休日の山歩き 27 男体山 Nantaisan
[北関東] 男体山 (2484m) 二荒山神社〜山頂〜志津乗越
2010年10月17日(日)
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男体山山頂から中禅寺湖を望む

【中禅寺湖から男体山に登る】
過ごし易い秋になった。週間天気では、土曜日は晴れ、日曜日は曇りだが、関東北部の方が南部より天気が良さそうだ。奥日光の山はまだ行ったことがないので、男体山を目指すことにした。二荒山神社から中禅寺湖を見下ろしながら登るのが一般的なのだろうが、裏側の志津乗越からのコースも歩いてみたい。そこで、戦場ヶ原の三本松茶屋に車を停め、バスで二荒山神社まで移動して男体山に登山し、下山は志津乗越から長い林道を歩いて三本松まで戻る周回コースをとることにした。コースタイムに休憩を含め歩行時間約8時間と見積もり、バスは1時間に1本程度しかないので、7時台の朝1番のバスを目指して、早朝に出発することにした。

【奥日光・二荒山神社の登山口へ】
日曜日の朝、自宅近くのコンビニで食料を買い出し、午前4時に木更津を出発。首都高湾岸線の葛西から中央環状線を経由し、東北道を順調に北上し、日光宇都宮道路で午前7時頃を迎えたが、紅葉の時期とあって車の出が多く、清滝出口の手前から渋滞が始まり、第2いろは坂の登りはスムーズだったが中善寺温泉手前でまた渋滞し、三本松茶屋に着いた時は8時を回っていた。
まだ早い時間なのに既に多くの車と観光客が出ている。登山の支度をし、戦場ヶ原を一望した後、朝2番の8時40分のバスを待つ。しかしバスは渋滞の影響を受けて遅れており、ただ1人バスを待ち、ようやく40分遅れで8割ほどの客を乗せてバスが来た。20分余で二荒山神社に着きバスを降りた。

三本松茶屋から男体山を望む 三本松バス停 二荒山神社登拝口
三本松茶屋から男体山を望む 三本松バス停 二荒山神社登拝口

【男体山への登山道】
境内は参拝者が多いが、登山者は時間も遅いためか私1人だ。入山料(登拝料)500円を納め、9時50分過ぎ登り始める。当初の予定より2時間近い遅れになり、下山が夕方6時近くにもなる計算だが、林道歩きだから暗くなっても大丈夫と考えた。
この神社にとっては山全体がご神体であり、敬虔な気持ちで登るようにとか諸注意がある。登山道は樹林帯の笹原をぬって延び、各合目の表示が石に刻まれている。歩き始めて程なく上着を脱いでシャツだけになり、三合目からの林道歩きを経て、四合目から再び樹林帯の笹原を登る。天気は雲が多いが薄日も差し、悪くはない。樹間から中禅寺湖が見下ろせるようになり、気分がよい。真っ赤に紅葉した木も見られた。多くの人が歩く登山道だが、各地でクマの出没が伝えられているので、クマ除けのベルを付けた。
道はほぼ直登で、かつアップダウンのない登り一辺倒の急登だが、効率が良いとも言える。私の荷物はデイパック一つで、暑さがなくなったため歩き易く、長い休憩を取ることもなくイーブンペースで登った。若者が2組ほど快調なペースで追い抜いて行ったが、途中でスピードダウンしこちらが抜き返すことになった。
八合目からは傾斜が緩くなり、赤い火山性の地面を踏んで、午後12時40分、神社から3時間弱で山頂に着いた。

一合目 四合目 紅葉
一合目 立派な石の標識 四合目 鳥居から樹林帯に入る 紅葉
中禅寺湖を望む 九合目
五合目付近から中禅寺湖を望む 九合目 階段

【男体山山頂で】
男体山山頂からは中禅寺湖の穏やかな水面が見下ろせる(冒頭の写真)ほか、周囲の山々が見渡せる。山頂は細長く、南側には二荒山神社奥宮の建物、雲に乗った大神の像、方位盤、鐘などがある。山頂から西側に下がった所に祠が見えるが、大分下がっており、行かなかった。何組かの登山者が静かに憩っており、私も昼食にした。一方、山頂の北側には、岩がせり上がっており、その上に、磨かれたご神体らしい置物や、天を向いた鉄剣、それに三角点がある。この北側から山頂に登ってくる人も多い。

山頂 二荒山大神の像 山頂 二荒山神社奥宮 山頂から日光白根山を望む
二荒山大神の像 二荒山神社奥宮 山頂から下がった所に祠 奥は日光白根山
山頂 山頂 山頂
鐘 奧に三角点のある岩 ご神体らしい置物 左奥に鉄剣 鉄剣 三角点より2m位高い所に立つ
山頂から北を望む
山頂から北を望む

【志津乗越へ下山】
午後1時40分、山頂から北側の志津乗越に向けて下山を始める。しばらく赤土の稜線歩きになり、振り返ると、右手(西側)に大きく爆裂火口が広がり、その先に山頂の建物や鉄剣が見える。今歩いてきた稜線は噴火口の縁だったのだ。やがて樹林帯の急坂を下る。この時間は登りの登山者と1組出会っただけで、静かな歩きになった。登山道の片側が大きく崩れている所もある。各合目の表示はこちらでは丸太に刻まれている。
一合目まで下りるとほぼ平坦になり、二荒山神社志津宮と志津避難小屋が向かい合って立っている。ここの解説板には、志津は男体山の表登山道の五合目と同じ高さにあり、ここから男体山・太郎山・大真名子山への登山が最も容易で、日光連山の中心地、とある。なるほど、このコースは、専ら下山路、又は車利用の場合の手軽な登山路などではなく、由緒ある登山路ということか。
避難小屋の裏手を進むと道に出合い、左に行くと舗装された林道に出合い、ここが志津乗越で、大真名子山への登山道も始まっている。車が数台停まっており、帰り支度をしている人もいる。3時15分、山頂からここまでは1時間半余だ。

爆裂火口と山頂 二合目 志津避難小屋
爆裂火口と山頂 二合目 奧に堰堤 志津避難小屋
志津乗越 裏男体林道 三本松茶屋から男体山を望む
志津乗越 右奥に大真名子山 裏男体林道 三本松茶屋から男体山を望む

【林道歩き】
ここから裏男体林道の長い車道歩きを始める。左手に男体山を見ながら下り、太郎山への林道が右から合流し、鮮やかな紅葉を見ながら歩くうち、2〜3台の車が下りて行った。その次の1台の車が止まり、戦場ヶ原まで乗っていくかと誘ってくれたので、喜んで乗せてもらった。4時10分、林道歩きの真中位だ。車の主は愛知県から来られているご夫婦で、先年男体山に登り、車で林道に入るのが楽と目を付け、今回は太郎山に登って来たそうで、これから愛知県まで帰られるそうだ。楽しく話すうち三本松茶屋に着き、ご夫婦と別れ、自分の車に戻った。周辺にはまだ観光客も多く、駐車場の向こうに男体山が夕日で黄色く染まって美しかった。自分もこれまで林道を歩く人を顧みず走り去っていたが、これからは乗せてあげるようにしようと思った。

【帰路】
午後5時、駐車場を出発、帰路に就く。すぐ渋滞が始まり、中善寺温泉まで既に1時間かかり、その先も第1いろは坂を下りきるまで渋滞気味だったが、日光宇都宮道路から円滑に流れ始め、東北道は車の量が多かったが大体順調だった。首都高は辰巳から湾岸線西行きに入り、アクアラインを経由し、木更津に午後10時前に着いた。

【行程】
4:00頃木更津発⇒東関東道⇒首都高・湾岸線葛西から中央環状線⇒東北道⇒6:40頃宇都宮IC⇒日光宇都宮道路・7:00頃清滝IC手前で渋滞⇒第2いろは坂の上で渋滞⇒8:16三本松茶屋駐車場着

8:30三本松茶屋→8:35三本松バス停=9:22バス乗車⇒9:44二荒山神社前下車→9:50二荒山神社→9:53登山口→10:22三合目・車道→10:45四合目鳥居→12:02八合目滝尾神社→12:39男体山山頂13:40→志津下山路→14:00八合目→15:07志津避難小屋→15:17志津乗越15:20→林道→15:47太郎山分岐→16:10車に拾われる⇒16:25三本松茶屋

17:00三本松茶屋駐車場発⇒中善寺湖畔・第1いろは坂の下まで渋滞⇒18:30頃日光宇都宮道路⇒19:07宇都宮IC⇒東北道⇒首都高・箱崎経由・辰巳から湾岸線西行き⇒アクアライン⇒21:52木更津着

【歩行時間】 [ ]内はコースタイム
二荒山神社→男体山 2:50 [3:30] (山頂休憩1:00)
男体山→志津乗越 1:40 [1:45]
志津乗越→三本松茶屋 0:50+車0:15 [2:10]
計(山頂休憩・下山路車含む) 6:35 [7:25]

【高低差】
二荒山神社1280m→男体山2484m =+1204m
男体山→志津乗越1785m→三本松茶屋1395m =−699m−390m
地図

【参考資料】
山と高原地図「日光」(2008年版)、関東の山あるき100選(昭文社1998年)

2010/10/20整理、10/27、11/1/15修正

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