Preface/Monologue2022年 12月


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尼ヶ禿山から上州三峰山を望む。背後に子持山が霞み、右奥に榛名山と小野子三山が重なる

ここまでのCover Photo:尼ヶ禿山から上州三峰山を望む。背後に子持山が霞み、右奥に榛名山と小野子三山が重なる

1 Dec 2022

ワールドカップに浮かれているうちに、気づけば師走。

チュニジアvsフランス、1-0。
勝つしか決勝トーナメントに進めないチュニジア、10人も先発を替えてきたフランスをとにかく攻め立て、どちらも選手交代しないまま迎えた後半に先制に成功。前回大会優勝国、堪らずエンバペを入れ、グリーズマンを入れる。押されていたフランス、とくにグリーズマンが利いて優勢に立つ。

守勢に回るチュニジア、集中力は切らさず耐え延びるものの、後半追加時間、オーストラリアが勝っていることを知って自分らが勝ち抜けないことを覚悟したベンチの雰囲気が伝わったのか、あと1分くらいということろで遂にグリーズマンに同点弾をくらう…と思ったところがオフサイド。涙にくれていたチュニジアサポーターが歓喜に沸くところで試合終了。16強にはなれなかったけど、フランス相手に歴史的な勝利を得てわりと晴れやかなチュニジア。見応えある試合を最後まで。

オーストラリアvsデンマーク、1-0。
終始緊迫したチュニジア・フランス戦を先に見たせいかいやにまったりした内容に映る。弱いと思われていた豪州がチャンスを活かして先制、優勢と見えるデンマークが攻めるものの外したり跳ね返されたりでタイムアップ。ケーヒルとかがいたときに比べれば強くないと思えたオーストラリアだけど、蓋を開ければアジア一番乗りの16強。

ポーランドvsアルゼンチン、0-2。
結果のみ。ポーランド、この試合には(聞くところによればおそらくスコア以上の差の内容で)負けたものの、得失点差でメキシコをかわして一次リーグ突破。一勝一敗一引き分けの結果だけ見ると悪くないのだけど、相変わらず実力がどの程度なのか掴みかねる不思議なチーム。

サウジアラビアvsメキシコ、1-2。
結果のみ。アジアを代表する強豪としてサウジアラビアには決勝トーナメントに行ってほしかったのだけれど。後半追加時間態帯に1点返したのは意地の現れ、その結果メキシコは得失点差でポーランドの後塵を拝し一次リーグ敗退の憂き目に。

2 Dec 2022

ワールドカップ、一次リーグ3回戦。早起き。

日本vsスペイン、2-1。
前半序盤に得点機があったものの、先制されスペインのボール回しを延々と見させられる展開。しかもCB3人が全員イエローカードを貰うという不利な状況に。

ところが後半、両サイドに三笘と堂安を投入して前線への押し上げを強め、堂安の目の覚めるようなミドルシュート、同じく堂安のクロスをゴールラインぎりぎりで受けた三笘の切り返しから田中碧が押し込み逆転。

その後は前半のようにスペインのボール回しとなったものの、優勝経験国は疲労からかスピードと精度を欠くように。富安に遠藤まで投入して守備の安定さを高め、なんとそのまま勝利。これで首位で一次リーグ突破。なるほどドイツ戦は奇跡ではなく、コスタリカ戦が不味かっただけか。そういう特性のあるメンバー構成なのだろう。


前半を見ているあいだはどうなることかと思ったものだけど、最少失点で留めたのは朝のニュースで分析結果が報じられたとおり、ドイツ戦に比べてもペナルティエリアへの侵入が防がれていたため。結果的には「持たせていた」という状況だった。

得点機に関して、さすがの三笘、さすがの堂安だけど、勝ち越し点の意味を越えてここは碧のゴールをとくに喜びたい。ドイツでの所属チームで得点することも求められ苦闘してきたなかでの世界注視の結果。これをさらなる弾みに。

前半、初スタメンの谷口が守田や碧と三角形を作ってパス交換し機を窺う場面など、フロンターレ時代を思わせて懐かしさすらも。


ドイツvsコスタリカ、4-2。
結果のみ。一時は勝ち越されたドイツ、2点差で勝ったものの日本がスペインに勝ったため得失点差でスペインに及ばず一次リーグ敗退。2大会連続の敗退にドイツの凋落は歴然たるものに。

クロアチアvsベルギー、0-0。
結果のみ。ベルギーが攻め立てた模様だけどゴールは割れず。前回大会3位で世界ランクは2位のベルギー、なんと一次リーグで敗退。クロアチアは2位通過で、次の日本の相手に。ベルギーに押されていたという東欧の雄、さて日本戦はどうなるか。

モロッコvsカナダ、2-1。
結果のみ。ベルギーを早々に退場させたのはアフリカの俊敏な国。モロッコがこの組の首位になるとは誰が予想したか…(日本の首位もだけど)。次戦はスペインと。面白い試合になりそうな予感。

3 Dec 2022

今年の4月に行き損なった秩父の釜ノ沢五峰に。

今回は西武秩父駅からのバスを札所三十二番の入り口(とはいっても徒歩一時間はかかる)の松井田バス停で下りて里を登山口まで歩いて行く。順礼道でもある道のりはこれで三度目になるけれど開けて静かな里山の眺めは飽きることがない。

釜ノ沢五峰はちょっとした岩の殿堂。見上げるような岩塔を左手に稜線を目指し、正真正銘の鎖場を下る岩峰は振り返り見れば「これを逆コースで歩くのはちょっと」と思える威圧感。眺望は二峰、三峰からがよく、三峰から武甲山と熊倉山の間には有間山まで遠望できる。

しかし二峰で携帯の電池が切れ、カメラが使えないことに。しかも本日は秩父夜祭りで市街地は人出が多く、早々に帰宅すべきと考え中ノ沢周遊は中止して4月同様に布沢へと下る。


ワールドカップ、一次リーグ3回戦。すべて結果のみ。

韓国vsポルトガル、2-1。
これで韓国も決勝トーナメントに。アジア勢の躍進さらに一つ。Cロナは試合中の振る舞いはあまりよろしくなかった模様。

ガーナvsウルグアイ、0-2。
得失点差でウルグアイは韓国に後れを取る。スアレスは涙にくれたらしいけれど、以前の同カードでガーナのシュートを手で止めたという前歴を相手国は忘れてなかった模様。

セルビアvsスイス、2-3。
スイスは冷静に、セルビアは不必要に熱く試合を進めたらしい。こちらもコソボ問題を巡る過去の試合での遺恨があったらしいけれど、その憂さを前面に出してしまったほうが実力発揮を阻害した模様。

カメルーンvsブラジル、1-0。
カメルーンは一次リーグ敗退したけれど、ブラジルに勝ったことは誇れる事実。後半追加時間にゴールを決めたアブバカル、喜びのあまりシャツを脱いでしまって2枚目の黄紙で退場処分、しかしじつににこやかにピッチを後に。とはいえあと7分近くあったわけだから、残りの10人のなかには少々複雑な気になった選手もいたのではと。

4 Dec 2022

ワールドカップ、決勝トーナメント、ラウンド16。すべて結果のみ。

オランダvsアメリカ、3-1。
ボール保持率とかシュート数とか、枠内シュート数までアメリカのほうが多い。。差を分けたのは個々の能力だろうか。それでも若いアメリカチームには勢いが。次回大会はカナダ・アメリカ・メキシコの3カ国共催だけど、アメリカについては心配なさそう。

アルゼンチンvsオーストラリア、2-1。
”戦術メッシ”から脱却したらしい南米の雄、サウジアラビアに喫した一次リーグでの不手際は過去の話。次戦の準々決勝はオランダと。いよいよ本格的にワールドカップらしくなってくる。

5 Dec 2022

ワールドカップ、決勝トーナメント、ラウンド16。

フランスvsポーランド、3-1。
ベストメンバーのフランスにはポーランドでは歯が立たない。パスの精度一つとっても差が明確。エンバペは2G1Aの大活躍。シュートはまるで放たれた矢のよう。気づいたらゴールが決まっている、という速度。
ポーランド、後半追加時間にPKを獲得し、レヴァンドフスキが蹴るものの、一次リーグのメキシコ戦と同じくまた失敗…と思ったら、フランスGKのロリスが早くに前に出ていたのでやり直し。2回目はきっちり決め、有終の美を。


イングランドvsセネガル、3-0。
今回のイングランドもよくできたチーム。攻撃にしてもケーン頼みではなく、フォデン、サカ、ベリンガム、ラッシュフォードなど、若いメンバーが躍動。さてこれで次戦はフランスと。準々決勝でどちらかは去ることに。せめて準決勝くらいで当たってほしかったかなと。
セネガル、ここに来てついに「マネがいてくれたらな」の声が。でも踊り続けるサポーターの応援スタイルも含めて見ていて楽しいチーム。次大会にも期待。

6 Dec 2022

ワールドカップ、決勝トーナメント、ラウンド16。

日本vsクロアチア、1-1(PK1-3)。日本は16強で敗退。

日本、前半終了間際に前田が先制点。今大会で初めての先取点。やや身体が重そうに見えるクロアチア、ボールを保持していてもPAまで入ってくる回数は少ない。クロスもほとんど合わない。これは行けるのでは…と思っていたら、後半にペリシッチに見事なゴールを決められる。
それでも後半30分あたりまでは、まだ行けるのでは…と思っていたが、なぜかクロアチアの動きがよくなっていく。疲れて足が止まったところを速攻で攻め落とすイメージだったのだけど、そうはいってくれない。攻め込むものの最後の詰めが決まらない。これはクロアチアも同様。そのまま延長戦へ。しかし状況変わらず。

PK戦。日本、連続して二人失敗。一人成功してまた失敗。あまりに安易に敗色濃厚になって嘆く暇もない。クロアチアは一人失敗しながら四人目が成功。8強となったのは、一次リーグで一勝二分け、しかも勝った相手はカナダだけのクロアチアだった。

4人中3人もPK失敗、それもみなGKに止められるなど、日本はPK戦の練習をしてきたのだろうか?GKに易々とコースを読まれ、タイミングも同じ。駆け引きというものがまるで感じられず、ただ蹴っていただけのように見えた。残念ながら8強になるための準備が不足してたのではと思える。
試合内容としてはスコアからしてもクロアチアと五分五分と言ってよいとしても、チームとして勝負について見習うべきことがだいぶあるように見受けられた。PK戦になったらなったでもう少し見応えのあるものを期待していただけに、どうにもこの結果は。


ブラジルvs韓国、4-1。
前半だけで4-0。韓国はなんとか一矢報いたものの、その直後にブラジルはGKを交代。余裕というかなんというか…。これで16強に3カ国いたアジア勢は全滅。

ブラジルの2点目はネイマールのPK。PKを蹴るときの気構えが分かる、GKとのかけひきが詰まったもの。日本では何に忖度しているのか「PKは運だ」「運だからしたかない」の大合唱だが、2010年南アフリカW杯でのパラグアイ戦敗退(PK5-3)から何一つ学んでいないように思える(結果だけ見ると悪化している)。PK戦を踏まえて延長戦内でPKストップが得意なGKに交代することさえあることを知らないわけでもないだろうに。
PKは対策すべき課題であり、次に向けて何がマズかったのか分析することが必要なはず。失敗した選手に責を負わすのでも「運だから」でごまかすのでもなく、この先”日本代表”チームとしてどうしていくのかの話。

7 Dec 2022

ワールドカップ、決勝トーナメント、ラウンド16。

モロッコvsスペイン、0-0(PK3-0)。ラウンド16初の番狂わせ。

スペインは、一次リーグから数えると、続けて勝利から見放されて今大会を去ることに。しかも相手が日本とモロッコという、FIFAランクで随分と格下(スペイン7位、日本とモロッコは24位と22位)。無敵艦隊の称号は返上必須。

ボール回しは圧倒的にスペインなのだけど、詰めが…。前半などシュート1本という驚きの結果。かわってモロッコ、ボール保持率は少なく、カウンターも不発に終わるものの、守備は堅い。会場に響き渡るサンダークラップがベルギーを破ったチームをここでも後押しする。

延長でも守り倒したモロッコ、意気高くPK戦へ。対するスペインはPK戦が不得意。過去の大会で4回のPK戦で勝ったのは1回だけなそうな。球回しに自信があって遅くとも延長戦までには勝てると思っているからこその準備不足なのでは。心技に長けた守備ができるチームであれば、120分で勝てなくとも、カップ戦であればPK戦で上回れる。それを実行したのがモロッコだった。欧州と南米が独占するはずだった8強に風穴を開けたのは痛快な結果。

モロッコのGKのボノ(U2のvocalではない)、じつに駆け引きに巧み。次回大会でに日本チームが出場したときには全GKは参考にするべきでは。スペインの選手を3人連続で止めるという、クロアチアのGKを上回る成績。スペイン、一人も成功させることができずにPK戦を終え、帰路につく羽目に。スペイン代表も、次回大会にはPK戦の準備を入念にしてくるべきかと。


ポルトガルvsスイス、6-1。
Cロナを先発から外してこの結果。ポルトガルは代役の21歳ラモスがハットトリック。39歳のぺぺがW杯史上最年長ゴール。絶対的エースがいないほうがよく動けるのでは。後半途中から投入のCロナに得点はなかったものの、堅い(はずの)スイスにこの点差。
スイス、一次リーグでブラジルからの失点を1点に抑えた堅守はどこへやら。後半に守りを固めて入ったはずが早々に3点目を取られて意気消沈した印象。

10 Dec 2022

ワールドカップ、準々決勝。

クロアチアvsブラジル、1-1(PK4-2)。優勝候補筆頭、敗退。

前半は互角だった。後半から徐々にブラジルが優勢となり、クロアチアのチャンス創出回数が目に見えて減っていく。しかし90分で決着はつかずに延長戦へ。延長前半の追加時間帯、ついにブラジルがネイマールの得点で勝ち越す。ほぼ防戦一方になっていたクロアチアはこれで終わりかと思われた。

ところが…延長後半、どこからそんな力が湧いてくるのか、クロアチアが同点に追いつく。そしてクロアチアは日本戦に続いてのPK戦。先攻のクロアチアはみな成功する。120分戦ったモドリッチまでキッカーに出てきて成功させる。後攻のブラジルは一番手を止められ、四番手がポストに当てて失敗。ブラジル、天国から地獄へ。

クロアチアは何よりモドリッチが運動量と途切れぬ集中力とで神出鬼没の動きを延々と続ける。集中力という意味ではこの東欧の選手はみな高水準。屈指はGKのリヴァコビッチ、迷いなき速度で至近距離からのシュートにも対処する。その直後は澄んだ眼差しと穏やかと言ってもよい表情。元からなのか訓練したのか、メンタルトレーニングの結果は一級品。あの冷静さの秘訣を聞かせて貰いたいものだと。

しかしクロアチア強い。トーナメント戦の勝ち方を知っているチーム。


オランダvsアルゼンチン、2-2(PK3-4)。

イエローカード、オランダに6枚、アルゼンチンに8枚。コーチにも出たのを含めば合計18枚。退場者も1名(それも勝敗決定後)。試合をまるで制御できない主審のもと、試合ならざる試合に。

延長戦は双方冷静になったかに見えたものの、PK戦でアルゼンチン勝利決定時にはアルゼンチン選手複数名がオランダの選手たちを嘲笑。試合中にオランダが何をして何を言ったにせよ、賞賛に値しない勝者。アルゼンチンもアルゼンチンでファウルを取られて激高した選手がオランダベンチにボールを蹴り込んでいたりしているので。この2チーム間には相当な遺恨が残ったはず。

11 Dec 2022

ワールドカップ、準々決勝。

モロッコvsポルトガル、1-0。アフリカ勢、史上初の4強。

ここまでくると番狂わせとは言えないモロッコの強さ。試合を通じて統率された守備陣形は見ていて清々しいほど。きっとこの8月に解任されたハリルホジッチ前監督の遺産なのだろう。相変わらずGKは安定して、好青年ルックス(30台だけど)も見ていて楽しい。彼の名の綴りはBONOだけど、”ブヌ”と呼ぶようになった模様。
ポルトガル、あのスイスから6点取った攻撃力は見事なまでに抑えられてしまって。後半早々のCロナ投入も実らず。でもどこぞの国のようなラフプレーに走らず、最後まで堅実なサッカーをしていたのは好印象。

なお、Cロナを先発起用しなかったから負けたといって監督が叩かれているようだけど、先発起用しても負けたらそのときはなぜスイス戦と同じくベンチスタートとしなかったんだと叩かれるだろう。先発が誰かと言うより、引いて守ったモロッコをどう崩せばよかったかを考えたほうが将来に活きるのではと思う。


イングランドvsフランス、1-2。ここでイングランドが去るのは残念。

シュート数も枠内シュート数もボール支配率もコーナーキックの数もファウルの少なさも、すべて上回っていたイングランド、決定力という点でフランスを下回る。フランスにはさらにクロスの精度があった。

試合解説によれば、イングランドは4年前から心理学者をチームに加えているらしい。さんざんPK合戦に負けてきたからだろう。その成果あってか、ハリー・ケーンが蹴った最初の同点弾となる一回目のPKは成功した。しかし二度目の同点弾となるはずだったものは枠上に吹かしてしまった。この失敗をもって、対策は無駄、と言うのは早計と思う。少なくとも一回は成功したのだから。日本代表も選手任せにせず導入したほうがよいのでは。(まだしてないのであれば。しているのなら、どこかに改善の余地ありかと)

12 Dec 2022

青春18きっぷを使って榛名山の一峰、水沢山を日帰り。積雪は皆無。霜柱が立っていたくらい。木々はすっかり葉が落ちて青空が広い。

この山へは3度目。水澤観音からの登路は2度目。寺の背後にある舗装路を上がって山道に掛かると、それから頂稜までひたすら階段道。現行登路の脇のそこここにかつての登山道が抉れた道筋として残っている。頂稜に乗る直前で山道補修をされていたかたに教えていただいたところ、これは先人たちが崩れやすく滑りやすいコースを修繕されてきた結果とのこと。段差は大きくなく負担はそれほどではないし下りも安全と思うものの、ひたすら腿を上げるので訓練山行的な山登りに。

もうひとつ驚いたのは平日なのに頻繁に人が下りてくること。この山は想像以上に人気の山らしい(自分もその一端)。ばらばらに下りてくるので単独行者が多そうに見えるものの、途中で後続者を待ち合わせているひとも見かけたので団体登山だったのかもしれない。あの狭い山頂に大勢が詰めかけていると想像したらやや憂鬱になったものの、昼ごろに登り着いたらソロの人たち数名だったので一安心。到着のピークは過ぎていた模様。

展望は掛け値なしの良さ。赤城山の裾野が広い。沼田市街の河岸段丘もはっきり見える。冬枯れした子持山、小野子三山の存在感も大きいが、その背後に白く輝く谷川連峰がまるで異世界のように際立つ。彼方には同じく白い日光白根が皇海山の肩から頭を出し、少し雪がついただけの武尊山の左右に至仏山と燧ヶ岳が・・・と、見える山々についてアカデミー賞の受賞コメントのように名前を並べ立てなければならないような眺め。例によってザックも下ろさず山の確認に時間を過ごす。

下りは往路を戻らず二ツ岳の東麓を巡って伊香保温泉へ。さすが大観光地、こちらも人出多し。土日だったらごった返すくらいだったのではと。行きの高崎駅発バスと同様、帰りの渋川駅行きバスも閑散としていたので、車で来た人たちがほとんどだった模様。

14 Dec 2022

ワールドカップ、準決勝。

アルゼンチンvsクロアチア、3-0。

武闘派アルゼンチンとの肉弾戦を避けるためか、パスを回してボールを保持するクロアチア。しかしなかなかシュートまで持ち込めない。アルゼンチンにボールを奪われてカウンターに対応するうち、PK戦連戦の影響がさすがに出てきたか、戻りが遅れだし、前半に2失点、後半にも失点して力尽く。

これで前回大会と同じ決勝カード(フランスとクロアチア)は成立しなくなった。成立してたら少なくとも煽り文句だけは面白くなっていたのではと。

15 Dec 2022

ワールドカップ、準決勝。

フランスvsモロッコ、2-0。

モロッコ、試合開始早々に失点してしまい、ゲームプランが大幅に狂う。堅守速攻からボール保持に基本戦術を変え、ゴールに迫る場面もつくるものの残念ながら無得点。3位決定戦に回ってクロアチアと。もしPK戦までいったならば、リヴァコビッチ対ブヌというもの凄い対決が見られることに。

フランス、前大会に続けて決勝進出。ベンゼマもカンテもポグパも参加できなかった上にこの試合では体調不良でラビオが出場不可。それでも勢いあるモロッコに勝ててしまうところは層が厚いということの証左。
得点者にしてもエンバペでもジルーでもなく左SBのテオ・フェルナンデスであったりデンベレに代わって出場の最初のワンタッチで決めたコロ・ムアニだったりと。とくにコロ・ムアニ、大会直前に追加招集されたという選手がこの活躍。デシャン監督の慧眼恐るべし。

さて決勝はアルゼンチンvsフランス。アルゼンチンは前々大会の決勝で敗退しており、今度こその機運は強いはず。メッシを活かし活かされるチームとなった今、フランスといえど相手にするに容易ではないかと。

16 Dec 2022

筑波山の北に連なる山並みのうち、きのこ山~足尾山~加波山とつなげて歩く。今年2月末に積雪で加波山だけとした山行の再試行。ただしコースは逆順。

麓を歩いているうちは感じなかった風が登るにつれて強まってくる。稜線に風力発電があることを納得。名前の由来がわからないきのこ山は山頂からの展望はないものの、直下の林道脇にあるパラグライダー発着所からの眺望は素晴らしい。とはいえ好展望はここに限らず、足尾山までの林道歩きの途中でも眺めが開ける場所がいくつかあり、西には日光連山や遠く富士山、東には霞ヶ浦まで望める。

最も展望がよいのは足尾神社奥社が鎮座する足尾山山頂。筑波連山を取り巻く平野部が広々と見渡せる彼方に山々や湖が見える。風はあるものの快晴の空の下、山襞を白くする男体山や女峰山にどうしても目が行く。

加波山は二度目とはいえ山頂部に立ち並ぶ神社や霊神碑、そしてこれらを招いたであろう数々の大岩には畏怖の念を抱かせられる。雪がなくても少々緊張する急坂を下って加波山神社拝殿前に出て、新宮道を下りかけて途中の林道を南へ、先日下らなかった本宮道を辿る。加波山神社の里宮に詣でて、長岡のバス停に着いたところで日が暮れた。

18 Dec 2022

ワールドカップ、三位決定戦、クロアチアvsモロッコ、2-1。

勢いのあるモロッコが勝つかも、と思っていたが、さすがに中二日での試合、それに精力的に守備をする連戦の疲れは如何ともしがたかったらしく、CB二人が揃って途中交代するという展開に。これで元気のある選手を交代で前線に送り込めず。
しかしクロアチアの先制直後に同点に追いつき、試合終了まであと僅かという時間帯であわや再同点弾という攻撃もするなど終始意気高く。

クロアチア、準決勝のアルゼンチン戦を見てもだいぶ疲れがたまっているのではと危惧したものの、先発を5人も替えてきて動きは軽い。モドリッチとペリシッチが先発で、しかも最後までピッチにいたことが驚き。精力的に攻守に走り回る30代のこの二人、いったいどう体調管理をしているのだろう。プロとして当然なのだろうけど驚異と敬意。

3位の表彰式では、クロアチアの選手の子供たちがピッチに招かれ、選手たちは子供たちと一緒に記念写真を。撮影後、ペリシッチは台から下りて娘にメダルをかけてそのまま子供たちと踊っていた。
式の後ではモドリッチは5歳の娘を回転ブランコのように振り回して遊んであげたらしい。その光景を動画で見たかったな。会場の8割を占めたというモロッコサポーターもきっと和んだことと思う。

19 Dec 2022

白山書房の『山の本』、次回発行の123号を最後に休刊すると告知あり。コロナ流行の時期から売り上げ部数が減少してしまい、発行継続が困難になったとのこと。

どうしてそういう因果関係になるのかわからないが、減少の事実は変えられない。『新ハイキング』が会報形式になり、『岳人』が先鋭色を薄め、『山の本』まで無くなってしまう。個々の記録は日々アップロードされているものの、非実体媒体の編集者不在と視覚要素強調に伴い、山行に伴う思索的な結果が希薄化していっているような。

これからはどこでそういう文章を読めばよいのだろう。ネット上で『アルプ』が生まれるとは考えにくいので…。


ワールドカップ、決勝、アルゼンチンvsフランス、3-3(PK4-2)。

前半のうちに2-0とアルゼンチン優勢。フランスまるで攻めの形ができず、ほぼアルゼンチンのワンサイドゲームの様相。いつ見てもフランス陣内でゲームが進んでいる。しかも前半41分でFWのジルーとデンベレの2枚替えを。デシャン監督、血迷ったか。少なくともハーフタイムまで待てば。
後半になっても変わらない試合展開。もう寝ようかなと思いつつ”ながら見”していると、後半開始16分に今度はT・エルナンデスと、なんと攻守の要のグリーズマンまで交代に。いや監督、ヤケクソになってないか。

ところがここからスイッチが入ったフランス、わずか2分でPKを含むエンバペの2得点で同点に。俄然面白くなる決勝、試合は延長へ。アルゼンチンが再度突き放すもフランスも再び追いつく。こうして決着はPK戦へ。一人として失敗しないアルゼンチンに対し、フランスは2人目が止められ、3人目が枠を外す。前回優勝国の連覇はならず、同じ3度目の優勝のチャンスをモノにしたのは南米の国だった。


サッカーについて国内に目を向ければ、川崎の谷口が海外挑戦のため退団とな。タニもか…。成功を祈る。

20 Dec 2022

坂東三十三番札所巡礼で、二十七番の圓福寺(飯沼観音、銚子市)と二十八番の龍生院(滑河観音、成田市)を巡る。

いずれのお寺の本堂も大きく立派なものだけど、圓福寺は銚子にあるせいか明るい雰囲気。先の戦争で全て焼き尽くされ、新たに再建したからかもしれない。堂内の天井画には秩父、板東、西国に四国の各札所の本尊が描かれ、寝転がって見てもよいとのことだったのでしばらく仰向けになって仏様たちを仰ぎ見ていた。

本堂前には戦火のなかを残った露座の大仏様がある。その背中と膝に機銃掃射の跡が。仏様を撃つなど罰当たりの極み。

龍生院は国道沿いにありながら落ち着いた雰囲気で、藁葺屋根の優美な八脚門である仁王門は室町時代の建立。江戸時代前期の古びた本堂では広い外陣に驚かされ、その天井画や彫刻も見応えあって愉しい。まわりに他の観光物件がないため静かで長いこと佇みたい場所だった。

25 Dec 2022

先日、風呂に入っていて思ったことは、覚えている範囲で、都道府県ごとに初めて登った山はなんだろうかと。山頂を踏んだことを条件とし、車やロープウェイやケーブルカーの使用を可とすると、近隣都県の山は子供のころにまで遡れるものの、山名も時期も記憶は曖昧で、特定に迷う。

たとえば神奈川県内の牧場めいた場所に小学校か中学校で遠出をした記憶があるのだけど、あれは大野山だろうか。それ以前か以後に箱根に林間学校で訪れたことがあるけれど、ピークに登った覚えはない。とすれば神奈川県内で最初の山は大野山かもしれない。山頂にこだわらなければ、きっと箱根だろうけど、少々広すぎる・・・。

そんなことをあれこれ考えていると、しぜんと長風呂に。

29 Dec 2022

筑波山の北東、愛宕山~難台山~吾国山と並ぶ山列を縦走。

常磐線岩間駅から歩き出し、日本三大火防神社のひとつ愛宕神社の鎮座する愛宕山へ。見下ろす平野部が広大。彼方に高鈴山も望める。参道の石段ではどこぞの高校の陸上部か何かが階段ダッシュを繰り返しており、神域に喚声が響き渡る。

難台山に続く鞍部には広い駐車場があり、車がたくさん駐まっている。ここから難台山を往復する人が多いらしい。観光宿泊施設の脇を過ぎて車道が乗り越える峠を過ぎると幅の広い山道となり、わりとよく人に行き交う。空身の人もいる。

何度か見晴らしのよいコブを越えたり寄り道したりして難台山本峰への登りへ。天狗の奥庭という場所からは切り立った崖の上から盆地を隔てて二週間前に歩いた加波山が真正面。しかし相変わらずこのあたりの山は稜線で風が強い。まだ積雪はないが、もしあれば穏やかな気持ちでは眺めてはいられない。

難台山山頂はたまたま誰もいないタイミングで到着。広いもののやはり風が強く、加波山が眺められる場所は寒くて長居ができない。眺望はないものの風も弱い場所で午休憩。

難台山から吾国山に縦走する人は元々少ないのか、そもそも時間帯として遅いのか、2時前に山頂を出発して出会った人は逆向きに歩く3人だけだった。そんなに下るのかと思えるほど下って、ほぼ同じ高さを登り返す。振り返ると難台山が放射状に支尾根を繰り出し、500メートル台の低山とは思えない重厚さでどっかりと座している。

吾国山山頂は足尾山のような神社境内。展望すこぶるよし。境内入り口からは広々とした田畑の彼方に先日歩いた高峯から仏頂山への山並みが横たわり、その左奥に雨巻山が丸い頂を覗かせ、午後も遅い斜光線が山の彫りを深くしている。難台山は木々が邪魔してまるで見えないのが残念。

おそらく本年の山はこれで登り納め。名残惜しい眺めだけどここも風が強く長居すると冷える。暗くならないうちに人里に出られるよう下山。日没後の空に残照が残る中、水戸線の福原駅に着いた。

31 Dec 2022

「行く年来る年」、旧年中からアナウンサーが画面に出てくるように。
静かに各地の人々の姿を伝えていた時代は遠い過去。

寺社は落ち着いた時期に自ら訪れるのがやはり吉。


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