周波数特性グラフの説明
シミュレーション結果の大部分は、周波数特性グラフで示してあります。
この周波数特性グラフの見方について簡単に説明します。

グラフの横軸が音の周波数、縦軸が電圧出力です。
大雑把に言えば、どの周波数の音の成分が大きく出るか、を表しています。
この周波数の音の成分の割合で音色が変わります。

グラフック イコライザー のつまみ を想像すると理解しやすいと思います。
下図の例では 4kHz-5KHz 辺りにピークがあるので、中高音域が強調される特性を持っています。

周波数特性グラフの例 GB_Ex_wGE

なお、グラフック イコライザー のつまみと実音の成分が異なるように、 周波数特性グラフと実際の音とは必ずしも一致しません。 例えば低い音を弾いて測定したグラフには、左側に山があります。

これに対して、周波数特性グラフは低い音から高い音までをまとめた結果になっています。 低い音から高い音までを徐々に弾いていって、すべての測定グラフを重ね合わせると 周波数特性グラフになるイメージです。

そして周波数特性グラフから、そのエレキギターの電気回路が持っている音色の特徴を 知ることができます。

グラフの横軸と縦軸
横軸: 音の周波数
対数軸という目盛の取り方をしています。
10, 100, 1000, .... のように目盛付けしてあります。
ギターの電気回路の特性を表すときには対数軸を使うと、 高音域で電圧出力が減少することを直線的に表現でき、見やすくなります。
人間が感じることができる音(可聴音)の周波数帯域はおよそ 20 Hz 〜 20 kHz で、 回路シミュレーションも 10 Hz 〜 20 kHz で行っています。

縦軸: 電圧出力
デシベル(dB)という目盛の取り方をしています。
人間に聞こえる最小の音を "1" とすると最大の音は "1,000,000" となり、 数字として非常に扱いにくいため、デシベル(dB)を使うことが一般的です。
正確には「音の大きさ」ではなく、「音圧レベル」と言われるようです。
(より正確に人間が感じる音の大きさを表す、等ラウドネス曲線や ソーン(sone)の話は、ここでは省略します)

電圧出力(比) と デシベル(dB)
電圧出力(比) と デシベル(dB) との関係を下表で見てみましょう。
電圧出力(比) が1,10,100 と10倍になると、デシベルが 0, 20, 40 という具合に 20ずつ増えます。
つまり音量を2倍に感じるには、10倍の電圧比増加が必要になります。

電圧出力(比) デシベル(dB) 備考
100 40 電圧出力(比) = 出力電圧 / 入力電圧
デシベル(dB) = 20 * log10 (出力電圧 / 入力電圧)
10 20
8 18
4 12
2 6
1.41 3
1 0
1/1.41 -3
1/2 -6
1/4 -12
1/8 -18
1/10 -20
1/100 -40