Preface/Monologue2016年 11月


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千頭星から八ヶ岳連峰を望む
ここまでのCover Photo:千頭星から八ヶ岳連峰を望む
3 Nov 2016

ようやく秋晴れの日が目立つようになってきたこの頃。
さすがに朝は寒く、夕方に日が暮れるのも早くなってきていて・・・

雲一つない好天の文化の日、恵比寿の山種美術館へ、
速水御舟展に。



御舟をまとまって見るのは久しぶり。
券面になっている『炎舞』はたびたび目にしているものの、
やはり驚きの一枚。よくこんな絵を着想し、描けたものだと。

今回は『名樹散椿』といいう、二曲一双の金地屏風に、
写実的な椿の大樹が描かれたものに、改めて感銘を。

初めて見たときはさほど感銘を受けなかったものが、
今回は、金地の輝きにしても、椿の写実の力強さにしても、
画家の表現にかける思いみたいなのが多少は伝わってくる気がして、
繰り返し眺めれば、少しは見えてくるものもあるのかなと。

この屏風の前で、せめて半日寝転んでいられれば、
などと思ったものでした。
6 Nov 2016

体力筋力のリハビリを休んで(休んじゃダメだろう・・・)横浜へ。

運河越しに赤レンガ倉庫を望む元倉庫のアート施設に、
瀬戸内の犬島でおおがかりな作品を見た、柳幸典の個展を。



券面にあるのとほぼ同じ、Ant Farm Projectは、
豊島のベネッセハウスミュージアムで見たもの。
蟻が砂で作られた国旗に巣穴を通して穴だらけにしていくという。
蟻の前では大国も小国もみな同じ。
そして蟻の穴から政情不安定になり得ることも。

会場のBankART Studio NYKは、元は倉庫で、
倉庫の柱とか壁とか、落書きがそのまま残る。
それが違和感なく作品を見て回れるのは、作品の力か。

建物は三階建て。
一階のほとんどと、二階三階のすべてを使って、代表作を展示。
この作家は、日本のありように製作動機を見いだすことが多いらしく、
日の丸をモチーフにした作品や、憲法九条を題材にしたものが目立つ。

しかし圧巻は、三階に設えられた犬島プロジェクト展示での、
精錬所美術館に作り込まれた”イカロス・セル”の再現。

燃えさかる太陽を背にして、見た目は直線に見えるものの、
実際には曲がりくねる箱の中の迷路を歩いて行く。
行き着く先は、天窓から採光する鏡。
見下ろせば、背後に太陽が追ってきている・・・

”セル”を出た先には、犬島にはなかった、しかし当初予定では、
犬島に設置しようとしていた(と、会場に展示の設置メモに書いてあった)、
あるものが下がっていた。

日本のみが経験したもの。
(にもかかわらず、その禁止条約に反対したもの。)

となりの部屋に入ると、奥に異形のものが積まれている。
廃材、生活用品、横倒しになった自家用車。
そのなかから見つめるものがある。それはあのゴジラの目。
目は賑やかな赤レンガ倉庫側を向いている。
その目に映るものは・・・


展覧会は夜7時まで。
日が沈んだ後、一階にあるShopで充実した書籍の背表紙を眺め、
軽食コーナー(実際にはBar)で飲み食いした後
(歩き回ったのでビールが美味い!)、
再び展示エリアに行く。

こうして、”イカロス・セル”など3回も体験。
結果的に3時間以上も居続け。
横浜にありながら、ちょっとした隠れ家気分。
日曜の夕方から夜に居たせいか、人も少なめで、落ち着く。


往路は関内駅から徒歩。帰りは運動がてら、横浜駅まで。
30分で着いてしまった。もう少し長いかと・・・
10 Nov 2016

行き場を間違えた憤懣が世界を変えていく。

思いやりの少ない世界に。
共感能力の少ない世界に。

そして世はレプリカントで溢れる。
13 Nov 2016

住んでいる川崎市内にありながら、
今まで一度も足を向けたことのない黒川地区へ、
ようやく出かけていく。

和光大学の学生たちが製作した野外アートに、
良さげなものがあるらしいので。

("サトヤマアートサンポ2016”−黒川里山アートプロジェクト−。
 昨年に引き続き、2回目の開催らしい。
 各地で行われている野外アート展の、ごくごく小さなバージョン。
 でも自宅からの交通含め半日で回れるので、じつに手頃。)

1km強の距離に10点少しの作品が点在しているが、白眉はこれ。





開けた空間を取り囲む竹林に、墨で竹を描いた白衣が浮かぶ。
結界のような細縄も引かれ、鈴が下がる。
見上げればのしかかる竹の群れ。
彼方で止まない犬の吠え声。
ときおり頭上でカラスが鳴く。

タイトルは『妖し』。
20分近く、この場から離れず。


学生は予算がないらしく、作品にはチープさが目立つものも。
『妖し』は、そうは見えないのは、場所の力も与ってのことか。

既視感がある作品も。
そうそう新しいことを創るのは、なかなか難しかろう。
既製品にでも、見るべきなにかを付け足すことができれば、
見るに値するかと。

小田急線の黒川駅から。11月20日まで。


すぐ近くで、『緑と道の美術館』という、
こちらはプロらしきかたたちの野外彫刻展も行われていて、
さすがに素材にも製作にも年季を感じるものがあった。
木のブロックを組み合わせた作品など、
香りまで漂っていて、愉しい。

小田急線はるひ野駅から。12月11日まで。


新しい住宅が、とくに駅近くに多く、
もっと早くに出かけてきていれば、
もっと里の雰囲気が残っていたことだろうかと。
多摩丘陵の姿は、刻々と変わっていく。
17 Nov 2016

昨日、仕事帰りに、日帰り山行用、かつ町使い用として、
小型ザックを購入。カリマーの18Lのを。

近ごろはこのサイズのはまずteadrop型。雨蓋式のはまずない。
同じカリマーだったか、クラシカルなデザインのがあって
(xx周年記念、みたいなものだっったような)、
それは雨蓋式だったものの、背面に付いているポケットが、
雨が降ったら水浸し必至のもので、
味わいあるものの、ちょっと実用上は・・・と、入手見送り。

カリマーの母国のイギリスだって、雨が良く降るのだから、
同じように考えるのではと思うのだけれど、どうなのだろう。
あちらでは、ザックカバーは、あまり使われないようであるし。
19 Nov 2016

二つ玉低気圧が日本列島を横切っていく。
南方から湿った風が吹き込んできて天気が下り坂なのはわかるが、
なぜこんなに寒い?

風邪を引きやすくなる季節の到来。
20 Nov 2016

先週に引き続き、多摩丘陵(小田急沿線)へ。

ほとんど平地と変わらない標高で、カエデが真っ赤に。
高尾山の山頂付近でも12月上旬までが盛りのはず、
今年は急激に寒くなったのだろうか。

この季節にしては日差しの強い日曜日、
日中の街中、Tシャツ姿の人さえ少なからず。
山中でもだいぶ汗ばんでしまって。
23 Nov 2016

先日、「風邪を引きやすくなる季節の到来」とか書いたら、
じっさい本当に風邪を引きやすくなり。
言霊の力、などではない、寒気と陽気が極端なせい。

この木曜日には関東全域で降雪との予報も。
それも通勤時間帯に。なんたる迷惑。

そもそも年内に雪が降るなど久しぶりでは。
紅葉が例年より早い気がしたのはこのためか。
(それは気のせいかも?)
27 Nov 2016

西丹沢、先日の寒波で降雪のあった檜洞丸とかも、
その後の雨で、いまは雪が残っていない状態だそうな。
しかし紅葉も終わったと、西丹沢自然教室のブログにあった。

雪の有無にかかわらず、山は冬。

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