休日の山歩き 19 霧ヶ峰、美ヶ原 Kirigamine, Utsukushigahara
[長野] 霧ヶ峰・車山(1925m)、美ヶ原・王ヶ頭(2034m)
2009年9月6日(日)
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美ヶ原
美しの塔と王ヶ頭

【かつての同僚と、楽に登れる山へ】
9月最初の週末、かつて同僚で広島で一緒に山歩きをしたyooさんが出張で上京するのに合わせて、一緒に山に出かけることになった。yooさんは脚の手術をしてリハビリを重ねており、その仕上がり具合を試す目的があったから、車で行けて暑くなく楽に歩ける山、ということで、霧ヶ峰と美ヶ原を選んだ。
日曜日の早朝に車で自宅を出発し、JR中央線の西国分寺駅でyooさんを乗せ、国立府中インターから中央道に入り、下り車線の渋滞もまだ心配なく150km余り順調に走行し、諏訪インターで降りた。まずは、ビーナスライン、国道152号(大門街道)、再びビーナスラインで、道路標識の「車山高原」の指示を頼りに霧ヶ峰を目指す。
今回の2つの山域はどちらもビーナスラインなどの道路によるアクセスがよく、観光地になっている。ただ、駐車場発着でまともに歩こうとすれば3〜4時間のコースも組めるので、1日で両方歩くのは大変だ。私は両方の山域とも歩くのは初めてだが、yooさんは両方とも既に歩いたことがある。そのうち、霧ヶ峰は中年登山者のグループを引率して大変だったそうで、また、美ヶ原はなぜか気ぜわしい人と一緒で最高地点の王ヶ頭を踏んでなかったそうだ。そこで、今回は、霧ヶ峰を簡単に、美ヶ原に時間をかけて、歩くことになった。
また私は新しいデジタルカメラを購入したので、その撮り下ろしの目的もあった。

【霧ヶ峰高原】
車は順調に走り、車山高原に入ったが、なお快適な道を登り、午前8時半、目的地の車山肩の駐車場に着いた。天気は良く、高原の空気は爽やかだが、ここへ来て雲が多くなった。広い駐車場には既に相当数の車が止まっているものの、人は少ない。身支度をして駐車場の様子を伺うと、レストランが開店するまでは使えるトイレがないことにちょっと驚いたが、石ころの多い広い道を山頂に向けて歩き出した。登るにつれて緩やかな丘や湿原からなる霧ヶ峰高原が眼下に広がってくる。こちら側から登る人は他にほとんどいなかったが、やがて気象レーダードームのある車山山頂に着くと、多くの観光客がいた。広い山頂には、木道の先に祠があり、その先にスキーリフトがある。多くの観光客はこちら側から登ってきたのだ。山麓には白樺湖も見える。

車山山頂 車山山頂 車山山頂
車山山頂から草原を見渡す 車山山頂 車山山頂
車山山頂を望む 蝶々深山を望む 蝶々深山
草原から望む車山 前方に蝶々深山を望む 蝶々深山

この山頂からリフトの左側の急な階段を下り、車山乗越を経て草原の中の道になった。この先の八島ヶ原湿原を周回すると十分な歩きになるが、後の日程も考え早々に駐車場に戻ることになった。ただ、前方に蝶々深山の緩い丘が見え、その上に立つと展望が良さそうなので、yooさんを先に駐車場に向かわせ私だけ足早にそこへ往復することにした。蝶々深山は広い石ころの原で、前方に八島ヶ原湿原が見えた。人々が三々五々憩っていたが、私は一回りし景色を見て元の道を戻った。
車山肩に登り着きyooさんと合流すると、日差しが強くなっており、辺りは多くの人で賑わっている。滞在時間は2時間ばかり、満足感を感じる歩きではないが、早々に車に乗り込み、次の目的地、美ヶ原に向かった。途中、グライダー滑走路の近くと八島ヶ原湿原の近くが多くの人や車で賑わっていた。

八島ヶ原湿原 車山肩
蝶々深山から望む八島ヶ原湿原 車山肩
ハクサンフウロ マツムシソウ トリカブト
ハクサンフウロ マツムシソウ トリカブト

【美ヶ原高原】
ビーナスラインを走ること40分で、11時半、美ヶ原高原の山本小屋に着いた。駐車場は満車だが、タイミング良く入れた。多くの観光の人と一緒に砂利の車道を歩き出す。道の両側は牧場で、草をはむ牛の群が見え、右手には電波塔が林立する丘が見える。美しの塔で昼食にし、コンビニの弁当に、ガスコンロで作ったラーメンを分け合って食べた。

美しの塔 牛 牧柵
美しの塔 牛のいる風景 王ヶ頭に向かう
王ヶ頭 王ヶ鼻 王ヶ鼻
王ヶ頭 王ヶ鼻 王ヶ鼻から松本の街を望む

再び牧柵の道を歩き、最後の緩やかな登りで、今日の最高峰、王ヶ頭に着いた。ホテルや電波塔の奥に、石の山頂標識と三角点がある。次の王ヶ鼻へは、そのまま険しい道を通っても行けそうに見えるが、標識に従ってホテルまで戻って車道を進み、右に自然保護センターの駐車場を見下ろしながら歩き、白い御影石の山頂標識のある王ヶ鼻に着いた。ここからの展望は素晴らしい。前方の谷間に松本の街が見え、その奥には北アルプスの山並みが広がっているはずだが、残念ながら厚い雲に被われている。こっちが2000m、あっちが3000mだから、見上げるような位置に微かに山並みらしいものが見えるだけだ。王ヶ頭の方向を振り返ると、ここまで草原の平坦な台地上を歩いてきたが、その南側は険しく切れ落ちた崖であることがわかる。麓のキャンプ場などがある場所から台地の上までは、標高差500mの登山道が何本か引かれているようだ。
王ヶ鼻で展望を楽しんだ後、元の道を戻った。yooさんは美ヶ原の最高点を踏む宿願を果たし、脚の快復も順調で、満足そうだった。山本小屋の駐車場に戻り、疲れたと言うyooさんを置いて私だけ牛伏山に駆け登った。牧場を横切って柵の中を登ると、草原の台地が一望できた。
高低差はなかったものの、十分歩いたと思えるコースだった。なお、トイレは山本小屋の売店と王ヶ頭のホテルで利用したが、どちらも有料だった。

台地の南側の崖 牛伏山 山本小屋・ふる里館
台地の南側の崖 牛伏山 山本小屋・ふる里館
ナデシコ ウメバチソウ マツムシソウ

【帰路は渋滞】
午後3時半、早めに帰路に就くことにし、駐車場を出発し、ビーナスラインを戻り、和田峠から下諏訪に下る道に移り、諏訪湖畔に沿って甲州街道を通り、朝と同じ諏訪インターから中央道に上がった。八ヶ岳パーキングで休憩した後、午後6時頃、大月の手前で渋滞に突入し、約30km、通過に3時間ということだったが、後半やや速まり、8時半前には都県境のトンネルを通過し、9時過ぎに西国分寺駅でyooさんを下ろし、帰宅した。

【行程】
自宅発⇒西国分寺駅5:55⇒中央道(6:13頃国立IC〜150km余〜7:45諏訪IC)⇒ビーナスライン・大門街道・ビーナスライン(計約30km)⇒8:28車山肩駐車場

車山肩8:44→9:12車山山頂9:25→リフト山頂駅9:35→9:47車山乗越→9:49分岐(10:03蝶々深山・往復)10:19→10:34車山肩
高低差 車山肩1800m←→車山山頂1925m=±125m
歩行時間 1時間50分

車山肩10:55発⇒ビーナスライン(約30km)⇒11:35美ヶ原・山本小屋駐車場

山本小屋11:40→11:52美しの塔(昼食)12:30→12:38塩くれ場→13:05王ヶ頭13:11→13:32王ヶ鼻13:52→14:17王ヶ頭→14:41塩くれ場→14:47美しの塔→14:58山本小屋(15:07牛伏山・往復)15:18
高低差 山本小屋1940m←→王ヶ頭2034m=±94m
歩行時間 3時間38分(休憩38分含む)

山本小屋15:36発⇒ビーナスライン・和田峠・下諏訪(計約43km)⇒中央道(16:47諏訪IC〜渋滞30km・2時間20分程度〜146km〜20:38八王子IC)⇒21:18西国分寺駅⇒自宅着

【参考資料】
山と高原地図「八ヶ岳」(2009年版)、日本百名山を登る・下(昭文社2003年)

2009/9/13整理

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