丹沢・葛葉川本谷


2000.7.30 佐々木(単独)


 この夏から始めた「週一リハビリ沢歩き」も第3週目。大菩薩、奥多摩の次は丹沢と決めていた。葛葉川本谷で沢登り初体験した人は多い。私の場合はいきなり西丹沢から始めたので、初心者に最適とされるこの沢に入る機会を逸してしまっていた。

 学生時代には「クズッパ」などと失礼な呼び方をする仲間もいて、とるに足らないイメージを抱いたのかもしれない。しかし、今回登ってみて認識を新たにした。結構楽しめたのである。春先や晩秋よりも水量豊富で、積極的にシャワーを浴びて登れる真夏で正解だった。全く初心者のとき来なくてよかったと思う。適当に巻いて登って、こんなものかと思ってしまっただろうから。

 7月30日(晴れ) 秦野からバスに乗り菩提原で下車。遡行開始地点の葛葉の泉まで約40分歩く。「葛葉の広場」には多くの家族連れが水遊びにきていた。

 堰堤を左から超えると早くも小滝で順番待ち。覚悟はしていたので、それほどの嫌悪感は湧かない。いろんな人の登りっぷりを観察するのも面白い。ザイルを肩にかけ白い顎ヒゲをたくわえた「山のオールドボーイ風」は3人のおばさん連れ。足ごしらえは今どき珍しい白足袋にワラジだ。

 渋滞の原因となっていた講習会らしき集団を追い抜く。四段の滝の最後の6m滝を右から巻いていたおじさん達は、沢ハイク気分なのか軽登山靴だった。ここは水流に入り上半身をも濡らして登る。爽快な気分。横向ノ滝7mは特に問題なし。若い男女のグループに追い付くと、慣れた様子の2人だけ渓流シューズをはき、残り数人はスニーカーを履いていた。

 5mの二条(三条?)滝は、今春刊行の『東京付近の沢』(白山書房)に「板立ノ滝」として写真掲載されている。大ミスだ。真ん中を楽に登れるし、それほど立っていない。本物の板立ノ滝(8m)はその先で登場。残置ハーケンのある右端から直登するが、落ち口にガバがなく背筋が少しばかりゾクゾクした。二段7mの曲り滝の上で林道が橋で横切る。

 上部もナメ滝やCS滝などが続いてあきさせない。富士形ノ滝(二段8m)は下段を左から回り込み、上段は水流の中に足をねじ込んで登る。大滝とも称される三段10mのナメ滝は緩傾斜で楽に越え、6m滝は正面から取り付いてシャワーを浴びた。ノッペリした3m滝を過ぎると左に赤ペンキの矢印を見る。ここから踏み跡に従って小尾根を20分も急登すれば三ノ塔尾根に出た。

 三ノ塔付近は雲に隠れて展望はなさそう。そのまま尾根を下り、牛首から横野への道に入る。大秦野カントリー倶楽部のコース脇を抜けてバス停「横野入口」に出た。

 【コースタイム】(7/30)菩提原9:00 葛葉の広場9:40〜55 板立ノ滝10:30 林道先10:55〜11:05 富士形ノ滝11:20 踏み跡取付11:45 三ノ塔尾根12:05〜15 横野入口13:50


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