電話して話をし、7時50分過ぎに銀山平の上の車止めゲートで、現地確認に来ていた足尾交番の警察官と会って話をした。
後は気が楽になり、銀山平に下りずに舟石林道に入り、道路脇の水場で水を補給し、備前楯山登山口までは登り、その先は下りで、足尾銅山の関係施設を見ながら歩き、古河橋を渡って川沿いに歩き、9時半に銅親水公園の駐車場に着いた。庚申山荘を出発してから3時間半、水もちょうど1L飲んだ。この時間分だけ、計画の2日目からはみ出して3日目になったのだ。初めから3日にしておけばよかった。
駐車場を10時に出発し、往路と同じ道をたどったが、この時間帯には高速道路の上り線の渋滞が全くなく快適に走行し、所沢で下りてから普段どおりの渋滞に遭い、午後1時半に自宅に着いた。

【たくさんの反省点】
今回はこれまで経験したことのない大変な山行になった。山中からの電話連絡については、後から思ったことだが、皇海山山頂で3本立ってる人からすぐに借りて連絡すればよかった。また、群馬県沼田側に下山する人に、自宅に電話するよう頼むという妙手があり、鋸山がラストチャンスだったが、全く思いが及ばなかった。水不足に関しては、もっと多くの人から水をもらうこともできたし、自力で対応するなら、不動沢に下って水場を往復するという手もあったのではないかと思う。水を節約してチビチビ飲むことにより疲労が快復せず蓄積したのではないか。行動食の菓子パンも、鋸山で1個食べたのを最後に庚申山荘まで4時間も何も食べておらず、空腹感がわかず何も食べないことでさらに疲労したのかも知れない。
テント泊の重荷を背負っての歩きではコースタイムより多めに時間がかかることは、既に経験済みだから、計画を立てるときに考慮すべきだった。そして何より、モミジ尾根付近で不安な一夜を過ごしたことについては、事前の詰めが甘く、未経験の山域の破線ルートに一人で挑戦した無謀さに尽きるが、ともかく一度経験したので、今度は別の機会に、両毛国境主稜線の山歩きを楽しんでみたいと思う。
地図

【行程】
9月20日(日)
5:24自宅発⇒6:02関越道・所沢IC入る⇒7:58北関東道・伊勢崎IC出る⇒9:16足尾町・銅(あかがね)親水公園着

9:45銅親水公園駐車場→松木沢へ→10:32ゲート・大ナギ沢出会→11:17昼食11:37→11:59河原に下りる→12:04ウメコバ沢出会・初めて渡渉→12:166号ダム12:25→12:28三沢出会→12:33靴履き替え12:44→13:42モミジ尾根取り付き14:08→15:49尾根上の開けた場所→16:10ピーク・戻る→16:35元の開けた場所(17:02テント設営了)
歩行時間 6時間50分、標高差 親水公園約740m→尾根上約1600m=+約860m
水消費 当初3.5L持参、歩行中1.5L、幕営中1.0L消費

9月21日(月)
尾根上(4:00起床)6:08→6:20昨日のピーク6:33→6:50主稜線上の砂地6:57→7:02国境平(水場探し)7:40→9:22シャクナゲの尾根→9:51皇海山山頂10:29→11:05不動沢コル11:22→12:07鋸山12:30→鋸山十一峰→15:12庚申山→16:31庚申山・六林班峠分岐→16:34庚申山荘
歩行時間 10時間26分、標高差 尾根上約1600m→皇海山2144m→庚申山荘1490m=+約544m−654m
歩行中水消費 節約して1.7L、最後の水場で0.5L

9月22日(火)
庚申山荘(5:00起床)6:03→6:56一の鳥居→林道→7:55銀山平ゲート→舟石林道→9:13古河橋→9:35銅親水公園駐車場
歩行時間 3時間32分、標高差 庚申山荘1490m→親水公園約740m=−約750m
歩行中水消費1.0L

9:58銅親水公園発⇒11:15北関東道・伊勢崎IC入る⇒12:22関越道・所沢IC出る⇒13:31自宅着

【参考資料】
山と高原地図「日光」(2008年版)(ただし皇海山に関してはコースタイムのみでコース解説なし)、関東の山あるき100選(昭文社1998年)、関東の日帰りの山ベスト100(実業之日本社2007年)、
「皇海山と足尾山塊」(http://hakusan.outdoor.cc/SAMPLE/sukaisan.html)

2009/9/27整理

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