Preface/Monologue2022年 5月


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宝登山の山頂から秩父盆地越に箕山

ここまでのCover Photo:宝登山の山頂から秩父盆地越しに箕山

1 May 2022

昨日着ていった上着にケーブル式のヘッドフォンを入れたまま洗濯してしまった。

干すときに気づいて、しばらく乾かしてから動作確認。使えた。
近ごろ主流のワイヤレスだとどうだっただろう・・・

2 May 2022

1日、イビチャ・オシム氏逝去。

「肉離れ? ライオンに襲われた野うさぎが逃げ出すときに肉離れしますか? 準備が足りないのです。」


R.I.P。

3 May 2022

比企の笠山へ。東武東上線小川町駅からバスに乗って白石車庫へ。

本日は笠山神社の春祭。登りだして1時間で到着した山頂直下の上社は扉が開かれ、猫の絵柄の護符と御朱印が授与されている。護符のほうはA4サイズより少し大きな版面に古色蒼然とした猫の姿が摺られたもので、猫は神の使いだという。カイコを食べる鼠を獲ってくれるからということで信仰の対象になったのだとか。

護符の図柄の猫は御朱印にも押印されている。紙は地元小川町の和紙だそうで、今年は藤色の青海波柄だった。上社では書き置きだが、下社を経て集落に下山した先の氏子総代さん宅では書き入れしてもらえる。これが11時までとのこと。すでに10時過ぎなので、山頂を早々に辞していつもの3割増しくらいの勢いで山を下った。

総代さん宅ではまだ受付されていた。上社のものはカタクリの花の印が添えられていたが、下社ではさらに藤と桜の花の印まであってじつに華やか。筆を執っていたのは女性のかたで、若いながら墨跡は見事なもの。駆け下りてきた甲斐があったというものだった。

ここでは茶菓の接待までされて一息つけた。笠山神社は秋にも祭礼があるのだが、聞こえてくる会話からすると半年ごとに来られて御朱印をもらうかたもいるらしい。登って下ってきたので短い行程だけども本日はここまで。そのまま山を下ってバス通りまで歩き、待つことなく来たのに乗って小川町駅へ出た。

6 May 2022

3年ぶりに連れと戸隠高原へ。

昼前に、戸隠神社の宝光社と火之御子社を巡る。連休中とはいえ平日の金曜なのに観光客多し(自分たちもそうだけど)。さすが国内有数のPowerSpot。宝光社は拝殿が中社に引けを取らない大きさで威厳がある。大きいばかりでなく、戸隠五社の中では最古の建物だそうで風格も格別。

宝光社拝殿内では長野善光寺のご開帳を記念しての「御印文拝戴」を行っていた。護符文様を刻んだ印を頭に押し当てて頂くというもので、戸隠神社でのものは現世利益が得られるという。渡されたB5判ほどの護符を額にかざしながら神職の前に進み、袱紗に入った直径10センチくらいの判を二つ、頭に押し当ててもらう。滅多にない経験で、これだけでも現世利益だと感じたものだった。

新緑の鏡池に回って相変わらず荒々しい西岳と表山を見上げて食事とし、中社に出向く。戸隠に来れば必ず一度は前を通る中社だけど、参拝するのは久しぶり。かなり新鮮な気分で境内を回った。

7 May 2022

戸隠二日目。あまり頑張ることなく、ゆるゆると過ごす。

昨日に続けて鏡池に出向く。いつもは山を見上げるだけて帰ってしまうのだけど、今回は初めて湖畔を一周する。小さい湖なので時間はかからないが、途中で不動尊(磨崖仏)へと続くコースが分岐している。少々登って尾根を乗り越し、平坦地を進んだ先の急峻な沢底に足場の悪い踏み跡を辿る。流れの上、手の届かない高みの岩壁に、高さ1メートルくらいの不動様が向背付きで彫り込まれている。これは存在を知らなかった。誰がいつ、いったいどうやって掘ったのか、これはこれで驚異。

夕方4時くらいから奥社参道を辿る。昨日の宝光社で伺った話では、5月3日からの連休では一時間半待ちの行列だったとか、朝の九時から神社が開くところを八時から待っている人がいるとか、なにやら恐ろしい話ばかりを聞かされた。この土曜日は、朝はわからないが、日の終わりころは混雑とは無縁で、人の姿は常に視野にあるもののストレス無く歩ける。奥社、九頭龍社でもほぼ待つことなく参拝することができた。気合いを籠めて、詣でるつもりで歩くと参道も長くは感じない。帰りも調子よく歩いたが、この日はあまり運動してなかったので体力に余裕があったからかもしれない。

8 May 2022

戸隠三日目、本日は帰宅。

帰る前に、いつものように森林植物園を回る。この日は朝の九時に園入り口近くでクマが目撃されたとか。昨日は奥社の向かいにあるスキー場に向かう道路でイノシシ2頭を(自分たちが)目にしており、あらためてここは山中、野生動物の園なのだなと認識。

池の畔にはミズバショウが咲き、ヤエザクラらしきが湖面にピンクの木影を映す。園内ではオオカメノキがガクアジサイに似た花を付けている。戸隠のそこここでと同様、ここでも春が一斉にやってきていた。

山を下って高速道路に乗る前に松代に向かい、皆神山の車道を車で上がって山上の神社に詣でる。平坦な山頂部の開けた場所に出ると眼下の善光寺平が広く明るい。その彼方には鹿島槍や五竜を初めとする雪の北アルプスが立ち並び、山を眺めるだけでも楽しかった三日間を締めくくってくれていた。

15 May 2022

雲が広がる日曜日。高みはガスの中だろうかと思うと遠出する気が湧かない。


ならば多摩川縁を歩こうかと下流近くの丸子橋から東京側を北上する。多摩川台公園の南の端には多摩川浅間神社なる社があって、高台に登ってみれば正月めいた雅楽がスピーカから流れ、人の姿も多い。公園と併せて散策に来る人が多いのだろうか(自分もだけど)。

境内にある飲料水の販売機にはゴジラの姿がプリントされている。授与品にもゴジラの柄の手ぬぐいが。そうかここは多摩川防衛線が引かれた場所だった・・・『シン・ゴジラ』で。復興が速かったのか、破壊され尽くしたはずの小杉のマンション群が川向こうに賑やかに立ち並んでいる。


細長い多摩川台公園の遊歩道を北西に辿って突き当たりを多摩川側に下ると、都県界を成す川に出る前に小さな流れを渡る。その流れ、丸子川に沿って上流側に歩くことにする。地名は田園調布。大きな家が多い。川の脇には桜の老大木が植わっているところもあり、車の往来も少なく、散歩するには悪くないところ。ひとの家をじろじろ見ないようにはしつつ。


世田谷区に入ると雰囲気は変わる。やはり地名の力は大きいらしい。なおも丸子川に沿って進み、大きな通りにぶつかったところで右へ、川を離れて幅広の緩やかな坂を登る。登り着いた先には等々力不動尊。

境内に入ると若い人が多い。すぐ下に広がる等々力渓谷を散策して登ってきたものらしい。ときおり涼やかな金属音が鳴り響く。鰐口を鳴らす紐と並んで、風鈴にも似たものを鳴らす紐が下がっているのだった。


等々力渓谷は、夕方近くだというのに家族連れや若い二人連れで賑わっていた。都区内にある渓谷としては深いと言える谷間で、遙か前の初訪時に比べれば深山の気分を味わうことができた。

20 May 2022

江戸三十三観音札所巡りを開始。

一番札所浅草寺から歩きやすい順に二番、四番、三番の各札所を回って人形町でこの日は終了。下町とはいえ東京の中心地なので、浅草寺を除けばお寺は現代的な見た目の建物になっており、秩父や鎌倉での雰囲気を期待するとやや当てが外れる。

歩く途中には札所以外でも見所が多い。かっぱ橋道具街通りは店先を眺めるだけで楽しく、その裏手では東本願寺が威容を見せ、蔵前橋で隅田川を渡った先にある横綱町公園の東京都慰霊堂では関東大震災の災禍を伝える迫真の額絵が見られる(この公園が陸軍被服廠跡だとは後に知った)。札所を目指して歩いているものの、足が痛くなってきていても素通りできない場所が多い。

この一番から四番まではヤマケイから出た『東京ハイキング案内』にも歩くルートとして記載されるなど、目に付くものになってきた模様。車のエンジン音もあまり気にならず歩けるのは、いくらでも寄り道ができる気楽さと、目標地点が明確だからなのかも。

29 May 2022

連れと映画『シン・ウルトラマン』を観に行く。

ウルトラマンと怪獣たちには言うことなし。ウルトラQ怪獣が何体か、ウルトラマンが登場するまでに短時間で紹介されるのだけど、往年の怪獣少年はここでもう嬉しくてたまらない。

しかしなぜゴーガはカイゲルに改名?他はそのままなのに。パゴスの頭部がドクロのようになっていて、あの鋭角的なカッコよさが消えているのも不満だけど、これは物語の都合上仕方なし。怪鳥ラルゲウスは堂々たる姿で飛翔していく。その姿はあのラドンに引けをとらない・・・

主役の外星人と戦う怪獣のうち、ガボラはTV版の10倍は強く、そして怖い。『パシフィックリム』に出ても違和感がないのでは。全身ドリルと化したこのウラン怪獣を始め、ウルトラマンと戦う相手のデザインがじつに斬新。とくに最後のは、エヴァの"使徒"そのもの・・・

TV版ウルトラマンのエピソードを換骨奪胎して上手く一つの話にしているのには感心した。まとまらなくなるから、あれやこれやを出せなかっただろう。物語としては、敵側の存在感に比べて、人間のドラマが薄いのが残念・・・。


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