Winged-White 雑感 2003/11 Notes
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雑感最新号

【成功祈願】 2003/11/30

 H2Aでの情報収集衛星打ち上げ失敗か。
 名折れとか以前に、ペイロードが国防に直接関係あるんだし、これで失敗したらさすがにヤバイでしょう。  落胆している関係者にトドメを刺したくないけど、危機意識が足りないんじゃないかな。
 技術的・組織的な改善は内部でやることとして、他の改善策を考えてみたい。

○ ロケット名を「失敗できない名前」にする。
 H2A? ダメダメ。 こんな記号のカタマリは、数式の中で扱うもんだ。  「大和」とか「富士山」とか「タマちゃん」とか、失敗したら大概の日本人がガーックリして、関係者は腹を切らずにいられないくらいの名前を付けよう。 愛称でもいい。(しかし内部愛称くらい、あると思うけど。)

○ 失敗したら、近隣諸国に領土を割譲していく。
 日本の技術が軽視され、シェアが奪われていくということだから、結局同じこと。  「一千億円の消滅」とか言われても、そんなのそこら中でやっとるし、ピンとこない。  領土だと、少なくとも失敗ごとに一部の国民はカンカンに怒る。  地図上だけで擬似的にやってみるだけでも緊迫感が出せるだろう。

 最後はやはり、
○ 有人飛行を目指すことかな。 これは絶対失敗できない。
 成功を重ねるための動機=より高い目標が無くなった状態では、技術は衰退してゆく。  文字通り日本の「HOPE」が立ち消えになっていく姿は、見ていられない。
 成功の暁にはどれほどの信頼回復になるかは、神舟5号の示すとおり。


 失敗が続くと、こちらも慣れてくるどころか無関心になる。 この点もヤバイと思う。  世論が宇宙開発無用論に傾くのは、個人的にはあまり歓迎したくない。  『本当は、成功していた』、っていうセンもほしいナァ。
 技術者の方々にはつらい日々が続くだろうけど、がんばってください。



 オマケ:
 以前、航空機関係の設計事務所に勤める人と同席したことがあり、彼がゼロ戦の設計図の原本を見て感動したという話を聞いた。
 さて、モンダイ。
 彼はその設計図の、どんな点に一番感動したのだろう?
 答え→このページの一番下


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【おととい来やがれ】 2003/11/28

 架空請求――来たよきたよ。 風邪ひいて忘れてたけど。
 「有料サイトの未払いがどーのこーの」ってゆー『最終通告書』(笑)。
 いや〜、楽しかった。

 なになに?
 【1】11月1日・18-24時の消印で、『11月3日が受付期限』
 今日(11/3)じゃねーか。
 こりゃまた強引な設定ですな、まさに『おととい来い』だ。
 しかも【2】今日、文化の日だよ?
 祝日に期限を切るとは、普通の企業にはマネできない発想だ。

 よし、分かった。  営業時間はと。
 平日(・土曜)の9時(・10時)〜15時……ふーん。 銀行みたい。
 つーか、アレ〜?
 【3】受付期限(祝日)が、営業時間外じゃ〜ん。
 自分で決めた期日を休んでどーする。

 おおお?
 『会社の方に伺い給料差し押さえ』
 『有料サイト』にも身に覚えが無いが、【4】会社も給料も身に覚えがない。  僕はなんと、知らぬ間に会社に就職していたらしい。
 瓢箪から駒。 ラッキー♪
 ちなみに「方」ってなんだ? 西か? 東か? 受付嬢か?
 督促にあいまいな表現を差し挟むのは、感心しないな。
 (安定収入の給料・賞与を差し押さえできる額は手取額の4分の1までか、手取り28万円以上のときは21万円を差し引いた残額になるそうだ。 もちろん『会社の方に伺う』前に、【5】裁判所の債権差押命令が必要。  資本と労働を結びつける根幹である給料および賃金を、第三者が勝手に処分することはできない。)

 で?
 (消印によると)新宿から発送しといて、 『自宅に直接回収に伺います』
 ――【6】旅費だけでアカですな。 ご苦労ご苦労。
 「デンついてイねや」とは言わんけど、来てくれてもお説教ぐらいしか出まへんで……出す範囲くらい考えたらどうかな。


 他、
 【7】『(株)』のクセにケータイの番号しか並んでない(住所も固定電話もナシ。)とか、よくあるタイプと一緒ですわ。
 【8】どこの『有料サイト』かも、いつ使用したかも、請求額も、必要な情報が一切書かれていない。 さすが『(株)』。
 「最終通告書」と言うが、【9】督促を自分で最終通告にすると、踏み倒されるだけなんだが。  だいたい【10】以前の通告はどこへ行ったんだ?  という風にシラバッくれられないためには、【11】内容証明郵便であるべきじゃないかな。  まっとうな督促状なら、ネ。
 ま、この辺はニュースでも言ってくれてるでしょ。

 【12】表の宛先はアドレスシール……さぞかしたくさん出したんでしょうな。  シールもえらく斜めに歪んでいる。 書簡の「顔」が台無し。 当てずっぽう丸出し。 日本のサギ魂も地に堕ちたか。
 いやきっと、印刷しちゃった受付期限に間に合わせるよう、平衡感覚がイカレルほど残業して必死で内職してくれたんだよね。 ご苦労さん。
 しかしだね、その前に一回でもいいから、裏の文面を見直した方がよかったぞ。  なんせ『(株)』だし。

 てゆーか、そもそも本文丸見えの官製ハガキじゃんか。
 企業が本来遵守すべきこと――【13】プライバシー保護の概念が欠落している。  逆手にとって訴えられても、知らないよ。


 ……ワザと分かるようにしてませんかね???
 サギにしちゃーツメが甘すぎるんだがなぁ。
 カリカチュアだとしたら、すごい徒労だなぁ。
 (無償でお笑いを供給しとる。)

 これで元が取れるんだったら、大したもんだ。

 元が取れても、それで勝ったと思ったら大間違いだよ。
 成功しようが失敗しようが、犯罪者はより不幸を背負うだけなんだ。
 だいたいこのサギ、結婚とか金儲けとか健康とか「アリスガワノミヤ」とかみたいな、夢がナイ。 (ありゃ? あってもタイガイか。)  犯罪に美学を求めるのも無意味かもしれないし、「夢でメシが食えるか?」と犯罪者にワケのワカラン説教をされたくもない。
 でも……せめてルパン三世くらい思い出してほしいような気がするなぁ。



 ――しかし、不幸にもダマサれた人には、致し方ない理由や状況があるのだろう。  加害者になりたがってる奴輩は大いにコキおろしたい所存だが、純朴な被害者まで断ずる趣味など無い。  さすがにこのDMはともかくとして、架空請求による被害者がいる以上は、一笑に付すというわけにも行くまい。

 架空請求の大量発送、「オレオレ詐欺」の無差別電話、迷惑メールの大量送付。  こういうのは社会機能に大量に負荷を与え、低下させる。 放火と同じようなものだ。 ただでさえ外敵からのテロが懸念される時に、国内で何をやっておるのだ。
 アルカイダも大切な要員を特攻させるくらいなら、こういう奴輩をカネで巻き込んで大量消費社会を内部から瓦解させる方がオトクだな。  しかし、向こうの美意識でも邪道扱いだろうし、哀れ最後はチンピラの売国奴として処分されるだけだが。

 まして、人の良心を無差別破壊し、社会的抑圧・不信感を増大させている点では単なる暴力より深刻だ。  従来の詐欺罪や軽犯罪と同一視していてはならない。

 従って、処罰もまた相応の重罪になってゆくべきだし、そうなるだろう。  一般大衆の怨嗟が高まる以上、当然の推移だ。
 加害者も、それなりの覚悟はしておいた方がいい。
 何というか、安易に犯罪に手を染めないでほしいな……。  どうせ中高生のイタズラだろ? おじさんは分かってるぞ。


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【Sin-Century24〜神の平安を】 2003/11/24

 たまたま駅で次の停車駅を聞いてきた若者は、イスタンブールからの留学生だった。  トルコから来たと知り、ふと疑問が浮かんできた。
 「えっと……トルコの挨拶も『アッサラーム・アレイクム』でしたっけ?」
 胸に手をあてて聞くと、心底嬉しそうな顔をしてくれた。
 『(――あなたに神の平安を――)』
 久々に、この言葉を口にした。


 最近はトルコとイラクでテロが頻発している。  首謀者は別々のようだが、イスラム圏内で同じイスラムによる破壊や殺傷が生じているのは、非常に痛ましい。  『原因』は全然別の場所なのが一層悲しい。

 とくにイラクでのテロや攻撃は、8月の国連会議場以降、ますます支離滅裂になっているように思う。  無人の報道車爆破、何を狙ったのかパレスチナ・ホテルへの砲撃、「貨物便」航空機への砲撃――文字通り、「恐怖の加算」以外の価値がどこにも見当たらない。
(※ 民間貨物機を砲撃した集団について→雑感12/01

 確かに米軍以外を狙った方がラクなんだろうけど、それにしても範囲が広がりすぎている。  これではイラク人の生活が一番恐怖に苛まれてしまう。
 そこに住む人々が、このやり方に喝采を送れるだろうか? ほぼ不可能だと思う。  これで『外敵』を追い出せるんだろうか? これも不可能だろう。
 (しかし手を引くときは、残酷なほどアッサリ手を引くだろうな。 おーこわ。)

 何が原因で泣いていたのかも忘れ、ただ泣き続けるために泣いているような、そんな感じがする。


 一方のアルカイダについては先日の「SMAステーション3」で、幹部のうち捕縛されたのはたった一人で、これは『新撰組で言えばナンバー3の沖田総司以外全員が無事』というようなものだ、と説明されていた。 なるほど分かりやすい喩えだ。
 ただ、(番組の趣意はさておき)本質的な部分で比較すると、新撰組は火付けなどの無差別攻撃はさすがにしなかったと思う。  そう言えば赤穂浪士も討入終了後、火の始末をきちんとして退去したという。
 卑劣な結果を残していては、今なお慕われはしない。
 いくら崇高な目的を掲げていたとしても、やっていることが善良な同胞をも巻き込む人殺しでは、畏怖されこそすれ共感はされないはずだ。


 もう神にしか、平安は約束できないものなのだろうか。
 しかしほとんどの人がそれを願っていることも、間違いない。
 日毎の挨拶で口にするような人々なら、なおさらだ。


 ん?
 もしかして、アメリカも意図的にテロ温存のために動いているのか?
 「捕まえられない」ではなくて、わざと「捕まえない」???
 そんなバカなとは思うけど、『種火は常に残しておく』――これなら対テロの正義を標榜したまま、正々堂々と軍産複合体を運用できる。 勝手に『柳条湖事件』を起こしてくれる、軍部にとっては非常にありがたい存在じゃないか。
 血を流した人にとってはたまったもんじゃないただの邪推だけど、悪魔の計算式はどこで成立してるか分からんからなぁ……。



※ 2004/1/28追記:
 確か1/23あたりの自衛隊の式で……
 「今から、イラクの挨拶を復唱する! アッサラーム・アレイクム!
 「アッサラーム・アレイクム!」
 あれ……? それはいいんだけど、みんな右手を胸に当ててないよ。
 大丈夫かな? これで。
 現地独特の風習の違いかもしれないけど。

 パキスタンを旅行中、「この言葉は、イスラムの心を開く鍵なのだ。 君がこの言葉を心から口にするとき、全てのイスラムが君の同胞となるだろう」と言ってくれた老人がいた。  日本の「こんにちは」とは、全然レベルが違うあいさつなのだ。


【Sin-Century25】 【Sin-Century23】

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【風邪】 2003/11/20

 11月ももう後半かぁ……。
 月の頭に風邪がこじれた。  ヘンな風邪だった。熱が全くと言っていいほど出ないのに、一時は肺が焼けるように苦しかった。  もちろん今はほとんど回復したんだけど、咳がまだダラダラ続いている。

 最近、とかく妙な菌やウィルスが横行している。
 SARSはなりを潜めたが、冬を控え再発が懸念される。
 コイヘルペスは地元の正雀川のコイも侵しはじめた。 人間には関係ないらしいけど、コイとコイ業者にとっては壊滅的脅威だ。
 抗生物質の効かない「耐性菌」は、家畜の8割が保有しているという。 これも現在確認されているものは、人間に悪影響は及ぼさないらしいが。
 そして、おなじみのインフルエンザ……。
 うーん、やだなぁ。

 そう言えば、炭素菌という生物テロ兵器もあったな。
 『日本を狙う』といわれた時に、まず思い出したのはこの陰湿な嫌がらせテロだった。  自然とのつきあいだけで結構大変な昨今、人為的にバラ撒くのはやめてほしいものですな。


 
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11/30 の答え

 ――字が、とてもキレイだった点に感動したそうだ。
 「気合いや覚悟みたいなものが全幅にみなぎっていて、会社で現在製作しているものとは全然比較にならなかった」、と彼は嘆息していた。
 事故・失敗の理由が全て気の緩みだとも思わないが、技術フロンティアに絡む失敗があるたび、この話を思い出す。
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