上越・湯檜曽川銭入沢


1989.10.15 佐々木(単独)

 10月15日(曇り一時小雪) 6時、土合駅で仮眠後出発。先行した男女2人パーティーが、白毛門登山口を過ぎたところで戻ってきて白毛門方面へ向かう。メットを持っているので白毛門沢か。湯桧曽川沿いの旧道を一ノ倉沢出合まで行って本流を徒渉すると銭入沢出合である。6時45分。ガレの押し出しがすごく上部スラブが望まれる。準備しているとパラパラと雨が落ちてきた。雨のスラブ登りなんて勘弁してほしいものだ。

 登り始めてすぐ顕著な枝沢(左俣)を左から入れるとさっそくスラブ帯。最初の大きなスラブは左端の草付とのコンタクトを登る。スラブ左をペタペタと登っていくと残置ハーケンがある。そのまま左をからんで登り切る。すると長さ250mくらいのずっと大きなスラブが現れる。雨は本降りの様相となった。もう楽しむどころが稜線に早く抜けることだけに専念する。スラブ左側を登っていきながら振り向くと確かに出合まで一望だ。一ノ倉沢にいまだ残る黒ずんだ雪渓が不気味だ。

 沢幅は狭まって7〜8m滝の連続となり、その上はスラブそしてまた滝となって階段状にせり上がっている。滝の部分は登れず左から灌木をつかんで滝上に出る。いよいよ源頭となり見上げると正面は奥壁状をなしている。顕著な三俣は、詰めのシャクナゲ漕ぎを避けるため、一番右に入るのが良いと聞いていた。左に入ると奥壁状で苦労するらしい。小岩壁を右に回り込んで、そのままヤブに突っ込むと割と楽に稜線に出た。9時45分。20分の登りで白毛門頂上に着く。時折、くすんだ紅葉の笠ケ岳、朝日岳がガスの合間から見えた。展望もいまいちだし、寒いのですぐ下山にかかる。

 土合駅に12時40分に着くもタッチの差で電車を逃してしまう。次の電車まで2時間待ち決め込み、駅入り口の階段で干し物をしていると、頂上で会った夫婦が車で水上まで送ってくれるというので助かった。

 【コースタイム】 (10/15)土合6:00 銭入沢出合6:45〜7:10 二俣7:40 三俣9:00〜10 稜線9:45 白毛門山10:05〜15 東黒沢12:10〜30 土合12:40


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