Preface/Monologue2016年 10月


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檜原湖越しに磐梯山
ここまでのCover Photo:檜原湖越しに磐梯山
1 Oct 2016

この土曜日、国立新美術館へ、ヴェネツィア・ルネサンス絵画を。
券面の絵にも一部が採用されているティツィアーノ『受胎告知』、
これが見たくて。



教会の祭壇のようにしつらえられた広めの一室、赤い壁が取り巻く中に、
晩年のティツィアーノの傑作だけが、架けられていて。
金茶色が基本色の画面は、この世のものならぬ世界。

実物は、画面左下に立つ大天使がよく目立つ。
精霊の鳩と天使たちが浮かぶ上部がわりと大きいので、
二つの絵が上下に並んでいるように見えて、なかなか全体像が把握しきれない。
なのでだいぶ離れて眺め続けて。
眺め続けて、首が凝ってきて。

ティツィアーノのもう一枚、聖母子像の絵も、憂愁の聖母がすばらしい。
500年前の画家、千年紀の半分を過ぎても、世界を魅了し続ける。

ヴェネツィアルネサンスの初期は、背景とはいえ風景描写にも意欲的だったらしく、
アルプスの山々も描き込まれた絵があったりも。
あれはマッターホルンなのでは、というのも。
ここで山が見られるか、と思ったりも。


隣で開催中のダリ展のほうが人気なのか、
会期終盤の土曜日午前中なのに、だいぶ空いてました。
若干内容が地味なのか、もしくは、
57点の出品で一般1600円というのも敬遠されたのかも。


しかしすっかりアートのサイトのように・・・たいしたことは書いてませんが。
2 Oct 2016

美術展に行く機会が増えてきたここ数年。
雑踏は嫌いだが、それ以上に驚きと発見が。
毎回剱岳状態。

この先も、展覧会の予定はあれど、山の予定が遠い。
『逍遙の画廊』とかにしたほうがいいのかも。
6 Oct 2016

ワールドカップ予選、日本vsイラク、2-1で劇的勝利。
2点目が後半アディショナルタイムの5分。
文字通り劇的だけど、文字通り薄氷の勝利。

でもまぁ、先のEUROの優勝国ポルトガルだって、
本戦一次リーグは3戦3分けだったし。
結果がよければそれでよし。

(結果が出るのは先だけど・・・)


次の三連休。
10月10日は、本当に、晴れの特異日だなと。
7 Oct 2016

いろいろあちこち調子が悪い。
そういうときは無理せず無理せず。


ノーベル平和賞か・・・

コロンビアの大統領のみならず、
シリアやコンゴその他すべての暴力が支配する地域で、
武力によらず、ひとの命と尊厳を守ろうと奮闘している方たちにこそ。

賞などいらない、この悲惨さをなくしてほしい、と言われるのは承知の上。
あらためて世界の耳目を集めるがために。
8 Oct 2016

未明に阿蘇山が爆発的噴火。
火山灰は遠く香川県にまで降ったとか。

熊本地震の後というタイミングでの噴火は、
火の国の山とはいえ、あまりに無粋な。

これから収穫する農作物への影響が心配。
洗い流しても、乾燥すれば舞い上がるという・・・

ビニールハウスの上に積もったのを、
葉っぱにかからなくてよかったのではと思っていたら、
日光が遮られてしまうと・・・洗い流すのもままならないと。

現場の声に浅慮を改めること多し。
10 Oct 2016

過日に東海道歩きで訪れた静岡県の三島へ、今回は町歩きで。
三嶋大社と、せせらぎの町を、堪能しに。

豆州一宮は、季節柄、七五三で大賑わいだった。
着物を着た女の子、正装した男の子が、あちこちに。

しかし、行列に並んだあげく窮屈なところに上がって、
わけのわからない言葉(神職の祝詞?)をおとなしく聞かなきゃならない、
あーもうなにこれみたいな表情の子もいて。その気持ち、よくわかる。
家族とおでかけはいいとして、神社は千歳飴くらいしか意味がないからね。
(お守り売り場で売っていた。)

さて街中。

柿田川まで足を伸ばしたかったものの、少々遠く、今回はパス。
かわりに源兵衛川という清流を下る。
これは川中に遊歩道が設えてあり、流れの中を歩ける。
水深自体が10センチか20センチというところで、
落ちたところで溺れるわけではない。

かつてはドブ川だったそうだが、地元のかたたちの尽力で、
川底が透けて見えるキレイな流れに復活したとのこと。
この日も、川底にたまったゴミや、川岸に伸びすぎた雑草を刈るなど、
何人かのかたが黙々と作業されていた。

三島は富士火山の溶岩流の末端にあるらしく、そこここで湧き水が出る。
市街地のそこここで清流が流れている。
源兵衛川も、駅近くの湧水池が水源。

ここはじつは山の町。
食べ物の名物はウナギなのだけれど(しまった食べ損ねた)。
16 Oct 2016

先週の三島に続き、今度は小田原の町歩き。
箱根を西と東から挟み撃ち。

まずは、
その箱根やら矢倉岳やらに行くのに何度も小田原に来ているのに
(しかも泊まったことまであるのに)、
一度も足を運んだことのなかった、小田原城へ。


いやこれは大きな城だと・・・
天守閣はもとより、いろいろ再建されていて随分と見応えアリ。

とくに今年五月にリニューアルされたという天守閣内部は、
小田原北条氏の歴史を学べてたいへん面白い。



たとえば、、秀吉の小田原攻め。
大軍の前に情けなく敗れた印象しかなかったのだが、
単に無駄な戦いをしなかっただけのこと。
意味なく領地を戦乱の巷にしなかった判断は賢明と言えるのではと。

天守閣最上段からは、相模灘、小田原市街地はもちろん、
すぐ近くの箱根連山、遠く左右に広がる丹沢山塊が一望。
じつに楽しい展望台。


大人気の城を後にして、
箱根板橋(小田原市街地南西部)の別邸・庭園巡りに。

清閑亭、古稀庵庭園、老欅荘と、上品で心落ち着くものがひっそりと。
おそるべし小田原、こんなものを隠し持っていたとは・・・



夕暮れ時の日本家屋はよいですね。
西日がいかに長いかわかります。
20 Oct 2016

ようやく天候が安定してきたように見える、今年の秋。
週末はそろそろ山に行かないと・・・
ほんとうに足がなまりそうな。
贅肉も増えそうな。


と、いいながら、好天の木曜日、
休みをとって、東京オペラシティにクラシック音楽を。

聞きたかったのはR・V・ウィリアムス『タリスの主題による幻想曲』。
澄明な悲痛さのクライマックスを持つ曲で、
これに匹敵するのはそうそうないだろうと。

CDで聴く分にはあまりわからないが、
生演奏では、弦楽カルテットから弦楽オーケストラに至る規模を、
縦横に行き来し、教会音楽のような響きを聞かせるという。
ならばぜひライブで、と思っていたのだった。


確かに音の深さの変化はわかる気がしたが、
この東京オペラシティのコンサートホール、
長方形のホールで、最後尾で聴いたせいか、
聞こえ方が、音が回り込んでくるのではなく、どことなく押し狭められたような。
なので最後のせっかくのクライマックスが、いまひとつ。
1階席のまんなかで聴くべきだったか・・・


演奏は、大友直人指揮の群馬交響楽団。
ロビーでは、タキシードを着た”ぐんまちゃん”が、
”仕事帰りに立ち寄り”が目立つお客様をお出迎えしていた。


曲目は、他に、プロコフィエフ『ピアノ協奏曲第2番』、
ウォルトン『交響曲第1番』。

プロコフィエフは、100年ちょっと前の曲ながら、
まぁ、怪獣映画のBGMによいのではと・・・
じつに聴きにくい曲だった。

ピアノは凄まじいテクニックを要するらしい。そして激烈。
若きプロコフィエフが、リストばりに見た目も重視して作曲したのかも。

若い中国人のハオチェン・チャン(世界的に売り出し中らしい)というひとが、
文字通り、躍動的に弾いていた。
座っていながら全身を跳ね上げ鍵盤と格闘しているかのようで、
ロックピアニストかというパフォーマンスだった。

アンコールで弾いたのはブラームスの小品。
うってかわって繊細で優美で、勢いだけの若手ではないのだとも。

ウォルトンは、ピアノ協奏曲よりは聞きやすかったですね。
ちょっとつかみ所のない気もしましたが・・・
22 Oct 2016

熊本の地震の記憶も(5年と半年前の東日本大震災のも)
まだ消えないうちに、鳥取で震度6弱(21日)。
大山や烏ヶ山はどうなっていることだろう。

16年前にも鳥取県西部地震としてM7.3の地震があった。
奇しくも同じ10月。あのときはあちこちで山が崩れ、
登山コースが閉鎖されたとの記憶が。

しかし山はともかく。

これから寒くなる季節に、
家が壊れたかたたちは、たいへんだろうと。
こういうときのための行政支援だろうかと。
23 Oct 2016

三浦半島の乳頭山へ。
いまは三浦アルプスの季節なのか、わりと人に出会う。
二子山とか賑やかだったかも。

大半が平坦路なので、トレランとはいかないが、ペースを上げて。
東逗子駅から登って梅林経由で田浦駅に出る。全行程徒歩で2時間。
一ヶ月半というもの山道を歩いてないので、まずはリハビリ。

周囲に見る木々のうちには色づき始めも。
山頂近くでは小さなトリカブトの花をみつけた。
懸命に歩いていたので、見たことあるがなんだっけこれ、と。

次はもう少し長い時間を歩きたい。
30 Oct 2016

朝から重苦しい空の日曜日。
昼から、先週に引き続き三浦方面へ。


逗子駅で降りて、鎌倉アルプス方面に歩き出す。
逗子ハイランドを抜け、明王院脇から山道に入り、
瑞泉寺裏から天園ハイキングコースに合流。

午後も遅い時間帯、寒くなってきたせいか、
観光客の姿は少なく、山姿の、それも若い人たちが目立つ。

天園から横浜市民の森へ。
こちらはさらに人影が少ない。道ばたでは蟋蟀が鳴いている。
3時を回っても、あいかわらず空は一面の雲。

今回は、尾根道の途中で左手、北側に下る。
鳥の囀りが響きだし、ここが横浜か?と思えるような山あいを抜け、
いつか近くに寄ってみたかった瀬上池へ。

澄んだ水、とはいえないものの、ひっそり湛えられた水面を見渡して、
せせらぎの音を聞きながら谷戸を下る。
下った先は根岸線の山向こう。
港南台駅に出るために、あらためて(軽く)一山、越えなければならず。


休憩を除いて全体で約3時間。
先週より長く歩けて、よい運動でもあった散歩でした。
(いまだ体力筋力のリハビリ中)

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