Preface/Monologue2023年 10月


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秩父御嶽山の山頂にて

ここまでのCover Photo:秩父御嶽山の山頂にて

1 Oct 2023

昨日の山行で起終点とした勝沼ぶどう郷駅は、電車を下りるのは初めてだった。改札を出ると真新しい待合室ができていて、入ってみるとアニメ”アサルトリリィ”のフィギュアのガラス張り展示コーナーがあった。甲州市が聖地巡りでの賑わいづくりに注力しているのがよくわかった。

この駅、かつて4月に源次郎岳から下ってきて着いたときは夕暮れで、自動販売機だけが明るいだけの無人駅だったような記憶があるが、同じくらいの時刻に昨日帰着してみると、わりとおおぜいの(二、三十人だったがゼロよりは格段に多い)人影があり、駅員もいて賑やかだった。当駅に停まる本日最後の特急列車がもうすぐ来るせいだろう。秋は、このあたり、観光シーズンのようだ。

その特急列車が来る直前に来た小淵沢始発の高尾行き各駅停車は、そこそこ空いていた。上野原駅までボックス席を占有していたが、部活帰りの高校生たちが大挙して乗り込んできて、車内は一気に若やいだものになったのだった。

7 Oct 2023

栃木駅からバスで小一時間の三峰山(御嶽山)へ。


低山ながら山中は山岳霊場。麓の御嶽山神社からまず取り付く”奥の院”への登山道は霊神碑と祠が多数。滝行場まである。参拝する人たちが多数いたせいか石段が整えられているものの途中の傾斜は急勾配。これを下るのはできれば避けたい。

葉がまだ茂っているからか、年数が経って伸びたからか、眺めがよかったはずの奥の院山頂からは周囲はあまり窺えず。枝の合間から日光表連山を透かし見る程度。この日は風も強く、平坦地が狭い山頂でうまく風をよけられる場所に陣取って湯を沸かす。


登路に比べれば随分と穏やかな稜線を南東方向へ、三峰山と呼ばれるピーク群の中へ。剣ヶ峰は山頂を踏めるものの、権現山は西麓の石灰岩採掘のため立ち入り禁止になっていて入れない。こここそ霊域の重要ポイントのはずでは。

三峰山(御嶽山)とされるのは最高点で、辿っている小山塊の南端にある。樹林の中で眺めがないと聞いていたが、すぐ近くのフェンスから先は採石場で眺望が開け、金網越しとはいえ日光連山が大きく見える。前日光の山々も眺め渡せられるのだが、残念ながらどれがどれだか。あれが禅頂行者道だな、くらいは分かるのだが。 午から登りだしたのでもうだいぶ日が傾いている。西に波頭をなす山々はかなり山肌が黒くなってきている。


最高点では周囲を眺めるだけにして早々に下山にかかり出す。倶利伽羅不動尊を経由して登山道に戻るルートに入ったが、ここも傾斜が急で、途中にある沢床の岩盤を下る場所ではだいぶ肝を冷やした。涸沢とはいえ湿った感じで、ここに雪がついたらアイゼンを履いていてもかなり緊張するだろう。あまりに足下ばかり気にしていたのでコース途中の浅間大神に気づかず過ぎてしまった。

東斜面にも鍾乳洞があるくらいなので、この山は全体が石灰石でできているのだろう。上り下りが急勾配なのはそのためと思われる。稜線から下山し始める場所では小振りながらドリーネのようなすり鉢状地形も見られた。稜線の登山道では白っぽい岩がいくつか顔を出しているところもあった。あれは羊群原(の断片)と言えるかも。


なお、登る前に立ち寄った登山口の御嶽山神社では、このあたりでもヒルが出るようになったと聞かされた。過疎化の進行で耕されなくなった田畑にシカやイノシシが侵入してきてばらまいているらしい。おっかなびっくりで入山したが、寒くなってきたせいか、山中では取り付かれることはなかった。

14 Oct 2023

前日光の笹目倉山と鶏鳴山を縦走。

笹目倉山は天善教の奥の院への登拝道を登る。登り口から急登、岩塔まで林立していて信仰の山というより修験の山かと(岩塔は最初だけだが)。

低いとはいえ見た目が三角錐に見えるだけあって登り一辺倒。途中やや緩傾斜になるとはいえ爽快なくらいに高度を稼ぐ。これで眺望があればよいのだけど。山頂には天善教奥の院の少し大きめな社が鎮座。どことなく来た甲斐があると思わせられる。

鶏鳴山への縦走路はまず180メートルほど下る。登り同様に急傾斜。鞍部から先は、それまでの上り下りがキツかったせいか「上り勾配の散歩道」に思える(実際には負荷のある場所も当然ながらある)。広く伐採された尾根があり、古賀志山や鞍掛山を含む鹿沼宇都宮近辺の山々が見渡せて満足。

鶏鳴山は通路の途中のような山頂。ここも眺望がない。しかし笹目倉山と異なり雑木林のなかなので明るく、笹目倉山以来二度目の湯を沸かして再びコーヒー。一日に二度熱いものを飲むのは久しぶり。

休憩後に下山開始。祠がいくつか集まっている先でルートは右に直角に曲がって下り出す。ここまで山中では赤テープが頼り、間違えて直進したらどうなるかと。余所見は禁物。

鹿沼市街地を出る朝一番の(というか午前中一本しかない)バスに乗り、縦走して山を下りたのが日没時。そこから東武日光線の明神駅まで一時間以上歩く。当然周囲は真っ暗に。鉄路が高架になっていて鉄路と分からず、だいぶ先まで歩いてJR日光線の近くまで来て間違いに気づき、長い距離を戻る羽目に。駅に着いたら5分後くらいに本数の少ない電車が来るところだった。

16 Oct 2023

連れが軽く山歩きをしたいというので、あまり時間がかからないとろこにと4週間前に行った三浦半島の乳頭山へ。前日が雨だったのでルートはところどころぬかるみ滑りやすく、想定よりは少々負荷の高い行程になった。

朝は涼しかったものの日中は暑く、長袖Tシャツで歩きにいってだいぶ汗を流した。それでも山頂では湯を沸かして二人分のコーヒーを淹れる。東逗子駅のコンビニで買った信州牛乳パンがことのほか美味しかった。


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