Preface/Monologue2020年 8月


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大菩薩・在りし日の千石茶屋
ここまでのCover Photo:大菩薩・在りし日の千石茶屋
1 Aug 2020

ようやく梅雨明け。見上げる空の青さと雲の高さに爽快さを。
これから十日間は天候が安定しているはずだけど、それも今年に関しては…


本日は映画をハシゴ。以下マニア向け。

『カラー・アウト・オブ・スペース』。

H.P.ラブクラフト『異次元の色彩』の映画化。(軽く感じる英語直読みでなく、古くからの邦題で出せばよかったのに。なお「宇宙からの色」という最近の邦題はセンスを感じず認めがたい。新訳必ずしも改善ならず。)

原作は作者が「雰囲気の研究」と仲間内に説明したとおり、これ以上なく引き込まれる筆致。まだHPLがHPLと知らない子供の頃、早川書房のSF全集の短編集に収録された本作を夜更けの布団のなかで読み始め、その迫力に文字通り頁措く能わず、日付が変わっても読み続けた記憶、いまだ鮮明。

そんな思い出の作なので、出来映えを危惧したものの、ホラー映画としてなかなかよい。単純に人間が勝利を収める、という話になっていないところ、未知との遭遇が狂気へと雪崩れ込むところ、それぞれリアルで好ましい。

ひとつ難を言えば、禁断の書”ネクロノミコン”がペーパーバックかなにかで簡単に入手できているという設定はどうかな。ダンウィッチとか、おなじみの地名が出てくるのは嬉しいのだけど。


『T-34』。

ディレクターズカット。3時間超。W.W.Ⅱで活躍したソ連軍戦車T-34の戦車兵の物語なのだけど、どこかで誰かが書いていたとおり、これはT-34という戦車そのものが主要舞台。

どこかで誰かが、この映画は最近の洋画で見るべきベスト10に入るもの、としていたので、ではせっかくだから大画面で、と観に行ったわけなのだけど、本物のT-34が、(本物に見える!)ドイツの5号戦車パンターが暴れ回るのを見られようとは。水平射撃する対空砲88mmまでちらっと映る。タミヤのプラモデルにうつつを抜かしていた中学生の頃にこれを見たら愉悦のあまり悶絶していたことだろう。

本物の時代物の戦車が動くだけではなく、戦闘を知的に、敵を魅力的に描いていて決してプロパガンダ風ではない(ここでの敵とはドイツ軍の戦車長のこと。ナチスは決定的に悪)。敵方戦車長は主人公と同等の力量を持ち、、時代精神である優生思想に傾いているものの、根には騎士道精神の片鱗を持ち合わせている。じつはちょっとお人よしのところまである。相手にとっていろいろ不足なし。

だから3時間飽きさせない。途中でトイレに立ってしまったけれど・・・。



夜はJリーグ。川崎、アウェイでG大阪に0-1で勝利。

勝ったものの、ガンバは手強い。複数得点記録が途絶えたのがその証拠。前半の2/3は川崎がするべき試合運びをガンバにされていた印象。

しかし川崎、よく見ていると、自陣に貼り付けられていても無理にプレッシャーに行かない。日頃、自分たちがさせようとしていること(走らせて疲れさせる)をさせられてはいけないとわかっている構え(単に暑さで足が止まっていただけなのかもしれないが・・・)。徐々にペースを取り戻し、勝ち越している終盤にはガンバにロングボールを放り込ませるように。

名GK東口が一歩も動けなかったリョータのシュートは素晴らしかった。もちろんガンバの得点機もあった。いや宇佐美は怖い、遠藤は上手いとあらためて。
4 Aug 2020

山に関しては無計画な日々。
今週末も映画だな・・・(あとサッカー)
7 Aug 2020

先日の『千と千尋の神隠し』に続いて、往年のジブリ映画を映画館で。

『もののけ姫』。

これもまた実は初見。主人公は少年少女だけど、『神隠し』同様、少年少女でないのが見ても面白い。
「自然破壊を進める人間」対「抗う森の神々」、という単純な話ではない。
おのおのの側にも対立があり、善が悪の要素の上に成り立っている部分もある・・・。

矛盾を抱えるのは生きていれば当然のこと、まずは生きろ、シシ神様はそう伝えているらしい。
映画中盤にしてすでに、シシ神様を探して人跡薄い山中に分け入りたくなってくる・・・。

映画の出だし、深い深い森に覆われた山々の風景が映し出されて、再び「山不足」の身を宥めてくれる。
山犬に育てられた人間の少女サン、その育ての親である母犬の声が、深みと迫力があっていい感じだな、と思っていたら、美輪明宏だった。
8 Aug 2020

梅雨が明けたら明けたで猛暑日の関東。
冷房の効いた部屋に籠城する。
暑いからだけではなく。


J1、川崎-大分戦、2-0。

試合開始早々に得点し、前半のうちに2点差となったので、後半はもっと点が入るかなと思ったけれど、そうは運ばなかった。少し物足りない。

家長も山根もベンチにさえ入っていなかった。今日はお休みだったらしい。
ダミアン、相変わらず前線でチェイスしてくれるなぁ。ありがたや。
10 Aug 2020

とにかく暑い山の日。往復誰もいないルートでどこかに避暑に行きたい。


連休最終日も映画館へ。『ブリット=マリーの幸せなひとりだち』。

自らの存在証明。それは承認欲求を満たすことではない。「わたしはここにいた」という印をつけること。

だから、最近見た洋画の例に漏れず、これも原題のほうがよかったかと。『ブリット=マリーはここにいた』。


今日は山の日なので、山関連の番組が多々あったみたいだけど、釈由美子とU字工事の二人がそれぞれ富士山周辺の山に単独で(とはいっても撮影スタッフは同行するが)、日帰り登山する、という番組が楽しかった。

釈由美子は三ツ峠山、U字工事の二人のうち、登山初心者の福田薫は石割山、高校時代に山岳部だった益子卓郎は十二ヶ岳。あまりオンエアされない山々が選ばれていてそれだけでも楽しいし、かつて百名山関連の番組に出たこともある釈由美子は違和感ないものの、U字工事の二人は山番組では新鮮。山岳部経験者の益子卓郎が衒いなく山を登っていくのが好感を持てた。

ほかの二人の山も、自分にとっては未踏の山だったりルートだったりで、状況が落ち着き、涼しくなったら行ってみたいと思えるもので。(しかし石割山の四百三段の階段はきっと苦行になりそうな気が。)
12 Aug 2020

今朝だったか昨日だったか、東京の等々力渓谷を訪れる人が増えていることを伝える番組があった。遠出ができない人たちが「行ってみよう」と初めて出かけてくることが多いらしい。

近場の公園に繰り出すのもそうだろうけど、もっと地元に目を向けて、ついでに周辺のお店で買い物して・・・という、地産地消的な観光があってよいのではと。きっとこんなところにこんなお店が、なんてのがある気がします。


サッカー、ルヴァンカップ。川崎は名古屋と2-2で引き分けたものの、得失点差でグループステージ通過。川崎の得点は2点とも三笘くんのもの。絶好調。

さてこれであと3つ勝てばカップ戦連覇だ・・・って、連覇は措いても、優勝へはどのチームもあと3つなのは同じ。今後の組み合わせはともかく、昨年と違ってやたら調子のいい名古屋も残ってるし、どうも苦手なセレッソもいるし、覚醒したオルンガのいる柏もいるし・・・そして何より、昨年に優勝を争った札幌もいるし。

ううう気が抜けない。(山はどうした)
15 Aug 2020

体力を奪う暑さ。
歳食ったものにはきつい。


J1、札幌-川崎、1-6。

前半35分の先制点あたりまで、川崎側は上手くかみ合ってなかった印象。いつになくパスがろくに繋がらず、プレスも効かず。攻撃では旗手との絡みでダミアンが二度ばかり見事なシュートを。(前半では決められず)

札幌、我が方を抑えるにはマンマーク気味にして自由にさせない、と考えたのかもしれない。それは確かに奏功していた。問題なのは、それがとくにこの夏場、90分はもたないということ・・・

先制点は脇坂のFKから車屋。得点するのはなんと4季ぶりだとか。ノボリの代わりに攻守で奮闘。後半に入った三笘(ホントに絶好調)とコバユウが2点ずつ。交代選手の得点が今節復活。悠は先発しない方が点が取れるのでは。

その小林の本日一点目。ゴールパフォーマンスがどこかで見たことがあるなと思ってたら、ジュニーニョのだった。川崎での”師匠”の得点数を超えた記念。かつての「川崎の太陽」も地球の裏側で祝福していることかと。


クリーンシートで終わりたかった当方に一矢報いたのはジエイ。鈴木がベルギーに去っても前線の脅威減じず。
18 Aug 2020

久しぶりに職場からタクシー帰宅。作業終了が日付変更後のため。


深夜1時過ぎ、走り出してすぐ、周囲の異変に気づく。
「最近はいつもこんなに静かなんですか?」

正月休みかと思えるほど、車が全然走っていない。
流通業界の車も少ないが、なにより一般車とタクシーが少ない。
繁華街ではないが、都心なのに。

個人タクシーの運転手さん曰く、夜にオフィスからのお客をビルの出口で待っていて、4時間待って乗せられなかったことがありますよ、とのこと。
「そのとき列の先頭にいたんですが」


確実に経済は停滞している。
この4~6月期のGDP下落は戦後最悪だったそうな。

萎縮して消費行動に踏み出せない人々に「お安くなりますよ」と下手なキャンペーンで背中を押そうったって、とくに重症化率の高い高年層以上は動かない。資金を持っているのはこの人たちなのに。

金で釣るのではなく安心感を提供して自発性を発揮させるべき。いつまでも続くわけではないバラまき政策で”やってる”感を出してないで、「早期発見早期治療」を保証する体制に予算を振り向けたらどうかと思うのですが。
19 Aug 2020

どこぞの首相、近ごろの報道は”同情引き”モードに。「たいへんなんだよ察してくれよ」?

具合が悪いのなら後進に道を譲ればいいのでは。本当にこの国のことを考えるのであれば。大したことがないのであれば国会を開いていろいろ説明すべき。コロナ対策とか一億五千万円とか。


川崎がC大阪に5-2で勝利。予想外のスコア。堅守のセレッソから5点も取れるとは。

3-2にされて追い上げられたときは怖いとは思ったものの、4点目を取って再び2点差に。ゴールしたのは三笘。相手DFの股抜きシュート。もうとんでもないヤツだ。

二度ばかり決定機をフイにして同僚の得点アシストに回った形のノボリ、悔しいかもだけど、ノボリがいなければ勝てませんでしたよ(ほかの皆もだけど)。
21 Aug 2020

遠出を控える都民が多いため、奥多摩は観光地として盛況だそうな。訪問客数は昨年の同時期の3割増しとか。

日原鍾乳洞とかへは涼を求めて出向く車が多く、なのであの細い車道が大渋滞に。現在では日原の7Km前で台数制限を行い、駐車場が満車の場合は帰ってもらっているという。そうしないと緊急車両や生活に必要な車両が現地に行かれないので当然かと。


最新号の『岳人』に、甲斐駒ヶ岳から鳳凰三山まで縦走した記事が出ていた。途中の早川尾根小屋は、驚いたことに数年前から無人になってしまっているという。掲載されている写真に写る横倒しになったプロパンガスボンベが事実を物語っている。

かつて縦走したときにこの小屋の前でテント泊したことがあり、エビスビールを買って飲み、テントの中から小屋主のオカリナだったかの演奏を聴いた。いつまた行けるかはわからないけれど、営業しなくなったのはたいへん残念。せめて建物は、黒戸尾根の五合目小屋のようになくなってしまわず、避難小屋の扱いで残ってくれればと(緊急時に安心)。
23 Aug 2020

気づけば8月も下旬。台風到来の声が聞こえてくるように。


J1、名古屋-川崎、1-0。

とうとう連勝がストップ。まぁいつかは止まるとは思ったけど、引き分けでなくて無得点の負けで止まるとは。前節から想定外が続く。

今節の川崎はミスが多かった印象。終盤には苦し紛れのパスも散見。名古屋の気迫に負けたというところか。とたえ負けに終わったとしても点はいれてほしかったのが正直なところ。

次節、双方のチームがどういいう結果となるかで今後が決まる気が。わが川崎は疲労感もひとしおかもしれないけれど、まずは休養に努めてほしい。
26 Aug 2020

本屋に立ち寄り、山のガイドを手にするものの、写真は見ても文章は読む気も起こらない今日この頃。(山の雑誌は読むけれど)


J1、神戸-川崎、2-2。連敗だけは免れた。

先制点の大島のシュートは「針の穴を通す」という見事なもの。同点に追いついた旗手のリーグ初ゴールは、三笘からのパスを胸で落としての美しいボレーシュート。勝ててればなぁ。(神戸の2得点もそれぞれ美しく、だから余計に失点が悔しいこと)

選手交代で後半持ち直したものの、前半は、だいぶ押されまくっていた。見るからに身体が重そうで、いつもの前線からの守備が効かないうえにパスも遅くてよく取られる。暑い関西地方で滑りやすいピッチにみな消耗したのでは。最初からメンバーを全取っ替えしていつものメンバーを休ませた方がよかった気が。

まぁここが踏ん張りどころ。しかしノボリは元気。勇気が出ます。
28 Aug 2020

「政権私物化は否定」とかのニュースが流れている。「政権私物化を肯定」する政治家などどこに?文字通り提灯担ぎのメディア。


メディアに限らず。 反対討論に逆ギレ、ひとが質問している最中にヤジを飛ばす、逆に街頭演説でヤジを飛ばされると「こんな人たち」呼ばわり。こういうかたを「やさしい」かただと述べられた知事がいらっしゃるそうな。

年金原資までつぎ込んで株価だけは上げて好景気を見せかけながら、実体経済は成長せず。拡大した格差、そして安保法制と共謀罪と特定秘密保護法とかがレガシーかと(マイナスの)。

桜、モリカケ、一億五千万円とかはついに説明せず。立つ鳥跡を濁しまくり。とりあえずは、じつに空疎な「しっかり」、「真摯に」、「丁寧に」、「説明責任」とかの言葉を聞かなくて済むか。
29 Aug 2020

北アルプスの剣岳から湘南の高麗山まで、遭難事故の報が聞こえてくる。ご注意されたし・・・


J1、川崎ー清水、5-0。強い川崎再来。

小林も三笘も碧もベンチから。谷口さえも先発でない。家長、脇坂、山根、ジェジエウはベンチにすらいない。マテウスや山村、下田らが先発と、疲労を考慮したスターティングメンバー。

しかし少々出場機会が少ないだけで、違和感はない。そして前節、前々節と異なりみな身体が軽そうで、出だしから安心して見られる展開。先発二回目のマテウスが躍動、車屋と山村のCBが安定と、これだけ選手を替えても川崎らしさを出せる。なかでも齋藤学の攻守にわたる頑張りがとくに印象的。シュート7本。点が取れればよかったのだけど。

旗手が2試合連続得点かつ複数得点、三笘も得点と若手が気を吐いたものの、本日の主役は言うまでもなくケンゴ。出てきただけでピッチの空気をがらりと変える。しかも10ヶ月ぶりのゲームで点まで取ってしまう。千両役者。
30 Aug 2020

街路を歩く背中で卵焼きができるんじゃないかと思える日曜日。
(美味くなさそうだけど)


映画、『オフィシャル・シークレット』を観に。

イラク戦争開戦前夜、米国の国連安保理加盟国に対する違法工作をマスコミにリークした英国諜報機関部員の物語。

「私は政府ではなく、国民に仕えている」。

じつは「やって後悔」なのだけれど、「やらなくて後悔」よりはよいと本人も納得していく。よい意味で”普通の人”の話。よい映画。

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