休日の山歩き 26 苗場山 Naebasan
[上信越] 苗場山 2145m  祓川(和田小屋)コース往復
2010年9月18日(土)
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苗場山山頂湿原
背後に、南に隣接する
佐武流山と白砂山

【残暑の下界を離れ、苗場山へ】
記録的な猛暑のこの夏、9月の3連休になっても残暑が衰えないので、多少の涼を求めて、信越国境の苗場山に出かけることにした。この山は山頂が広い湿原になっているとのことで、2年前に谷川連峰の端の平標山・仙ノ倉山に登った時、苗場山の山頂部分は、片方がやや下がった長い直線状の特異な姿で望めた。苗場山山頂へのコースは、みつまた・かぐらスキー場の中を歩く祓川(和田小屋)コースを取る。登山地図によれば駐車場が30台と少ないのと、山頂湿原の散策に時間がかかることを想定し、できるだけ早めに出発することにした。

平標山から望む苗場山
平標山頂から苗場山を望む(2008/10/12)

【湯沢から祓川コースの登山口へ】
土曜日早朝4時過ぎに自宅を出発し、関越道の関越トンネルを経て新潟県側の湯沢ICで降り、三俣から「苗場山山頂」の指示に従って右へ入る。やがてゲートがあり、係の人が2人いて、登山計画書を書いてゲートを開けてもらった。そこからさらに6km登った所にスキー場の駐車場があり、既に半ば埋まった中に車を止めた。トイレもある。天気は大変良い。既に標高1220m程度まで上がっており、まだ朝の涼しさが残るが、防寒着を着るほどではない。軽く腹ごしらえをして、午前7時過ぎに林の中の登山道を登り始める。道はすぐに林から出てスキー場の中の登りになり、20分ほどで、ゴンドラ終点の建屋と、その左に和田小屋が建つ場所に着いた。ここまで車で上がってくる人達もいる。熊出没注意とあるので、熊除けのベルを着けた。

和田小屋下駐車場 スキー場 和田小屋の登山口
和田小屋下駐車場の登山口 スキー場の中を登る 和田小屋の登山口

【林を抜けて展望の道を神楽ヶ峰まで】
ここから広いゲレンデを通り、再び林の中に入ると、道はそれほど急ではないが、ぬかるんでおり、真新しい木道や階段も整備され、また大きめの石をゴロゴロ敷き詰めた所もある。右側に沢音も聞こえる。方角としては南西方向への登りだが、回り込んで太陽の(南東)方向になる箇所もあった。下ノ芝は開けた場所に板が敷き詰められている。さらに中ノ芝、上ノ芝、小松原分岐と休憩用の板敷きが設けられていて、多くの登山者が一休みしている。緩やかに登るにつれて展望も良くなってきて、三国街道(国道17号線)の谷を隔てて平標山・仙ノ倉山も間近に見えるようになった。小松原分岐から神楽ヶ峰へは稜線上の歩きになり、左下にカッサ湖やスキー場を見下ろし、その先に谷川連峰などを展望しながら歩く。ドラゴンドラからの道が合流したが、このゴンドラが運転再開するのは来月だ。

登山道 下ノ芝 中ノ芝
石ころの登山道 下ノ芝 中ノ芝
小松原分岐から東側を望む 神楽ヶ峰
小松原分岐から東側を望む 神楽ヶ峰

【苗場山山頂を目指して最後の急登】
神楽ヶ峰のピークを過ぎると、突然右側の展望が開け、苗場山山頂が見事な台形状の姿で現れた。これはサプライズだった。地図で、神楽ヶ峰と苗場山頂の間は一旦下ると予想していたが、これほどまでの高低差とは思わなかった。鞍部への下りに「富士見坂」と名付けた道標があったが、苗場山頂を富士山に見立てたものだろう。下り坂の途中の雷清水でのどを潤した。下りきった鞍部は「お花畑」と名付けられているが、この季節、目立った花はなかった。その先の山頂への登りは、今日一番の急登となった。こちらは「雲尾坂」と名付けられている。そしてついに、山頂台地の一端にたどり着き、突然広い湿原が現れて、再びのサプライズだ。

神楽ヶ峰手前の稜線上から北東を望む 神楽ヶ峰の先から苗場山山頂を望む
神楽ヶ峰手前の稜線上から北東を望む 神楽ヶ峰の先から苗場山山頂を望む

【苗場山山頂で休憩】
山頂湿原の木道を歩き、遊仙閣(休業中)の裏の山頂標識に、まずは挨拶。木立に囲まれ特に展望はない。午前10時40分、登山口から3時間半だ。遊仙閣の前の、10人ほど座れる板敷きで昼食にした。周りには、会社の同僚という男性4人組や、遠く山口県から車で来た定年退職後の単独男性、その他夫婦連れなどが居て、お酒が入った人もいて話が弾んだ。まずは山座同定。この場所からは東側の展望があり、平標山・仙ノ倉山の左に谷川連峰が続き、さらに左には燧ヶ岳辺りまで見える。また右には赤城山が見える。この4人組は今回、専属の運転手を抱えており、今朝は小赤沢の登山口から入山し、下山は和田小屋下で、その間運転手は周辺の立ち寄り温泉を梯子しているのだとのこと。山口の男性は金曜日から高速道路を走行し車中泊で土曜日に高速を出ることにより休日割引の恩恵を受け、明日は谷川岳に登って帰るとのこと、達者な方のようだ。

【山頂湿原を散策】
暖かい日差しを浴びながらのんびり過ごした後、この人達と別れ、山頂湿原を少し散策することにした。苗場山自然体験交流センターは宿泊もできる立派な山小屋で、ここの有料のトイレを借りた。この小屋の裏には西側の長野県の秋山郷などが見渡せる展望場所があった。この小屋の前のテーブルや湿原の中の板敷きスペースで、多くの登山者が休んでいる。湿原には笹原のほか、池塘が点在し、鏡のような水をたたえている。湿原を緩やかに下り、小赤沢方面への木道を歩いたが、周回できるようにはなっていないので、途中で引き返し、赤湯方面へも少し行ってみた。

苗場山山頂 苗場山自然体験交流センター 山頂湿原
苗場山山頂(遊仙閣の裏庭) 苗場山自然体験交流センター 山頂湿原の木道
山頂から西側を望む 池塘
山頂から西側を望む 池塘と木道、板敷きスペース
山頂湿原から南側を望む 山頂湿原から南西側を望む
山頂湿原から南側を望む 山頂湿原から南西側を望む

【下山】
山頂台地ののどかな風景に名残は尽きないが、午後12時半、下りにかかり、来た道を引き返す。急な下りから登り返し、神楽ヶ峰で賑やかな4人組と再会し、先行させてもらった。山頂の山小屋泊まりを目指してか、この時間から登ってくる人も多く、最後にすれ違った組は午後2時頃に中ノ芝付近でだった。3時過ぎに和田小屋横を通り、一気にスキー場を下って3時20分に登山口駐車場に着いた。最後まで天気に恵まれ、爽やかな1日だった。
帰路は国道17号を南下し、2年前に来た平標登山口などを経て群馬県側に入り、月夜野ICから関越道に入ったが、湯沢ICから関越トンネルを経由するのと比べ時間が約30分余計にかかった。高速道路は所沢ICを出るまで順調だった。

和田小屋へ下山 平標山・仙ノ倉山の山頂付近
和田小屋(右の茶色の建物)へ下山 平標山・仙ノ倉山の山頂付近(神楽ヶ峰付近から)
キオン
(雲尾坂)
ヤマハハコ
(雲尾坂)
ウメバチソウ
(雲尾坂)
トリカブト
(お花畑)
リンドウのつぼみ
(富士見坂)
【行程】
自宅発4:10⇒所沢IC4:45→関越道→湯沢IC6:19→国道17号→三俣⇒ゲート6:39⇒和田小屋下駐車場6:53

駐車場7:12→7:32和田小屋→8:21下ノ芝→8:52中ノ芝9:00→9:11上ノ芝→9:18小松原分岐→9:31神楽ヶ峰→9:45雷清水9:50→9:53お花畑→10:30山頂台地端→10:37苗場山山頂→10:40昼食・休憩11:45→山頂湿原散策→山頂台地端12:32→13:00お花畑→13:05雷清水13:10→13:29神楽ヶ峰→13:41小松原分岐→13:45上ノ芝→13:57中ノ芝→14:22下ノ芝14:26→15:08和田小屋→15:23駐車場

和田小屋下駐車場15:46⇒ゲート16:01⇒三俣16:09→国道17号→月夜野IC17:11→関越道→所沢IC18:39⇒自宅着19:44

【標高差】
和田小屋下駐車場約1220m←→苗場山山頂2145m=±約925m

【歩行時間】 [ ]内はコースタイム
登り3時間25分[4時間15分]、山頂台地休憩1時間55分、下り2時間51分[3時間25分]
計8時間11分

【参考資料】
山と高原地図「谷川岳」(2009年版)、日本百名山を登る・上(昭文社2001年)
地図

2010/9/25 整理・修正 9/29修正

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