Preface/Monologue2025年 8月


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霧ヶ峰の草原を行く

ここまでのCover Photo:霧ヶ峰の草原を行く

3 Aug 2025

先日、朝の名古屋駅の名鉄バスセンターで郡上八幡行のバスを待っていると、大きめのザックを背負った山姿の人たちがやってきていた。7時くらいだったかになるとみなバス乗り場に移動する。

どこに行くのだろうと買い物ついでに見に行ってみると、行先は薬師岳。受付のひとに尋ねると一泊二日ツアーだという。名古屋からバス一本で登山口往復か、楽そうだな、こういうのもよいかと、帰宅してから首都圏でのツアーを探してみると、当然ながらこちらにもある。

ただし費用はそれなりにする。とくに宿泊山行のは。有名な山小屋は予約しようとしても満室であることが多いようなので、ツアーに参加して確保というのは良案にも思えるけど、これで押さえられているせいで空きがなくなっているのかも。そうだとしても山小屋経営上やむなしか。とくにコロナ後は大変そうなので。

4 Aug 2025

『欲望という名の電車』のナショナルシアターライブ映画を観る。

現実と折り合えなくなった没落上流層の人間が破滅する物語。主人公は自分に都合の良い話をでっちあげて自分で信じ込む。事実など見たくない、魔法を見ていたいというようなことを言う。そんな姿勢では現実世界で生きていけない。そして自分が破滅したことにすら気づかない結果に。現実逃避のきっかけに同情の余地はあっても、逃避の仕方が上手くなかった。助けの求め方が下手だった。人間、常に自立できるとは限らない。

はるか昔から戯曲の名は知っていたものの、文庫化されていても手に取らずじまいだったのを、本来の舞台での上演(の映画)を目にすることでようやく中身を知る。作は半世紀以上前だけど演出が舞台空間から現代的で、まさに今の話として入り込める。内容は、つい最近つくられたのではと思えるほど。忘れがたい話。


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