Preface/Monologue2019年 9月


前月へ 翌月へ 以前のPreface/Monologue(index)に戻る ホームページに戻る 頁末尾へ 


薬師岳山頂を仰ぐ
ここまでのCover Photo:北アルプス・薬師岳山頂を仰ぐ
2 Sep 2019

おそい夏休みを取って、先日計画倒れになった櫛形山へ。


アヤメの群落で有名な山、
この季節でも、お花畑が見事。

マルダケブキ、アザミ、マツムシソウ、ほか多数。
咲き残りのクルマユリにシモツケソウが彩りを添える。
アザミ平は色彩の宝庫。


最も標高が高い登山口から歩き出したので、
登った気がせず。むしろ登ったのは車で。

山中に5時間以上いたものの、
登ったり降りたりを繰り返していた印象。
まさに山歩き。
5 Sep 2019

次の日曜は台風15号が関東以西の太平洋側を直撃するらしいとか。
日本列島から2,500キロも離れているのに、
相当なスピードでやってくる模様。

ちょうど高気圧のへりで発生したものだから、
発生直後から高気圧の麓を吹く風に流され、
速度が出ることになるらしい。

今年の夏は、早々に秋雨状態になっている気がする。
例年なら、9月上旬あたりまでは、
なんとか好天が続いてた気がするのだけれど・・・

ともあれ、悪天は避け、家でおとなしく本を読むなり、
映画を見るなりしよう。
風雨のなかを歩いても愉しくないので。
7 Sep 2019

映画『フリーソロ』を観た。

ヨセミテ国立公園に屹立する大岩壁「エル・キャピタン」を、
ロープなしで、単独登攀するに至るまでのドキュメント。

まず、フリークライミングとフリーソロとの違いから知らなかった。
ボルトを打ったりアブミを使ったりするエイドクライミングとは異なり、
フリークライミングは登攀具は使用しない。
しかし、落ちたときのことを考え、必ずロープを使い、ビレイを取る。
基本は二人一組で登る。

フリーソロは、ロープを持たない。持つのはチョークバッグのみ。
つまりボルダリングのスタイルで、壁を攀じ登る。
失敗は即、死。

エル・キャピタンという岩壁は、それは難しいものらしい。
(クライマーにとっては、よく目にするハーフドームの方が簡単らしい・・・
 ただし、あくまでもエル・キャピタンと比べての話。
 ハーフドームをフリーソロで登るなんて、大方には想像の埒外の行為だそうな。)

滑りやすい花崗岩の大岩壁。
ロープを使って完登するだけでも、それも何日もかけてでも、
ニュースになるという。それを事実上の空身で登り切る。速攻勝負。
知識不十分の身には、なかなか実感がわかないが、
いかにもとんでもなく、空恐ろしいことなのだろう。


失敗は即、死。
だから事前に十分に研究する。
ボルダリングのように壁の前で座って手足の置き方を想定するなどできない。
たどるルートは1,000メートル近くある。
だから実地訓練あるのみ。

主人公の憧れである優秀なクライマーを誘って、フリークライミングでルートを予習する。何度も。
途中、何度も失敗して落ちる場所がある。”ボルダリング・プロブレム”。
疲労が蓄積して身体が悲鳴を上げ始めているところで、
難易度の高いムーブをこなさなければならない。
はたしてこれを突破できるのか。

主人公のアレックス・オノルドは、何がすごいかというと、
恐怖を感じる場面で冷静にいられる度合いが優れていることだという。
MRIをとってもらったら、恐怖を感じたときに反応する脳内の扁桃体が、
アレックスは人並み以上に反応しないのだという。
生まれつきなのか、訓練のせいなのか。

しかしアレックスはただの怖いもの知らずではない。
もしそうであれば、とうの昔にこの世を去っているはず。
パンフレットに記載のインタビュー記事に、こうある。
「僕は、自信というのは、理性主義から来ていると考えています。
客観的に現実を評価するという基本的な行動から来るのではないかと思います。
「これは可能か」、と自分に問いかけ、もしその答えがイエスならば、実行に移すだけ。」
そしてその根拠が、
「ロープありの状態で何度も繰り返し成功しているということは、明らかに物理的に可能なわけだし、
ロープなしでやれないわけはないのです。」


そして彼は恐怖を追い出し、可能であると判断したことを、実行に移す。
しかし可能性と恐怖をいとも容易に切り離すなど、たいがいの人にはできない。
”ボルダリング・プロブレム”に近づくにつれ、
麓から望遠カメラで登攀を撮影しているカメラマンが、
画面から目をそらし続ける。
「もうやらない、二度とやらないぞ(こんな仕事は)」、と言いながら。
みな知っている。ここが最も危険で、自分たちは、
人の死を撮影してしまうことになるのではないかと。


アレックスは、達成感を追い求めている。
きっと、「失敗を恐れない」、のではないのだろう。
ドクターXではないけれど、「私は失敗しない」、のだろう。
フリーソロのクライマー。
理解した気になって、じつは理解できない存在なのかも。

すごい人を見た。
すごい映画を観た。
8 Sep 2019

去る8月30日、池内紀氏が逝去された。

気品ある山行記が楽しみだったのだけれど・・・
編集者としても、美しい本を何冊か残していただいた。

世に対して澄んだ目を持つ、よき書き手が去って寂しい。
ご冥福をお祈りいたします。
11 Sep 2019

台風15号、千葉に巨大な爪痕。

いまだに停電が続き、冷蔵庫の食物が異臭を放ち始め、
残暑厳しい折に冷房も使えない。

病院の診療にも当然ながら支障が。
とにかく早く復旧を。
15 Sep 2019

天気がどうなるか読みづらい三連休。
山に行くのはやめて、神奈川県立三ツ池公園へ。
運動かたがた、アップダウンのある道を歩き回ろうと。

ところが倒れそうな木があるとかで、
二カ所ほど長い距離が通行止め。
最初のは回避したものの、次のは問題の木を眺めに入ってみる。

なるほど、大きいのが一本、根っこから倒れかけている。
倒れかけて、反対側の斜面に頭をもたせかけている。
しかし倒木なんて山ではあたりまえの光景。
これで通行止めなら多数の山が歩けない。
倒れそうなのはその一本のみ。立ったまま歩いて下を通る。

風の強い日、雨の日は、通行禁止にするとしても、
通常の日は、注意して通過するように、くらいにしたほうが、
台風でどういうことが起こるのかわかって、よほどよいのではと。

その木は通行禁止された場所から離れていて見えない。
自然公園の目的には、そういうのを見せることもあるのでは。
木々は倒れる可能性があるものだと。
16 Sep 2019

カーズのリック・オケイセック、15日に逝去。

カーズの実質活動期間は10年に満たないが、
最盛期は出す曲すべてヒット。
聞けばその時代を思い出すグループの一つ。

しゃっくりしているような歌い方でボーカルを取っていた。
2000年に亡くなったベンジャミン・オールに続いて、
バンドは主要メンバーを失った。

R.I.P.
18 Sep 2019

もうすぐ秋のお彼岸。
暑かった関東も、涼しくなるかな。

連休は天気が悪いみたいだけれども。
21 Sep 2019

ラグビーのワールドカップが始まっている。

見ているうちに、なんとなくわかっては来るけれど、
ルールが今ひとつ判然としない。
抱えていたボールを「前に」落とすと反則、だとか。

トライの点数が高いのがキックの点数より高いのくらいは、
すぐわかったけれど。
(TV画面に説明が出るし)

しかし疾走した末のトライが決まると爽快。
スクラムでの押し合いでじりじりと前進していた末にとかだと、
とくに。
26 Sep 2019

地球温暖化について話し合う国際会議で、
どこかの国の新人環境大臣が、意味不明の珍発言をしたとか。

本人は気の利いたことを言ったつもりかもしれないが、
北欧から来た16歳の少女の語る言葉に比べて、
なんと空疎なことかと。


来る10月22日の火曜日は、祝日だそうな。
昨年12月の臨時国会で決まったとか。

身近な手帳にもカレンダーにも、反映されていなくて、
ぜんぜん気づかなかった。
29 Sep 2019

2019年度も上半期が終わる。
今年にしても、あと3ヶ月。

とりあえず10月の予定を考えようかな・・・
9月は櫛形山だけで終わってしまったのが残念。

前月へ 翌月へ 以前のPreface/Monologue(index)に戻る ホームページに戻る 頁先頭へ


Author:i.inoue All Rights Reserved